読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
テロ集団『深淵派』を裏切り、逃亡を続ける元錬金術師カルヴァス。自らの過去を探るため、故郷である大都市《カサネ》に足を踏み入れた彼は、どこか飄然とした「騒がせ屋」の青年・オドと出会う。彼に導かれるように《カサネ》の地下に広がる迷宮へと足を踏み入れたカルヴァスの前に現れたのは、「地下迷宮の番人」と名乗る少女だった……。栗原ちひろが描き出す幻想絵巻——第2幕がここに開演。(裏表紙より)
創造と破壊と虚構と芸術とが入り混じるファンタジー。無茶苦茶で混沌としていて極彩色でなのに陰鬱で、読んでいてだいぶ酩酊しました(褒めています)。
この世界はすべて神が描いた絵である。この世に存在する画家は世界を創った者をうつしたもの。そうした場所のとある街で、一人の人間の語る虚構がすべてを変化させてしまうという危機。壮大。壮大だけれど、登場人物は軽薄で壊れているし崇高なものは何もない、それがすごくいい。
この物語の先は何も見えない、でも何かを信じていたいような終わり方がよかったなあ。こういう作品が読めるのはすごいことだな、と思いました。
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