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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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驚きの介護民俗学 (シリーズ ケアをひらく)
『神、人を喰う』でサントリー学芸賞を受賞した気鋭の民俗学者は、あるとき大学をやめ、老人ホームで働きはじめる。気づくと彼女は、「忘れられた日本人」たちの語りに身を委ねていた——。(帯より)

民俗学者の六車さんは、大学をやめて、老人ホームで働いていた。そのうち、とある利用者の反応に驚いた六車さんは、ホームにいるお年寄りたちに聴き取りをはじめる。彼らが語りだしたのは、民俗学に通じる、彼らの過去、日本の歴史、文化だった。
民俗学と介護の両方に関係する、聴き取り、傾聴というものを知る一冊だったかな、と思います。
介護の現場が、もうがんじがらめになった大変な場所(時間、人、場所の制約の厳しいところ)だというのは、いろいろ本を当たるとわかるんですが、その中でも六車さんの聴き取りをすることによって、利用者への対応に活かすことができるという視点は、すごいと思う。確かに、毎日忙しいから、継続するには難しいものなんだけど……。
そういう聴き取りが、驚きに満ちていた、という六車さんの反応もいいなあと思いました。そして、忙しくなればなるほど、驚かなくなっていたということも。そういう日々の中で取りこぼしていくものの大きさを思うなどしました。
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介護の専門性とは何か
介護職に携わっていた著者が、介護の現場や地方講演、これまでに書いてきた著書などを引きつつ、介護の専門性をはじめとした介護現場について書いた一冊。
2005年の発行。
これを読むと、いかに現場の状況が知られずにいろんなことが窮屈に決められてきたんだなあと思わざるを得ない。
何度も繰り返し書かれるのは、ある人が「◯◯がいい」という主張が正しいのか、という質問に、その人の場合は◯◯が正しい、その考え方を評価する、ということ。つまり、一律的に◯◯をするんじゃなくて、その現場、現場で、正しいこと、有効的なことが違うということ。その臨機応変さが必要なのに、お上が窮屈に縛っているような気がしました。
いろんな本や著書の話題も出ているので、他の本も読もうと思います。
幽霊伯爵の花嫁―闇黒の魔女と終焉の歌 (ルルル文庫)
サアラの妊娠を喜ぶコルドン家に、魔女と呼ばれる悪霊復活の報せが! ひとり対処に向かったジェイクは隠されたある事実に気づくも、追ってきたサアラを魔女の生贄に要求されて!? 様々な思惑が錯綜する中、鉄壁の無表情で心を隠すジェイクにサアラの不満は募り…? 「愛しい旦那様は、自分の手で繋ぎ止めなければなりません」——悩める息子と他家の墓守親子も巻き込んで、高らかに愛を謳歌する最強花嫁物語、堂々の最終巻!(裏表紙より)

最終巻。前巻で少し触れられた過去の話も交え、こじれてしまったジェイクとその父クロード、そしてアシェリーゼの問題と、ジェイクとエリオスの問題も解決する、すごく家族! な最終巻でした。今まであんまりそうだとは思わなかったんですけど、この巻で確かにえりオスとアシェリーゼは血縁者だわ……と思った。それから前コルドン伯爵とジェイクもな! 「聞かれなかったから言わなかった」というのが思いっきり原因だよ!
誰か/何かを思いすぎてこじれてしまった人たち=幽霊、なんだなあ、というシリーズだったと思います。幽霊に関わる人たちもどこか捻れていて、潜んでいた真実が悲しかったり意外だったり予想通りだったり、とても楽しかった。
サアラが最後まで自分を貫き通してくれたのもよかったです。もう全然普通の感覚じゃない。ジェイクのことが好きで追いかけていくところは普通の子のようでしたが、理由とか信念がおかしい。執着しすぎ!笑
ジェイクがもうちょっとめろめろになってくれても面白かったかなと思いつつ、でもこれでも十分めろめろなので、幽霊になっても一緒にいてほしい。
面白かった。ありがとうございました。
幽霊伯爵の花嫁―彷徨う少女と踊る髑髏の秘密 (ルルル文庫)
熱愛中のコルドン伯爵夫妻のもとに、ジェイクを父と呼ぶ幽霊の女の子が現れる! 騒然とする周囲をよそに、嬉々として母親宣言をするサアラだったが、ジェイクは頑なに少女へ近づくことを禁止して!?「私に隠し事をして、なんて酷い旦那様でしょう」愛する夫を悩ませるものは徹底排除! 過去の秘事を暴く最強花嫁の決意とは? ジェイクとエリオスの母親である最初の妻との関係や、知られざるサアラとの出会いも明らかに!(裏表紙より)

いつか「おとうさん!」って呼ぶ誰かがくるんじゃないかなーと思ったら、本当に来たよ! しかも幽霊だよ! そして生まれてくる前に死んでいった命だったよ……。
断片だったいくつかの過去の出来事が中心となった巻でした。相変わらずサアラがサアラでたいへんよかったです。性格が悪かろうが、おかあさんと呼ばれてるヒロインはなんかこう、胸がぎゅっとして、にやにやしちゃいます。そして、ジェイクはすっかり、サアラがいないとだめな人になってきたね!!
あとがきに次が最終巻と書かれてあって、びっくりした。あとがきの文字の詰まり具合にもびっくりした。
幽霊伯爵の花嫁―悪魔の罪過と忘れられた愛嬢 (ルルル文庫)
「きみは誰だ?」アスガント公爵領を騒がす幽霊と対峙したジェイクから、十年分の記憶が消えてしまった! 愛妻も成長した息子も忘れ、冷たく拒絶してくる夫に、サアラは艶然と誘惑を宣言し!? 同じ頃、騒動の原因である幽霊を追って、傲岸不遜な他家の墓守ギルが現れる。彼は、ジェイクの記憶喪失の原因を知りながら、決して協力しようとせず…? もう一度好きになって——。どんな不幸をも踏みにじり蹴散らす、最強花嫁の愛!(裏表紙より)

それぞれのお家の事情、という感じで、どうしてどこのお家もこんなに捻れてとんでもないことになっているのか……と思わないでもないシリーズですね。そういう世界観なんだよっていうのがすごく面白いんですけどね! ちょっぴりダーク効いててラブありで、みたいな。
記憶喪失ながらも、ジェイクはサアラのことを求めてしまうし、サアラはいつも通り自分をしっかり持って望むように行動できるサアラだし。安心と安定の二人で、ピンチらしいピンチがないような気もする!
二人のシーンがちょっとずつエロくなってきてるのは気のせいでしょうか! ラブラブいいなー。にやにやする。
母
小林多喜二の母、セキが語る、彼女の一生。

人に読みなさいと勧められた本。
独白の形式で、セキの生まれから、結婚、出産、引越し、そして次男多喜二の事件などが語られる。この、方言で書かれた文体が非常に心地よくて、すごく味わい深いし、情にあふれている。
貧農に生まれ、学校にも行けず、字も読めないまま、若くして嫁に行って。もちろん、多喜二のしていることもよくわからないけれど、この子がすることだからと全幅の信頼を置いているところが、母という生き物なんだなあ……と思う。息子を失った悲しみも、一人の母親としての悲しみと怒りとしてある。
教訓めいたことは最後の方にしかないように感じたんだけれど、でも全編通して、情に溢れた、質量のある一冊でした。
精霊宮の宝珠 (コバルト文庫)
 月の精霊宮に住むフィラーンは『月の乙女たち』のひとり。月の司である精霊の女王の末娘。銀の髪、菫色の瞳の美しい少女だ。
 月が消える新月の夜、この聖なる宮殿に賊が忍ひこんだ。男は草原の民ジルク族のオランザ。彼は神宝の『月光珠』を盗んだばかりか、フィラーンの唇まで奪って逃げたのだ!
 人間界におりてスルフェと名を変えた少女は、盗まれた宝珠を捜す旅に出た……。(カバー折り返しより)

中編という印象の短めの話。穢されたために聖なる力を奪われ、元の立場に戻るべく、男を殺さなければならない、という人魚姫のようなストーリー。草原で、遊牧民で、という状況なのに、もうちょっとスルフェがいじめられるとかちやほやされるとかいう展開が見たかったよ! しかし、終始悲愴で切ない空気があって、好みでした。
幽霊伯爵の花嫁―偽りの聖女と地下牢の怪人 (ルルル文庫)
結婚から半年、今まで以上に仲睦まじいコルドン伯爵夫妻。そんな伯爵家に「怪人」と呼ばれる幽霊に命を狙われた二人の客人が現れる。しばらく屋敷に滞在することになった二人だが、それにより熱愛夫婦の間に思わぬ亀裂が……。なんと、客人の一人である美しい少女リゼットとジェイクが一夜を共に!? 最愛の夫の不貞疑惑に、最強花嫁のとった行動は? 家人も幽霊も巻き込んで、予測不能な夫婦喧嘩が勃発! 二人の愛が試される!?(裏表紙より)

今度はジェイクがやきもきするの巻。夫婦喧嘩もやっぱりどこかずれてるんですが、自分の気持ちがいまいちよくわかっていないながらも「触りたい」と言ってしまうジェイクが、もうきゅんきゅんしました。拒否されて訳がわからないと思ってしまうところも、お酒に酔って押し入ってしまうところも、ああ、ジェイクって本当はすごく可愛い人なんだな……と。
屋敷の新メンバーになった、フィナとヴォルグがなかなかいい味を出してます。サアラ、アシェリーゼ、フィナと女子会が形成されているところで、そろそろ男子会も作ってほしいなーと思いました。
幽霊伯爵の花嫁 囚われの姫君と怨嗟の夜会 (ルルル文庫)
ある日、マッケニア伯爵家から届いた夜会の招待状。何故かサアラは、大好きなジェイクと離れることを承知で出かけて行く。その理由とは……? 一方、ある少女の幽霊を追ってマッケニア伯爵家に来たジェイクは、そこで驚くべき状況に遭遇して!? 華やかな夜会に隠された秘密と、少女の幽霊を縛る未練とは? 赤い糸ならぬ手錠で繋がれた夫婦の恋は、過激に進展中! 型破りな最強ヒロインは、恋も友情も予想外!!(裏表紙より)

サアラの性格が悪いことはわかっていましたが(それが可愛いのは知っている)、こんなにぶっ飛んだ思考回路の子だったかな? と思いながら久しぶりに続きを読みました。いかれたヒロインだぜ……(可愛い)
そして登場するゲストキャラもなかなかいかれた人たちばっかりで、みんなどこか変なところが非常に楽しいと思う自分がいてやばい。とりあえず、アックスはフルボッコにしたい。
サアラとジェイクは恋愛度が上がっているはずなのに、殺伐度もどんどん上がっているのですごく楽しい。もっとやって!
太陽の庭 (集英社文庫)
一般人には存在を知られず、政財界からは「神」と崇められている、永代院。地図に載らない広大な屋敷に、当主の由継を中心に、複数の妻と愛人、何十人もの子供たちが住まい、跡目をめぐって争っていた。そんな中、由継の息子・駒也は、父の女・鞠絵に激しく惹かれてゆく。許されぬ愛は、やがて運命の歯車を回す。破滅の方向へ——。「神」と呼ばれた一族の秘密と愛憎を描く、美しく、幻想的な物語。(裏表紙より)

『雨の塔』に関連する物語。少女たちの箱庭だった『雨の塔』とは正反対の位置にある、永代院という広大だけれど閉じらせた外の世界を描く。『雨の塔』ラストでの崩壊はいったいどのようにして訪れたのか、という話です。
地図になく俗世から切り離され、崇め奉られる家、永代院。当主は代々「由継」を襲名し、有力者たちから差し出される娘を妻に迎えて子どもを産ませ、とある啓示を受けた子を後継にしてきた。妾腹の駒也の短編を皮切りに、歪んだ家と人と、世界の側面が現れてくる。
『雨の塔』は境界の曖昧な箱庭の話だったのが、『太陽の庭』は庭という場所のせいか部外者からの侵入を受けて崩壊する。この二冊、世界の壊れ方を比べるとすごく面白い! 少女小説なんだけど、こっちはよりファンタジーなのに、最後はサスペンスで鋭い。そして女の話で締めるのか! と唸りました。
面白かった。でも、二冊合わせるとちょっと蛇足感はあるかも。私は『雨の塔』が好きだ。
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Author:月子
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