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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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最近よく見かける「LGBT」という言葉。メディアなどでも取り上げられ、この言葉からレズビアン、ゲイの当事者を思い浮かべる人も増えている。しかし、それはセクシュアルマイノリティのほんの一握りの姿に過ぎない。バイセクシュアルやトランスジェンダーについてはほとんど言及されず、それらの言葉ではくくることができない性のかたちがあることも見逃されている。「LGBT」を手掛かりとして、多様な性のありかたを知る方法を学ぶための一冊。(Amazonより)

LGBT、クィア・スタディーズのための基礎的知識を解説する本。読み解くための準備というか、きちんと理解してから論じるために、歴史的な面や諸国での動きの概略を説明してくれていて、知らないところもあり、なるほどなあと思いました。
すごくわかりやすいと思ったしどきっとしたのが、「偏見がない」「差別しない」といって乱暴な善意を示す人間は理解する気を失っているという指摘。どうすれば相手を傷つけずに済むだろう? と考えることが重要。確かにその通りで、相手のことを考えて無知でない自分でいたいな……と思ったのでした。
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夫からの精神的イジメ“モラル・ハラスメント”を克明に記録したブログを書籍化。モラハラと気づいてから離婚するまでの闘いや、つらい気持ちを乗り越え、自分を愛する心を掴むまでを赤裸々につづった衝撃の一冊。(カバー折り返しより)

モラハラじゃない? と言われている人に一度読んでみてもらいたい本。多分いくつか見に覚えがある言動があると思うんだ。
冒頭のマヨネーズの件からしてもうあるあるだと思うんですよ。マヨネーズが他のものになるだけで。
モラハラ夫の言動もすごくリアリティがあるんですが、これは被害者である妻の気持ちも書かれてあるので、ああそういう思考回路……と色々腑に落ちましたし、俯瞰できたように思います。
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毒親の母親から逃げるために売春で資金を貯めたもちぎ。出て来た東京でたどり着いたのはゲイ風俗だった。半生とゲイ業界と周囲の人々を描いたエッセイ漫画。

時々twitterに投稿された漫画が流れてくるのでそれを読んだことがあるので、本を見つけて読んでみるかと思って手に取りました。
冒頭からすごいんですが、もちぎさんがいろんな人に言葉をかけられるまでにどれだけ葛藤して苦しんだんだろうとそちらの方が気になりました。そんな風に言えるのってめちゃくちゃ死ぬような思いをした人くらいだと思うんですよ……。
もっと色々なことがあったんだろうなと思うので、他の本も読んでみたい。
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福岡のお屋敷に奉公に出た千恵子。そこで出会った美しい令嬢の和江は、愛に飢えた寂しい日々を送っていた。孤独の中、友情とも恋とも違う感情で惹かれ合うが、第二次大戦下、戦況は刻々と悪化。女たちの運命はたやすく戦火に揺り動かされ……。人生を選ぶことも叶わず、時代と男に翻弄されてもなお咲き続ける昭和の女性たちの、誇り高き愛の物語。(裏表紙より)

やくざ者の情婦である和代と雛代、姉妹の愛憎と別れを描く「天人菊」。
父親の借金のかたに妾として売られた泉美。彼女のもとに旦那様の息子が現れる「凌霄花」。
博多の知事の家に奉公に上がった千恵子は、お嬢様の和江と惹かれ合う「乙女椿」。
過去といまを行き来するとある老女の追走「雪割草」。
何気なく読み始めて「ああ中短編集か」と思ったら! 嬉しい裏切りでした。お話が連なっていることに凄まじい意味が込められていて、おっもしろ……とつい声が出てしまう。
宮木あや子作品でも官能を含む艶めいたお話が集まっているんですが、この中短編の第二次世界大戦前後という舞台と合わさって、すごく濃密に香る。生と死に食らいついている感。「乙女椿」を読んでいて、どうして女性たちがこういう風に接してくれるんだろうと思ったら、三浦しをんさんの解説を読んで納得しました。そうか、女性たちはこうやって互いに力を合わせて命を繋ごうとしているんだな。そのひたむきさ、懸命さにぐっとくる。
最後の「雪割草」での恋が時代の移り変わりを表しているようで、最後ちょっと息がつけたのもすごくよかった。
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“――彼は、あの日の姿のままで現れた”
 アラサーOL・香実の会社にやってきた新人は、幼いときに初恋をした不思議な青年の、当時のままの姿をしていた。十三年ぶりに訪れた奇跡の再会に、香実は思い出にある通りの、優しい彼に惹かれていく……でも……。
 一体、あなたは何者――?
 心のどこかで、繰り返される疑問。果たして青年“樹々”の抱える秘密とは。
 彼の謎が明かされるとき、あなたもきっと、“永遠の恋”に巡り会える……。(Amazonより)

ブラック体制で働き続けていた香実は、とある出来事を経て心が折れ、情熱を失って漫然と働いている。そんなある日、幼い頃から変わらない姿を持つ初恋の彼、樹々が現れる。だが彼は香実のことを初めて会うと突っぱねた。
前半の、疲れ切った香実のいびつな日常。樹々のような青年が現れたことですうっと世界が色づいたところ。そして中盤からの穏やかな日々と、これからのことを考えようとするしなやかな視線が、とても心地よかった。ファンタジー要素がある? ない? と最後まで悩まされたところにどきどきしましたが、どういう内容だったかは最後まで読んだ人間のお楽しみでしょうか。
それを踏まえて、できることならもう少しその先のことも読んでみたいと思いました。変化と不変を愛おしむ香実に救われた気がします。
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体を壊して仕事をリタイアした颯太。とある理由から大学を休学中の、食いしん坊女子ひより。 人生迷子な二人は、亡き颯太の父が遺した小さな食堂『風来軒』で出会う。 町の人たちからとても愛されたこの食堂を存続させるため、二人は新たなメニューを探して旅に出る。 父の最期の料理はどこに? 幻の絶品コロッケの材料は? 東京から岩手の盛岡、そして北海道は美しい羊蹄山の麓、真狩村へ。 二人が歩む“おいしい旅”。元気になれるフード&ロードノベル、登場!(Amazonより)

離婚をきっかけに疎遠になった父の葬儀を出した颯太は、父の店の常連だった女子大生ひよりと出会う。人生のまいごである二人は旅と食を通じて、一歩一歩前に進んでいく。
すごく安定した読み心地で、登場人物が生き生きしていて読んでいてすごくほっとしました。物語を通して見える、食についてとか、高齢化のこと、地方のことなどが心配になったりするものの、「食べる」ことをしっかり見据えている感じがするからかな。
それぞれの悩みを抱えつつも、綺麗だね美味しいね楽しいねって思えることが素晴らしいことだと思える。そしてまた「食の記憶」をすごく大事にしている感じが愛おしかった。
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70歳の父、69歳の母、40歳の娘。沢村家の日常を描いた2ページ漫画。
これ単体でも読めますが、どうやらシリーズらしい。あるあるな日常がじわっと染みつつも、ぐさりと来るようながっくりきてしまうような。益田ミリさんの描く「老後」とか「独身女性」には不思議な魅力があるなと思います。
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強面で不器用―けれど誰よりも優しい夫、セシリオと新婚生活を送るサリーシャに、彼の姉メラニーから「パーティの準備を手伝ってほしい」という要請が?張り切って取り組むもの、なぜかすること全てが失敗続き。だがその陰では、ふたりの結婚を良く思わない者の思惑が動いていて!?蜜月中のある事件を綴った「プランシェ編」謎の少年、ロランを巡る「デニーリ編」他、書き下ろし二編を収録した「小説家になろう」大人気作品、満を持して登場。(Amazonより)

王子の妃候補だったけれど彼に選ばれなかったサリーシャ。妃となる女性を庇って傷を負い、傷物になったところを辺境伯のセシリオと結婚する。紆余曲折を経て、本当の夫婦になった二人のお話の続き。結婚式と、義姉の婚家での事件、そして義賊を名乗る盗賊団の事件が見どころ。
仲睦まじい二人がちゃんと結婚式をするのはやっぱり微笑ましいですね。幸せオーラが溢れていて読んでいてほのぼのしました。まだちょっと行き違いがあるところも、新婚という感じで可愛らしい。
ちょっと緊張感のある話だった気がするので、その後の話や番外編の甘さににやにやしました。
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出版社の校閲部で働く河野悦子。彼女の周りの人たちにもそれぞれ悩みや驚くべき過去が! 他社から引き抜きオファーを受けたファッション誌編集者・森尾。彼氏に仕事を理解してもらえない、カタブツ文芸編集者の藤岩。文学賞落選で荒れる作家に対応する、悦子の天敵(!?)貝塚。同僚のお洒落男子、エリンギ似の部長、悦子を気に入るベテラン作家など個性的な面々が大活躍。仕事への活力が湧くワーキングエンタメ第2弾。解説・唯川恵(裏表紙より)

『校閲ガール』の裏で、各々が何を考えて、どんな状況にあったのかという番外編。個性的な登場人物が、各々の考えや信念でもって悩みや過去に向き合う。
意外だったのは部長の過去。ああ、きっといるよねこんな作家……という強烈な書き手との過去がひりついて、だからいま部長はこんなに穏やかな人になったんだなと思いました。しかし意外と男性に向ける視線がきついな! 女性に対する視線はわかるわかるとなるんだけれど、結構男性に厳しい。だがそこがいい。
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江戸末期の絵師・月舟が描いた妖怪画には、本物が封じ込められているという。そして現代。月舟の子孫・詩子は、美大に通う学生だが、もうひとつの顔があった。散逸した月舟の妖怪画を探し、憑きものを落とす家業を継いでいたのだ。幼馴協みの青年・七森が持ち込んだ情報によると、月舟の絵を所有する画廊のオーナーが足を火で炙られるような痛みを訴えているらしく?
天才絵師・月舟が描いた絵にはモノノケが棲んでいる。(裏表紙より)

古めかしい部分の残る京都。人との繋がりが下手な少女絵師、幼馴染の青年、二人のこじれた関係。愛よりも深い思い。執着。絵を描く、高みに行くという苦しみ。色んなフェチズムが詰まっているなあと思いました。
詩子と七森のちょっと時代錯誤感のある喋り方ややりとりが好きです。全然違う世界の話みたいなのに、大学や美研があるのが現代っぽくて、なんだかあわいにいる読み心地。どこかで覚えがあるなあと思ったら、あれだ、現代舞台のオカルトものを読んでいる感覚に近いんだ。芸術を扱っているせいなのかな。
詩子と七森の関係もいいんですが、ぞわっとしたのが詩子が母親の病室に持っていく花。詩子の心が常に揺れているのが感じられてうわーっと思いました。
Profile
Author:月子
読んだものやら見たものやらの記録
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