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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫)
あらゆる物事を深刻に考えすぎないようにすること、あらゆる物事と自分の間にしかるべき距離を置くこと——。あたらしい僕の大学生活はこうして始まった。自殺した親友キズキ、その恋人の直子、同級生の緑。等身大の人物を登場させ、心の震えや感動、そして哀しみを淡々とせつないまでに描いた作品。(裏表紙より)

最後まで影を感じる作品だったなあ。うまく読めた自信がないんですが、途方もない、茫漠とした世界に取り残されているような気持ちになって、どうしよう、と思ってしまった。
何が自分を自分たらしめるのかとか、うまく自分の思いを口にするにはどうしたらいいのかとかを、うまく誤魔化しながら生きている感じに気付いてしまった瞬間、直子のようになってしまうのかもしれないなあ……。うまく社会に適応するかそうでないか、という話のように思えました。傷付くものなのだと肯定してくれてはいるんだけれど、うまくはいかない。もやもやしたものを抱えながら読了。
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ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫)
暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルグ空港に着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの「ノルウェイの森」が流れ出した。僕は一九六九年、もうすぐ二十歳になろうとする秋のできごとを思い出し、激しく混乱していた。――限りない喪失と再生を描き新境地を拓いた長編小説。(裏表紙より)

村上春樹を読むのは久しぶりだ、というわけで『ノルウェイの森』を。
当時大学生になった僕ことワタナベトオルは、親しかった友人キズキをなくし、彼と幼なじみだった直子と交流を持っていたが、関係を持ってすぐに彼女は姿を消し、山奥の療養所へ行ってしまう。
センチメンタルというのか、埃っぽくて白い光が見えるようで、鬱屈した雰囲気がなんとも。これどこに落ちるのかなあと思いながら上巻を読み終えました。
魔剣天翔 Cockpit on Knife Edge (講談社文庫)
アクロバット飛行中の二人乗り航空機。高空に浮ぶその完全密室で起こった殺人。エンジェル・マヌーヴァと呼ばれる宝剣をめぐって、会場を訪れた保呂草と無料招待券につられた阿漕荘の面々は不可思議な事件に巻き込まれてしまう。悲劇の宝剣と最高難度の密室トリックの謎を瀬在丸紅子が鮮やかに触き明かす!(裏表紙より)

飛行機ショーで起こった殺人事件。パイロットの一人、西崎杏奈と知人である練無はもらったチケットを阿漕荘の面々に譲って観覧していた。一方、保呂草はエンジェル・マヌーヴァの行方を捜索する依頼を受けて、各務亜樹良と接触。ふたつの事件が緩やかに交わる状況に。
さくっと謎解きが行われて、こんな軽い読み口だったかなあなんて思いましたが、わかりやすくて面白かったなあ(ちょっと謎が残されている感じがあるけれども)


「そうよ。好きな人が教えてくれることって、もの凄くしっかり頭に入ってしまうものなの。一度聞いただけで絶対に忘れないわ。だから、もししっかりと覚えたいことがあったら、人でも本でも、その相手を好きになることね」(p.133)
花咲家の人々 (徳間文庫)
 風早の街で戦前から続く老舗の花屋「千草苑」。経営者一族の花咲家は、先祖代々植物と会話ができる魔法のような力を持っている。併設されたカフェで働く美人の長姉、茉莉亜。能力の存在は認めるも現実主義な次姉、りら子。魔法は使えないけれども読書好きで夢見がちな末弟、桂。三人はそれぞれに悩みつつも周囲の優しさに包まれ成長していく。
心にぬくもりが芽生える新シリーズの開幕!(裏表紙より)

風早街シリーズのひとつ。植物と会話し、その力を借りることができる、不思議な力を持つ花咲家の人々と、その周りの人と街のお話。
優しいお話だなあ。ほんの少しの悲しさや寂しさを含みながら、みんなこの街の不思議を信じている。
ガラクタ伯爵の婚約 人形の花嫁の欠けた心 (一迅社文庫アイリス)
「ガラクタ伯爵は、自動人形しか愛せない」
そう噂されている青年アダムと、人形のような伯爵令嬢セラフィーナは婚約することに。それは、困窮している彼女の家を救う代償として、彼が求めたことだったはずなのだが……。アダムの城へ着いた彼女は、出会ったばかりで押し倒されたあげく、冷たい言葉を投げかけられて!?
契約からはじまる、不器用な変人伯爵とのラブファンタジー。(裏表紙より)

スチームパンク的な世界観で、人間そっくりの自動人形が高価なものとして普及している。そんな自動人形を産出する国でも十指に入る資産家のナトロレイト伯爵、通称ガラクタ伯爵に、借金を肩代わりする代わりに結婚することになったセラフィーナ。しかしセラフィーナは愛されたことのない、人形のような少女だった。
というわけで、何があっても微笑むことで自分の気持ちを押し隠してしまうセラフィーナと、傍若無人な変人アダムの、婚約から始まる小さな恋のお話です。セラフィーナがか弱い感じでとても可愛い。
押し倒してうんぬんのところは、ちょっと……とは思ったんですが、セラフィーナがちゃんとそのことに怯えるし、許してない感を出してくれるので、最後はちゃんと納得できたように思います。
かわいいお話でした。
図説 英国貴族の令嬢 (ふくろうの本)
「英国メイドの日常」「英国執事」に続くシリーズ第三弾。メイドや執事が仕えるお嬢様たちは、当時どのようなものだったのかという一冊です。
やっぱり継承についてと結婚についてが大きな部分だったかな。お嬢様たちがその後母親としてどのように活動したかは少しだけだったのですが、大変だなあと思いました。幸せなロマンスは現実にはあんまりなさそうだ。
夜行観覧車 (双葉文庫)
父親が被害者で、母親が加害者——。高級住宅地に住むエリート一家で起きたセンセーショナルな事件。遺されたこどもたちは、どのように生きていくのか。その家族と、向かいに住む家族の視点から、事件の動機と真相が明らかになる。(裏表紙より)

これはいやーな話だなあああ。『白雪姫殺人事件』に通じるような、他人の暴走みたいなものも感じるし、もっと当事者に近いことからいやらしい野次馬根性も見える。なのに他人事のようで、劇的に変わる人たちはいない。
「何がきっかけで家族が家族を殺すかわからない」というリアリティが怖い。何かがひとつ違うことで、人は簡単に家族を殺してしまうのかもしれない。真実と自分の心を知っているのは本人だけ。他人に語る資格はない。
殺人が起きた高橋家。その向かいの壊れ始めた遠藤家。スピーカー的な小島さと子という大まかな三つの視点なのですが、もうそれぞれが本当にいや! 理想的に見えて歪んでいる息苦しい高橋家も、全然ばらばらな方向を向いて喚き散らしているような感じの遠藤家も、他人の不幸は蜜の味みたいな小島さと子も、本当に全部いやだ……。それを強調するような小道具がいやな感じを増してすごい(褒め言葉)
いやだいやだと思いながら一気に読んでしまった。すごかった。
図説 英国執事 貴族をささえる執事の素顔 (ふくろうの本/世界の文化)
『英国メイドの日常』に対して、執事の本。使用人として男性と女性の役割はまったく違っていたんだとわかる一冊だなあと思いました。
こうしてみると、使用人って、主人の家の一部みたいなもので自分の人生ってほとんどなかったのでは? と思ってします。出世が人生だったのかなあ。主人たちから信頼されることが喜びだったのかも。そういう人たちの恋愛話を想像してみるのが楽しいですね。
蓮華鬼譚 宿命と恋の始まり (ビーズログ文庫)
十七歳の少女・蓮華は、大切な人たちを奪った『鬼』に復讐する旅に出る。それこそが、残された蓮華にとって唯一の、生きる意味だからだ。だが、鬼の行方を捜す道中、同じ目的を持った青年・出雲と出会う。軽薄で軟派。しかも、蓮華が忘れようとした過去の記憶を刺激してくる嫌な男——そう思っていたのに、彼と接するうち、閉じていた蓮華の心はかき乱されて!? 宿命が織りなす和風幻想譚!(裏表紙より)

和風ファンタジーはめずらしいなあという気持ちで読む。鬼を退治する真実の一族の出身で、鬼糸という糸状の武器を用いる蓮華。一族の里が滅ぼされ、生き残りである籐二とともに仇の情報を集めていたが、道中出会った別の里の青年・出雲と鳥羽から、一族の里が次々に滅ぼされていることを聞き。
少女とおっさんと美青年と少年のチームが、鬼を退治するお話。全体的にこざっぱりとしていて一冊で解決するんですが、恋愛要素が薄くてもうちょっと! もうちょっと蓮華と出雲のかわいいところを見たかった!
本当の敵が誰なのかという真実は悲しかったですが、真実の一族であることを貫き通した彼女たちがかっこよかったです。
図説 英国メイドの日常 (ふくろうの本/世界の文化)
19世紀後半から20世紀初めまでの英国での、メイドさんの素顔をまとめた一冊。薄いですが、メイドものの作品を読んだことがある人なら「あああの話の裏事情はこうなってたのね」とわかる部分があって面白いのではないかなーと思いました。
メイドたちの実際の恋愛はという部分がとても興味深かったです。身分違いの恋って意外と発生しないのね!
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Author:月子
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