読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
皇女なのに、離宮で暮らすイリアティーヌ。父の後妻である現皇妃が苦手で、宮廷生活から遠ざかっていたのだ。そこへ結婚相手として紹介されたのが、若き将軍シリウスだった。ところが、彼はこの話を断るつもりだという。イリアティーヌの夫になれば、次期皇帝になれるのに。驚いたイリアティーヌだが、実は彼とは九年前に出会っていたことに気がついて……? 帝国の歴史を変える、運命の恋!(裏表紙より)
これは、いつになく面白かった! ヒーローかヒロイン、どちらかのキャラクターが若干薄くて政治的な面がよく描かれる嫁恋シリーズ、と私は思っているのですが、この興す姫は陰謀面がすごく強くて面白かった。ヒロインが姫としての責任感を最初あまり持っていないのが残念で、けれど少しずつ目覚めていくところは素敵だった。皇妃ファウスタがいい悪女。
でも、やっぱり主役は若干地味な気がする……。その分、かなり王宮陰謀劇が面白かったんですけれども。このくらいの文量で毎回読みたいよー!
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うららかな日和のアズベルグ地方で、「春」を謳歌する者が一人……ティルナードとついに婚約することになったメイドのノーラだ。アリシアの怪我も良くなり、全員でレイデン地方へ向かう準備をしていたのだが、そこに王家から「怪奇」を主題にした仮装舞踏会への招待状が送られてくる。様々な仮装に身を包み、王宮へと渋々向かうカシュヴァーンたち一行にゼオルディスが連れてきたのは、スタンバール家の令嬢でティルの婚約者……!? 赦されない贅沢と、あなただけへの「想い」を知る第9弾!!(裏表紙より)
ラブコメに見えて実はどす黒い陰謀劇の物語になっている死神姫シリーズの9巻。アリシアの「おねだり」ににやにやしながらどーっと砂糖を吐くような甘い一面もあれば、ゼオルディスがさらっと非人道的なことを言ったりして、なんだか怖い。怖いと言えば、ゼオルディスの挿絵もこわかった……あれは、おかしい。話がこうなのにおかしい。思わず草が生える勢いだ。
ティルナードの成長が見られて嬉しい限り。ノーラの話はそれだけで少女小説っぽいのに、オチがあれかー!!(ばくしょう)
蒼い空を翔ける三色のライン。
紫の少女——鳳/アゲハ。
蒼の少女——乙/ツバメ。
黄の少女——雛/ヒビナ。
近未来のウィーン、ミリオポリスと呼ばれるその都には、あらゆる言葉が飛び交い、人々はさまざまな神を信じ、そして、くだらない争いに巻き込まれ命を落としていた。日常の間の中で——。
そんな、混沌の中で生きる三人の少女たちがいた。機械化された身体を持ち、最新の官給品として、敵を貫く弾丸。
《炎の妖精》たち。
地下深く静かに流れていた泥流・テロが顕在化した時、三人の弾丸に、命令が下る。敵を貫け! 破砕せよと。
これは、天に唾をしながら、未来をあざけり、日々を生きる妖精と呼ばれた少女たちの物語。(カバー折り返しより)
シュピーゲルシリーズのもう一つの物語。独特な文章なのに読みやすくて面白くてびっくりした! オイレンの方がもうちょっと突っ込んで世界観を書いていたような気がする(曖昧)ので、その前提があるとスプライト1巻はすごく読みやすかった。1話から3話までお約束の流れを踏むのが面白いなあ! すごく分かりやすい。でも短めなせいか、ひとりひとりの話はあんまり突っ込んで書かれていなかった印象でした。とりあえず鳳が最強過ぎる。素敵。
どんな時も、あなたのために。
『過去の改変』から戻ったわたしに待っていたのは、彼の消失だった。そして、もうひとつ。わたしの歩けなかった足が、元通りになっていた。わたしが歩き回る姿に、島の住人は誰も驚いていない。慣れきっている。そして、この世界の『現在』では、彼は九年前に死んでいた。その蔓延する常識が、わたしを苛み、蝕んでいく。わたしが歩ける毎日。それは彼が死んだ現代。決めた。わたしは必ず取り返す。わたしと彼がいた世界を。必ず。
『昨日は彼女も恋してた』と上下巻構成。(裏表紙より)
何か変だなと思ったらそういうことか! 思わず表紙を見比べたわ! そういうことだったわ! でも読み終わっても「え、えええ?」と思わず確かめずにはいられないほどややこしい話だった。
下巻にあたるこの巻は解答編。タイムトラベルもののちょっといい話で終わるのかなーと思ったら! やばい。でも、すごく納得した。うん、時を超えてまで思い続けるというのは、ある種狂気でもある。若干後味が悪くて面白かった。
どんな時も、君のために。
小さな離島に住む僕。車いすに乗る少女・マチ。僕とマチは不仲だ。いつからかそうなってしまった。そんな二人が、なぜか時空を超えた。
はじめは二人はどこにいるのかわからなかった。島の景観なんて、十年やそこらじゃ変化しないから。『過去』に来たと分かったのは、向こうから自分の足で走ってくる、『小さいマチ』を見たからだ。
僕は驚き、そして思いつく。やり直すことができると。ずっと後悔していたことを、この、過去という『現在』で。
『明日も彼女は恋をする』と上下巻構成。(裏表紙より)
とある離島に住むニアとマチ。二人は決定的に仲が悪い。しかし、ハカセと呼ぶタイムマシン開発者によって九年前の過去に飛ぶことに。二人が仲違いしたあの日が、十日ほど後に迫ったあの日。
伏線がばらばらしているので、下巻を読むのが楽しみなのですが、子どもたちがあほでかわいいな! それが自分だと知るともう「うわあああ」という気分なんでしょうけれど、小さいマチが大きいニアに、小さいニアが大きいマチのそばにいるというのはなんかいいなあ。
とんでもない終わり方をしたので続きー! となっている。
恋をしたことがない19歳の大学生・薬子は、恋をしたことがない、分からない。でも何故か月に不思議と惹かれ焦がれている。ある夜、女性に「アルバイトをしないか」と持ちかけられ、薬子はその女性の息子・飛鳥の話し相手を不定期に務めることになった。彼が語るのは、「月族」と呼ばれる人々と、その始まりの物語だった。
不思議な印象のお話でした。一人称で、常に語りかけられながら話が進むので、そこに語り手がいるみたい。恋をしたことがない女の子が、少年の語る物語の引力のようなものによって様々な男性と出会い、現実と物語が少しだけ重なる、幻想的な話でした。
作中作にあたる内容はすごく壮大なはずなんですが、端的に語られすぎてちょっと残念! そこは大河で読みたかった! ケータイ小説? ネット小説? の、すごくあっさりした文章みたいだなと思ったので、できればもっとがっつり読んでみたかったー!
オススメされた作品でした。ありがとうございました!
「テオバルト。愛しているから、あなたを忘れる」
囚われの王女アマポーラと、王位継承に敗れた王子テオバルト。支配した者とされた者として出会った2人は、長い旅の果てに恋に落ちた。だが運命は、二人が互いを守ろうとする気持ちすら弄ぶ。
アマポーラのため、テオバルトは人外のものに。そんなテオバルトを救うために、アマポーラは彼の記憶を捨てた。それでもなお平穏は遠く、アマポーラは命を狙われ続ける。懸命に守ろうとするテオバルトだが、彼女はその存在すら拒むのだった……。
たとえ同じ時間を生きられなくても、たとえすべてを忘れてしまっても、君を守る——。宿命の愛と冒険の三部作、ついに完結!!(裏表紙より)
面白かったー!! 面白かった! 私の乙女心がたいへん満足しました! これは少女小説好きにもすすめたいライトノベルだな!
お互いを思い、守りたいがためにすれ違ってしまう。月神と悪魔の戦いが二人に安寧を許さない。そんな中での、この必死に手を伸ばし、触れたいのに触れられないと一歩退いてしまうじりじり感がたまらない。切ないなあ切ないなあ!
アマポーラがいい子すぎると感じるところはあるけれど、この話はこれでいいよ! 姫だけれど芯の強い彼女が好きです。テオバルトとエレンの、歌のシーンは思わず涙が込み上げた。不器用な疑似家族、でも本当に親子である三人の、長い長い旅の終わりが幸せな結末でよかった。
本当に面白かった。ときめきました。
「これから、俺と君とで旅に出る。捕まれば、命はない」
その一言から、二人の長い旅が始まった。囚われの王女アマポーラと、王位継承に敗れた第二王子テオバルト。支配した者とされた者。反発していた二人は、やがて恋に落ちた。だが——旅路の果てに待ち受けていたのは、辛く、悲しい別れだった。
忘れられない。傍にいることはできないけれど、あなたのために生きていく。共に誓う二人だったが、テオバルトには生命の危機が、そして、アマポーラには望まぬ婚姻が舞い込んでくる。
「テオバルト。愛しているから、あなたを……」
無慈悲な運命にあらがい、立ち向かう。強く切ない愛の物語!(裏表紙より)
面白かったああ! 1巻を読んだときは美しく切ない物語だなあ面白いなあと思ったくらいだったんですが、この巻が震えるくらい面白かった。電波を受信したのだろうか。
敵国の王女と王子は、周囲から必要ないとされ追われる立場になりながらも、恋に落ちた。神と竜と伝説が生きる世界で、二人は離ればなれになりながらも、相手をいつまでも想い続けていた。この設定だけで大変美味しいですありがとうございます。
1巻からさほど時間が流れていない状態で、アマポーラとエレンのその後の日々、そしてテオバルトの日々が綴られていく。月神フォスの敵、悪魔キャンディットの存在が、二人を脅かし始める。そして、過去の罪までもが。
一般人としては何も出来ないながらも、王族として誇り高く、一度困難に折れ、それでも顔をあげるようになったアマポーラの、儚く凛とした美しさ。一生懸命さ。ひたむきさ。その恋の切なさがとても胸を打ちました。三巻読むぞー!
黒髪を切られ変死した女性家庭教師。そして従兄とその母親も眼球と爪を奪われて死んだ。謎めいたほどに美しい兄弟のまわりに次々と起こる奇怪な死。遠い記憶の闇のなかから湧き上がってくる“囁き”が呼び醒ますものは何か。『緋色の囁き』に続く異色の長編推理“囁き”シリーズ第二弾、講談社文庫に登場!!(裏表紙より)
面白かった! 卒論の準備のために伯父の別荘を借りた拓也は、近くの別荘に住んでいる二人の兄弟と知り合う。彼らに異常なほど厳しい父親、年齢の割に派手な叔母、その卑しい息子。そして心をなくした母親。複雑な環境にある彼らの遊び相手は「あっちゃん」なる人物だという。そのうち、その周りで奇怪な事件が起こり始める。
推理ものではないこういう小説も好きなのである。黒々として、少年たちの謎めいたところがとてもよかった。最後まで歪つなまま終わるのも好きだ。面白かったなあ。
でも結局、小学生たちの事件はどういうことだったんだろう。