読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

幼女の中で目覚めた現代日本人のチヒロは「金色の王」として、蜜蜂のクイーン・メルダの助けを借りつつ、家族たちと今日も元気に毎日を送っている。そんなチヒロが次に遭遇したのは、米! 醤油! 味噌! どうして懐かしいあの味が? キルファン帝国とは? そんなチヒロたちの前に、異世界転移者が現れ……。
幼女になった元現代日本人が知識と能力で異世界を快適に生きるためにやりたい放題するファンタジー。
この世界にはちょっと特殊な領域があって、また違った理でもって異世界人が関わっていて……と複雑な設定が明らかに。しかし異世界転移者と協力体制じゃなく敵対というかお説教対象になったのはちょっと残念だったなあ。まあ帝国の設定を思えば不可能か。
しかしこの第2巻、チヒロの奇声が読んでいてめちゃくちゃ辛かった。「にょ」「にょん」って中身がアラサーの現代日本人女性が言ってるんだよね……というのと、お説教モードのときに一人称「アタシ」で達者な喋り方をするんだからつまりわざと口調を変えているってことだよね? と思ってしまって。それこそ見た目は子ども頭脳は大人な名探偵のように、わざとそう言ってます的な描写があったらまた違ったのかもしれないけれど、あの語尾はきつい。
PR

城の片隅で命を落とそうとしていた幼子として目覚めた日本人の千尋。これって異世界転生? このままでは死んでしまうと、なんとか動き出すと……料理人が養父になったり、王弟殿下と繋がりができたり、実はこの幼子はただものではなかったりと色々あるけれど、現代日本人の知識でもって美味しいごはんと優しい人たちと異世界を駆け回る!
現代日本人女性が3歳程度の幼女に転生(憑依っぽいかな?)して、周囲に可愛がられながら、ただものではない子どもムーブをしつつ、魔物を従えたり、王族にすらも頭を下げさせたりする、王道転生もの。
冒頭こそハードモードですがあっさり乗り越えて、みんなに愛されまくり書いているとなんかこう、こういうのがみんなの理想なのか……となんとも言えない気持ちになる。面白いんですけれどね!

当代の王である鳴矢が、歴代の王たちを招いて開催する月見の宴。数々の黒い噂と死の影がつきまとう第六十五代の王・繁三実も宴に参加すると聞いて、淡雪は不安を抱く。
迎えた当日、三実は予告もなく、鳴矢の次の王とされている銀天麿を連れてやってきた。表面上は和やかに進む月見の宴。だが、その裏では恐ろしい計画が実行されようとしていて——!?
百年前に祝の長が聞いた神の声について、調べを進めていた鳴矢と淡雪。ふたりが目の当たりにすることになった恐ろしい真実とは。八家に隠された謎を描く、王宮ファンタジー第六弾!(裏表紙より)
色々、あかーん! になってきた第六巻。そういうことなんじゃないかなあとうっすら思っていたらラストで本当にそうなってしまって頭を抱えてしまった。
まず本当に香野と真照が離反するフラグがびんびん。また最後に登場した銀天麿と三実が何をしでかすか予想がつかない。怖すぎる。
淡雪が力のことを明かす展開は、きっと鳴矢が王だからだったんだろうなあと思うとほろりときました。よくも悪くもトップによって下の者の雰囲気や空気感も変わるから。鳴矢と夫婦になれて本当によかったね……。
味方になってくれそうな人たちもちらほら出てき始めたので、なんとなく、この国を救うのは八家の人間が力を合わせて何かをすることになりそうな気もする。鳴矢も淡雪も頑張ってほしい。本当に頑張ってほしい。

かつて神官の一族が聞いていたという神の声。しかしその記録は八十年前の火事によって失われ、今、神の声を聞く者はいない。そんな話を耳にした直後、淡雪は火事の現場だった社で、まるで誰かに操られるかのように「過去」を見、火事で亡くなった人物の身に起きたことを体感する。
数日後、塗籠にしまわれていた不思議な書画を見つけた淡雪。拙い筆による風景とともに書かれていたのは、読むことはできるがどうにも意味が通らない古歌だった。淡雪は古歌に込められた意味を探ろうとするが……。
八家に隠された謎を描く、王宮ファンタジー第五弾!(裏表紙より)
そろそろ敵味方がはっきりしてきた第5巻、なんですが、なんだろう、いろんな人の思惑が絡み合っているせいかもっと大きな視点の何者かがそれを見下ろしているような気がしてならない。神、と呼ばれるものとか。
そんな状況で香野や真照の離反フラグがびんびんでめちゃくちゃ辛い。鳴矢や淡雪の性格上、疎んじているとかそういうのではないんだろうけれど、二人がどう受け取るかは別の話で。有能でいて親身な人間が近くにいるだけに、幼馴染がどうの同族がどうのという関係性に囚われないことが、この世界の一般的常識を持つ香野と真照には通じなさそうな感じが……。
本編は終わりに向けて動き出した感じでしょうか。神の声とは何か。千和の民は何を受け取り損ねたのか。鳴矢と淡雪は王と后としてそれを取り戻す、って、大仕事だなあ。いかにも和風ファンタジーという感じでどきどきする。続きも楽しみ。

行方不明だった天羽本家の娘が、理古と名前を変え都で暮らしていた。彼女が天羽の里で辛い目に遭ったことを知る淡雪は、現在の幸せな姿に安堵する。だが、身分を隠して理古に会いにいった鳴矢は、彼女から気になる言葉を告げられる。淡雪を絶対に天羽の里に帰してはいけない——。やがて淡雪は、故郷に隠された恐ろしい秘密を知るが…。
天羽家の離反の真相。かつての王たちによる策謀。そして古来より千和の国を守ってきた『術』の真実。鳴矢たちは数々の謎を探り始める。
神話に由来する八家と禁断の恋。和風王宮ファンタジー第四弾登場!(裏表紙より)
天羽一族の胸糞が悪くなる様な真実が発覚。だいぶ気持ち悪い……。淡雪に都のことを話して聞かせた元后たちは何を考えていたんだろう。これが運命、これが一族のためになると考えていたんだろうか。本当に?
術が弱まっていることもあるし、千和は終わりに向かいつつあるんだろうなあ。もしかしたら鳴矢は最後の王になるのかもしれない、とぼんやりと思った。
最後の最後に希景と紀緒のほのぼのもだもだ恋愛話があるのがにくい。本編の苦々しさがだいぶ緩和されました。二人にも幸せになってほしい。

王と后は決して触れあってはならない——
后とは名ばかり、実際は人質同然に軟禁されている淡雪だが、いつしか新王である鳴矢に深い想いを抱くように。この千和国では、王と后は会話すら許されていない。二人は夫婦でありながら、夜の間だけの短い逢瀬を重ねるしかなかった。
そんなある日、淡雪は、鳴矢が毒殺されかけたという衝撃的な報告を受ける。鳴矢を守るため、秘密にしている術「天眼天耳」を使って事の真相を探ろうとする淡雪だが…。
神話に由来する八家の謎と禁断の恋を描く、和風王宮ファンタジー第三弾!(裏表紙より)
張り巡らせられた謀に気付いた二人が対処しつつ絆を深める第3巻。三実王と繁家が怪しすぎるんですが、多分もっと大きな何かが黒幕のような気もする。
淡雪の、和可久沙との関わり方が好きです。感情を表に出さないように、力の秘密を漏らさないようにと生きてきた淡雪、もしかしなくてもめちゃくちゃ心が強いし寛大なのでは。
鳴矢と淡雪のいちゃいちゃも微笑ましいですが、今回は希景と紀緒もやっぱりそうなったか! 偽装婚約って、この二人を主人公にして番外編が書けるでしょっていう。
しかし身近な二人がくっつきそうな一方、香野が幼馴染みの鳴矢のことをあまり理解してなさそうだったり、側近であるはずの真照の出番が少なかったり、うっすら離反フラグが見える気がするのが怖い。

高校生の浅村悠太は、親の再婚をきっかけに、学年で一番の美少女・綾瀬沙季と一つ屋根の下で兄妹として暮らすことになった。
互いに両親の不仲を見てきたため男女関係に慎重な価値観を持つ二人は、歩み寄りすぎず、対立もせず、適度な距離感を保とうと約束する。
家族の愛情に飢え孤独に努力を重ねてきたがゆえに他人に甘える術を知らない沙季と、彼女の兄としての関わり方に戸惑う悠太。
どこか似た者同士だった二人は、次第に互いとの生活に居心地の良さを感じていき……。
これはいつか恋に至るかもしれない物語。
赤の他人だった男女の関係が、少しずつ、近づいていき、ゆっくりと、変わっていく日々を綴った、恋愛生活小説。(Amazonより)
アニメ視聴済み。
自分の世界を壊さないようにゆっくり歩み寄っている感じが、読んでいてとても静かな気持ちになって心地いい。周りの人たちも必要以上に踏み込んでこないのも、そういう風に関わってきていた悠太や、踏み込みたいと思わせてきた沙季のことがよくわかる。
淡々とした調子で、感情の起伏も緩やかな原作。アニメはものすごく上手く雰囲気を作っていたんだなあと感じました。

今までの后同様、孤独な軟禁生活を覚悟して後宮に入った淡雪。だが新王の鳴矢は、淡雪をお飾りの后としては見ていなかった。そして婚儀から半月、ある事件によって、鳴矢の赤い髪の色が変化する。強い力を持つ次代の王が成人するまでの中継ぎと軽んじられていた鳴矢だが、この変化によって、次代の王に匹敵する力があることがわかり、貴族たちの間に波紋が広がる。
一方、鳴矢に惹かれ始めていた淡雪は、諦めたはずの幸せの予感に心を躍らせる。しかし淡雪には天眼天耳の力という秘密があった。誰より、鳴矢にはこの力を知られたくないと願う淡雪だったが…。(裏表紙より)
中継ぎの王でしかなかった鳴矢が次の王に等しい力の持ち主である可能性が浮上し、揺らぎ始めた宮廷。そんな中でも淡雪と鳴矢は交流を重ねていた。図らずも互いの秘密を明かし合った頃、暗躍する者たちの影も見え始める。
あっさりばれたな!? と思いましたが、それだけ淡雪の心が溶けたってことなんだろうなあと思うと微笑ましいやら切ないやら。そしてその後のキスのあれこれが可愛すぎて悶絶。子どものことは気がかりだろうけれどもっといちゃいちゃして!
天羽一族に何があったのか、都に残る先代の后は何を狙っているのか、退位した王は何を画策しているのか。細かな謎の糸が次々に投げかけられてきた感じがして続きが楽しみです。

「このホテルを守るため、僕と結婚してくれませんか」
結婚願望0%、仕事一筋の花籠あやね27歳。上司とのいざこざから、まさかの無職となったあやねを待っていたのは、なんと眉目秀麗な超一流ホテルの御曹司・太白からの“契約結婚”申し込みだった!
しかも彼の正体は、仙台の地を治める大妖怪!? 次々に訪れる妖怪客たちを、あやねは太白と力を合わせて無事おもてなしできるのか――!?
杜の都・仙台で巻き起こる、契約夫婦のホテル奮闘記!(Amazonより)
部下の成果は自分のもの、仕事のミスは他人のもの、という上司にとうとう嫌気が差し、退職を決めて有給消化中だったあやねは、旅先で超一流ホテルの危機に遭遇。仕事柄手伝いを申し出たら、そのホテルの御曹司に仕事ぶりを認められ、契約結婚することに。けれどこのホテルも従業員も実は人ならざるものたちだった。
というとあやかしの世界でみんなに愛される主人公を想像しがちかもしれませんが、だいぶお仕事ものの要素が強い印象。あやねは超一流ホテルの従業員としてもあやかしの世界のことも失敗したり成功したり、あやかし側も現代社会にしっかり根付いていて会社としての駆け引きも発生したり、トラブルに発展したり。その解決方法もあやねがしっかり現代の人間らしく仕事をして解決しようとしたりして、地に足がついていて面白かった。
だから二人がお互いに電話をするシーンがめちゃくちゃ可愛かった! 仕事のパートナーとしても信頼があるし、一緒に生活していてもすり合わせがうまくいく相手って得難いよなあ。二人が自覚するときってどう行動するのかめちゃくちゃ気になる。

神話に由来する八つの家が支配する国、千和。七十年前、突如都を離れた天羽家の強い力を必要とする七家は、新王即位のたび天羽の巫女から后を迎えるようになる。だが后とは名ばかり。天羽の巫女は人質とも言える立場で、後宮に軟禁されていた。このたび新王となった一嶺鳴矢の后となった天羽淡雪には、遠くの物事を見る力がある。自由のない暮らしの中、術で鳴矢を見た淡雪は、彼の意外な様子を見て驚く。鳴矢に興味を抱き始める淡雪だったが…。
触れることはおろか話すことも許されない王と后。禁じられた恋と八家の謎を描く和風王宮ファンタジー!(裏表紙より)
古代和風を思わせる世界を舞台にした、人と神と力をめぐるファンタジー、その序章というような第1巻。
王の鳴矢が真っ直ぐで可愛くてね! こんなピュアピュアで大丈夫? と心配になるんですが、その真っ直ぐさに強さを感じてとてもいい。何もかも諦めたような淡雪を打算なく揺さぶってくれるのがたまらない。二人がじれもだなやり取りをしているのを読んでいると本当にちゃんと夫婦になってほしい気持ちが高まっていく。
まだまだ始まったばかりという話運びですが、めちゃくちゃ続きが気になる! 続きも読もう。