読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
エレンシア姫が求婚されたのは、忌み神を宿したと恐れられている、美しく冷酷な王・フレドリクセンだった。けれど、エレンシアにとって彼は、厳しくも優しい初恋の相手。幸せな結婚を夢見るエレンシアだったが、フレドリクセンは力に翻弄され、恐ろしい銀狼王になっていた! 彼の『生贄の花嫁』となったエレンシアは、元に戻って欲しいと奮闘するが…。忌み神に蝕まれた孤独で強大な王と、閉ざされた箱庭の姫の心の行方は——?(裏表紙より)
『守られる姫君』の演技が得意な美しい姫と、強大な力を持つ傲慢で凶悪な国王のラブロマンス。『死神姫の再婚』の小野上さんだけど、真面目な話だろうなと思っていたら、きょうだいの確執がいつも通りの小野上さんだったり、ヒロインよりヒロインらしいラクノがいたりと、随所に小野上さんらしさがちりばめられていて、うっかり笑ってはいけないところで笑ってしまった(ど……いやなんでもない)
下敷きが北欧神話の世界なのでラスボスが誰かなのかすぐ分かってしまったんですが、北欧世界観の少女小説をめずらしく読んだ気がしました。
ヒーローがどう読んでも極悪非道で、お前情緒不安定もいいところだぞ! と言いたくなるくらいのひどさだったので、ヴィルフレドとエレンシアが可哀想になってしまった。エレンシアはいいこだ……。最後にヒーローの本音がちょろっと出たところで、もうちょっと続きを読みたいなあ! と思いました。
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家族と縁の薄い雅己に、たったひとり遺されたのは、姉の忘れ形見の譲。けれど幼い譲は病弱で手がかかり、生活は安定せず、貯金も底をついてしまった。そんな時、譲の叔父だと名乗る金髪碧眼の美丈夫が雅己を訪ねてくる。大勢の男たちを従えた彼の正体は、ジェルヴァレンの王子・ジュリアン。会うなり、亡くなった兄の隠し子である譲を渡せと言われ、雅己は戸惑う。だがそんなことなどお構いなしで、彼は一方的に話を進めると、譲ごと雅己を攫って——!?(裏表紙より)
姉が亡くなり、忘れ形見の譲と暮らす雅己。そこへ王子様が迎えにきて……というお話。姉と関係のあった王子様が迎えにきたよ! という話は定番なんですね勉強した。この話は、迎えにきたのは姉の恋人だった王子様の弟で、その弟王子が迎えにきたのは主人公の甥なのですが。
この話、BLなのにBLらしくなく育児ものとして面白くて。
子どもの発育に悩むとか、環境に悩むとか、うまく育てられるのか、自分の育て方が悪いのか、本当はこの子に縋っているのは自分なんだ……と思うところがすごく面白かったです。なので恋愛シーンはあんまりなかったので、身構えずに読めました。
密かにアンジェとクリスティーヌが好きなんですが、まあきっと読める機会はないだろうと思いつつ……(男女カプだから)
どこにでもいる、ごく普通の女子高生だった。昨日までは——目を開けたら異世界だった主人公、知夏。そこで知夏を助けてくれたのは、格好いいのに暴君的で、体罰上等な青年、胡汀だった。現代っ子でヘタレな知夏だけど、なぜか呪いの式陣も簡単に解いてしまって!?「この阿呆鳥、それほどまでに調教されたいか」神様にだって立ち向かう、常識外れな少女の伝説開幕!!
ウェブで750万PVの大人気作家ia、新PNでビーンズ文庫初登場!!(裏表紙より)
目が覚めたら異世界でした、という異世界召喚物語の第一巻。若干、この方の一人称文体が苦手なので、大丈夫かなーと思いながら読みましたが、序盤はかなりきつかったものの、中盤からだいぶと慣れてはまってきました。でも、かなり知夏のテンションというか言動がふよふよ(ツッコミ体質というか、キャラっぽい言動?)しているので、それはちょっとしんどかった……。
古代日本を下敷きにした異世界で、中盤までどういう方向に話がいくのか分からなくて、ここはどういう世界なんだろうと戸惑ってしまいましたが、キーワードとなるのは、天つ女神と女神の天馬、女神を孕ませた大犬の神話と、その末裔たる女神の巫女・緋宮と大犬の末裔であり人を害す魔獣・滸楽……ということでいいのかな。おらわくわくしてきたぞー! 異世界召喚少女らしく、ぜひ世界を変革してもらいたい!
胡汀が何故そんなに知夏を構うのかがちょっと分からないので、胡汀に秘密とかないかなーとか、白雨ははやくデレたところを●RECさせて! とか、伊織は果たして緋剣入りするのかとか、続きがとても気になります。二巻発売が決まっているようなので、読むぞー。
人が生まれながらに持つ純粋な哀しみ、生きることそのものの哀しみを心の奥から引き出すことが小説の役割りではないだろうか。
書きたいと強く願った少女が成長しやがて母になり、芥川賞を受賞した日々を卒直にひたむきに綴り、作家の原点を明らかにしていく、珠玉の一冊。
繊細な強さと静かなる情熱を合わせ持つ著者の、人と作品の全貌がみえてくる唯一のエッセイ集。(裏表紙より)
小川洋子さんのエッセイがすごく好きなので……。
小説を書いている日々のことや、受賞までの流れとか、そういうものをずっと読んでみたいと思っていたので、どういう状況で受賞の連絡をもらったという話が面白かった。それから、作家さんが初めて書いたお話の話も面白い。
小川さんの見つめる世界と、小川さんがくみ上げる感情がとても心地いいなあ。紹介文にもあるけれど、哀しみ。哀しみは、けれどほんのすこしあたたかい気がする。感情というそのものが持つ熱みたいなもの。純粋な温度と感触。
神と人と、その狭間の者である箜(くう)。その時代、神はまだ人に近く、神の心が人々に様々な影響をもたらした。愛、憎しみ、戦うこと、生と死。神話モチーフのファンタジー短編六編に序章と終章を加えた連作短編集。
これすっごく好きだったー!! 表紙はCLAMPさんなんですが、これがすごく合っている。ちょっと謎めいた雰囲気が漂っていて、私はこの神様と人が混ざり合って生きている世界がものすごく好きなんだなあと思いました……本当に好きだったんだ……。
箜の姉弟の話「リュイとシムチャッカの話」、死の神と醜い沼の神の話「グドミアノと土蛙の話」、将軍が武力で神の笛を奪おうとする「カスファィニアの笛」、盗賊と少女の「盗賊たちの晩餐」、叔父に追われる王子の話「テレペウトの剣」、すべての終わりと始まり「終わりと始まり」。
どの話もオチが読める話なんですが、これをきちんと面白く書ききるのがすごいなあ。分かりきっているけれど面白い。本当に面白い。大好き。こういう短編集が本当に好きなんだなあ……!
私が一番好きなのは「盗賊たちの晩餐」です。ちらっと悪くて、すごーくかっこいい話が好きです。
すべて読み終わった後、表紙を見ると全員が出ていることに気付く。
この本大好きだー(それしか言ってない)
客室乗務員は、さまざまなお客様をお迎えする。かき氷が欲しいと泣く女の子、盗撮オヤジ、暴力を振るう酔漢、傍若無人なVIP、産気づく妊婦。その都度、知恵を絞り、全力で解決に当たるのだ。かつてチーフパーサーとして多くのフライトを経験した著者が、自身や同僚、後輩の遭遇した数々の事件を明かす。スチュワーデスたちの笑える失敗談も収録。『JAL機の懲りない人たち』改題。(裏表紙より)
サービスに従事する者として何か参考になったら……と思って読みました。無理難題とかクレームとか、こう、相手を立てながら答えを出すって難しいなあ。人と接するって本当に難しい……。人の心理って本当に、多種多様だよなあ……。
と浸るのはともかくとして、逆にいい話というのもあって、「おしぼりでござる」と「ミス・ハムレット」がよかった。こういう話もっと読んでみたいなー。いい間違いは結構鉄板ネタだなあと思った辺り、だめだめである。
リスカは花を媒体としないと魔術を使えない〈花術師〉。魔術師のあいだでは〈砂の使徒〉と呼ばれ蔑まれていた。
リア皇国の辺鄙な町オスロルで魔力を込めた花びらを売って、細々と暮らしていたリスカは、強盗に襲われボロボロになって森に逃げ込む。そこで傷ついた魔剣を見つけ治癒を施した。
翌朝、自宅のベッドでリスカが目覚めると、見知らぬ男がいた。彼こそは、伝説の〈剣術師〉セフォーだった。
そのころ皇国内では〈死にいたる媚薬〉が売られ、被害者が続出していた。リスカとセフォーは、不穏な世界に否応なく巻き込まれていく……。(帯より)
ずっと存じ上げていた、iaさんのネット小説の書籍化作品。落ちこぼれ魔術師と、正規の魔術師ではないながらも伝説にうたわれる剣術師の、波瀾万丈の物語。
ところどころR15なのにどきどきしつつ、この話ですごく印象に残ったのは、魔術師という存在は賢者の素質を持っているのだなあ、ということ。作中でかなりそういった教育を受けている話が出てきていましたが、そういう素質がないと魔術師は名乗れないのでしょうね。リスカが語るシーンが、なんだか私のイメージする賢者の風格で、おおっと思いました。
セフォーがちょっと不思議で、なのにかわいらしい人で好きです。最強のくせに犬みたいだわー笑 かと思うと揺るぎない考え方を持つ人であり、何故この女だけ特別なのだ他とどう違うのだと問われたときは、リスカ以上にどきん! としました。セフォーの問いかけは、実に真理だと思う。
続きがネットにあるんですよね。時間を見つけて読みたいなあ! この二人はどこへ落ち着くんだろうか。
ところで内容とは直接関係ないんですけれど、この本の装丁が。帯で隠れるとはいえ表紙絵をこう加工するとか、本文の場面転換改行とか両側にもう一行あってもいいんじゃないかとか帯デザインもうちょっとがんば! というか、ここまで見てしまう私が細かいのか……。
「ファンの正体を見破れる店員のいる店で、サイン会を開きたい」——若手ミステリ作家のちょっと変わった要望に名乗りを上げた成風堂だが……。駅ビルの六階にある書店・成風堂を舞台に、しっかり者の書店員・杏子と、勘の鋭いアルバイト・多絵のコンビが、書店に持ち込まれるさまざまな謎に取り組んでいく。表題作を含む五編を収録した人気の本格書店ミステリ、シリーズ第三弾!(裏表紙より)
久世番子さんのコミカライズをすでに読んでいるせいで、読んだか読んでないか覚えていなかったという。そして原作第二弾読んでないよ!
ともかく。不審な本の取り寄せと事件の「取り寄せトラップ」。小学生の少年の不審な行動の理由は……「君と語る永遠」。融通のきかないバイト金森君の「バイト金森くんの告白」。表題作の「サイン会はいかが?」。忘れ物はどこへいったのかという「ヤギさんの忘れもの」の五編。コミックはかなり忠実に描いていたな、と原作を読んで思いました。
じわっとしてしまった「君と語る永遠」。こういう、約束事に私はすごく弱いんだ……いつか、という、その「いつか」を胸に抱いた人が好きなんだ……。「ヤギさんの忘れもの」もとてもいい話でした。こういう交流ができるっていいなあ。
本と書店と書店員とお客と、そのつながりがとても綺麗に描かれていて、杏子たちの台詞ひとつひとつにそれが滲み出ていて、読んでいていいなあという気分になれるお話だと思います。すごく好きです。
4歳年下の上司・藤堂と晴れて恋人同士になった果歩。だが、藤堂は今、二人が勤める灰谷市役所を改革しようとして、周りから大きな反感を買っていた。彼の立場をこれ以上悪くしないために、期間限定で距離を置くことを決めたはいいものの、不安ばかりが募っていって……
果歩の元彼や、藤堂に恋心を寄せる若い女の子たち。様々な人間の想いが交錯する中、二人の恋はどのように進展していくのか?
ちょっともどかしい大人のラブストーリー、第2巻。(カバー折り返しより)
第2巻。二人の関係がちょっと進展? ……進展、してるのかなあ……? と不安になる巻でした。面白かったんですけれど、大丈夫か二人とも! と叱咤激励したくなる。
流されやすい果歩が揺れたり、素直になれなかったり、新しい発見や出会いをしたりしていくところがはらはらどきどきなんですが、とにかく藤堂さんが全然本心を明かさないせいで色々こじれてる気がするよ!笑 果歩と晃司の決着はとてもよかったんですが、この二人が元鞘に戻ってもある意味面白そうだなあと思いました。変わっていく男を見る楽しみがあると思うとかちょっと偉そうなことを考えた。それから、後輩ができたところは大きいなあと思いました。男所帯でただ一人のお茶汲みだったので、果歩は望めるところを望めないようになって閉じこもった感があったような気がします。
今回はお父さんや上司組もにぎやかで、那賀さんの「ツンデレ」発現に噴きました。今回そういうのないと思ってたのでやられたー笑 おやじかわいいよー!