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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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99%の誘拐 (講談社文庫)
末期ガンに冒された男が、病床で綴った手記を遺して生涯を終えた。そこには八年前、息子をさらわれた時の記憶が書かれていた。そして十二年後、かつての事件に端を発する新たな誘拐が行われる。その反抗はコンピュータによって制御され、前代未聞の完全犯罪が幕を開ける。第十回吉川英治文学新人賞受賞作!(裏表紙より)

導入の、息子を攫われた男の手記のところからものすごい勢いで引き込まれてしまった。
コンピューター制御による犯罪。88年刊なのに、私が読んだ21世紀の現在なら可能なのかもしれないと思わせるところにぞくぞくした! 多分警察の捜査も進化していると思うけれど、とても面白かった。
とても冷静で理性的な誘拐と復讐だったように思う。手記を読んだのが十一年後だとすると、その一年間に誘拐の準備をしたわけで。そうなると彼の心は、冷静というより狂気で静かだったようにも思う。
オススメありがとうございました!
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ゴシック&ロリータ幻想劇場 (角川文庫)
エリザベス・カラーを
首に巻いた少女たちが
この世に解き放たれた——。
少女ファッション誌「ゴシック&ロリータバイブル」に掲載された傑作短編に、単行本未収録分を加えた決定版! 怪奇、不条理、恋、愛、夢、妖精、ロック……、とびきりロマンティックでスイート、だけど可笑しくって、ときどきどこか哀しい20編。オシャレでキュートな物語をめいっぱい詰め込んだ、大槻ケンヂの幻想劇場へようこそ。(裏表紙より)

裏表紙のあらすじ文がキラッキラしてて眩しいぜ。
すごーく面白かった! すごい。うまい。これだけあっさり読めるのに楽しいってどういうことだ。
最初に収録されている「巻頭歌——エリザベス・カラーの散文詩」がちょっとビクッとしてしまってまさかこういう話ばっかりか! とどきどきしたんだけれど、笑えるし泣けるしびっくりするしという話がたくさん詰まってて全然飽きなかった。
「戦国バレンタインデー」は留名(おうすごい名前)が「やあ、ワシは神様じゃ」の台詞で登場した神様によって戦国時代に飛ばされ、自決の時を待つお姫様と侍の交流を描く。べたなのにときめいた。ラストがとてもいい。
「二度寝姫とモカ」はファンタジー。短編ならではの素敵な話。猫いいよ猫。猫とお年寄り最高。
本当に楽しかった! オススメありがとうございました!
上と外〈上〉 (幻冬舎文庫)上と外 下 (2) (幻冬舎文庫 お 7-10)
両親の離婚で、別れて暮らす元家族が年一度、集う夏休み。中学生の練は妹・千華子、母とともに、考古学者の父がいる中米のG国までやってきた。密林と遺跡と軍事政権の国。すぐさま四人はクーデターに巻き込まれ、避難中のヘリから兄妹が落下、親子は離ればなれに!? 疲労困憊でさまよう二人の身に、異変が……。息もつかせぬ面白さの新装版上巻。(上巻裏表紙より)

もうちょっと暑い時期に読んだら良かった! 読んだのは二度目(一回目は単行本で)だけれど、細かいところを覚えていなかったので新鮮で面白かった。
少年少女のサバイバルもの。とても練も千華子も頭のいい兄妹で、見ていて安心なんだけれど、展開がちっとも平和を許さないというか。分厚さがどこまでこの話は行くんだと思わせるというか。地下迷宮いいなあ。王の世界という言葉にもときめく。不思議なリーダーの少年ニコの魅力とか! 「モンジャヤキ」のニコが年相応の少年でかわいい。寄り添う兄妹も良かった。ものすごく冒険しているので、どういう形で決着がつくのか、再会の方法はとか思い出せずにどきどきしながら読んだ。
ラストはすごくいい! 大人サイドがあるので、大人向けライトノベルっぽいかもーと思いつつ、焦点は子どもたちなので子どもが読んでも楽しめる感じ。やっぱりこれ若い世代に読んでもらいたいなあと思ったり。

 なあ、そう思うだろう?
三匹のおっさん
還暦をじじいにくくられるなど我慢できない。定年退職後、アミューズメントパークに再就職した剣道師範のキヨ、柔道家で呑み屋の元亭主シゲ、機械いじりの天才の工場主ノリの三人は、幼い頃のように三人集い、自警団を結成した。ご町内の悪成敗、孫と娘の恋心、おっさんたちの活劇小説。

面白いよー面白いよー。有川さんの小説は気持ちがいいなあ!
おっさんたちがすっごくかっこいいし、孫の祐希と娘の早苗の恋模様がすっごくいい。キヨと祐希のコンビがいい感じにはまっていて、こういう関係っていいなあとにこにこしてしまう。こういう風に綺麗なところもあるけれど、第四話みたいな暗い部分も絶妙だった。本当に素敵な小説を書かれるよなあ……!
カオス レギオン 聖戦魔軍篇(富士見ファンタジア文庫)
 銀髪の男の腕に抱かれ、女はまるで眠っているように見えた。
 その胸から流れ出る血は、すでに勢いを失っている。
 男は凄まじい形相でこちら——赤髪の男が手にした聖咎の剣(インドルガンツィア)を見つめた。血に濡れた剣は、二人を戻れない未来へと誘ってゆくのだった……。
 天界と堕界を分かつ混沌(カオス)の大地、アルカーナ大陸。その地で、赤髪の黒印騎士(シュワルツ・リッター)ジークはある男を追っていた。名をドラクロワ。かつて理想を掲げ合い、共に戦った友。だが、今は倒すべき相手。二人の間に一体何が? その決着とは?
 一途ゆえに切ない者たちの戦いが今始まる! 消せない絆を賭けた、大軍勢バトル・ファンタジー!! 招け、《軍勢(レギオン)》!!!(カバー折り返しより)

このシリーズ、時系列が分からなくてどこから読んだらいいものかと悩んだんだが、完結してるっぽい無印を読んでみた。
ジーク、ドラクロワ、シーラの悲劇の前提があって、物語はドラクロワを追うものとなっている。回想が挟まるのでその辺りちょっとしんどかった。本当にアニメとかの『回想』みたいな書き方だったので。
物語はとっても熱かった! ノヴィアの事情が簡単に書かれているだけなので、多分数字の巻に入っているんだろうと思っている。ジークの過去に焦点が当たっているので、ジークという人物がどういう人物かよくわかるものだったし、これはジークの物語だったんじゃないかなあ。ジークと、ドラクロワと、シーラ。ラスト良かった。ベタと言われても良かった。ジークが過去から続く現在に囚われていたのだから、現在から続く未来に何を見出すかというのももっと見たかった気がする。
とても面白かった!
アダルシャンの花嫁 (角川ビーンズ文庫)
最強の誉れ高いカストリア帝国を、新興のアダルシャン王国が破った。予想を超えた幕切れに周辺諸国が騒然となる中、アダルシャン王弟にして常勝の英雄アレクシードのもとへ、和睦条件の政略結婚話が舞い込んできた。なんと花嫁ユスティニアは、先日まで対戦国だった大カストリア帝国の第6皇女。ところがこの姫君、まだたったの10歳で……!?
読者支持率No.1! 第2回角川ビーンズ小説賞〈読者賞〉受賞作!!(裏表紙より)

挿絵が苦手で読みたいなと思いながら避けてたのですが、最近政略結婚ものづいているので、読んでみようと手に取りました。
二十歳の普通の青年なアレクシード。妾腹ということで味方は少ない。政治は少し苦手で口もうまくない。ところが、彼は、とても子どもには優しいという……。ユスティニア登場のシーンの優しさ、滑らかな喋りは、どうしたお前!? という、彼の不器用さを払拭するくらい爽やかで王子様で、思わずにやにやしてしまいました。でも一転して、ユスティニアはアレクシードに敵意を持っていて、という王道。これがベタだけれど、ユスティニアの性格がよすぎてかわいくてとてもいい。
少女小説な一面もありつつ世界の中での政治も書かれていたりして面白かった。こんな小難しいこと考えられないよ! すごいな!
死神姫の再婚 -私の可愛い王子様- (B’s‐LOG文庫)
アリシアの実家である”フェイトリンのお屋敷”を買い取りたい――。成り上がり貴族の集合体・フェイトリン五家の最下位であるロベル家が、招待状とともにもちかけてきた突然の相談事。珍しく心配顔になったアリシアときな臭い罠を感じたカシュヴァーンたちは一路、ロベル家へ。訪れた先ではなぜか華やかな舞踏会が開催されており……? しかも会場を仕切るのはカシュヴァーンの天敵・ジルカルド。王子様然とした完全無欠の美貌男は死神妻に魔の手をのばし、暴君夫と心理戦を繰り広げる――!?(裏表紙より)

舞踏会と心理戦と王子様がキーワード。オルガンが弾けるアリシアかわいい……とのっけからほわーんとする。ジスカルドはもう嫌な人のにおいぷんぷんで、カシュヴァーンがんばれーがんばれー!! とエールをおくってしまう。
アリシアが前進しているのに、やっぱり後退していくカシュヴァーン。そろそろ腹割りませんか! オイシイ! でももどかしい! このジレンマ。ダンスのシーンがいい。かわいい。
人妻王女様がいい人だ。新婚夫婦をもっと焚き付けてほしい。余計な知識をアリシアに与えてそれを使ったアリシアとカシュヴァーンのボケとツッコミを期待しています。
死神姫の再婚 -腹ぺこ道化と玩具の兵隊- (B’s‐LOG文庫)
死神妻と暴君夫、一風変わった新婚夫婦を訪れたのはアリシアの最初の嫁ぎ先、バスツール家の現当主・エリクス伯爵。切り出したのは妙なお願い事……。その少し前、いきなり屋敷に出現した少年のような少女・レネは『ふたりの夫婦生活を勉強したい』と無理難題を言い出してきた……。再び”おなかが痛く”なるアリシアをよそに、来訪者たちに眉をひそめるカシュヴァーン。そして、さらなる闖入者はルアークの兄という暗殺者で——!? 第9回えんため大賞ガールズ部門受賞作、圧巻の第3弾!!(裏表紙より)

ルアークの過去が垣間みれる話。井戸のルアークの話切ない。正直に「癇に障る」と言った彼に好感度が上がった。正直そういう時もあるよね、と人間っぽくて。「好きなんだ」という言葉も、小さな子どもみたいな叫びに聞こえて、切なかった。
レネがとても良いキャラ(新婚夫婦を焚き付ける意味で)。そして二人きりになると理性というか抑圧していたものが吹っ飛ぶカシュヴァーン。ばか、もっといちゃいちゃしろー! でも終章のあれはずがーんと恥ずかしかった……。アリシアはちょっとずつ前進してるみたいだけれど、後退するカシュヴァーンのばか。愛しい。
ディアナ・ディア・ディアス (徳間文庫)
 本来ならば《高貴なる血(ディア)》をひく者として王位に就く筈だった王女ディアナ。幼くして父の国王を失ったため、叔父のカイオスが暫定的に王に。ディアナが王位を継承するには同じディアを持つティークと結ばれる必要があった。《運命(ディア)》に導かれるように恋に落ちる二人。が、カイオスの陰謀によりディアナは将軍ムールの許へと嫁がされてしまう。ディアナがティークの不義の子を身籠ったことから悲劇が始まった……。(裏表紙より)

世界観続きの「扉を開けて」を読んだはずなんだけれど、扉の方の内容がちっとも思い出せないのですが、これ単体でも面白かったです。
この上記のあらすじを読んでから本編を読むのが正しいのかも。少女小説的なあれこれではなくて、ただ陰謀と悲劇みたいなことが描かれている感じ。後味が悪くてそれが良い。
トンデモな人物二人が主人公と言えるかもしれないけれど、そのトンデモな二人は主に不幸を負うことになったり、後味の悪い陰謀、歴史的悪になるという、最初から物語とマイナス方向へ進んでいく。とんでもない大きな時代の、ある一幕の話だった。
ディアナとトリューサのあれこれが書かれたらきっと少女小説だった。でもこれはこれで真っ暗でおいしい気がした。
死神姫の再婚 -薔薇園の時計公爵- (B’s‐LOG文庫)
『死神姫』と噂の天然系・アリシアの再婚相手は、悪名高くて誇り高い《強》公爵のカシュヴァーン・ライセン。一風変わった新婚生活(愛人メイドつき!?)は相変わらず甘いムードとは無関係……の、ように見えて微妙に進行中? ある日、夫婦揃って結婚報告をするためアズベルグの全領主・ディネロのお屋敷を訪れることに。初のお泊りに嬉々とするアリシアだが、その訪問には複数人の陰謀と、意外にも暴君夫の”焼きもち”が絡み合い——!? 第9回えんため大賞ガールズ部門受賞者作、会心の第2弾!!(裏表紙より)

爆笑した。やっぱり好きだこれー! これだけすっとぼけられると、あまーい時がものすごーくニヤニヤしてしまう。
複数人の陰謀のせいで、ただの訪問が色々慌ただしいものに。そこには普通の嫉妬があったりするんだけれど、それがまた面白い。ディネロとのシーンは早く来いカシュヴァーン! と思いながら、その後の「俺は、腹は、痛くならない」「……なんの話だ」に思わず声を出して笑った。
甘ーい一番のシーンはふたりきりの部屋かな! アリシアの反応かなり面白い。思わずニヤニヤ止まらない。
これ続きも読むー!
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Author:月子
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