読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
「私は魔女なの」謎の言葉を残したまま一人の女生徒が寮の「開かずの間」で焼死した。その夜から次々と起こる級友たちの惨殺事件に名門女学園は恐怖と狂乱に包まれる。創立者の血をひく転校生冴子は心の奥底から湧き起こってくる“囁き”に自分が殺人鬼ではないかと恐怖におののく。「囁き」シリーズ登場!!(裏表紙より)
いい全寮制学園もので、毒で、少女で、ミステリでした。繰り返し強調される血の色と謎の暗示がとてもよかった! 厳しすぎる校則や、学園の生徒たち、転校生、少女たちはこうでなくては、と思わせる、陰鬱で耽美なお話だったと思います。
主人公冴子には秘密があるんだろうと最初から分かっているのですが、冴子の恐怖心を追体験するような気がしていました。最後の真相に辿り着き、冴子が前を向き始めるところは、謎が解き明かされた爽快感もあって、清々しい風が吹いているような印象でした。
これ、ものすごく好きです。毒のある少女たちや、ともすれば狂気的なところも。恐ろしい儀式などもあって。冴子がミステリアスな美少女なのに自分で気付いていないというところが、なんだかもだもだしました。シリーズらしいので他も読んでみたいです。
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——剛くん、結婚して。
サダコのような黒ずくめの女・サキに、突然結婚を迫られた剛。面白がるバブーのせいで彼女とデートする羽目になる剛だが、そのサキに何故かバブーがプロポーズ!? ——「花嫁グレイ篇」とバブーの成人試験の合否をかけた、剛vsバブーの日本全国鬼ごっこを描いた「王様ゲーム篇」+書き下ろしを収録。
最強のトラブルメーカーお坊ちゃま、バーソロミュー(通称バブー)と、現役男子高校生にして時給五千円の雇われ乳母、剛が繰り広げる荒唐無稽コメディ第二弾、さらにパワーアップして登場!!(裏表紙より)
2巻も面白かった。バブーがさりげなく紳士なのもギャップでかっこよかったし、剛が更に男前乳母になってるのも楽しかった。変な人ばっかり出てくるけれど、違和感もなくて楽しくて面白いなあ。日本事情なる外国と日本の価値観などの違いについて学んでいる身にとっては、桜前線についてとか和式トイレについてなどのバブーの反応が面白かった。
「王様ゲーム篇」を読んでいて、妹は「一人です」にばふぉっと噴いたら、側にいた家族にどしたんと聞かれた。
時給五千円につられ、外国人家庭の乳母のバイトに応募した剛。だが、肝心の坊ちゃま——バーソロミュー・ウェリントン、通称バブーは一つ年上の18歳。知能も運動能力も高いが、“悪魔の尻尾付き”と称される、超トラブルメーカーだった!!歴代乳母が手を焼いた坊ちゃまを腕力でねじふせるため、若くて腕っ節の強い剛が選ばれたのだ。その日から、平穏で堅実だった剛の毎日は激変し……!?
荒唐無稽な設定を、問答無用の説得力で描き切る!!
読み出したら止まらない☆ 嬉野君、衝撃のデビュー作!!(裏表紙より)
面白かった! すごく楽しかった。わくわくした。きゃっきゃした。天才で天災を呼ぶ坊ちゃまと腕っ節の強い男子高校生のお話。色々ものすごい設定で、とても面白かった! 『コックローチの霊が取り憑いている』でもうのめり込んでいたような。
小さな家庭に新しい家族が増えたような、あったかい雰囲気も素敵でした。ご近所での宴会でも温かい気持ちになる。剛自身にも変化があったようで、いいお話だなあとも思いました。
スミスと末太郎の病院でのシーンは、ジジ好きにはたまらない。
春の訪れを喜ぶ祭りとともにアリシアの誕生日が盛大に祝われる中、ジスカルドの使者からもたらされた報せにより、カシュヴァーンたち一行はラグラドールへ向かうことに。バルロイやレネの歓迎を受けて暴君夫が様々な探りを入れる裏で、初めて目にする海に大興奮のアリシア。しかし、突然の襲撃によりルアークが負傷、<翼の祈り>の本拠地へとさらわれてしまう……!! そこで、ついに“聖女アーシェル”と対面するが——!? たったひとりの、特別な王子様の元へ帰りたい! 夫婦の愛に、「波乱」含みの第8弾!!(裏表紙より)
カシュヴァーン乙女化に噴く。この夫婦、ばかっぷるすぎる!(ごろごろ) 合間に挟まるせくしーなエピソードに、一体いつになったら夫婦になるんですかとカーシュを問いつめたい。困らせたい。一巻から思うと、カシュヴァーンはすっかり丸くなりました。アリシアのおかげだというのがまたときめきポイントです。でも登場人物がめちゃくちゃ増えて大変そうだなあ……。
海へ落下→泳ぐ→助けられる→寒い暖めなくては……! のコンボににやにや。その後のエピローグのやりとりもにやにや。
一方で情勢はとても不安定で、一体どういう決着がつくのか分からなくてどきどきします。まだまだ謎は多いので、続きも楽しみ。
成南電気工科大学にはキケンと呼ばれる部が存在する。正式名称は機械制御研究部。機研=危険として恐れられるそこには、数々の伝説があった。一回生の元山は、同期の池谷とともにそこに入部することになる。
面白かった! 他の有川作品みたいに責められる感じがなかったけれど、部活ものとしてすごく楽しく読んだ。いつも普通の人々を書いていると思うんですが、今回は若干名、かなりの変人がいてところどころぶっ飛んだ言動が凄かった。内容も男子校の部活ってこうなのかなあという、身も蓋もないところがあったし。
遊ぶなら全力で。勝たないまでも負けない。部長上野の言動がかっこいい。中身は置いておくとして。ロボット大会の最後の自爆は笑った。
小劇団「シアターフラッグ」——ファンも多いが、解散の危機が迫っていた……そう、お金がないのだ!! その負債額なんと300万円! 悩んだ主宰の春川巧は兄の司に泣きつく。司は巧にお金を貸す代わりに「2年間で劇団の収益からこの300万を返せ。できない場合は劇団を潰せ」と厳しい条件を出した。
新星プロ声優・羽田千歳が加わり一癖も二癖もある劇団員は十名に。そして鉄血宰相・春川司も迎え入れ、新たな「シアターフラッグ」は旗揚げされるのだが……!?(裏表紙より)
面白かった。有川作品は考えさせられるけれど、スカッともするので気持ちいい。楽しい読書だ。
司にいちゃんかっこよすぎです。惚れる。こういう、一見固そうに見えるのに、柔軟で融通が利いて心配りも出来る人って憧れだ。すごく大人。人間として素敵だ。
一番手に汗握ったのが、用意した道具がない! というところ。どうなるんだろう、でもきっとうまくいくと分かっていながら、すごくどきどき、興奮した。みんなが一致団結して、つながり合って、信頼し合っていて、というのがすごく嬉しい。
まだまだ続きがありそうな個性的な登場人物ばかりで、一冊で終わるのが惜しいなあと思っていて、だから続編が執筆されると聞いてわくわくしています。
附属中学から女子高に上がった亜矢は、中1からの親友である菜穂と寄り道するなどして「すこぶる平和な学校生活」を送っていた。ある日、いつもの散歩道で小学校時代の同級生・安藤くんに出会う。ぐっと背が伸びた安藤くんとの距離が縮まり心ときめく亜矢だったが……。
文庫書き下ろしで贈る、人気作『卵と小麦粉それからマドレーヌ』の3年後を描いた姉妹編。
〈解説・金原瑞人〉(裏表紙より)
主人公が菜穂から亜矢へ。『卵と小麦粉それからマドレーヌ』ではとても大人っぽく落ち着いていた亜矢の視点で綴られます。亜矢の目で見ているからか、それとも16歳になって周囲が、特に菜穂が追い付いたのか、亜矢の落ち着きが年相応に思えました。
『卵と〜』の菜穂は健やかな成長という感じだったのですが、亜矢は一度芽を潰され傷をつけられたところからの成長だったので、ちょっとだけはらはらしました。家族との齟齬やすれ違いもあって、自分の嫌なところを自覚している亜矢に、とても共感する。彼女の感じるものひとつひとつが、彼女でなければ感じられないことなのでは、と思う。
友達四人で外でお弁当を食べるというシーン。
お天気のせいじゃなくて、こんなふうにさりげなく特別なとき、わたしはふいに泣きそうになる。この平和であたたかな時間が永遠に続くことはなくて、それがわかっているから泣きたくなるのだとわたしは知っている。
大人になっていくことへの優しい目が感じられるので、すごく好きなシリーズだと思う。
入社した会社を三ヶ月で辞め、フリーター生活を贈る武誠治は、母・寿美子の鬱病によって生活が一変する。自分のことしか考えていない父親や、母の看病をしながらの就職活動。目標は、家を買うこと。
面白かった! 最初もうどうしようもなく暗くて辛くて、でもいつか救われるはず! と読み進めていたけれど、そういう状況でもすごく面白くて、就職してからはもっと面白くて。面接についてちょっと書かれていたり、働くこと、がすごく大切なことなんだなあと感じました。こういう風に働きたいなあと羨望してしまう。
嬉しかったのが、誠治が面接を蹴ってしまい、のところ。認めてくれる人はいるんだ、と思うと、すごく嬉しくなった。
いつものベタ甘は特になくて、でも多く好意の形が描かれているなあと思います。それでもちょっとだけ見えた恋愛成分は、かわいくてとてもよかった!
もうすぐクリスマス。少年トーマスは父親から突然、引っ越しを告げられた。任務を終え、遠い故郷の星へ帰らなければならない。優しいお隣のおばさんや友達ともお別れだ。ところが、いよいよ出発というときに思わぬ事故に巻きこまれ、父子は離れ離れになってしまった! はたして、トーマスは一人大好きな地球に残ることを選ぶのか? 父子の愛と、二人を取り巻く優しい人々との別れを描くちょっぴりほろ苦いファンタジイ(裏表紙より)
異星人の少年と、父親の物語でした。少年の選択、というのが丁寧に描かれているように感じました。もうちょっと異星人っぽいのかと思ったら、特にエイリアン的な出来事で周囲に影響を及ぼすことはなかったので、少々残念。
でも、ラストがとてもよかった。じわっときてしまった。ステラはきっと分かってるんだろうなあ……。確かではなくとも、そうであるかもしれない、と微笑んでいるようなのが感じ取れて。