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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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秋霖の花嫁  香霧想起 (講談社X文庫―ホワイトハート)
 目覚めると名前すら思い出せず、今までの記憶を失くしていた少女に、端整な顔立ちの青年、秋里は「お前の名前は荘曄香。私の許婚だ」と告げる。
 立派な邸での生活に違和感を覚える曄香だったが、優しく思いやりに溢れる秋里に次第に惹かれていく。
 が、ある日、秋里の正式な許婚と名乗る琳国の公主、麗媛が邸にのりこんできた。
 私は何者なの? 悩む曄香に隠された真実とは!?(裏表紙より)

花嫁じゃない! けど恋愛ものです。話は、本当に「はじめの地点」に戻る話でした。何にも解決してない気がするよ! ただすれ違いと甘やかしの話だけだった。記憶喪失と婚約者の公主というおいしい設定があるのに、一冊だけだったのは足りなかったような気がするもったいない!
でも終始漂う「私は誰なの?」という切なさとか、戸惑いが、なんだか切ない系スキーには肌に馴染みました。
時代背景がちょっと分かった。『蘭契の花嫁』の時代かー。この時代は閃国が二代目になって各国を併呑していたと。
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海が愛したボニー・ブランシェ (B’s‐LOG文庫)
海に嫁いだ乙女の伝説が生きる国・ガルトリア。開港祭の喧騒の中、天涯孤独の修道女ボニーは両親の仇である青年海賊ファド・ディアスと出会う。潔白を主張する彼の姿に、真実を求めるボニーはあえてファドに「さらわれる」ことを選択! 修道院へ連れ戻そうと迫る騎士団から逃れ、“危険すぎる”海賊船・マディラ号に乗り込むが……!? 恋を禁じられた修道女と、華麗で紳士な海の悪党——息もつかせぬときめきと冒険!
第12回えんため大賞《優秀賞》、ガールズノベルズ部門史上最高評価の快作が登場!!(裏表紙より)

修道女と海賊もの。爽やかで気持ちよかった! 生きること、運命、信じるものを、大切にしている人たちの話だったなあと思います。
最初は単純に甘いだけの冒険話なのかなあと思っていたんですが、事件があり、狂気がありでした。狂気には特にびっくりしました。でも最後に笑えるところになっていて面白かったです。名前も知らなかったくせに寸法のあったドレスはこわいな。レオノールが諦めてしまったところ、ちょっとすんなりで残念だったです。
ジジ専、渋専の私としてはバスカーがたまらんかったです。少女小説でおじいちゃんが出るとは!
かのこちゃんとマドレーヌ夫人 (ちくまプリマー新書)
かのこちゃんは小学一年生の元気な女の子。マドレーヌは外国語を話す優雅な猫。その毎日は、思いがけない出来事の連続で、不思議や驚きに充ち満ちている。(裏表紙より)

素敵だった。小学一年生の女の子の世界と、猫の世界、二つの世界が穏やかな不思議と喜びに溢れている感じがすごく心地よかった。マドレーヌ夫人と玄三郎の形が、とてもいいなあと思う。かのこちゃんはかのこちゃんで、小学一年生ってこんなだった! という表現がたくさんでてきて、すごく懐かしくて楽しかった。茶柱の話は噴いた。そうなんだよ、小学一年ってこんなだよ!
かのこちゃんはやっぱりあの二人の子どもなんだろうな!
桃色トワイライト (新潮文庫)
生まれて初めての合コンで『新選組!』を語る、クリスマスイブに実家でイモの天ぷらを食す、非常にモテる男友だちの失恋話に相槌を打つ——思わず自分でツッコミを入れてしまう微妙さに懊悩しつつ、それでもなぜか追求してしまう残念な感じ。異様にキャラ立ちした家族や友人に囲まれ、若き作家は今日もいろいろ常軌を逸脱中。爆笑と共感がこみ上げる、大人気エッセイシリーズ!(裏表紙より)

クウガとオダギリと漫画とバクチク、がこの本の構成要素と言えるかと(それ以外もちゃんとあるけれど)笑った笑った。エッセイが読みたいなーと思うときは、大体この方の本を読みたくなるんだ。裏表紙の紹介の「キャラ立ちした家族や友人」というのが絶妙すぎて、これを書くために打ちながら噴いてしまった。
面白い日常もいいけれど、本の紹介が素敵で読みたくなる。
コスモス 七番目に出会った人 (ピュアフル文庫)
夢をかなえるために入学した高校で、希望に燃えていたみかげだが、気の合うともだちもみつからず浮かない日々。京都の高校に進んだ瞬と心を通わす手段は、メールでのやりとりだけ。人間関係も、恋愛も、うまくいかないもどかしい気持ちを携え、みかげは夏休みの間を京都で過ごすため旅だった——。
少女の成長と淡い恋の行方を瑞々しく描いた、ピュアな青春ストーリー!!〈解説・藤田香織〉(裏表紙より)

前作は家族ものでしたが、今作は少女たちと女性たちの物語の印象が強かったです。
主人公のみかげと、元クラスメートのエリサ。少女のような継母の洋子。京都のサワと涼。彼女たちの人生が、ゆるやかに絡み合いながら、サワ、涼、洋子が、みかげとエリサ二人の少女を大人へと導いていく、というお話であったように思います。
一人称で書かれているものの、作者の暖かなまなざしが感じられて、光丘さん自身が涼さんたちと一緒になってみかげたちを導いている気がするなあと思います。ふわふわと温かなお話でした。
そんな感じなので、恋の行方というほど瞬が関わってくるわけではなくて。それでも、心穏やかになれました。
コスモス―二番目に好きなもの (ピュアフル文庫)
中3のみかげは、亡くなったママのことを忘れられない。父親の再婚で兄妹になった同い年の瞬とはソリが合わない。でも、「ぶっきらぼうなやつ」としか思っていなかった瞬の存在が、だんだんと心の中で大きくなり始めて——。
少女の揺れ動く感情を縦糸に、じれったい「初恋」と家族の再生を横糸に織りなされた、純粋すぎるほどの青春模様。文庫書き下ろし。〈解説・小手鞠るい〉(裏表紙より)

思ったほど血のつながらない兄妹ものではなく、思った以上に家族の再生が描かれた話でした。
みかげの視点から語られる物語。みかげは、中学二年生にしてはちょっとだけ大人びていて、けれどママに執着する様は幼くて。その奇妙なギャップというのか、すんなりと納得して、周囲に対応したかと思えば、思いもがけないところで反発したりむっとしたり声を荒げたり。不思議な感じでした。
元々児童文学として書かれたものを下敷きにしているとあとがきにあったので、この純粋さはそうなのだろうなあと思いました。
小説家という職業 (集英社新書)
新書を買うのは実は初めてである。森博嗣さんということが一番のネックで、小説を書くことについて書かれている本だったので、思わず衝動買い。……すっごく面白かった!
森さんが、すごく特異(?)な経歴と戦略で小説家になられた方なので、森さんの小説論がすごく興味深くて面白かった。小説を書くのに「小説を読むべきではない」というのもおおっと思ったけれど、出版業界、マーケティングについても述べられていて、やっぱりこの方すごい方なんだ! と思うことばかりでした。
出版業界って、実はすごく頭が固い業界なのですね。古来の日本人らしい、へんな暗黙の了解がまかりとおっているようだ……。不振の出版業界と、これからの作家と出版についても、すごく面白かった。
銀の犬
祓いの楽人(バルド)は天分の才。楽を奏でる者であっても「選ばれる」もの。世界の理を正す者。物言わぬ祓いの楽人オシアンと、彼と共に旅するブランは、この世に留められる、あるいは留まる頑な魂を解放し、理を正す者である。ケルト民話・伝説を下敷きにした異世界ファンタジー。

私が読んだのはハードカバー。文庫でも出ているようです。
とても綺麗なお話でした。一話完結、話の語り方は違えど、祓いの楽人オシアンと相棒ブランが、この世に留まった魂を解放する物語です。妖精、悪霊など、幻想の生き物たちがごくごく自然に人間に関わっている土地でのお話。ヨーロッパの妖精物語系でしょうか。
森の緑や湖の青なんかが活き活きと綺麗だなあと思いました。荒野の様子や、家々の様子なんかも、とても温かみのある、自然のままの世界で、こういう場所なら「万物の始まりは楽の音」と言われても全然不思議じゃない。
ハードカバーの、水彩の絵がとっても綺麗なのですよねー。気になってた本だったのですが、2009年冬号の活字倶楽部だったかで紹介されていたので、読んでみようと。とてもいいファンタジーでした! オシアンの謎も、ブランの物語も、まだ語られていないので、もし続きが出るなら読みたいです。
月は幽咽のデバイス (講談社文庫)
薔薇屋敷あるいは月夜邸と呼ばれるその屋敷には、オオカミ男が出るという奇妙な噂があった。瀬在丸紅子たちが出席したパーティの最中、衣服も引き裂かれた凄惨な死体が、オーディオ・ルームで発見された。現場は内側から施錠された密室で、床一面に血が飛散していた。紅子が看破した事件の意外な真相とは!?(裏表紙より)

保呂草と紅子さんの関係がどうなるのか気になるVシリーズ。今回練ちゃんの活躍は薄め。しこさんは若干空気読めてないけど、それがいいのかもしれない。森川君がメンバーの中に入って、大学生組は楽しそうだ。
殺人事件のトリックは、多分そういうことなんだろうと、具体的とはいかなくてもどこに仕掛けがあるのかはなんとなく分かってた。お屋敷なんてものが登場したら、やっぱりそう考えるよね! と。
殺人事件から周囲の人間の心理が浮き彫りになるんじゃなくて、あくまで紅子たちの普段の生活から、くだらない話や、女同士の張り合い(?)や、怒りなんかが見えてくるのが楽しいなあと思う。
白いへび眠る島
高校最後の夏、悟史が久しぶりに帰省したのは、今も因習が残る拝島だった。
十三年ぶりの大祭をひかえ高揚する空気の中、悟史は大人たちの噂を耳にする。言うのもはばかられる怪物『あれ』が出た、と。不思議な胸のざわめきを覚えながら、悟史は「持念兄弟」とよばれる幼なじみの光市とともに『あれ』の正体を探り始めるが——。
十八の夏休み、少年が知るのは本当の自由の意味か——。
文庫用書き下ろし掌篇、掲載。
(『白蛇島』改題作品)(裏表紙より)

同じ因習の残る場所の、大祭に関わる話でも、『神去なあなあ日常』とこの『白いへび眠る島』では受ける印象が全然違いました。ちょっとぞくぞく、恐かった。
十八歳の少年の夏休みの冒険、なのですが、こう、どろっとした感じというか。読んでいて印象に残った言葉が「とろける」という表現。闇や海や空気が、「とろけ」ている、という書き方をされていたと思うのですが、その肌にまとわりつく感じが、とても恐かった。
その中で清涼剤というか、なんかいいな、とにやっとしてしまうのが、荒太と犬丸なのです。これはオタク的な見方をするとBで始まるあれなんだろうなあとか考えてました。文庫書き下ろしの掌編はまさにその典型っぽい。彼らの存在がなんだか綺麗で、ちょっと救われた気分になりました。荒太と犬丸の掌編で描かれたそういうネタはおいしいです。ごちそうさまでした。
面白かった!
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Author:月子
読んだものやら見たものやらの記録
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