読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
花冠は、可憐な容姿とは裏腹に、恋には見向きもせず士官学校での厳しい訓練を乗り越え、トップの座に。
ところが、御前大会で公子を打ち負かしたことから運命は一転、下位の舞台に配属される。
希望を見失いながらも、将軍巴青炎に追従し、敵と戦ううちに、人を守り愛することを知っていく花冠。
そして、「あなただけの王を見つけなさい」という母の言葉を思い出すとき、動き始めた心の行方は!?(裏表紙より)
時代が違っていたなら、花冠は珠枝みたいになってたかもしれないし、珠枝は花冠みたいな道を選んでたかもしれないなあと思ったりした。なんとなく生まれが似ているような気がする。
今までシリーズ読んできたけど、ラストの綺麗さナンバーワンです。そして全体的にとても元気が良くて、読んでいて元気になれる。集う仲間たち、の設定がとても好きなのです。二人きりの戴冠式みたいなのとか、これからも先に進んでいく、というのがとても良かった。
是非、青炎と花冠と銀水の三角関係ありの建国記にして頂きたい。この人らどっかで国興してる気がするのだ。
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親をなくし、明国の小さな村でひとり暮らす潤霞は、ある日、森で傷を負った男を助ける。彼はこの国の王雪峰だった。この時から潤霞の人生は一変。見初められ後宮へ誘われた娘は、瞬く間に寵妃へと昇りつめる。
しかし、そんななか、王が自分を慈しむ理由を知ることとなり苦悩する潤霞——私は、最愛の人の身代わりなのか——と。絆をなくした二人、その愛の行方は?
森崎朝香の真骨頂。純愛物語がここに幕を開ける!!(裏表紙より)
村娘が王に見初められ王宮へ、だが彼が自分を愛してくれる理由は、彼がかつて愛した人に瓜二つだから——という、ここでときめいたら多分買いだと思われます。王宮での詮無い噂話とか、正妃との話とか、間男とか、陰謀とか戦争とか、少女小説要素満載です。個人的にすれ違いがとっても美味しゅうございました。あらすじを裏切らない美味しいすれ違い。すっごくうるさく言うのなら、意外と潤霞が苦労してないっぽかった気がするので、もうちょっとその辺り見たかったかもとか。
そしてやっぱりハッピーエンドがちょっとずれてるよ! でもこういう国が興り潰えていく世界観のお話には仕方がないのかなあ。
琴の名手として名高い琉国公主・綺嬌は、兄王と国の安寧を願い側室として隣国のエン(炎にりっとう)へ嫁ぐことに。
しかし、まだ十八歳の娘を待ち受けていたのは、年の離れた王の暴君な振る舞いと、正妃の嫉妬に悩む日々。
そんななか、綺嬌は旅の楽士である玄と出会い、彼の吹く笛の音に心癒される。やがて、互いの奏でる音に想いを寄せ合い、玄は綺嬌を救い出そうとするが……。
国を揺るがす過酷な運命が迫り来る二人は、いま!?(裏表紙より)
花嫁シリーズ5弾。音楽と生きることがテーマかしら。
か弱く病がちな公主・綺嬌が主人公……というより、あんまり主人公らしくなくて大人しい感じな気がした。どちらかというと、玄の方が奮闘していたような。主人公二人という感じかな。そういう風に考えると、玄の闇の部分をもっと見たかったかも! せっかく渋い養父がいるのに! あれ、と考えると私はもしかして養父の話が読みたかったのかしら(おじさん趣味)
びっくりなことに幸せなあの夫婦が登場してにやにやしてしまった。奥さんがちょっと大人しくなったのは、子どもがいるからだろうか。旦那様は相変わらず素敵ヒーローぶりでときめいてしまった。娘さんが生まれましたが、私は祥麟の『激しい愛』が見たいです。
綺嬌と玄は後は心穏やかにあれたようで良かった。ていうかやっぱりハッピーエンドがちょっとハッピー! って感じじゃないよ!
綏の後宮に仕える舞姫・朱桃は、同盟国である閃の次期王、巴翔鳳の器を見極めるという勅命を受ける。
閃へと赴き、翔鳳とその従兄弟の稜伽と出会い、蛮族と蔑まされていた彼らと心を通わしていく朱桃。
三人の運命が時代の激流に呑み込まれていくなか、「お前一人くらい、いつでも背負ってやる」という翔鳳の言葉に朱桃の想いは募るのだが……。
国と舞への誇りと情熱が交錯する果てに選んだ道は!?(裏表紙より)
三巻「翔佯の花嫁」から時間軸としてはその少し前の話。なので一巻「雄飛の花嫁」と三巻の間の話。やっぱり悲恋か……!
これまでのヒロインから見ると、突出した能力を持った朱桃が主人公。能力というのは舞。それ故に一人で生きていこうという道を選べるわけで……。
三人仲良しがまた切ない。本当の時間が流れたのなら、この三人はそのままでいられたはずなのに。でもそうなると、翔佯の香月の存在がなくなってしまうんだよな……。それぞれに賭けてしまったものが大きすぎて離ればなれになるって辛い。
密かに、朱桃が飛鷹様に会って、瞳の強さに妻を思い出す、というシーンを期待していた。
王妃の廟に、あの二人が出たのは感動した。よく考えると、彼女は待っていて、彼はやっと迎えに来たんだよなあ。一度別れたけれどまた会えたのは素敵だった。
ところで在位三十年って、翔佯の時点でそんなに経ってないはずだし、やっぱり帰ってきたんだ……?
突然、正体不明の連中にさらわれてしまった美貌の白魔女エメラルド。勝ち気で正義感たっぷりのエメラルドは、薬で記憶喪失になった少年トトを助け出し脱出!…したのはいいが、そこは故郷から遠く離れた異国だった! さらに、どこかうさんくさい美青年ウォレスや、彼女を強奪しようとする野性的なラグナなど、謎めいた男たちが次々現れて……!? 世界の命運を握る少女エメラルドをめぐって、恋と陰謀の争奪戦スタート!!(裏表紙より)
ちょう逆ハー……と思いながら読みました。でも甘さなんて全然ないよ! さっぱりとしたエメラルドの性格が醸し出す物語はとてもいい。「オズの魔法使い」がモチーフらしく、でも私オズに詳しくないので、どの辺がそうなのか分からないながらも、しっかりした世界観と文章で面白かった。
今のところお気に入りは傭兵王なんですが……彼が元通りになった方法が知りたい。もしかして彼も候補か……? 魔法を棄てて剣を選んだとしたら、それはそれで美味しいのですが!
男の人ばっかりで女の子がちょっと恋しい気が後からした。読んでいる間はとても熱中していました。
和睦の証として、隣国の閃王・巴翔鳳のもとへ嫁ぐ瓔国公主・香月。だがそれは、母の命を奪った王への復讐を果たすためだった。
しかし、その日のために研鑽を重ねた暗殺はあえなく失敗。捕らえられた香月に王は言う、「君は殺さない」と。——その目的は、いったい何なのか?
そして、愛と憎しみの狭間で揺れながらも、次第に王への想いを深めていく香月の、新たなる決意とは!?(裏表紙より)
一巻「雄飛の花嫁」から時を経て、二代目閃王となった翔鳳にまつわる物語。
ちょっと気になったんだけれど、文章がいつもと違う……? 物語が短い(あとがきから)から改行を多くしたのかな、文章の印象がなんだか違った気がした。
暗殺のために嫁いできた香月と、天才的な指揮官である翔鳳。どちらもどこか未熟で、タイトルの片月放浪というのがとても合っている気がする。どちらもどこかに自分の居場所を求めているような。持っている思いが強すぎて、それ以上何も得られないような印象。
だから終わりは悲しくて、胸に痛かった。
ところで、ラストの剣の先生って……本物なのか?
乾王朝炯明帝は、男児を授からず苦悶の日々を送る。ある日、「満月の晩、星が流れた時に生まれた女子が、必ずや時代の皇帝を産む」と仙人から告げられる。
やがて、国中から集められた娘は十人——才色兼備の娘、それを妬む娘、母を案じて泣く娘、はたまた読書好きの娘等々。後宮では、皇帝の寵を競う物語が!
そしてもう一人、「竜」の宿命を負った娘がいた。
はたして、彼女達が辿る道程は幸福へと続くのか!?(裏表紙より)
皇帝の寵愛を受け男児を産む者として約束された者は一人。ヒーローは皇帝で良いとして、さて誰が正式なヒロインなんだろう、とわくわくして読んでいました。
冒頭の出来事で一人何も知らずに育った娘がいたので彼女かなと見当をつけていたのですが、新しいヒーロー的な男性が現れて、え!? となった。まさか、彼が本当の皇帝あるいは皇子で……という想像もしたのですが、後宮に現れる男性が皇帝で間違いないよね? と何がなんだか。皇太子と読書好き娘は仲がいいし、世間知らずで心優しい娘は寵姫になってるし、入れ替わりは起こるし。
そんなヒロインの数の中、オチのつけ方に、そうかなるほどそうだったか! と納得もしたのですが、冒頭の彼女に関しては突然過ぎた気もしました。でも面白かったので問題ナッシン。
雄飛の二人の話がちろっと出たので、そこにもきゅんとしました。
私は、なにをしているんだろう。どうしたら「私」でいられるんだろう? カトリック系女子高校に通う、三人の少女、那由多、淑子、翠。性格の異なる三人の「私」は、家族、学校、男たちの中にあって、それぞれが遠いはるかを、しずかに深くみつめている。「秘めごと」をかかえる彼女たちの微笑の裏側の自由。甘やかな痛みの底に眠る潔くも強靭な魂。自分を生き抜いていくために「私」が求めたいたことは——。記念碑的青春小説。(裏表紙より)
少女の抱えるもの。なんだか文章が好きだ。内容は好きだと言ったらちょっと引かれるかもしれないけれど。でも少女の抱える心の闇が小説として綺麗にされている気がした。
「洪水のあとに」は那由多の話。いくら「好き」と言われても心が響かない少女。ラストが衝撃的すぎる。
「地下を照らす光」は淑子。教師と付き合っている彼女。恋なのか溺れているのか、悪意なのか。
「廃園の花守りは唄う」は翠の話。心に兄を抱いている。少しずつ変化するもの。やがて生まれてくるものを意識する。寄り添いあっているような「廃園〜」の、那由多と翠の会話がとてもいいと思った。
解決していない要素はあるものの、やっぱり綺麗だなという印象。
医者を夢見る少年・臨は、数百年後の廃墟と化した病院で目が覚めた。
ファンタジーの世界に迷い込んでしまったかのような未来に戸惑いながらも、優しい看護師ロボットたちと共に生活をはじめる。しかし人との触れあいを求め、病院を飛び出した臨は、地図にない街に手紙を届ける野性的な少年・ソウタと、どこか懐かしさを感じさせる黒い翼のはえた猫のアルファと出会い……!?(カバー折り返しより)
あらすじから、さっさと冒険に出るものだと思っていたのに、意外と進みが遅かった。この話は隠れ風早街シリーズらしい。(風早街シリーズは、村山さんの作品に登場する街とそれに関係する人々のお話)
出来る子と出来ない子のどちらが本当に強いか、の話はとても良かった。優がとても良い子。彼の大人になった後のメッセージはじんわりした。
近未来ファンタジーということで、たくさんSF要素とファンタジー要素が出てきて、登場人物も謎を抱えた人が出てくるけれど、解決していないし、続きが想定されたお話だと思うので、進みが遅いのが耐えられない人には向かないと思う。はるそらより文章量も多いと思うしページ数も多いと思うのに、終わっていないのが切なかったです……続きが気になります。
「漫画の王国」に生れた小説家の乙女な日常生活。バンドを追っかけ上方へ、愉快な仲間と朝まで語り、わきあがる妄想の楽園に遊ぶ……色恋だけじゃ、ものたりない! なぜだかおかしな日常はドラマチックに展開——日本の政局も、家族の事件も、人気のTVドラマも、考え始めたらいつのまにかヒートアップ! 「読んで楽しく希望がモテる」、笑い出したら止まらない、抱腹微苦笑ミラクルエッセイ。(裏表紙より)
冒頭のスーツを買いに行く話からくすくすしてしまったが、オタクネタにうっかり反応してしまった。「陰のない帝国」で触れられる某週刊少年漫画雑誌の話。ある海賊漫画の某船長とその部下に目をやるしをんさん。やっぱりそこに目がいくのかー! と思った。
「人生劇場 あんちゃんと俺」の妄想話が好きです。というか読み返したら、最近「西洋骨董洋菓子店」を読んだのでよしながさんの絵でがーっと通り過ぎていくんですが……。
「暴れ唐獅子の咆哮を聞け」も面白かった。人の妄想を覗くのってどうしてこう楽しいんだろう。しかもしっかり物語が作れてるのがすっごく面白い。日々も考えていることをひとつひとつ取り上げていくと面白いなあと思う。