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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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レトリカ・クロニクル 嘘つき話術士と狐の師匠 (メディアワークス文庫)
話術で難局を切り開く、レトリックファンタジー!
 巧みに言葉を操って、時には商いをし、時には紛争すらも解決する「話術士」。
 かつて人間と獣人との戦いに巻き込まれ命を落としかけた青年シン。彼は狐の話術士カズラに助けられ、以来、立派な話術士になるべく彼女と旅を続けていた。そんなある日、二人は旅先の街の商店で狼の部族の若き族長レアと出会う。彼女は部族間の紛争に悩んでおり、シン達はその手助けをすることに決める。だが、その紛争の背後には大きな陰謀が隠されていた!
 第21回電撃小説大賞〈銀賞〉受賞作!!(裏表紙より)

行き倒れたところを、狐の話術士カズラに助けられ、彼女の弟子となって話術士という仕事をしながら、西へ旅する青年シン。発言の仕方、論理の組み立て、相手の論を封じる方法など、人の発する主張の穴や、時には心理も読みながら、自分に有利なように話をする、というのが話術士の仕事です。その仕事が非常に賢いというかしっかりしているので、獣人と人間がいて、人間が奴隷にされることもあるというファンタジーな世界観の中では、面白い組み合わせだなあ! と思って読みました。
狐の師匠、カズラは、少女の姿にも大人の姿にも、狐の姿にもなれる。普段はシンの襟巻きになっていることも。そうした老練な女性もいれば、狼の部族の若き長、少女レアのように、卑怯ごとが嫌いで詭弁を弄したくないというまっすぐな気性の子もいる。そうした中で、話術で人を懐柔しようとするシンは、確かに卑怯かもしれないんだけれど、生来の性格がまっすぐだからか、ぜんぜん憎めなくて、自分の身体を張るところなんかは、いい子だなあと思いました。話術なんかなくとも、人の心に響くことに意味があるのだなあ、と思う。
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白ゆき姫殺人事件 (集英社文庫)
化粧品会社の美人社員が黒こげの遺体で発見された。ひょんなことから事件の糸口を掴んだ週刊誌のフリー記者、赤星は独自に調査を始める。人人への聞き込みの結果、浮かび上がってきたのは行方不明になった被害者の同僚。ネット上では憶測が飛び交い、週刊誌報道は過熱する一方。匿名という名の皮をかぶった悪意と集団心理。噂話の矛先は一体誰に刃を向けるのか。傑作長編ミステリー。(裏表紙より)

週刊誌の記者が聞き取りをしているという態なので、一人が語るのを聞いている感じ。その人の主観、思い込み、こうだったらいいなという願望なんかが混じるので、その語りも独りよがりで偏見に満ちている。人が変わる度に、まったく違う側面が見えたりなどして、疑心暗鬼に陥る作品でした……。
巻末にある資料がすごく面白い。週刊誌記者、赤星のつぶやきSNSだったり、週刊誌も巻末に入っているのですが、話の進行に合わせて少しずつ読んでいくと、もうぞっとする。人の善意? 悪意? 匿名ならではの加速が本当に怖かった。
人魚は空に還る 帝都探偵絵図
富豪の夫人の元に売られてゆくことが決まった浅草の見世物小屋の人魚が、最後に口にした願いは観覧車へ乗ることだった。だが客車が頂上に辿りついたとき、人魚は泡となって消えてしまい——。心優しき雑誌記者と超絶美形の天才絵師、ふたりの青年が贈る帝都探偵物語。明治の世に生きる彼らの交流をあたたかに描いた、新鋭の人情味あふれる作品集第一弾。表題作を含む五話収録。(裏表紙より)

明治もので、雑誌記者と美貌の天才絵師のコンビで探偵です。天才絵師の有村礼はいいとしても、雑誌記者の里見高広の方もなかなか濃い設定で、非常に好みでまいった!
高広は、雑誌記者。しかし、腕っ節が強く、英語に堪能で、推理力もあり。ちょっぴり不器用そうなところとか、ホームズの小説を英訳することで付き合いがある礼に対して「物で釣っているような気がする」と思うところとか、かわいい男の人だなあと思いました。
好きなのは「怪盗ロータス」と「真珠生成」かな。「怪盗ロータス」は話の余韻が好きで、ちょっと切ないようなところと、なんだか幻想的な感じが好きでした。怪盗と遭遇するって幻想っぽい。
贖罪 (双葉文庫)
15年前、静かな田舎町でひとりの女児が殺害された。直前まで一緒に遊んでいた四人の女の子は、犯人と思われる男と言葉を交わしていたものの、なぜか顔が思い出せず、事件は迷宮入りとなる。娘を喪った母親は彼女たちに言った──あなたたちを絶対に許さない。必ず犯人を見つけなさい。それができないのなら、わたしが納得できる償いをしなさい、と。十字架を背負わされたまま成長した四人に降りかかる、悲劇の連鎖の結末は!?
〈特別収録〉黒沢清監督インタビュー。(裏表紙より)

小学四年生のエミリちゃんが、ある夏の日に性的暴行を受けた上で殺害された。その時近くにいた四人の少女たちは、数年後、エミリの母親、麻子にある呪いをかけられる。その時から続いてきた、罪の連鎖。
四人の少女(女性)が、当時のことを回想しながら、その語りの原因にもなった自分の事件について語る短編が四つ、そして彼女たちに呪いをかけた麻子の独白、合わせて五つの連作です。一本目の「フランス人形」からひいっ! って感じの話が始まったので、どうなるかと思ったら、全部が「ああああ」って頭をかかえる内容で。終章まで読むとちょっとほっとできたものの、でもなあ、と頭を抱えて転がってしまう。
「わたしが納得できる償いをしなさい」の意味が分かった時には胸を突かれた感じがしました。そうかあ。そうだよなあ……。
かなり心理的な部分が大きい話だったので、ぜひ映像になったものも見てみたいと思いました。
泣き虫ポチ〈下〉愛を歩む
失恋した日、ネットゲームの世界にトリップしたOLの愛歩。キャラクター「ポチ」となってしまった彼女だが、同じ状況に陥ったプレイヤーたちのおかげで、無事、元の世界に戻ってくることができた。その後、愛歩はパソコン越しに楽しい冒険を再開する。でも彼らと会えないのはちょっぴり寂しい。すると、オフ会をしようとのお誘いが! 人生初のオフ会にドキドキしながら待ち合わせ場所に向かうと、そこには彼女を振った彼の姿があって——?
舞台はゲーム世界から現実へ!
泣き虫なポチの大奮闘がはじまる!(カバー折り返しより)

トリップ先から無事に生還、みんなともゲーム越しに再会できた。次はオフ会だ!
あんまり深く考えない愛歩のおかげで、あのトリップは「わけのわからない偶然」ということで片付けられてしまった様子(他の五人はえんえん議論していただろうし、納得していないところもありそうですが)。
オフ会楽しそうでよかった。しかし、夕星の態度にうーんとなってしまった。いくら告白が日常茶飯事で、その日絶不調だろうと、駅前で見ず知らずの女性に告白されるというシチュエーションは滅多にないように思うので、ちゃんと覚えておいてほしかったというか……。
しかし、とってもかわいらしい、ほんわかと元気なお話で、楽しかったです。他のメンバーも本当にいい人たちでよかったー!
泣き虫ポチ〈上〉ゲーム世界を歩む
片想いをしていた“愛しの君”に振られてしまった、平凡なOLの愛歩。どん底な気分をまぎらわせるために、人生初のネットゲームにトライしてみたのだけれど……どういうわけだか、ゲーム世界にトリップしちゃった!? その上、自分の姿がキャラクターの男の子「ポチ」になっている。まさかの事態に途方に暮れる愛歩だったが、彼女の他にもゲーム世界に入りこんだ人たちがいるようで——
現実世界に帰るため、泣き虫なポチの大冒険がはじまる!(カバー折り返しより)

人生初のネットゲームでトリップ。ネトゲどころRPGの知識もおぼつかない。そんな愛歩ことポチのお話です。
愛歩が、けっこう思い込みの激しいうっかりさんというのが最初は読んでいてつらかったのですが、だんだんその一生懸命さやひたむきさ、苦労したところなんかが見えて来ると、がんばれーと応援する気持ちになっていました。彼女はゲームの知識のない初心者なので、オンラインゲームの解説としても面白いかもしれないなあなどとも思いました。
他に五人の仲間がいるのですが、それぞれ個性豊かで、ゲームあるあるネタも混じって面白かった。下巻はオフ会らしいので、キャラと実物の性別の違いとかに驚いてくれるんだろうなあと期待して読みます。
ゲームデザイン脳 ―桝田省治の発想とワザ― (ThinkMap)
「俺の屍を越えてゆけ」などに携わったゲームデザイナーの桝田氏が、どのように発想してそのゲームのシナリオなどを書いたか、という本です。
なんというか、めっちゃ頭いい人だなあというのを読んでいてひしひしと感じました。物事を分解して再構成し直すって、頭のいい人がよくやるやつ。理屈ではわかるけれどなかなかできないよ! けれど発想の仕方や、物事の分析の方法がなんとなくわかって、おもしろかったです。
死にたがり姫事件譚 -黒猫に捧げる愛の話- (ルルル文庫)
王立学校に編入することになった公爵令嬢のユキハは、「死にたがり姫」と呼ばれる変わった少女だった。何せいつも首から短剣を下げている。今回も、編入初日に出会ったジンに対し、いきなり「私を殺してくれぬか」と迫る。だが彼女には彼女なりの事情があったのだ…ユキハは校内と身辺に起こる不可解な事件に目もくれず、ジンを追いかけ回す。しかしやがて事態は深刻なものになり…!?  ブラック・ラブコメディ・コージーミステリ登場!!(裏表紙より)

風変わりすぎる公爵令嬢ユキハは、自分を殺してくれる相手を探していた。そこで目をつけたのは、学園の問題児であ少年ジン。かくして、ユキハがジンを追いかけ回す学園生活が始まった。
学園ものというよりは、ユキハがいかにして歪んでしまったか、「殺してほしい」という言葉が含む真実、そしてアウトローであるジンの過去など、少しずついびつになってしまった少年少女たちの話かなあと思いました。お前の猫になるうんぬん言われても、甘さとかまったく感じなかったし不穏で不健全な感じしかしない……笑
ジャニヲタあるある フレッシュ
ジャニーズ事務所所属の人たちのファン、ジャニヲタにまつわるあるあるネタ本。ドルヲタに通じるものもあるのではないかと推測します。しょっぱなから「担当カラーは絶対に譲れない」(推しのイメージカラーのもの、青だったら青い財布とか青い鞄とかそういう)というところから始まり、ジャニーズならではのネタらしきものもあり。
あと個人的に面白かったのが、身内がジュニアですという女性二人の対談。周りはこういう反応なのかとか、本人はこういう感じで頑張ってるのかとかが軽く分かって面白かったので、もっとそういう話読みたいです。
春狂い (幻冬舎文庫)
人を狂わすほどの美しさを内包した一人の少女。父親や男たちの欲望から逃れ女子校に入学するが、教師に襲われ学園を去る。しかし転校先でも同級生からのいじめと教師からの暴行は繰り返され――。やがて少女は安息を求め、教師の前でスカートを捲り言う。「私をあと二年、守ってください」。桜咲く園は、天国か地獄か。十代の絶望を描く美しき青春小説。(裏表紙より)

苦しくてえぐくて、救いなんてないんだけれど、ページをめくる手が止まらなかった。食い物にされるのか、食い物にするのか。そのどちらかしかない。普通の幸せってなんなんだろう、と思う。
一人の少女を中心に、本人と彼女に関わった人物の視点で短い話が連なっています。別の視点から見るとそうなるか、というところもあったり、やるせない気持ちになったり。「そんな三文小説みたいな女が実際にいる?」という台詞にぎくっとしました。これ、フィクションとして存在しているけれど、そうやって蹂躙される子どもは本当にいるんだよなと思ったから。
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Author:月子
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