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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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抵抗のディーバ (海外文学コレクション3)
彼女はこの国のあちこちで歌った。その噂は国中に広まった。彼女が歌えば歌うほど、抵抗活動に参加する者たちは勇気づけられ、力を強めていった。独裁政府は怒り狂い、彼女を捕らえようと躍起になった——今、伝説の歌姫が復活する。自由のないこの国に、春をもたらすために。(カバー折り返しより)

どこかの国の物語。寄宿学校に通う孤児の少女ヘレンと親友のミレナ。ミレナにはとんでもない歌の才能が眠っているが、そのことを知っているのはごくわずかな者だけ。同じ孤児の少年に出会ったことで、四人の少年少女の運命が動き出した。
主人公は歌姫たる素養を持つミレナではなく、ごくごく平凡な少女であるヘレン。ヘレンを通して見るこの世界は、灰色がかった夜の深い世界だけれど大切に輝く光みたいなものが見える気がする。
あっさり人が死んでしまうので「えっ」となったり、もうちょっとその後が見たかったとか色々あるのですが、ヘレンで終わるというのがなんだかしんみりするなあ。輝かしいミレナたちの物語の裏で、ひっそりと悲しみと傷を抱えたまま大人になって暮らしている人がいること。
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学園大奥 (実業之日本社文庫)
全世代の女子に捧げるハイテンション学園コメディ
女子校に憧れた和実は、猛勉強のすえ中の丸学園に合格。だが入学すると、学園は共学になり、「大奥」と呼ばれる生徒会に牛耳られていた! 憧れの「上様」はまるで雲上人。クラスメイトは外部入学者に冷たい。さらに、大嫌いな幼馴染み・鼻くそギルバートに愛を告白されてしまい……。子どもから大人まで全ての女子をときめきと笑いの渦に巻き込む、学園ラブコメの決定版!(裏表紙より)

すげーおもろかった。読んでてすごく楽しかった! ハイテンションの上にラブコメでボケとツッコミばっかりなんですが、そこのへんの元ネタが分かるとかなり読んでて面白かったです。マリみてネタが分かれば大体オッケーだと思います。文体がノリのいいブログみたいだなーと思う。
舞台設定や学園の様子はまったくの非日常なんですが、書かれている人間模様がどう読んでもごくありふれた中学生なのがすごい。友達同士のささいなこと、相手のことを思ったり心配したりとか、特に鼻くそギルバートの事情は現実に本当にあることで、リアルとファンタジーの差みたいなものがすごいバランスで配置されてるのがすごい。
本当に面白かった。楽しかった。ラストのきらっと光る希望みたいなものがいいなと思う。子どもだから、という言葉は強いな。
幽霊伯爵の花嫁-首切り魔と乙女の輪舞曲- (ルルル文庫)
サアラは退屈だった。コルドン伯爵家へ嫁いで2か月、夫のジェイクに恋したサアラは、やや一方的な新婚生活を心から満喫していた――10日前までは。仕事で領地を離れたジェイクに、サアラの機嫌は日に日に悪くなり……ついに領地を飛び出して!? 一方、首切り魔の幽霊を捕縛しに来たジェイクは、傍にいないサアラが何故か気にかかり? 「どうやら私はきみが好きらしい」暴走する花嫁と恋を自覚した夫の、予測不能な夫婦関係の行方は!?(裏表紙より)

今までにない真っ黒な性格のヒロインと、何を考えているのかいまいち分からない墓守伯爵の、幽霊と結婚生活の話の第二巻。サアラが相変わらずで何よりです。ここまでよく動く子だと話がくるくるして楽しいなあ!
今回はコルドンの領地を離れ、幽霊を捕縛する話。なのでショタでツンデレ要員のエリオスの影は薄いですが、夫婦! 夫婦の交流がなんてかわいいのだろう!!
突然のハグとか、二人で一つのベッドに寝転がってるのとか、本当にきゅんきゅんしました。ジェイクのキャラが好きなんです。あんまり表情が出ないくせに、結構色々考えていたり頭がよかったり強かったりするところがもうほんと好き……!
サアラとアシェリーゼが仲良しなのもすごく好きです。この信頼できる女友達感(実際は嫁と姑だ)。
首切り魔幽霊事件の真相は、ミミもレニーも切なく感じられました。結末は、サアラとジェイク、この二人じゃないとこの結論は出せないかなあ、と思う。確かにサアラの中では幽霊なんて些細なものなのだなと思いました。
砂漠の淡雪 (ショコラノベルス・ハイパー)
母の再婚によって、中東アルラート国の王族となった坂下雪彦。血の繋がりのないことで、義兄弟たちにいじめられる日々を過ごしていた雪彦を救ったのは、第二王子のサリフだった。ある日、サリフへの想いが恋心であることに気付いた雪彦だったが、身分違いだと諦めようとしていた。だが、サリフが20歳の誕生日を迎えた日の夜、屋敷にやってきたサリフに雪彦は無理やり抱かれてしまう。この関係はサリフの為にならないと思いながらも、逢瀬に溺れていく雪彦。そして、ある事件をきっかけに日本への帰国を決意したのだが…。(裏表紙より)

血のつながりがないながらも王族になった雪彦は、義兄で次期国王と目される本当の王族サリフ王子と交流を深めていく。一度結ばれながらも逃げる受け、というのが珍しいなと思いました。まじで日本に帰るとは思わなかった。でももうちょっと日本でどたばたしてくれてよかったのよ。連れ戻された後は監禁の上に溺愛という定番のコースで、相手にはもうちゃんと妻と子が……自分をいじめていた義兄が……とすれ違いと愛の確認でした。なんかだんだんこの系統が分かってきたぞー!
アラブの王子様は強引で俺様で楽しいですね。飛行機止めたところはちょっときゅんとした(監禁フラグなのに……)。
ドラゴニア王国物語 (カドカワ銀のさじシリーズ)
頼まれた荷を届ける「走り屋」の少女リンディは、ある日、王城の竜術師から荷を託される。それは、ドラゴニア王国の命運を左右するという王竜の卵だった!! 走り出したリンディを次々と襲う困難、そして後を追う竜騎兵——。竜術師見習いのアッシュ、謎の男ゼオンに助けられながら、リンディは荷を届けるため、王国の未来のため、命をかけて走りつづける!!(カバー折り返しより)

竜と人が共存する国、ドラゴニア。人は竜術をもって竜を従え、竜を生活に役立てている。しかし王竜と呼ばれる過去現在未来を見通すことができる竜は、国王である聖竜王としか交感できない。王竜の卵は、王位継承者の数だけ産み落とされ、王位に就く者の卵しか孵化しないのだ。
腐敗した王国と無能な王の時代、密かに産み落とされた二つ目の卵をめぐる物語。
竜と暮らす王国なんて、食いつかない方がおかしいだろう! という私好みの設定がちりばめられていました。本当に目的地まで走るだけのお話なんですが、この困難をくぐり、人に助けられ、もしかしたらこの人は……? と読みながら、最後に辿り着くのが本当に待ち遠しかった。一緒に旅をした気分だなあ。このお話、ちょっとした道具とか品物に世界観が見えるようで、どこか知らない世界の風を感じられたように思います。
リンディがもう、本当にどこにでもいる女の子で、使命感とか誇りとかたくさん持っているんだけれど、やっぱり折れてしまうところもあって。かわいいなあ。勇敢で気高い女の子は大好きだ。「お前が走れば世界は変わる」って、すごくいい台詞だった。受けたリンディが走り出すのも無理はないよ!
面白かったです。
たとえ許されない恋だとしても (コバルト文庫)
アファリーン王国の男勝りの女将軍・レイア。敵対するメフル王国の軍人・リギュロン。武勇を誇る二人は、それぞれに中立国の祭見物に行った先で出逢った。身分を隠したまま意気投合した二人は自然と惹かれ合い、初めての恋に落ちた。再会を誓い国に戻り、恋心を育んでいた二人だったが、時を置かずに両国間の開戦の報がもたらされた。二人が再会したのは、戦場。互いに敵軍の将として——。(裏表紙より)

面白かった……ときめいた……! 戦場で出会ったのは私/俺が恋をした人でした、という話が大好きです。
レイアが女将軍という設定で、紹介文だけを読んだ状態で中途半端に女の子だったら残念かもなあと思っていたんですが、将軍らしさの中に女らしさについて葛藤を持つ彼女が、もうほんとかわいくて! 兵士たちから「あれは、女として『ない』(意訳)」と言われるくらいの武勇を誇るので、冒頭から敵将との一騎打ちというシーンから始まるのがすごい。なのに自分にコンプレックスを持っているところが、本当いい子だなあ……。
リギュロンもいい男だったなあ。ちょっとのうみそが筋肉っぽいところがかわいいです。なのに恋愛ごとについてちょっと鈍いレイアには優位に立てるところがいい!
二人の物語はもちろん、彼らを取り巻く人たちが心根のいい人たちが多くて、結末は、レイアとリギュロン、二人ともお互いの使命から目を背けずに立ち向かった二人だからこそ手に入れることができた未来だったなと思います。
幽霊伯爵の花嫁 (小学館ルルル文庫 み 4-1)
侯爵家の血を引く、天涯孤独の美少女サアラ。彼女は、身を寄せる遠縁の家の息子と婚約していたが、幽霊伯爵と呼ばれるコルドン伯爵の17人目の妻として嫁ぐことに! 更に嫁ぎ先は、墓地に囲まれ夜な夜な幽霊が現れるという場所で!? 妻に無関心な夫、何故かよそよそしい使用人達。けれど、サアラはのびのびと毎日を満喫し、逆に夫を翻弄して……!? 美しく強かに、少女は恋と幸せをつかみ取る! ルルル賞&読者賞W受賞作デビュー!(裏表紙より)

誰もが目を見張る美少女サアラ。婚約者と別れて伯爵と政略結婚した彼女だったが、しかしその言動は「私は美人です」と謙遜せず堂々と言い放つようなものだった。したたかで信念を持つサアラは、本当に幽霊が出る屋敷に臆することなく、むしろ幽霊に慕われるほどになっていく。
いろんなところの感想でこんなヒロイン見たことなかった、と読んだのですが、確かにこんなヒロインいなかった! 限りなく真っ黒。なのに嫌みじゃない。むしろサアラの台詞が気持ちいいなあ! 彼女の持つ過去が、彼女自身に傷を残していても、それを強さに変えることのできるかっこいい女の子なのだな。その強さは、人を傷つけない強さでもある。カインに対する思いが明かされるところは、サアラは黒いけどいい子だな……と思ってしまった。
ジェイクはちょっとずつサアラに関心を抱いているようだけれど、これからも振り回されてください。ジェイクは絶対懐が深い人だよ! サアラのものになってやってくれー!笑
面白かったです! オススメされた作品でした。ありがとうございました。
倒立する塔の殺人 (PHP文芸文庫)
戦時中のミッションスクールでは、少女たちの間で小説の回し書きが流行していた。蔓薔薇模様の囲みの中に『倒立する塔の殺人』とタイトルだけ記されたその美しいノートは、図書館の書架に本に紛れてひっそり置かれていた。ノートを手にした者は続きを書き継ぐ。しかし、一人の少女の死をきっかけに、物語に秘められた恐ろしい企みが明らかになり……物語と現実が絡み合う、万華鏡のように美しいミステリー。(裏表紙より)

少女たちの毒と愛の物語。このアンバランスな感じがとてもよかった。
誰が怪しくて何が鍵なのかというのは割とすぐに分かるのだけれど、動機が全然分からなくて最後までどきどきしました。手記として書かれている部分は書き手の思い出を補正しているから、美しく見えて当たり前なんだけれど、ダンスのシーンとか歌うシーンとか、女の子がきゃっきゃしているシーンがとても好きだ。そういうシーンの裏にすごい嫉妬心を抱いた人がいると分かるのも、好きだ。
なんとはなしに好きだなあと思うのが、イカちゃんと葎子と杏子のシーン。葎子が「授業のときには聞いたことのない優しい声」で杏子を気遣うのですが、その後、イカちゃんは「親友?」と聞くのです。この『親友』という単語、普通は出てこないんじゃないかなあと思うと、このイカちゃんという教師がとてもいいと思う。
この話、死という感覚がなんだか麻痺している感じがあって、そのぐらぐらしているところも面白かった。毒のあるお話。面白かったです。
ドラフィル!―竜ヶ坂商店街オーケストラの英雄 (メディアワークス文庫)
寂れた町に、音楽の『竜』が舞い降りる
 音大を出たけれど音楽で食べる当てのないヴァイオリニストの青年・響介。叔父の伝手で行き着いた先は竜が破壊の限りを尽くした——と思える程に何もない町、竜ヶ坂の商店街の有志で構成されたアマチュアオーケストラだった。激烈個性的な面子で構成されたそのアマオケを仕切るボスは、車椅子に乗った男勝りの若い女性、七緒。彼女はオケが抱えている無理難題を、半ば強引に響介へ押し付けてきて——!? 竜ヶ坂商店街フィルハーモニー、通称『ドラフィル』を舞台に贈る、音楽とそれを愛する人々の物語。(裏表紙より)

おっもしろかったあああああ!! 特大ホームランでした。これはいい音楽もの! ライトノベルなキャラクターに硬派な文体とエンタメな物語で、更に感動があるというすごい話でした。面白かったー……。
一流の音楽教育を受けることができる環境に生まれ育ちながら、天才と凡才で分けるなら確実に凡才の方、という主人公・響介が、町おこし的なアマチュアオーケストラのコンサートマスターに迎え入れられて……というお話。メンバーが商店街の有志なので、商店街の人々のちょっとした問題を解決してみたりとちょっといい話があり、最後にこの物語の始まりとなった響介自身の真実が明かされていく、その最後に至るまでに繰り返される七緒の言葉、「その音楽に、永遠はあるか?」「音楽家なら音で語れ」がもう強烈に響いてきて、本当に本当に面白かった。
職人というか音でも何でも芸術家と呼ばれる人たちの始まりは、きっとこんな風で、そしてこの物語のように大切なものを精一杯抱えて、ひたすらに表現していこうとする人たちなのだ、という実感が染み渡りました。面白かったです。
侍ニーティ (ルルル文庫)
父の仕事の都合で田舎のボロ屋敷に引っ越してきたミツコ。だがそこには、何に未練を持って幽霊になったのかも忘れてしまったダメ幽霊が住み着いていた! 「拙者は社会の塵でござる。働きもせず、地縛霊などに甘んじて朝から晩までテレビテレビ…」ニートな侍幽霊に何と恋をしてしまったミツコは…!? 声優との夢のコラボ小説賞「81ルルルドラマチック小説賞」から、審査会で満場一致の大賞受賞作が登場!(裏表紙より)

引っ越し先の家には、どう考えてもニートでしかない幽霊が住み着いていた。幽霊を幽霊社会復帰させるためにミツコは飴と鞭を使い分けて指導していく。
ニートなのでほぼ家から出ません。出ても家の周りだけです。ミツコは今時の子っぽいけれど普通で、けれど周りのキャラが濃すぎる。テンション上げないと消える幽霊ってどんな幽霊だ! スピリチュアルポエムってー!!笑 正体もオチも最初から読めましたが、それでも最後までテンション高めの楽しい物語でした。
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Author:月子
読んだものやら見たものやらの記録
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