読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

優秀な墓守であるジェイクの十七人目の妻として、騒がしい幽霊たちに囲まれたコルドン家で暮らすサアラ。ある朝、ジェイクのもとに匿名の手紙が届いた。それは同業のランカスタン伯爵家が悪霊を屋敷に閉じ込めているという告発文だった。夫婦はランカスタン領に向かうが、旅の途中、サアラは謎の感情に襲われて思わずジェイクの抱擁を拒絶! もしかして…これが夫婦の倦怠期? 予測不能な事態に最強花嫁サアラがとった行動は!?(裏表紙より)
幽霊伯爵の花嫁シリーズ、その後の番外編。成長して十九歳になったエリオスと、五歳の娘リオンを持つ夫婦となったサアラとジェイク。子どもたちがいて、結婚生活もそれなりに時間が経ったようだけれど、二人とも相変わらず。
性格の悪いヒロインが好きです!笑 ここまで気持ちよくぽんぽんと言ってくれると気持ちがいい。もっとやっちゃってー! と言いたくなる。夫婦らしいシーンは色っぽくて、どきどきしました。
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『天照』――それは、若く、まばゆく、常夜を照らす、光のむすめ。
隻眼の女子高生、火野坂暁が迷い込んだのは、真っ暗な異世界だった。
窮地を救ってくれた英国紳士のミニ・クーパーや〈良い飴屋〉と名乗る男が率いるヒガシ町の男達と共に、自分の命を執拗に狙うニシ町と戦うことになった暁。
決して明けぬ夜空の下に渦巻くのは、〈ニシ町〉の男達の欲望、〈ヒガシ町〉の男達の哀しみ、そして途方もない〈絶望〉の影。
そして、この国で唯一の女――『天照』の本当の役割を教えられた時、彼女はある決断をする――。
「わたし、誰にもいなくなってほしくない。みんなといっしょに生きていたい」(Amazonより)
この世に絶望したことで、異世界に連れ去られた女子高生、暁。その場所は白い狐と黒い狐の勢力が東西に別れて争っている世界であり、女性である暁は『天照』という特別な存在として狙われ、あるいは庇護される対象だというのだった。
男性ばかりに囲まれつつ、とある事情で隻眼となり男性を受け付けなくなった暁なので、何事も力技というか拳に物を言わせるというかとりあえず殴るっていうような女性でとても面白く読みました。守られるだけじゃないけれど守られることに安堵を見出すところ、良きヒロインでありました。
読み進めて思いがけずクトゥルフ要素があったことに驚きつつ、序破急の「急」の章は息を飲む展開の連続でページをめくる手が止まらなかったです。本当にどうなるんだと最後まではらはらし通しだった。
何も変わらなかったかもしれないけれど、少しだけ何かが変わったかもしれない。そんな希望を持たせつつもまた過酷な巡りが始まるのかと思うと胸が痛いのですが、とても面白かったです。

『おいしい』――その一言が私の居場所になる。故国で神に捧げる食事を作っていた理美は、大帝国崑国へ貢ぎ物として後宮入りすることに。その際、大切な故郷の味を奪われそうになった所を食学博士の朱西に助けられる。彼の優しさに触れた理美は再会を胸に秘め、嫉妬渦巻く後宮内を持ち前の明るさと料理の腕前で切り抜けていく。しかし突然、皇帝不敬罪で捕らえられてしまって? 「食」を愛する皇女の中華後宮ファンタジー!!(Amazonより)
和風の国出身の皇女が、中華風の国の後宮に入り、文化の違いを感じながらも自らの居場所を得ていくお話。テーマは「食」。文化の違いって食べ物にもすごく現れると思うんですが、それを上手く使っていて面白いなあと思いました。
ほわほわしながらも結構しっかりしている理美と、ちょっと抜けているところのある朱西の二人はなんだかこう、癒し系カップルって感じで可愛らしい。理美はいまのところ後宮の人間だし、恋模様ってどうなるんだろうなあ。

あなたの「恩」は、一度も忘れたことがなかった——「二十歳の誕生日プレゼントには、指輪が欲しいな」。わたしは恋人に人生初のおねだりをした……(「サファイア」より)。林田万砂子(五十歳・主婦)は子ども用歯磨き粉の「ムーンラビットイチゴ味」がいかに素晴らしいかを、わたしに得々と話し始めたが……(「真珠」より)。人間の摩訶不思議で切ない出逢いと別れを、己の罪悪と愛と夢を描いた傑作短篇集。(装画・清川あさみ 解説・児玉憲宗)(裏表紙より)
「真珠」「ルビー」「ダイヤモンド」「猫目石」「ムーンストーン」「サファイア」「ガーネット」の七つの短編を収録。宝石そのものやそれにたとえられるものをモチーフにした内容になっていて、読後感が嫌なものも多い(褒めている)のですが、内容的にすごく好きなのが「ルビー」です。
善良な母親はある日近所の老人福祉施設の住人の声をかけられる。そこから始まる交流と秘められた謎。人間の欲とは、みたいなものもあって明るいばかりではない話ですがこういう善良な人たちに幸運がある話が好きです。

地味で目立たない子爵家令嬢マリエルに持ち込まれた縁談の相手は、令嬢たちの憧れの的である近衛騎士団副団長のシメオンだった!? 名門伯爵家嫡男で出世株の筆頭、文武両道の完璧美青年が、なぜ平凡令嬢の婚約者に? ねたみと嘲笑を浴びせる世間をよそに、マリエルは幸せ満喫中。「腹黒系眼鏡美形とか!! 大好物ですありがとう!」
婚約者とその周りにひそかに萌える令嬢の物語。WEB掲載作を加筆修正&書き下ろしを加え書籍化!!(裏表紙より)
地味で若干オタク気味な小説家の令嬢と、生真面目でツッコミ気質な副団長のラブコメ。
マリエルの貫きっぷりが楽しいです。ここまで達観した感じだと一人でも生きていけそうですが、彼女のそういう性格を受け止めてくれたシメオンもまた愉快な人だなと思いました。ちょっとついていけてない感ある気がするけど大丈夫?笑

無事に結婚式も終わり、指輪で結ばれた近衛騎士・フェリクスとの甘い蜜月を楽しんでいたアウローラ。そんな彼女のもとに、フェリクスの姉であるルナ・マーレに子供が生まれたという嬉しい知らせが! 得意の刺繍をお祝いに携えて駆けつけたアウローラは、癇の強い赤子に大層気に入られ、臨時の乳母をすることになってしまい……!?(裏表紙より)
新婚さんのアウローラとフェリクス。ラエトゥス公爵家のルナ・マーレに息子が誕生し、お祝い事が続く。しかしその公子様、何故かある日を境にひたすら泣き続け、三人の乳母をもってしても寝かしつけられなくなる状態に。しかしアウローラがあやすとぐっすり眠ることから、頼み込まれて寝かしつけのための乳母になることに。
事件としては小さいかもしれないんですが、敵側がかなりでかい雰囲気を漂わせていてちょっと怖い。すごく強大な力を持つ何者かがアウローラを狙ってるようなので、はらはらします。
一方で、新婚さんな二人の甘いやりとりはにやにやしました。もっとふわふわするかと思っていたんですが、想像以上にフェリクスがしっかりしていて、おおーかっこいいー! と思いました。頼り甲斐のある旦那さんだな!

マリーは、由緒ある伯爵家の令嬢なのに、社交界デビューもせず官僚生活を満喫中。だが、メルトレファス公爵ユージンが上司になって、その人生は急変! 彼はマリーすら知らない過去をちらつかせ、迫ってきて……!? ネット発! 乙女心を捨てた官僚とクールな上司の織りなす秘密の恋の駆け引き開始!!(裏表紙より)
中盤までは、お仕事大好き! なしっかり者のご令嬢と公爵閣下の恋の話だと思っていたんですが、だんだんと話が込み入ってきて、着地までがきりもみって感じでちょっとびっくりしてしまいました。仕事をしているマリーの言動が小気味よく楽しく読んでいたんですが、後半にかけて視点人物がめっちゃ増えたんですよね……。絞ってもよかったのでは……。
とにかくマリーが非常に有能で仕事をしている様子が楽しく、公爵閣下も男前で楽しかったです。しかし結婚歴があって死別とは思わなかった。怪我人のマリーの横に寝そべって「抱きたい」っていうのはちょっとあれだなあ笑


