読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
もしもあの時、別の選択をしていれば、全く違う人生を歩んでいたのだろうか……。平凡な会社員・元城一樹のふとした夢想が、すべての始まりだった。一人娘の和子の前に姿をあらわした不思議な少女沙羅。その名前が甦らせる、消し去ったはずの過去。やがて、今ある世界と、あり得たはずの世界とが交錯しはじめて——。表題作を含む、全10編を収録。珠玉のミステリ短編集。(裏表紙より)
数年前に読んだので、今回は再読。表題作がすっごく恐ろしい思いをした覚えがあったので、改めて読んで、やっぱりちょっと恐かった。
別の選択をした場合の世界が入り交じる。更にそこで殺人が、というのが恐ろしいのかも。どうあっても解決できない恐さというか。
この本は、解説にもあるように異界に触れているところが多々あって、それが偶発的でも人為的でも、読んでいて暗い穴からぶわっと風が吹いているような気がして、ちょっと恐い。きちんと解決している作品が少なくて、やっぱりそれも異界に触れるような何かを有した作品ばかり(収録作品の「天使の都」でも、その場所そのものとか)
あと読んでいて思い出したのが、「エンジェル・ムーン」。幻想的なことを突き進むのかと思ったら、最後の解き明かしが、残念で。そうそう、初読の時もここでがっかりしたよなあと思いました。でも、今なら思う。これは本当は、実は解き明かされていないかもしれない、と。
ミステリ短編集というより、日常と幻想の短編集、という感じがしました。
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