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ひとがた流し (新潮文庫)
十代の頃から、大切な時間を共有してきた女友達、千波、牧子、美々。人生の苛酷な試練のなかで、千波は思う。〈人が生きていく時、力になるのは自分が生きていることを切実に願う誰かが、いるかどうか〉なのだと。幼い頃、人の形に作った紙に願い事を書いて、母と共に川に流した……流れゆく人生の時間のなかで祈り願う想いが重なりあう——人と人の絆に深く心揺さぶられる長編小説。(裏表紙より)

ミステリじゃない北村作品を読むのは久しぶりだ。
不思議でもなんでもない日常と、女性たちに主軸を置いた絆の話です。『月の砂漠をさばさばと』関連だったのかー! とさばの味噌煮が出てきてようやく気付く。
不思議なんてどこにもなくて、人が生きていく、ただそれだけの話なのに、根底に流れているのは優しさと慈しみと思いやりの目だ、と感じました。物語としては普通に、ありふれた形で日常が進むのに、柔らかい。最後にいくにしたがって、包まれているような気持ちになる。
ただ、他の北村薫作品を読んでいると、素っ気ないなあと思うことも確かです。ミステリの方が私は好き。でもいつものようにきゅんとすることはなくても、読みながら、うんうんと頷いてしまう本だなと思いました。

「人が生きていく時、力になるのは何かっていうと、——《自分が生きてることを切実に願う誰かが、いるかどうか》だと思うんだ。(後略)」
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