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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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かまどの嫁 1
霊力をまったく持たない鹿の子は、陰陽師家の側室である東の方だ。しかし大事な御饌菓子を作るため朝から晩までかまどに張り付いていることから「かまどの嫁」と言われて下女たちに嘲笑われている。けれど鹿の子の作る菓子に魅せられたのは妖だけではなくて……。

甘いお菓子とたくさんの人・妖たちの和気藹々、ほのぼのなお話。なんですが最後にすごく暗雲立ち込めるものを感じてはらはらする。
かまどの嫁と蔑まされているものの、自分に出来ることを誇りを持って成し遂げる鹿の子。独特なマイペースさにいつしか周りも巻き込まれて……というより周りの方がいつもてんやわんやしている感じがする。旦那様との恋か、お稲荷様との恋か、それとも旦那様の式、いやまた幼馴染? という男性四人に思われている逆ハーレム状態でもあるんですが、鹿の子が本当にお菓子しか見えていないので大丈夫かなと思うし男性陣がかわいそうだ笑
また書籍のデザインが可愛くて。箔押しもあって豪華で素敵です。
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(P[む]1-16)はるかな空の東 (ポプラ文庫ピュアフル)
幼い頃の記憶がない少女ナルは、最近おなじ夢を見る。闇に浮かぶ三つの月、古城に幽閉された自分とよく似た長い髪の少女。あなたはいったい、だれ? 予言にみちびかれ、魔術師や吟遊詩人らが生きる異世界へ旅立ったナルを待っていたのは、伝え語りに隠された真実と未来に託されたはるかな願いだった。〈千年の歌姫〉の宿命をになった少女の、切なくも壮絶な戦いを描いた村山作品の原点。最終章を新たに書下ろし、ついに文庫化。(裏表紙より)

私が「こんな物語を書きたい」と思ったきっかけの一冊、その文庫化です。
ちょっと思い入れが深すぎてなかなか語れないのですが、追加で収録されたナルとハヤミ、そして世界のその後が語られていて、すごくびっくりしました。きっとこういう話になったんだろうという、世界崩壊の瞬間、トオヤの助け、そして沙由里の登場までの本編になるだろうシーンが想像できて、ぐっときました。
ハヤミは良くも悪くも普通の人で、情に厚くて、ナルがそういうことになったら多分壊れてしまうんだろうなあという危うさを持った人だったので世界崩壊までの展開は納得でした。
ナルはきっと自分よりも世界を選んだか、トオヤを信じていたかで邪神に挑んだんじゃないかな。でもそれが沙由里に繋がっているとは思わなくてさぞびっくりしたことだろう。
沙由里自身もナルにそっくりなトオヤが現れて驚いたんじゃないんだろうか。沙由里はきっと呼ばれたんだと思いながら、「いつか帰ってくればいい」と思っていまも旅をしているのかもしれない。そういう、現実を運命的かつ前向きに捉える子だったように思うので、紋章が手元にあるうちは理由があると思って旅をするんだろう。そんな気がする。
ナル・クリスタライアの伝説が垣間見れてよかった。
『はるかな空の東』はいまも私が心から愛する物語です。
指輪の選んだ婚約者4 妖精の試練と騎士の花嫁 (アイリスNEO)
いよいよ結婚を目前に控えた、刺繍好きの伯爵令嬢アウローラと近衛騎士フェリクス。彼の実家であるクラヴィス領に向かったアウローラは、“フェリクスの花嫁”という視線にさらされつつ、式の準備に奮闘する。王太子夫妻もお忍びでやってきて、喜びも忙しさも最高潮! そんな時、彼女とフェリクスを結び付けてくれた、指輪がなくなってしまい——!?(裏表紙より)

第四巻。作中では出会いから二年の時が流れ、ついに二人が結婚!
おめでとうございますー!!!!!
万感の結婚式という感じで、アウローラのこれまでの集大成だったと思います。自分の好きなことを突き詰めて、人と縁をつなぎ、フェリクスにふさわしい自分であろうと一生懸命に自らを磨いて、周りの期待に応えた彼女の、最高の晴れ舞台でした。
妖精が指輪をさらっていったのに対してあくまで常識的にそれを探して、最後には相談すると決めたアウローラが本当に彼女らしくて好きだなあと思いました。無闇に探したり秘密にしたりっていうのがないだけで賢い子だよなあと思う。
また星見の丘の妖精が可愛くて、彼女と話すシーンはなんだか胸にきました。本当に純粋で可愛い妖精さんなんですよ。かわいいなあかわいいなあ……! きゅんとしたしうるうるしました。
楽しい第四巻でした! 面白かったー!
作家の収支 (幻冬舎新書)
1996年38歳のとき僕は小説家になった。作家になる前は国立大学の工学部助教授で、月々の手取りは45万円だった。以来19年間に280冊の本を出したが、いまだミリオンセラの経験はなく一番売れたデビュー作『すべてがFになる』でさえ累計78万部だ。ベストセラ作家と呼ばれたこともあるが、これといった大ヒット作もないから本来ひじょうにマイナな作家である——総発行部数1400万部、総収入15億円。人気作家が印税、原稿料から原作料、その他雑収入まで客観的事実のみを作品ごと赤裸々に明示した、掟破りで驚愕かつ究極の、作家自身による経営学。(裏表紙より)

自分にはとても当てはまらないけれど、参考になった! でも全然別の世界の話すぎて参考にならない気もする!
『すべてがFになる』の実際の発行部数や印税額の推移が表にされているので興味深かったです。印税の話、講演や雑誌での対談とか、テレビとか、そういうものの収入について書かれているので、ほーなるほど相場はそんな感じなのかーと思いました。経験してみないとわからないよなあこういうの。勉強になります。
薬の罠に気をつけて2 (一迅社文庫アイリス)
思いを口にすることだけなら、許していただけますか?
王弟公爵フィオンへの想いを自覚した男爵令嬢コレット。フィオンは熱心に想いを伝えてくれるけれど、彼の身分ゆえに素直に言葉にすることができない。そんな中、フィオンに惚れ薬の解毒薬を飲ませることが決まる! しかし薬を飲んだ彼は別人のようになってしまい!?
累計1360万PVの甘く切ないラブファンタジー、感動のクライマックス!!(裏表紙より)

2巻にして完結巻。最後まで可愛らしいロマンスでした。
惚れ薬を通じて出会ったコレットとフィオン。彼の気持ちは惚れ薬が原因で、薬が切れれば冷めてしまうのではないかと怯えるコレットは好意を口にできずにいた。そんなコレットを排除しようとする何者かの動きが。
お話は王道なので早くうまくいけばいいなあ(最後うまくいくんだろうなあ)という安心感を持って読んでました。犯人はちょっと考えが足りなすぎるのではという気がしましたが、最後に明かされたフィオンと国王の事情も含めて、登場人物の配置が思わせぶりに感じたんですが特に活躍しないまま終わってしまったので、もう少し込み入った部分も読んでみたかったです。
指輪の選んだ婚約者3 花嫁修業と騎士の最愛 (アイリスNEO)
再びの社交シーズン。刺繍好きの伯爵令嬢アウローラは、指輪で結ばれた美貌の近衛騎士・フェリクスとの逢瀬を楽しみに王都に向かっていた。ところが、彼に出会えた喜びもつかの間、侯爵家の次期奥様としてアウローラは王宮で花嫁修行をすることになってしまい…!?(裏表紙より)

花嫁修業として次期王太子妃の臨時侍女になって、知り合いや伝手をいっぱい作ってきてね! と送り出されたアウローラ。近衛騎士のフェリクスには過保護にされ、城内デートなんかもしたりして相変わらずの熱愛ぶり。しかし王太子妃となるリブライエルの花嫁衣装のベールが盗まれた!
という感じでアウローラ自身ではなくリブライエルが狙われたところを巻き込まれるわけですが、熱愛が度を越してすごいことに……というラストで笑ってしまいました。情熱的すぎるだろう! 大丈夫か!?(爆笑)後半は結構深刻なシーンもあったんですが、おまけの小話で全部吹っ飛びました。
次は結婚の話かな? 暴走するフェリクスをどうやって制御するのか、アウローラには頑張って欲しい、切実に。
指輪の選んだ婚約者2 恋する騎士と戸惑いの豊穣祭 (アイリスNEO)
“氷の貴公子”と名高い、美貌の近衛騎士・フェリクスが投げた指輪で縁を結ばれた、刺繍好きの伯爵令嬢アウローラ。初めての恋に戸惑いながら、豊穣祭の衣装準備に追われていたある日、彼女を狙う不審な団体がいるとの情報が! アウローラは婚約者であるフェリクスに護衛してもらうため、同じ屋敷に住むことになって…!?(裏表紙より)

社交シーズンが終わり、領地に戻ったアウローラたち。しかしアウローラのポルタ領ではこの時期は豊饒祭の準備の真っ只中。衣装に刺繍を施すアウローラだったが、街では彼女を探して暗躍する魔術師たちがいるらしい。
というわけで情報を聞きつけたフェリクス(王太子殿下付き)が捜査に乗じてアウローラといちゃいちゃする話。指揮をとっているはずの王太子殿下が霞むくらい、フェリクスの「アウローラ好き好き」光線がやばいです。カイの「もうやだこの人」に爆笑しました。
ものすごい気持ちが高まっているフェリクスに、アウローラが慣れる日は来るんだろうか……というくらいです。暑苦しいくらいの愛情を示してくれるフェリクスはもはやギャグ要員なのではと思ってしまう。本人はいたって大真面目ですが、周りの人は大変だなあ。
指輪の選んだ婚約者 (アイリスNEO)
恋愛に興味がなく、刺繍が大好きな伯爵令嬢アウローラ。彼女は、今日も夜会で壁の花になっていた。そこにぶつかってきたのはひとつの指輪。そして、“氷の貴公子”と名高い美貌の近衛騎士・クラヴィス次期侯爵による「私は指輪が選んだこの人を妻にする!」というとんでもない宣言で…!?(裏表紙より)

軽快で楽しい、恋をしたり自分を受け入れてもらえる喜びがめいっぱいに詰まった、幸せなロマンス小説でした。
アウローラの現実的、というには違うかもしれませんが状況を冷静に判断する視点と、フェリクスの見た目とは相反する不器用さが合わさったときの「しっくり感」が読んでいて非常に楽しくて、彼がアウローラを離し難いと感じる気持ちに「そうそうそう! そうなのよ!」とうなずくことしきり。
アウローラの刺繍趣味も長く続けていたことが花開くという喜びがあって、とても微笑ましかったです。服装の描写が素敵で、アウローラでなくとも刺繍に美しさを想像してうっとりしてしまう。
そしてアウローラのお胸が! 肩幅も腰も人並みにばーんとしているところが大変魅力的だと思いました。華奢なのも可愛いですが、普通に肉付きがよくて女性らしいのも素敵ですね。
刺繍と占術と魔法という組み合わせが非常に面白くて、おおっとなりました。そういう運命的な設定、大好きです!
とても楽しい作品でした。面白かったです。
(P[む]1-10)その本の物語 下 (ポプラ文庫ピュアフル)
どこにも行けない。まるでガラスの水槽の中にいるみたいで、すぐに息が苦しくなって——。南波は、学校を休み、書店でアルバイトをしながら、病院に足を運んでいた。きょうも病室で朗読をする南波、うっすら笑みを浮かべ眠り続ける沙綾。だが、魔女の子ルルーの長い冒険物語が、いよいよ終わりに近づいたとき、誰も知らない新たな物語が呼び出された——。
傷ついた魂の恢復と人間への信頼を謳いあげた、傑作長編ファンタジー!(裏表紙より)

再構成はされているものの、全編収録されているわけじゃなかったのかあ。ちょっと残念。
子どもの頃、「風の丘のルルー」シリーズを読んでいたとき、「最後はこうなったらいいなあ」と想像していた物語の通りになったみたいで嬉しかったです。やっぱりルルーはルーリアだったんだなあ。
ルルーがどんなに綺麗な女の人になったんだろうと想像すると、嬉しくて楽しくてどきどきして、笑ってしまう。けれど「この道を行くのは辛い」と言った彼女の気持ちを考えると、きっと楽しいことばかりの旅じゃなかったんだろうな。
もう一度読めてよかったです。
(P[む]1-9)その本の物語 上 (ポプラ文庫ピュアフル)
ずっと友達でいられると思っていた。なのに、約束を破ったのはわたし——。病院のベッドで眠り続ける、かつての親友・沙綾のために、きょうも朗読を続ける南波。それは二人が子どもの頃に好きだった魔女の子のお話だった。遠ざけられても、裏切られても、なお魔法の薬で人々を癒そうとした風の丘のルルー——。大好きだったこの物語が、あなたを呼び戻してくれたら……。今を生きる十代の女の子と、本の中の冒険が響きあう、遙かなる魂の物語!(裏表紙より)

『風の丘のルルー』シリーズを再編集した上下巻。ルルーは魔女の子ルルー単独のお話でしたが、再編集のこれは、ルルーシリーズが存在する現代世界にいる南波の視点パートが入るもので、かつての読者だった自分たちと重なるなあと思いました。
沙綾と聞くと、思い出してしまうのは『はるかな空の東』のサーヤ・クリスタライアなんですが、やっぱり特別感のある名前ですね。
目覚めなくなった沙綾のためにルルーシリーズを朗読する南波。果たして沙綾は目覚めるのか、南波は自分の心に決着をつけられるのか。ルルーのお話も最後まで読めるのかな。下巻が楽しみだ。
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Author:月子
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