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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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憑神 (新潮文庫)
時は幕末、処は江戸。貧乏御家人の別所彦四郎は、文武に秀でながら出世の道をしくじり、夜鳴き蕎麦一杯の小遣いもままならない。ある夜、酔いにまかせて小さな祠に神頼みをしてみると、霊験あらたかにも神様があらわれた。だが、この神様は、神は神でも、なんと貧乏神だった! とことん運に見放されながらも懸命に生きる男の姿は、抱腹絶倒にして、やがては感涙必至。傑作時代長篇。(裏表紙より)

作業の合間のちょっとずつ読もう、と思って手元においていたんですが、これが段々と面白くなってきて!
時代物はあんまり読まないので、倒幕やら志士やらという話は一般的に坂本龍馬、勝海舟サイコー! みたいなものが刷り込みされているのですが、この作品の武士側から見ると、武士とはこういう存在だったのだな……と染みるような感慨がありました。いちいち、彦四郎が哀れ、かつ、かっこよすぎる。不運でいるところに頼んでしまった神が、貧乏神、疫病神、そして死神。死神をどうするのかと思いきや……貫いた彦四郎は強い心の持ち主だ。最後がもう粋って感じ。
そしてまた、この神々の人間臭いこと。涙もろくて、情に流されやすくて、だから人間の近くにいるのかなと思ったりする。
面白かった!
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丕緒の鳥 十二国記 (新潮文庫 お 37-58 十二国記)
「希望」を信じて、男は覚悟する。
慶国に新王が登極した。即位の礼で行われる「大射」とは、鳥に見立てた陶製の的を射る儀式。陶工である丕緒は、国の理想を表す任の重さに苦慮していた。希望を託した「鳥」は、果たして大空に羽ばたくのだろうか──表題作「丕緒の鳥」ほか、己の役割を全うすべく煩悶し、一途に走る名も無き男たちの清廉なる生き様を描く全4編収録。(裏表紙より)

ネタバレを気にされる方がいらっしゃると思うので、続きに畳みます。


ピクテ・シェンカの不思議な森 永遠の契約を (ピクテ・シェンカの不思議な森シリーズ) (コバルト文庫)
ティッセとも和解し、久しぶりに訪れた平和が破られたのは突然だった。ムイの前に現れたラーシェンが告白し、それを見たフィンドルがいきなり唇を奪ってきたのだ。混乱するムイにはさらなる災厄が! グリジスの策略で、バレンとの婚約が進んでいた。しかもバレンを領主にし、ムイは領主を解任するという。今度はもう逃げられそうにもなくて…!? 人気シリーズ、ついに完結!(裏表紙より)

ピクテ・シェンカの不思議な森シリーズ8巻にして最終巻。ティッセとの和解と領主問題。三角関係が終わらなかったのが残念。どちらとも拮抗していた様子だったし、決着は無理かなあと思っていたらそのまま終わってしまった。私はラーシェンを推したい。
ティッセとのお出掛けがよかったなあ! 本屋さんに行く二人が可愛くて。ティッセの考えていることは策略なんだけれど、二人で選ぶというのが大事。
ムイの進路が気になる結末でした。
金星特急 (7) (ウィングス文庫)
『金星、君に会いたい』生放送で全世界に呼びかけ、金星特急をグラナダへ呼び寄せた錆丸。スペイン内戦は止まるものの、一行はイェニツェリの追跡を躱しながら列車の到着を待たなくてはならなくなる。グラナダを出れば、次はおそらく終着駅、この世に戻ることはない。覚悟を決め残された時間を精一杯生きぬこうとする花婿候補達と、それを助けたい錆丸。彼らの旅の終わりに待つものとは? そして錆丸と金星の世紀の大恋愛の行方は? 大人気シリーズ、堂々の完結!!(裏表紙より)

すごかった。
それしか言えないけど、本当にすごかった。こういう文庫のシリーズで、一冊で区切ってでなく7巻すべてないと成り立たないシリーズってそうそうない。すごく読み応えがあって、終わりに向かっていく、それだけでこの本はすごいけれど、それだけじゃなかった。
一巻からの、子ども子どもしていた(かつ、世慣れた不幸の匂いのする子だった)錆丸が、一人前の男になる過程がすごかった。7巻で爆発してた。「何、俺の奥さん」って!! なんというかっこよさ!!! かーらーの!!! 絶望感!!!!!! 思わずびっくりつけまくるよ。たたき落とされた。もう心臓ぎりぎりいったし、涙も止まらなかった。ネタバレ書きたくないけど、あー誰かが言ってたよなーとかいうのもよぎった。ただ恋をしただけなのになんて残酷なんだろう、と呆然とする展開。上位的存在である金星にも許されないことが恋なのかとか。純粋で、だからこそ残酷。
白鎖組とか、お兄ちゃんとか、家族とか。女の子同士の秘密とかともだちとか。もうなんかいろいろすごく胸に迫るものが多すぎて、未だにまとまらない。永遠というものの在処を、錆丸と砂鉄とユースタスが全部見せてくれた気がする。
電車に乗って、最後に着く場所は。
最高の冒険でした! ありがとうございました。
金星特急 (6) (ウィングス文庫)
グラナダに辿り着いた錆丸一行は、無事砂鉄たちと合流を果たす。あとは金星特急の到着を待つばかり。根城にしたアルハンブラ宮殿で、錆丸たちはイェニツェリの追撃を避けつつ列車に乗り込む作戦を練る。一方その頃、兄の砂鉄に恋する彗星含む“許されない恋をしている少女たち”が、金星の庭に集められていた。時空を超えたその場所で、錆丸の蜥蜴ウェルの目を通して旅の一部始終を見せられていたのだ―—。いよいよクライマックスへカウントダウン、人気シリーズ第6弾!!(裏表紙より)

状況が状況なのですが、みんながやることをやって生活しているのがなんだかほっこりします。さんざんおかしい人たちだと感想に書いてきたけれど、過去の話などを読むと、みんなちゃんと傷ついて少しずつ強くなっていた人たちなんだなあと思う。
錆丸が、本当にいい男になってきた! 最後はぞくぞくっと震えが走った。かああっこいいいいい!!! あんな風にプロポーズされたら落ちるよなあ……。ちゃんと欲しい答えが手に入るのだろうか。伊織兄ちゃんはちゃんと応援してくれそうだし、これからきっといい未来が手に入ることを願いつつも、不穏な気配があってどきどきする。
砂鉄とかユースタスのあれそれにはきゃー! ってなったんですが……前半の、金星の庭にいる少女たちの視点が後半になるとまったくなかったのがほんと恐い。がくぶるするほど恐い。これ死人出るのと違うか……。みんな、死ぬことを覚悟して乗ってきた人たちだもんなあ……。
残り一冊!
金星特急 5 (ウィングス文庫)
夏草と三月を雇い金星特急を追う錆丸。だがイスタンブールで戦闘集団イェニツェリに捕まり、純国語普及委員会に監禁されてしまう。狙いは錆丸の持つ金星の情報。正しい世界語の普及を推進する団体である純国普が、なぜ金星について知りたがるのか? 疑問を覚えつつも錆丸は独力での脱出を試みる。一方、特急内の砂鉄は無事一命を取り留める。ところがその直後、突然列車が乗客たちを降ろして走り去ってしまい!? 物語はいよいよ核心へ——。人気シリーズ第五弾!!(裏表紙より)

今回もあわわわという。女の子組のちょっと不思議な楽園世界(っぽい)シーンはほのぼとしていたんですが(カラーイラストもすごく綺麗でかわいくて)なのに、最後にひえええと悲鳴。
錆丸は乗り込んだ時より、かなり度胸もついたし考えることもできるようになっていて、成長したなあと思います。はったりかますところすごくかっこいい! こういう子っていいなあ。好き。でも、ユースタスと砂鉄についてはそれなりに情報が開示されたものの、まだ明かしていないことがあるらしいので、もう本当に心臓ばくばくだ。
夏草と三月のあれそれに心臓がぎゅんぎゅん言いました。こうさー殺し殺されることで生きている人が、ちょっとずつ目を見開かされていくのに弱いというか。結局何にも勝るのは純粋な温もりや絆なんだなっていうのがさー……。
あとはあとがきに噴いたんですが、それよりもすごく爆弾が投下されましたよね。なんだ。なんだあれ……。なんて、なんて男前が……!
様々な人々、それぞれ立場、様々な場所の話なのですっごく振り回されるんですが、それがすごく楽しくて。いい本だなあ。読んでいてすごく楽しい。
金星特急 (4) (ウィングス文庫)
心臓を貫かれながらも一命を取り留めた錆丸だが、目覚めると月氏の幕営地からも遠く離れた草原の彼方にいた。スクープ目当てのマスコミに攫われたのだ。捜索にやって来た黒曜によって自由は取り戻すものの、期限内に金星特急に戻ることはかなわない。自身が樹に変わる瞬間を静かに待つ錆丸の運命は……!? 一方、特急は定刻通り発車する。不本意ながらもアルベルトの護衛に雇われた砂鉄は、錆丸のいない車内でユースタスと殿下を守りつつ旅を続けることになるが……?(裏表紙より)

いろんなところにいろんな情報を持った人が散ってしまっているので、まだまだ謎の解明に辿り着くまでは長いようですが、何が起こるかどきどきしながら読んでいる。金星の目的が本当にはっきりしないんだよなあ。世界の成り立ちに関係するんだろうか。伊織兄ちゃんは錆丸じゃなくて金星に追いつこうとしてるんじゃないかなーとかもあるけど、純国語普及委員会の目的が分からん。
ユースタスの理由が分かりましたが、更なる謎が関係するのかと! お前もかと! アルベルト殿下はちょー恐いし、金星特急に乗った人間はやっぱりみんなどこかしらおかしいのだなあ……と思わずにはいられない。しかし、ユースタスがまじ少女小説の人っぽくてなんだかどきどきしてきた。うまくいくといいけど、どうなるかなあ。
金星特急 3 (ウィングス文庫)
錆丸達の車両に新たに言語学者のアルベルトが加わった。頭の回転が早く口が達者な彼は、早速砂鉄と犬猿の仲になる。そんな中、金星特急が停車したのは草原のど真ん中、砂鉄の属する傭兵集団・月氏の幕営地。傭兵の入れ替わりの祭《羊追い祭》の開催期に居合わせた花婿候補達は、強制的に祭に参加させられることになる。傭兵の一人に挑戦しこれを倒せなければ、草原の彼方に追放され列車の出発に間に合わない。腕に覚えのない錆丸、この危機をどう乗り越える……?(カバー折り返しより)

何とも思わずにつるつる読んでいたんですが、三巻目になってはっと「私……はまってる……!」と気付く恐ろしいシリーズ。夜中に読んでいたんですが、三巻を置きながら「寝たくないよう……読みたいよう……」と言いながら眠る深夜二時。
二巻目が冒険ものっぽかったので、つい忘れていたんですが、そうですこれはサバイバルでした……というのをアルベルトの行いで思い知る。ひいっ! と悲鳴をあげました。面白いけどひどい! 何人か脱落しそうなのがいるなと思いながら、錆丸は大丈夫かなとどきどきしていたんですがここにきて「さび……まる……?」とおっかなびっくり名前を読んでしまう事件が発生。金星にまつわる過去については予想通りとしても、もしかして錆丸、永遠に子どもでいたいとか願ってないよね……? と恐ろしくて震える。
それぞれの思惑で協力関係を結んだ三人が、なんとなく別の感情でも繋がり始めたことが感じられてきました。一番予測不能っぽかった砂鉄にまつわることが明かされましたが、ユースタス、錆丸の謎がまだまだありそう。続きを読む!
RDG2  レッドデータガール  はじめてのお化粧 (カドカワ銀のさじシリーズ)
神霊の存在や自分の力と向き合うため、生まれ育った紀伊山地の玉倉神社を出て、東京の鳳城学園に入学した鈴原泉水子。学園では、山伏修行中の相楽深行と再会するも、二人の間には縮まらない距離があった。弱気になる泉水子だったが、寮で同室の宗田真響と、その弟の真夏と親しくなり、なんとか新生活を送り始める。しかし、泉水子が、クラスメイトの正体を見抜いたことから、事態は急転する。生徒たちはある特殊な理由から学園に集められていたのだった…!!(カバー折り返しより)

二巻。まだ怯えている泉水子ですが、一巻よりだいぶとましになってきたなあ。十五歳から十六歳くらいが一番いろんなものが恐い時期だよねと思いながら、相変わらず深行は余裕がないですが、真響や真夏が結構余裕がありそうなので、四人集まるとなんとか支えられているという感じ。本当に、ちょっと特殊な生まれ育ちをしているだけで、普通の子どもたちなんだなあと思う。二巻目はまだほとんどのことが分からないままなので、余計に普通の中で頑張っているように思える。
深行はなー。ヒーローとしてちょっとまだ子どもっぽくて。どっちかというと、真夏の方が泉水子と組んでいると安心するんですが! 真夏は少しだけ人と距離を置く子だし、真理をつく子だから相性はいいと思うんですよ! いやでも深行の成長をもっと見たい!
金星特急 (2) (ウィングス文庫)
金星特急には途中乗車も下車もできない。強行すれば樹に姿を変えられる。次々と困難に襲われる中、錆丸は砂鉄とユースタスに助けられてばかりの己を腑甲斐なく思い始める。強くなりたい、せめて自分を守れるくらいに—―。金星特急の次の停車地は密林のど真ん中。金星の所望する《王の火》なるものを手に入れるため、密林の奥深くに分け入った錆丸達だが…!? 三人の関係も動き出す、人気シリーズ第二弾!!(裏表紙より)

上海を出発し、今度はインドシナ周辺のジャングルへ。ジャングルサバイバルは厳しい……が、砂鉄のサバイバルスキルと、ユースタスと錆丸の組み合わせは結構安定して先を進んでいる感じ。錆丸は子どもなので力がないのは当たり前なんだけれど、金星特急に乗った時点でスキルがないと進みにくいのは不利だよなあ。
棕櫚王とのやり取りは、ほっこり、しんみりした。錆丸と棕櫚王から見た砂鉄が完全に保護者なのでなんだかちょっと嬉しくなる。
ジャングルの後は、チベットへ。すんごいあっちこっち行ってるなこの列車。ユースタスの女性疑惑が出てきたけれど、どっちにしろ、誤摩化しても誤摩化してなくても何か秘密がありそうで気になる。
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Author:月子
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