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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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カオス レギオン04 天路哀憧篇 (富士見ファンタジア文庫)
「ノヴィア、そんなに吠えると、ジークに嫌われるぞ。蔵の番犬みたいだぞ」
「い、犬……。泥棒猫みたいな人が、何を言うのっ!」
 あの頃の私たちは喧嘩ばかりだった。今ならその理由がわかる。キリが私にないものをたくさん持っていたからだ。自由で、強くて、誰とでも仲良くなれて。それでも、私にとって初めての同い年の仲間だったし、本当はキリと一緒に行ってみたかった。
 ジーク様が言っていた「全てが終わり、全てが始まる場所」——そう、海へ……。
 大幅加筆で生まれ変わった、大人気ファンタジー長編!!(カバー折り返しより)

ガールミーツガールの04。一方でのレオニスの狂気が恐ろしいです。
レオニスは何らかの形で弾圧されるんだ、と思って読んでいて……こう書くのが冲方さんなんだろうなあ……すごいなあ……。
ノヴィアとキリのやり取りは微笑ましかった。女の子同士の喧嘩調ってあんまり見ない気がするので。それを「放っておけ」と言うジークは、言葉だけでは冷たいように見えるけれど、実際気付かないところでにっとしてそう。
そしてやっぱりジークとドラクロワの絆が泣けて仕方がない。
だからかなあ。エピローグに少しだけ描かれた、ノヴィア、アリスハートとレオニス、トールとキリの遠くで、ジーク、ドラクロワ、シーラの三人が語らっていて……というシーンで、何故だか分からないけれど涙腺が崩壊した。ぼろっぼろに泣いた。絶対……な時間だからかなあ。多分全編を通して一番好きなところだと思う。
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カオス レギオン03 夢幻彷徨篇
 赤き騎士は、ふと目覚めた。
 だが、頭の中に白い靄でもかかっているようで、何も思い出せない。手には鞘のない剣。辺りは静まり返り、花の甘い香りが微かに漂っている。
(斬らなければならない——)
 ふいに強い決意が胸をつく。誰を? なぜ? その時、男は壁に刻まれた名前を見つけた。
「……ノヴィア」
 騎士——ジーク・ヴァールハイトは一人立ち尽くすのだった。
 霧深い古城。レオニスの刺客によって、ジークとその従士のヴィアは離れ離れに。しかも、お互いに記憶を失って……忘却の果てに二人が辿り着くのは!?
 追憶が遠い過去を呼び醒ます——。
 書き下ろし大巨編第三弾!!(カバー折り返しより)

この巻もものすごい濃かった! 敵を打ち砕く時の爽快感がたまらなくよかった巻でした。もちろんそうだということは、物凄い困難があるわけで。
魔術とかではなくて、絶対的にも思える香りの力で記憶をなくす。でもそれをどうやって打ち砕くんだろう、とどきどきしながら読み進めました。
カオスレギオンは、ジークが秘めた深い悲しみと思慮があるのに、とても力強く大地を歩み勧めている気がしていいなあと思う。
ティアに対してのジークの宣言が、震えが走るほどの強さに満ちていて、うるっとしてしまった。
カオス レギオン02 魔天行進篇
 どこまでも荒れ果てた大地が広がっていた。大地は人々が踏み締める足音でいつまでも揺れていた。
 二万人の民衆たちが荒野を進んでいた。
 永遠に消え去った故郷を胸に。
 遥かなる新天地へ向かって。
 彼らを守るため、赤き黒印騎士(シュワルツ・リッター)ジークは孤軍奮闘の戦いを続ける。それはかつての友ドラクロワと共に抱いた理想を証明するため。だが、行く手には忌まわしき過去の残像が立ちはだかる。その果てに待つものとは!?
 失われた故郷を夢見て、全ての終わりが始まる——。
 書き下ろし軍勢ファンタジー巨編!!(カバー折り返しより)

二万人の群集と共に歩き続けるのがこの巻。
難民とも言える人々が、各地で受ける扱いと、襲撃から身を守りながら進む。襲撃を指示しているのは、あの少年なのだけれど。
どっしりと歩んで行く印象で、とても面白い巻だった。これ下手すると単調でつまらない気がするのだけれど、やっぱり冲方さんだなあ……!
そういう、長く険しい道程を辿り着いた先にある未来は、セグレブの民の受け入れによって明るい光が射したんじゃないかな。セグレブの民の代表の言葉がなんだか染みる。
なんだか不穏な気配、刺客が三人集結したところで幕。
カオス レギオン01 聖双去来篇
 少女は思わず、言葉を発していた。
「あなたが、歩いている姿が、見えます(・・・・)」
 一度も会った事のない相手だった。だが、奇妙なことに懐かしさを感じていたまるで過去の自分と再会したような。
 すると、車椅子に乗った少年は返す。
「見える(・・・)んだな」
 彼は生まれつき、足が不自由だった。それでも、何度も立ち上がろうとしていた。世界を自分の手にするために。
 領主継承に揺れる聖地シャイオン。その地で、黒印騎士(シュワルツ・リッター)ジークと旅を続ける聖女——ノヴィアは一人の少年と出会う。それは遠く失われたはずの絆と、新たなる戦いを呼び醒ますのだった……。
 書き下ろし長編に連作短編を収録した、衝撃の新章突入!!(カバー折り返しより)

記録から洩れていたので日付変えて突っ込む。
短編が一本と長編が一本。
短編は、ノヴィアが称号をもらうための試験の話。目上の人に対するジークの態度がなんだかかわいい。きっちりした好青年なんだなあ。
対決の話は胸の中にぶわあっと波が押し寄せたみたいに感動した。ノヴィアの覚悟の矢と、その決意。ジークならもしかしたら。そうでなくとも。と考えるのは、ノヴィアがジークを信頼している証なんだな。
長編では、まさか新しく、それも少年が登場するなんて思わなかったのでびっくりした。なんとなく、ジークとノヴィアの道行きには、出会いと別れがあって、こうして深く交流を深めるとは思わなかったから。
レオニスの並々ならない力が濃く描かれていて、愚かに見えることはあんまりなかった。何か大きな流れを作り出す予感があったからかもしれない。ロムルスの「これが命だ」にはぞくぞくした。かっこよかった。
トールとアリスハートの交流は、お約束っぽいけれどなんだか凄惨な印象の話を少しだけ慰めてくれて、和んだ。
カオス レギオン0 招魔六陣篇 (富士見ファンタジア文庫)
 少女は待ち焦がれていた。閉ざされた視界の向こう側に祈りの歌を捧げながら。
 戦乱が続く混沌(カオス)の大地で、盲目の聖女ノヴィアは、ただ一心に願い続ける。
 亡き母が全てを託した男——自分の目を開かせてくれるかもしれない、最後の希望が訪れることを。
 だがそんな少女の前に現れたのは、シャベルを担ぐ一人の墓掘り人だった!
「貴方様のお名前を……お聞かせ下さい」
「黒印騎士団(シュワルツ・リッター)ジーク・ヴァールハイト」
 無垢な魂と孤独な騎士が出会う時、二人の運命は激しく動き始める!
 書き下ろしを含む初の短編集!!(カラー折り返しより)

この0が、発行順に関係なくした場合、本編第一巻に当たる。短編集と書かれるとややこしくて。
盲目の少女ノヴィアがずれてるんですがたいそうかわいいです。ジークもぶっきらぼうで無口だけれど優しい雰囲気があって。ジークの戦闘シーンでの格好よさが異常すぎて滾りました。それに対して、ジークの力に驚く敵、あるいはそれに答える誰かの『レギオン』という言葉が痺れる。
純粋に楽しかったです。熱かった。
不連続の世界
公園に現れる『木守り男』。それが出ると、東京は火の海になるという。目撃してしまった多聞の周囲で人死にが出たのだが、果たして『木守り男』は実在するのか?(「木守り男」)
多聞の周囲でおこる様々な事件の短編集。

多聞さんって『月の裏側』に出てた人だっけと思いつつ。もしそうだとしたら、この本ではなんだかとても若いイメージになってるな。
「悪魔を憐れむ歌」の歌のイメージは、ゲーム「ドラッグオンドラグーン」の「尽きる」のイメージだった。この歌、通常再生でも逆再生したような歌で、聞く度に音の響き方が違う気がするのです。逆再生してもかなり怖いのだ。と思っていたら歌の種が明けてしまった。
みんなが思うことを喋っている恩田陸作品が好きなので、「木守り男」と「夜明けのガスパール」が特に好きでした。「夜明けのガスパール」は、大抵みんな揺るぎない(という印象を私は持っている)恩田陸の登場人物にして、この短編集の主人公たる多聞が弱いところを見せるから、最後がじわっとした。
ファンタジーのDNA
ウェブマガジンに連載したものの収録を主として、他の掲載文、エッセイを収録した、ファンタジーと荻原さんの関わりについてのエッセイ集、かな。
トールキンとルイスの話や、他の児童文学、例えば有名どころでダイアナ・ウィン・ジョーンズや、「ハリー・ポッター」などの有名どころの話も絡めて、荻原さんとファンタジーの関わりが書かれていて、非常に興味深く読んだ。
神話を取り扱った場合の恐ろしさというものを読んで、どきどきした。書くことで現れてくるものの恐ろしさに、ぞくりとした。すごい。確かにそう感じることがある。
「空色勾玉」出版までの話を読んで、確かにあれほどの長編は滅多に見なかった覚えがある。
私は中学生になって少しまでずっと児童文学を読んでいたので、思っていたことがある。それは「ハリー・ポッター」ブームによって、海外ファンタジーが多く出版されるようになったなあということ。それまで、日本の児童文学とくにファンタジーは、異世界ものというのがほとんどなく、現代ものか、本当に幼年童話の魔法ものしかないように感じられていて、すごく不満だった。そのファンタジーというのも、非常に薄暗かったり、いうなれば田舎の日本家屋のような印象があるものが多くて、今ならそれはそれで楽しく読めるのだけれど、子どもの私はやっぱり明るい話が読みたかったのだ。ディズニーが大好きだったので、まったく現実とはかけ離れた世界がとても好きだったから、どうしてファンタジーがないんだろうとずっと思っていた。
それが「ハリー・ポッター」が出版された頃に、図書館の本棚にはみるみるうちに児童文学が並ぶようになった。それらは一発で分かる。装丁が豪華なのだ。いい紙を使っているし、フォントもオシャレ、本も新品だからきらきらしている。
嬉しい、と感じるには、私はもう日本の大人の小説を読むようになっていたから、あまり手は出してこなかったけれど。逆に、一般文芸は、私には翻訳物がなかなか合わないのだった。どうも翻訳の文章に違和感を感じる。それなりに色々読んできたから今はあまり気にしないけれど。今は、古典名作を読みたいなあと思っている。
そして花嫁は恋を知る―白銀の都へ旅立つ姫 (コバルト文庫)
かつて栄華を極めたブラーナ帝国は、いまや攻め滅ぼされる危機に直面していた。世継ぎの皇女アグライアは、援軍を頼むために北のフレンドル公国へ赴く。現在の最高権力者、前大公の嫡男ユーリは、ある条件つきで了承した。その条件とは、彼とアグライアが結婚すること——。ユーリの狙いはブラーナ帝国の併合か? 危ぶむアグライアに、彼はこう告げた。この婚約はいずれ解消する、と……。(カバー折り返しより)

あとがきに前作から五百年後とあるように、五百年後のブラーナ帝国皇女アグライアが主人公。前作から時を経て、衰退する一方で発展した国も。前作のエイレーネとグラケィアの行動がちょっとだけ語られるというのは嬉しかった。
陰謀具合と恋愛成分がいい感じだなあと二巻を読んで思った。今回は前作よりもうちょっと恋愛が大きいかも。これラストが好きだー! こういう終わり方がとても好き。ちょっと物寂しいというか切ない感じなのに希望があって幸福な終わり方。冷静そうに見えるユーリが意外に直情型でにやにやしました。あなた、その告白はもうちょっとなんかこう!(じたばた) ロマンチックじゃないけど、でもとてもロマンチックでした。きゅんとした。
そして花嫁は恋を知る―黄金の都の癒し姫 (コバルト文庫)
突然の結婚を言い渡された、ブラーナ帝国の皇女エイレーネ。相手は隣国ファスティマの若き王アルファディルだという。十五歳にもなれば覚悟はしていた政略結婚だが、まさか言葉も宗教も違う国だなんて……! けれど、少なくとも、皇后にいじめられる毎日からは解放されると思ったエイレーネは海を渡る。せつなく胸をしめつけるような恋と、思いがけない運命が待っているとも知らずに——。(カバー折り返しより)

政略結婚もの! という噂は聞き及んでいたのですが、最近めっきり新規開拓をしていなかったので手を伸ばしづらかったんですが、折りに手に入れたので読んでみました。
政略結婚というと、少女小説だと恋愛要素が深く関わってくると思うんですが、この本はあんまりそういう甘いのではないのだなあという印象。むしろ、政略そのものであったり、人の思惑であったり、他人との意志の戦いという部分が大きい気がしました。それがなんだか心地よくて、一気に読みました。
姉妹と母親の関係については大体想像していたんですが、改めて考えてみると執念……だよなあと。書き込むと更にえぐくなりそうなので、私も考えるのを止めました。陰謀盛りだくさんで楽しかったです。
別冊 図書館戦争〈2〉
昔の話や、気になっていたあの人たちの行方などが語られる、図書館戦争シリーズ完結編。

ごちそうさまでした! 別冊1を読んでから一年経ってようやく読みましたが、楽しかった。
柴崎の行方は気になっていたんですが、彼女の彼女なりの苦しみや葛藤が、何故かとても好きで、大切にしてあげたいとか考えてました。すごーく羨ましそうに郁を見ていたのが、本編四部作でじわっと滲んでいたからかもしれない。柴崎は本当にかわいいと思う。
そんな彼女が幸せになるのは、やっぱり一筋縄ではいかんのだなあ……と。最後の話ひたすら怖かった。多分そんなことだろうと思っていたけれど、男も女も怖いです。
さりげなく、郁の母親が堂上に対して打ち解けた描写があって安心しました。みんな幸せに! と願うことの出来る完結編で、読み終わった後、楽しかったと思いました。
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Author:月子
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