読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
春の女神と呼ばれる可憐な姫メルティーナは、初めて会ったときから、婚約者フォルストルの青い瞳に魅せられた。が、彼の深く重い青の瞳は冷たい人柄そのものを表していた。
何事にも無関心なフォルストルだったが、メルティーナは、彼に愛されたいと、誠心誠意尽くす。
そんなある日、メルティーナは、名前も知らぬ、吟遊詩人と一夜の過ちを犯してしまい……!?(裏表紙より)
古い西欧の時代。南方地方の旧王家の血筋の姫メルティーナと、北方地方の有力貴族令息フォルストルとの結婚が決まった。政略結婚と納得して嫁いだメルティーナは、フォルストルに一目で恋に落ちる。しかし、フォルストルは誰に対しても無関心、己の心にも無頓着な冷たい人間だった。
という、とことんすれ違いながら、可憐なヒロインが努力する、正統派少女小説でした。結婚ものの楽しさが溢れたもので、ちょっとずつフォルストルの心が解けていくところがもだもだでした。自覚がないのか、で噴きました。
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ロクサナは、メフルダート女王国の王女。しかし、14歳までその事実を隠され他の国で生きてきていた。急に連れ戻され、女王国のしきたりを教え込まれるが、ありえないぐらいの「女権国家」で、とまどうことばかり。一番馴染めないのは、王女が花婿候補達に囲まれハーレム状態で暮らすこと。この中から、たった1人の花婿を選ばなくてはならないのだが…究極の逆ハーレムに目が離せない!!(裏表紙より)
逆ハーレムだけど、正しい意味でのハーレム。何を言っているか分からないと思いますが、女性の権利が強くて男の人を囲う立場なので、本来の意味でのハーレムです。男性には「男の顔に傷なんてッ!」「ごつくていかつい女男!」という罵倒が用いられます。そう、女性がごりごりでも許されるのが、メフルダート女王国なのです。
ロクサナはその価値観と真逆のところで暮らし、育った少女。王家の人間=神として、男性たちに追い回される。だいたいがなよなよとした男性たちなので、追い回されているシーンではときめきよりかは脱力感が……笑 でも、ちゃんと少女小説として普通の恋愛をしていたので、面白かったです。
窪居佳那・二十四歳、大学院のドクタコースに在籍して研究に没頭中。趣味は起き抜けのシャンプーと「どきどき」の探求。悩みは飲酒時の記憶喪失とよくわからない自分の気持ち。後輩の爽やか青年・鷹野と人形オタクの水谷、ダンディな指導教官の相澤、謎の怪僧武蔵坊。佳那を一番どきどきさせるのは誰か?——『すべてがFになる』でミステリィ界の地図を塗り替えた異才がおくる初のラブコメディ! 解説:多部未華子(裏表紙より)
森博嗣さんのラブコメディだ。ラブコメディだけどもっとハイセンス。軽くはないのに軽い。ジョークがハイセンスすぎてちょっと置いていかれた感じ。
女王様気質で、変わり者だけど普通の人を偽装している佳奈。研究室の後輩男子二人と微妙な関係だったり、合コンに誘われたり、日常を送っているのに、ちょっと普通じゃない。とにかく思考回路が変だ! どこで笑っていいか分からなかった!
旧貴族のエッドは、大地のエネルギーを喰う核獣を狩る滅核獣師になるため、幼馴染みのラッセと共に準軍学校に入学した。相棒として彼の隣りにあることを信じていても、戦士として、そして女としては少しだけ自身がなかった。けれど王制復活を目論む反乱により、ラッセが核獣の王として覚醒してしまう。冷たい眼差しのラッセに、エッドは相棒としての覚悟を秘めて対峙し……!(裏表紙より)
おっもしろかったー!! 学園ものであり、相棒ものであり。バトルもあって、とってもとっても美味しかったです!
舞台は、自動車やら無線やら銃やらがある、ほんの少し近代的な世界。王が不在で貴族の身分もなくなりつつも、根強く容姿や家の格などについて差別があるところ。
核獣が襲ってきて阿鼻叫喚でみんなが大慌て、みたいな話を想像してたんですが、エッドとラッセの二人がとても安定した相棒だったので安心して読みました。絶対この二人は離れないだろーと見ていて分かるので、その最強っぷりがすごく楽しかった。
エッドが好みのヒロインすぎて! 男っぽくて凛々しくて、でも可愛いものが好きで、友達にも優しい……。ちょっとだけ不器用な感じもするところが、とってもかわいくて好きです! なのでラッセはもっと頼れる男(相棒)になってほしい! エッドを寄りかからせてあげて!
同人誌版で続きが出るということなので、絶対に読みたい! もう、すごく好みの学園+バトル+バディものファンタジーでした。
終戦、そして父王の崩御——社交や結婚話、王宮でのいつもの暮らしは戻ってもアンジェラの心に碧空は戻らない。憂い顔の彼女に兄フランツが提案したのはエグバードへの留学だった。かの地を見て学び、そして外交の助けとなって欲しい。兄の思いに、久しぶりに気持ちが高まるアンジェラ。一方、セシルは飛行船平和利用のために奔走しており……。シリーズ堂々の大団円!(裏表紙より)
終戦後、王女として政務に励むアンジェラ。反戦運動に身を投じたランディに、それは違うんじゃない? と言えるのは、アンジェラが明らかに成長した証だと感じられてとても嬉しかったです。それでもアンジェラらしさが全然なくなっていないことも、よかったなあ!
そして、王道なロマンス! 新聞記者に追われるのはロマン! そして、飛行船でやってくるのもロマン! そこで可愛くない言葉を交わし合ってしまうセシルとアンジェラに、もだもだしました。分かりきってる間柄ならではのやりとりですね!
最初はアンジェラの子どもっぽさがだめかもなーと思いましたが、ちゃんと成長してくれてよかった。ロマンスの気配も途中まで薄かったですが、三巻では盛りだくさんだったので楽しかったー。
戦況は緊迫……ついにエグバード軍の飛行船が爆撃を開始した。戦地に赴いた兄・フランツに代わり、ロートリンゲン王国の王女として”高貴なる者の義務”を果たそうとするアンジェラは、国防婦人団の団長を務め、戦地を慰問する。一方、飛行船を軍に提供し、軍人たちを家に招くセシル。彼に反発し、反戦運動に身を投じるランディ——戦火が引き裂いた三人の運命は。(裏表紙より)
アンジェラがみるみる王族として成長していく中で、この巻はランディの言動が辛い……。セシルの言うことは最もなんだから、何故そこで思考停止してしまうのかなあとじりじりする。言うばっかりならなんでもできるよね……と我が身に照らしても思う。ランディも三巻で成長してくれたらいいな。
三巻で最終巻。戦後が描かれる。三人が再会した時、それぞれどんな風になっているのか。楽しみ。
小国ロートリンゲンの王女として天真爛漫に育ったアンジェラ。なのに最近は、縁談やら、戦争が始まれば大好きな兄が出征するとか、面白くない話ばかりでうんざり。そんなことが王族の義務だなんて! そんなある日、飛行船が王宮に不時着。見たこともない巨大な姿にすっかり心魅せられてしまう。大空へ、そして初めての外の世界へとアンジェラは今、飛び立った——!(裏表紙より)
わがまま放題で育ったブラコン王女が、外の世界へ飛び出していく話。これ、一巻だけだと、なんともいえずアンジェラが子どもすぎて読むの辛いなあ笑 もうちょっとよく考えろ、と言わずにはおれない浅い考え方の持ち主です。もちろん、これがどんどん変わっていくんだろうなあと期待させるんですけれども!
不時着した飛行船の持ち主、セシル・マクレガーと、彼の養い子ランディとともに外に世界に出て行くことになったアンジェラ。セシルとアンジェラは、保護者と子どもな喧嘩ップルぽいんですが、これが変化したら面白いと思わせるので、ぜひアンジェラは成長してセシルをめろめろにしてもらいたい!
アンナは由緒正しい伯爵家のご令嬢。しかし実は、父が遺した借金に追われる日々。
ジェラルドは「金で爵位を買った」と言われる男爵家を継いだ青年銀行頭取。しかし実は、国に借金を踏み倒されて銀行は火の車。
そんな二人が、現状打破のため良縁を得ようと参加した慰霊祭で知り合った! 肩書きを信じた二人は、勢いで王子の前で結婚の約束を交わしてしまったけれど——!?(裏表紙より)
凍れる皇帝と政略結婚した令嬢の切ない歴史恋物語『氷雪王の求婚』、敵国の将を愛してしまった王妹と将軍の『たとえ許されない恋だとしても』も、湊作品のどちらも大好きでしたが、今回はお金がないヒーローとヒロインの金策、かつ利益重視の結婚物語でした。とても明るくて、楽しかったー!
王子の異母妹(しかし王族とは認められず、援助も受けられない貧乏令嬢+工事、内職で働く)と、銀行の頭取(有能、かつ行員には慕われているけれどお金に困っている)。お金がない、お腹いっぱいになりたい、というようなことが書かれるわけですが、ここまでヒーローが「おなかをいっぱいにしてあげなくては……!」と思う話だとは思わず、にやにやして読みました。アンナも、王子の異母妹、かつ伯爵令嬢にしては、すっごく庶民的で普通の娘さんなので、まあ口がよく回る……笑 おしとやかでなく活発に動き回るところが、なんだかいいなあと思いました。
でも、一番好きだと思ったのはジュジュさんですよ! なんだあのひと! 借金取りのくせにお母さんみたいじゃないか! めっちゃいいひと! 好き!
「お姫様なんて柄じゃない」。そう思っていたけれど誰もが憧れる王子様から突然プロポーズを受けたあたし、木内鈴鹿。
若干先走っている彼は、結婚式への準備を着々と進めていく。なかなか実感が湧かなかったけれど、幸せ気分で日々を過ごしていたら……
突然彼の弟の拉致されて——
結婚までの道のりは一筋縄ではいかない!?
平々凡々なちびっ子OLとイケメン上司の基本まったりときにシリアス(?)ラブストーリー!(カバー折り返しより)
プロポーズ後。社内でやっかまれ、史鷹の実家にまつわる揉め事に巻き込まれ……。
ヒーローの溺愛っぷりがどんどん増してきている中、ヒロインのツッコミが冴えて気持ちいいです。甘やかされるだけでないヒロインはとてもいい! 史鷹の実家、南条家を「気持ち悪いわ!」と言い切れる、肝の太さ。恋敵(というかストーカー)に向かっている中、お前は引っ込んでろと言える気持ちの強さ。ヒロインじゃない、私は平民です、という女性のもえどころは、ヒーローを蹴っ飛ばすことができる最強具合だな! という楽しさでした。面白かったです。
元気にけなげにピチピチと、そんな“キトキトの魚”みたいになりたい——。自意識過剰な一人っ子時代の赤面メモリー、痛恨のフライデー事件の顛末など「事件を呼ぶ女」ムロイが体験したアヤシイ出来事の数々。面白すぎるエピソード満載のベストセラー、ついに文庫化! あなたも読後は“キトキト”になることうけあいです。(裏表紙より)
もうすでにお仕事をされている内容あり。でもやっぱりご自身も周囲も個性的すぎないか! というエッセイでした。「可愛いあの子は誰のもの」が、なんだか短編小説みたいな内容で、くすっと笑いました。それから、子ども時代の話がいいなあ。友達と、今思うと何やってるんだろうってことで遊んだり、喧嘩したり。