忍者ブログ
読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
[48]  [49]  [50]  [51]  [52]  [53]  [54]  [55]  [56]  [57]  [58
隅の風景
様々な雑誌に掲載された旅エッセイをまとめた本。2004年から2011年までの、海外、国内のいろんなところの旅の記録。
これを読む前に『旅ボン イタリア編』を読んでいたんですが、この本にもブックフェアなる文字が出てきて驚く。こちらは台湾、そして韓国のブックフェアの話があります。
恩田さんのエッセイは、ご飯がとっても美味しそうだ。自分が酒飲みじゃないのに美味しくお酒を飲んでおつまみを食べている気分になる。その土地でしか食べられない料理って、本当に美味しいだろうなあ……。
ところどころ、創作の種みたいなものが散らばっていて面白そうだった。橋職人のミステリーは読んでみたい。
PR
明日も彼女は恋をする (メディアワークス文庫)
どんな時も、あなたのために。
『過去の改変』から戻ったわたしに待っていたのは、彼の消失だった。そして、もうひとつ。わたしの歩けなかった足が、元通りになっていた。わたしが歩き回る姿に、島の住人は誰も驚いていない。慣れきっている。そして、この世界の『現在』では、彼は九年前に死んでいた。その蔓延する常識が、わたしを苛み、蝕んでいく。わたしが歩ける毎日。それは彼が死んだ現代。決めた。わたしは必ず取り返す。わたしと彼がいた世界を。必ず。
『昨日は彼女も恋してた』と上下巻構成。(裏表紙より)

何か変だなと思ったらそういうことか! 思わず表紙を見比べたわ! そういうことだったわ! でも読み終わっても「え、えええ?」と思わず確かめずにはいられないほどややこしい話だった。
下巻にあたるこの巻は解答編。タイムトラベルもののちょっといい話で終わるのかなーと思ったら! やばい。でも、すごく納得した。うん、時を超えてまで思い続けるというのは、ある種狂気でもある。若干後味が悪くて面白かった。
昨日は彼女も恋してた (メディアワークス文庫)
どんな時も、君のために。
 小さな離島に住む僕。車いすに乗る少女・マチ。僕とマチは不仲だ。いつからかそうなってしまった。そんな二人が、なぜか時空を超えた。
 はじめは二人はどこにいるのかわからなかった。島の景観なんて、十年やそこらじゃ変化しないから。『過去』に来たと分かったのは、向こうから自分の足で走ってくる、『小さいマチ』を見たからだ。
 僕は驚き、そして思いつく。やり直すことができると。ずっと後悔していたことを、この、過去という『現在』で。
『明日も彼女は恋をする』と上下巻構成。(裏表紙より)

とある離島に住むニアとマチ。二人は決定的に仲が悪い。しかし、ハカセと呼ぶタイムマシン開発者によって九年前の過去に飛ぶことに。二人が仲違いしたあの日が、十日ほど後に迫ったあの日。
伏線がばらばらしているので、下巻を読むのが楽しみなのですが、子どもたちがあほでかわいいな! それが自分だと知るともう「うわあああ」という気分なんでしょうけれど、小さいマチが大きいニアに、小さいニアが大きいマチのそばにいるというのはなんかいいなあ。
とんでもない終わり方をしたので続きー! となっている。
月族
恋をしたことがない19歳の大学生・薬子は、恋をしたことがない、分からない。でも何故か月に不思議と惹かれ焦がれている。ある夜、女性に「アルバイトをしないか」と持ちかけられ、薬子はその女性の息子・飛鳥の話し相手を不定期に務めることになった。彼が語るのは、「月族」と呼ばれる人々と、その始まりの物語だった。

不思議な印象のお話でした。一人称で、常に語りかけられながら話が進むので、そこに語り手がいるみたい。恋をしたことがない女の子が、少年の語る物語の引力のようなものによって様々な男性と出会い、現実と物語が少しだけ重なる、幻想的な話でした。
作中作にあたる内容はすごく壮大なはずなんですが、端的に語られすぎてちょっと残念! そこは大河で読みたかった! ケータイ小説? ネット小説? の、すごくあっさりした文章みたいだなと思ったので、できればもっとがっつり読んでみたかったー!
オススメされた作品でした。ありがとうございました!
花守の竜の叙情詩3 (富士見ファンタジア文庫)
「テオバルト。愛しているから、あなたを忘れる」
 囚われの王女アマポーラと、王位継承に敗れた王子テオバルト。支配した者とされた者として出会った2人は、長い旅の果てに恋に落ちた。だが運命は、二人が互いを守ろうとする気持ちすら弄ぶ。
 アマポーラのため、テオバルトは人外のものに。そんなテオバルトを救うために、アマポーラは彼の記憶を捨てた。それでもなお平穏は遠く、アマポーラは命を狙われ続ける。懸命に守ろうとするテオバルトだが、彼女はその存在すら拒むのだった……。
 たとえ同じ時間を生きられなくても、たとえすべてを忘れてしまっても、君を守る——。宿命の愛と冒険の三部作、ついに完結!!(裏表紙より)

面白かったー!! 面白かった! 私の乙女心がたいへん満足しました! これは少女小説好きにもすすめたいライトノベルだな!
お互いを思い、守りたいがためにすれ違ってしまう。月神と悪魔の戦いが二人に安寧を許さない。そんな中での、この必死に手を伸ばし、触れたいのに触れられないと一歩退いてしまうじりじり感がたまらない。切ないなあ切ないなあ!
アマポーラがいい子すぎると感じるところはあるけれど、この話はこれでいいよ! 姫だけれど芯の強い彼女が好きです。テオバルトとエレンの、歌のシーンは思わず涙が込み上げた。不器用な疑似家族、でも本当に親子である三人の、長い長い旅の終わりが幸せな結末でよかった。
本当に面白かった。ときめきました。
花守の竜の叙情詩2 (富士見ファンタジア文庫)
「これから、俺と君とで旅に出る。捕まれば、命はない」
 その一言から、二人の長い旅が始まった。囚われの王女アマポーラと、王位継承に敗れた第二王子テオバルト。支配した者とされた者。反発していた二人は、やがて恋に落ちた。だが——旅路の果てに待ち受けていたのは、辛く、悲しい別れだった。
 忘れられない。傍にいることはできないけれど、あなたのために生きていく。共に誓う二人だったが、テオバルトには生命の危機が、そして、アマポーラには望まぬ婚姻が舞い込んでくる。
「テオバルト。愛しているから、あなたを……」
 無慈悲な運命にあらがい、立ち向かう。強く切ない愛の物語!(裏表紙より)

面白かったああ! 1巻を読んだときは美しく切ない物語だなあ面白いなあと思ったくらいだったんですが、この巻が震えるくらい面白かった。電波を受信したのだろうか。
敵国の王女と王子は、周囲から必要ないとされ追われる立場になりながらも、恋に落ちた。神と竜と伝説が生きる世界で、二人は離ればなれになりながらも、相手をいつまでも想い続けていた。この設定だけで大変美味しいですありがとうございます。
1巻からさほど時間が流れていない状態で、アマポーラとエレンのその後の日々、そしてテオバルトの日々が綴られていく。月神フォスの敵、悪魔キャンディットの存在が、二人を脅かし始める。そして、過去の罪までもが。
一般人としては何も出来ないながらも、王族として誇り高く、一度困難に折れ、それでも顔をあげるようになったアマポーラの、儚く凛とした美しさ。一生懸命さ。ひたむきさ。その恋の切なさがとても胸を打ちました。三巻読むぞー!
暗闇の囁き (講談社文庫)
黒髪を切られ変死した女性家庭教師。そして従兄とその母親も眼球と爪を奪われて死んだ。謎めいたほどに美しい兄弟のまわりに次々と起こる奇怪な死。遠い記憶の闇のなかから湧き上がってくる“囁き”が呼び醒ますものは何か。『緋色の囁き』に続く異色の長編推理“囁き”シリーズ第二弾、講談社文庫に登場!!(裏表紙より)

面白かった! 卒論の準備のために伯父の別荘を借りた拓也は、近くの別荘に住んでいる二人の兄弟と知り合う。彼らに異常なほど厳しい父親、年齢の割に派手な叔母、その卑しい息子。そして心をなくした母親。複雑な環境にある彼らの遊び相手は「あっちゃん」なる人物だという。そのうち、その周りで奇怪な事件が起こり始める。
推理ものではないこういう小説も好きなのである。黒々として、少年たちの謎めいたところがとてもよかった。最後まで歪つなまま終わるのも好きだ。面白かったなあ。
でも結局、小学生たちの事件はどういうことだったんだろう。
春の窓 安房直子ファンタジスタ (講談社X文庫―ホワイトハート)
 ある寒い冬の日、売れない絵描きの部屋をたずねてきたふしぎな猫の魔法で、壁に描いた「窓」のなかでは、毎日暖かい春の風景がひろがる。そこに絵描きは思いがけないものを見つけ……(「春の窓」)。
 あなたを、知らぬ間に、身近な日常の空間から、はるかな空想の時間へと連れゆく、安房直子のメルヘン。「北風のわすれたハンカチ」「あるジャム屋の話」など、心がほぐれ、やすらぐ、十二作品を収録。(裏表紙より)

「白いおうむの森」を読んだ覚えがあるのですが、もう忘れてしまっている。安房直子さんは、しっとりとしたメルヘンなのに、どうしようもないやるせなさというか、悲しさというか、ちょっと寂しい雰囲気が漂っているところが好きです。というわけで久しぶりに読んでみた。
収録作品は「黄色いスカーフ」「あるジャム屋の話」「北風のわすれたハンカチ」「日暮れの海の物語」「だれにも見えないベランダ」「小さい金の針」「星のおはじき」「海からの電話」「天窓のある家」「海からの贈りもの」「春の窓」「ゆきひらの話」。
一番好きなのは「あるジャム屋の話」かなあ。鹿の娘がジャム屋を手伝いにきた、二人で店を大きくしてきた、男はその日々で十分だと思っていたけれど……。その、十分だったんだよ、人間になんてならなくていいんだよ、というところが切なくて。
「春の窓」も素敵なメルヘンでした。魔法を使える猫! 素敵!
グリフィンとお茶を ~ファンタジーに見る動物たち~
2010年1月から2011年8月まで「本とも」に収録された20編のエッセイと、書き下ろし1編を加えた、動物物語とファンタジーに関するエッセイ。
荻原さんの子ども時代や読書体験、動物に関する思い出を交えて、動物物語について語られています。興味深かった! 何編かはネットで読んだような気がするのですが、全部通して読むともっとずっと面白かった。
書き下ろしである「もの言うけものたち――ファンタジーの水脈」が非常に印象的。荻原さんの生涯のテーマなのかなあ。
何気なく菅野よう子さんの話が出てくるのが好きだ。菅野さんの創作感覚の話がちらっと出ているのですが、ファンとしてははああああ……! と震えてしまうくらいどきどきしてしまった。言葉と音楽。コミュニケーション。感覚が全然違うんだあ……! と。
あさのあつこのマンガ大好き!

エッセイという割に講演会の文章みたいだなーと思いながら読む。

あさのあつこさんの漫画と半生のお話。吉田秋生さんの作品がお好きらしく、その話が多め。学生の間にあさのさん世代の漫画作品論を読みまくったので、話が理解できて面白かったです。もうちょっと創作の話をしてくれてもいいのよ!(ちらっと、とあるキャラの瞳の色の話があって面白かったのだ。でも本当にちらっと)
Profile
Author:月子
読んだものやら見たものやらの記録
Search
Calender
06 2025/07 08
S M T W T F S
9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
Archive
Shopping
Analyzer
Counter
忍者ブログ [PR]