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君も知らない邪恋の果てに 花降楼シリーズ第一弾 (白泉社花丸文庫)
売春が公認化されて数年。中学を卒業した長妻蕗苳は、兄に命じられ、借金返済のために吉原の男の廓・花降楼へ売られていくことになった。そんな蕗苳が吉原へ発つ前日。憧れていた伊神旺一郎に告白され、ふたりは駆け落ちをするが、兄に邪魔されてしまう。そして月日が流れ、蕗苳の水揚げが決まったある日、花降楼に旺一郎がやってきて蕗苳を水揚げするが、指一本ふれず……。はたしてふたりの恋の行方は?(裏表紙より)

指一本ふれずって、触れてるよ!? 思いっきり二人で過ごしてるよ!(あらすじにツッコミ)
花降楼シリーズの途中巻を人に勧められて読んだことがあって、遊郭物が好きだと自覚したので一巻から読むことにしました。遊郭は遊郭でも、男の遊郭です。
旅館の次男坊で甘やかされて育った蕗苳。旅館の従業員の息子で昔よく命令させていたりもした旺一郎。攻めの方が受けの方に邪な思いを抱いてしまったために離れてしまう。そうして受けが「嫌われたんだ……」と苦悩する王道を踏んだ上で、さらにすれ違いの上に、受けは遊郭に売られてしまう。数年の後、ちゃんとのし上がってきて、登場してくれる攻めがかっこいいです。
このシリーズ、今まで読んだのでは廊での生活(受け視点)で書かれるらしくて、ヒーローが何をやっているのかというのが分からないのがちょっと残念なんですが、廊での日常が好きです。個性豊かな子たちがなんだかんだ言いながら仲良くしたり反発したりしているのが楽しくて。
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