読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
戦争の傷跡を残す大阪で、河の畔に住む少年と廓舟に暮らす姉弟との短い交友を描く太宰治賞受賞作「泥の河」。ようやく雪雲のはれる北陸富山の春から夏への季節の移ろいのなかに、落魄した父の死、友の事故、淡い初恋を描き、螢の大群のあやなす妖光に生死を超えた命の輝きをみる芥川賞受賞作「螢川」。幼年期と思春期のふたつの視線で、二筋の川面に映る人の世の哀歓をとらえた名作。(裏表紙より)
授業で使うのでじゃあ読もうという感じで。
「泥の河」は首から流れる汗を拭いたくなるような夏の暑さがなんとなく残った。銀子も喜一も母親のしていることが分かって、言いようのない暗さを抱えていても、ご飯に腕を突っ込んだり、お化け鯉を見ていたりと素朴な幸せを知っている。それが真夏の「うだるような」の表現のように生々しく重たく澱んでいる感じ。なんか私も怖かった。
「螢川」は竜夫の周囲のどろどろさを感じさせながら、人のつながりが見える気がして好きだった。竜夫が愛されている理由はなんなんだろう。優しくしてくれる人たちに思惑はあるんだろうか。
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寛政大に入学する予定の蔵原走は、ただ走ることが息をすることと同じことだった。追いかけてきた四年生の清瀬灰二に、格安の下宿・竹青荘を紹介される。そこには個性豊かな面々が暮らしていた。そして清瀬は、走を最後の一人と呼び、十人全員で箱根駅伝出場を目指すことを宣言する。
すごく面白かった! スポーツ青春もの。
人物が個性豊かで、漫画にしたらまた面白かろうという物語。かと言って軽いわけでもなくて、どっしり構えて楽しく読める。
走と清瀬のコンビが、とてもいい信頼関係で結ばれていていいなあと思った。それからムサと神童。キングの一人だけれどこの関係は、と思っている辺りがすごーく青春だった。走っている最中のそれぞれの思考はもしかしたら人によってはたるいなあと思うかもしれないけれど、私はすごく惹き付けられて読んだ。思考の間にも走りの駆け引きが見えるからかもしれない。
箱根駅伝に限らずすべてのスポーツにあまり興味はなかったけれど、箱根駅伝見ようかなと思いました。
2008年3月25日第一刷発行のエッセイ。
万城目さんの本は読んだことがないのでこれが初。経歴も知らない不届きものです。すみません。
エッセイはあんまり読んだことはないけれど、私のイメージの「エッセイ」らしいエッセイだったように思う。
冒頭の「「はじめに」にかえて 風が吹けばエッセイを書く」がなかなか面白かったので読んだ。
Gとの戦いを書いた「御器齧り戦記」がなんか好きだったが、実際に体験したらぞーっとする(この前初めて飛翔するアレに遭遇した……)
「マジカルミステリーツアー」の謎1
(前略)泥だまりのなかで呻いていると、近くの民家からわらわら人が出てきた。
「痛いの?」
と訊かれ、「とても痛いです」と答えると、両脇を抱えられ、ゴザのようなものが敷かれた場所へ運ばれた。
のところ、映像で再生されて吹いた。多分あれだ、「動物のお医者さん」の大学病院の密集地域で事故った人に群がってくるのに似ているからだ。
でもまあ「マジカルミステリーツアー」は「鼻しゅっしゅ」の話だけど。
気鋭作家の身辺雑記、だけに終わらぬ面白さ! プレーンな日常を「非日常」に変えてしまう冴えた嗅覚。世間お騒がせの事件もサッカー選手の容貌も、なぜかシュールに読み取ってしまう、しをん的視線。「幸せになりたいとも、幸せだとも思わないまま、しかし幸せとはなんだろうと考えることだけはやめられない」。美しい男を論じ、日本の未来を憂えて乙女心の複雑さ全開のエッセイ。(裏表紙より)
ゆるくて妄想たっぷりのエッセイ。にやにやして読んでしまった。
しをんさんも色々あれだけれど、周りにいる人も濃いなあ。いっつもそんな会話をしているんだろうか。
「ユートピアに消える老人たち」に笑いつつもちょっと寒くなった。我が地元はここまで田舎ではないが、我が家の近辺には老人ばかりなので孤独死もありうる。実際、冬場はお葬式が多い。そして日曜の昼間に歩くと、どこの道でものど自慢を聞くことが出来ます。ちなみにうちはネプリーグ派。
「主役は一人でもいいだろう」のカップルに爆笑した。何だお前らツンデレかよ!
ちょうどこのエッセイが連載されていたのは「ロード・オブ・ザ・リング」の頃らしく、アラゴルンの話が出てきて(*゚∀゚)=3でした。アラゴルンは今でもかっこいい。そして同系統だと思われる「ハムナプトラ」のアーデス・ベイをしをんさんにオススメしたいところです。
魔法使いサウードの野望によって、シェーラの国は石に変えられてしまう。魔法使いの少年ファリードと共に、魔人の指輪を手にして砂漠の旅に出たお姫さまシェーラ。国を元に戻すため、アハマルの街に賢者を訪ねに行くのだが。
児童文学。小学校中高学年向けの一冊。挿絵は佐竹美保さんで絵がすごく可愛い。
世界観はアラビアンナイトの世界。悪い魔法使いサウードによって石に変えられた王国を救うべく旅に出たお姫さまと魔法使いの少年、協力することになった泥棒の少年、という、ファンタジー好き小学生にはたまらないのではと思える一冊。しかしやっぱり字が大きくて薄いので、プロローグ的なこの一冊だけでは全然物足りないのが大人の悲しいところ。
多分この先の展開には勧善懲悪が描かれるのだろうと思うのだけれど、村山さんは敵側の事情も描いたりするので、考えさせられる内容になっていそうだな、と読んでない私の予想。どうやら子ども世代編が出ているようです。どんな話なんだろう。
欲望の発露する瞬間を考察し、友人と特異な「萌えポイント」について語り合う。伝説の名作漫画『愛と誠』再読でその不可解な魅力を再検証。世界の名作『嵐が丘』を読み乙女のテイストを堪能し、女同士でバクチクライブ旅。独自の見所発見の映画評、旅先の古書店の謎を探索。物語の萌芽にも似て脳内妄想はふくらむばかり——小説とはひと味違う濃厚テイストのエッセイをご賞味あれ!(裏表紙より)
水が萌えポイントとか、墓場で妊娠とか、「将軍っていうのは孤独なものなのよ……」から始まるエッセイ。濃い。濃すぎる。私的に「孤独な将軍」と言い出したぜんちゃんに爆笑した。他にオムツのキャラクター、パンパにお熱を上げるあんちゃん。結婚式で花嫁の思い出(ひどい内容)をみんなで語ったり。
しをんさんの本棚をとても見てみたい。きっとえらいことになっているのだろうと思わずにはいられないから。それで、最も妄想を膨らませた作品について語ってもらう。一体どういう状況で執筆活動をしているのだろうと妄想してみることにする。
Vシリーズ一作目。探偵役は瀬在丸紅子。他の登場人物は「地球儀のスライス」で登場した小鳥遊練無や、香具山紫子。他、保呂草潤平。
犯人の目星はつけていたけど、動機は何だろう、トリックは、とか色々考えてどきどきした。
犯人の人が、後半になるにつれて、ひどく頭の良い人の喋り方や内容になってきていて、なんかおかしいとずっと違和感を感じていたから、やっぱり犯人だったときは納得、それでいてこの人は狂人なんだなと思った。自分の行動に理由付けをするのは頭のいい人だけな気がする。
ところで、紅子さんが普通に三十代のイメージだったので、まだ二十代と聞いてちょっと驚いた。
話が終わっていないところがあるので、多分続きで書くんだろう、と思う。シリーズ開始の紹介、みたいな一冊だった。
れんちゃん可愛いなー。男の子だったのが残念。ひらひらふりふりのゴスロリ女装少年でも他人にバレないとか、どれだけ可愛いんですか。
アンケートでもおすすめして頂きました! ありがとうございました!
吸血鬼と人狼族の連合部隊はついに戦いを始める。ベラはエドワードとともにいることを決め、エドワードもまたそれに応えた。そしてベラは自分のジェイコブへ向ける思いとようやく向き合い。
この巻はにやにやが止まらなかった。しょっぱなからベラとエドワードの「一線を越える」話が一悶着あって(にやにや)、結婚というワードが具体的になって、指輪のことがあって(にやにやにやにや)、そしてその後アリスがかなり可愛かった。
ベラがジェイコブに対して抱いていた感情が、ちょっと納得できなかった。それってありなのか……。エドワードがちょっとかわいそうだ。命を盾にされたら考えるかもしれないけど、家族じゃないのかそれは。とちょっと悶々した。
結婚まで秒読みか。ラスト周辺はにやにやが止まらなかった。
ジェイコブに連れられ、ベラは人狼族の始まりの話を聞く。その一方、シアトルでの連続殺人事件が吸血鬼の新生者によるものだと判断したカレン家は、かれらを野放しにするとヴォルトゥーリ一族が介入しベラを狙うだろうと判断し、殲滅に乗り出す。ジャスパーが過去を語り、人狼族を味方につけ、だがベラは恐ろしいつながりに気付く。もし、すべての事件が繋がっていたら。
ベラは不安じゃないのかなーと思ってた、吸血気になったら好きじゃなくなるんじゃないだろうか、という不安をようやく口にしてくれてほっとした。同じ香りがしなくなるんじゃないかとも思ってたから、考えてるんじゃないかと。
事件がそろそろ盛り上がりを見せて来たのに、ベラが変身するところがまだはっきりしない。せっかく卒業したのに。でも第4部ではその葛藤でべたべた甘甘になるんだったらまだいいかな……。