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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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鳳挙の花嫁 (X文庫ホワイトハート)
 綏の後宮に仕える舞姫・朱桃は、同盟国である閃の次期王、巴翔鳳の器を見極めるという勅命を受ける。
 閃へと赴き、翔鳳とその従兄弟の稜伽と出会い、蛮族と蔑まされていた彼らと心を通わしていく朱桃。
 三人の運命が時代の激流に呑み込まれていくなか、「お前一人くらい、いつでも背負ってやる」という翔鳳の言葉に朱桃の想いは募るのだが……。
 国と舞への誇りと情熱が交錯する果てに選んだ道は!?(裏表紙より)

三巻「翔佯の花嫁」から時間軸としてはその少し前の話。なので一巻「雄飛の花嫁」と三巻の間の話。やっぱり悲恋か……!
これまでのヒロインから見ると、突出した能力を持った朱桃が主人公。能力というのは舞。それ故に一人で生きていこうという道を選べるわけで……。
三人仲良しがまた切ない。本当の時間が流れたのなら、この三人はそのままでいられたはずなのに。でもそうなると、翔佯の香月の存在がなくなってしまうんだよな……。それぞれに賭けてしまったものが大きすぎて離ればなれになるって辛い。
密かに、朱桃が飛鷹様に会って、瞳の強さに妻を思い出す、というシーンを期待していた。
王妃の廟に、あの二人が出たのは感動した。よく考えると、彼女は待っていて、彼はやっと迎えに来たんだよなあ。一度別れたけれどまた会えたのは素敵だった。
ところで在位三十年って、翔佯の時点でそんなに経ってないはずだし、やっぱり帰ってきたんだ……?
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マギの魔法使い―エメラルドは逃亡中! (角川ビーンズ文庫)
突然、正体不明の連中にさらわれてしまった美貌の白魔女エメラルド。勝ち気で正義感たっぷりのエメラルドは、薬で記憶喪失になった少年トトを助け出し脱出!…したのはいいが、そこは故郷から遠く離れた異国だった! さらに、どこかうさんくさい美青年ウォレスや、彼女を強奪しようとする野性的なラグナなど、謎めいた男たちが次々現れて……!? 世界の命運を握る少女エメラルドをめぐって、恋と陰謀の争奪戦スタート!!(裏表紙より)

ちょう逆ハー……と思いながら読みました。でも甘さなんて全然ないよ! さっぱりとしたエメラルドの性格が醸し出す物語はとてもいい。「オズの魔法使い」がモチーフらしく、でも私オズに詳しくないので、どの辺がそうなのか分からないながらも、しっかりした世界観と文章で面白かった。
今のところお気に入りは傭兵王なんですが……彼が元通りになった方法が知りたい。もしかして彼も候補か……? 魔法を棄てて剣を選んだとしたら、それはそれで美味しいのですが!
男の人ばっかりで女の子がちょっと恋しい気が後からした。読んでいる間はとても熱中していました。
翔佯の花嫁 片月放浪 (X文庫ホワイトハート)
 和睦の証として、隣国の閃王・巴翔鳳のもとへ嫁ぐ瓔国公主・香月。だがそれは、母の命を奪った王への復讐を果たすためだった。
 しかし、その日のために研鑽を重ねた暗殺はあえなく失敗。捕らえられた香月に王は言う、「君は殺さない」と。——その目的は、いったい何なのか?
 そして、愛と憎しみの狭間で揺れながらも、次第に王への想いを深めていく香月の、新たなる決意とは!?(裏表紙より)

一巻「雄飛の花嫁」から時を経て、二代目閃王となった翔鳳にまつわる物語。
ちょっと気になったんだけれど、文章がいつもと違う……? 物語が短い(あとがきから)から改行を多くしたのかな、文章の印象がなんだか違った気がした。
暗殺のために嫁いできた香月と、天才的な指揮官である翔鳳。どちらもどこか未熟で、タイトルの片月放浪というのがとても合っている気がする。どちらもどこかに自分の居場所を求めているような。持っている思いが強すぎて、それ以上何も得られないような印象。
だから終わりは悲しくて、胸に痛かった。
ところで、ラストの剣の先生って……本物なのか?
天の階 竜天女伝 (X文庫ホワイトハート)
 乾王朝炯明帝は、男児を授からず苦悶の日々を送る。ある日、「満月の晩、星が流れた時に生まれた女子が、必ずや時代の皇帝を産む」と仙人から告げられる。
 やがて、国中から集められた娘は十人——才色兼備の娘、それを妬む娘、母を案じて泣く娘、はたまた読書好きの娘等々。後宮では、皇帝の寵を競う物語が!
 そしてもう一人、「竜」の宿命を負った娘がいた。
 はたして、彼女達が辿る道程は幸福へと続くのか!?(裏表紙より)

皇帝の寵愛を受け男児を産む者として約束された者は一人。ヒーローは皇帝で良いとして、さて誰が正式なヒロインなんだろう、とわくわくして読んでいました。
冒頭の出来事で一人何も知らずに育った娘がいたので彼女かなと見当をつけていたのですが、新しいヒーロー的な男性が現れて、え!? となった。まさか、彼が本当の皇帝あるいは皇子で……という想像もしたのですが、後宮に現れる男性が皇帝で間違いないよね? と何がなんだか。皇太子と読書好き娘は仲がいいし、世間知らずで心優しい娘は寵姫になってるし、入れ替わりは起こるし。
そんなヒロインの数の中、オチのつけ方に、そうかなるほどそうだったか! と納得もしたのですが、冒頭の彼女に関しては突然過ぎた気もしました。でも面白かったので問題ナッシン。
雄飛の二人の話がちろっと出たので、そこにもきゅんとしました。
秘密の花園 (新潮文庫)
私は、なにをしているんだろう。どうしたら「私」でいられるんだろう? カトリック系女子高校に通う、三人の少女、那由多、淑子、翠。性格の異なる三人の「私」は、家族、学校、男たちの中にあって、それぞれが遠いはるかを、しずかに深くみつめている。「秘めごと」をかかえる彼女たちの微笑の裏側の自由。甘やかな痛みの底に眠る潔くも強靭な魂。自分を生き抜いていくために「私」が求めたいたことは——。記念碑的青春小説。(裏表紙より)

少女の抱えるもの。なんだか文章が好きだ。内容は好きだと言ったらちょっと引かれるかもしれないけれど。でも少女の抱える心の闇が小説として綺麗にされている気がした。
「洪水のあとに」は那由多の話。いくら「好き」と言われても心が響かない少女。ラストが衝撃的すぎる。
「地下を照らす光」は淑子。教師と付き合っている彼女。恋なのか溺れているのか、悪意なのか。
「廃園の花守りは唄う」は翠の話。心に兄を抱いている。少しずつ変化するもの。やがて生まれてくるものを意識する。寄り添いあっているような「廃園〜」の、那由多と翠の会話がとてもいいと思った。
解決していない要素はあるものの、やっぱり綺麗だなという印象。
黄金旋律  旅立ちの荒野 (カドカワ銀のさじシリーズ)
医者を夢見る少年・臨は、数百年後の廃墟と化した病院で目が覚めた。
ファンタジーの世界に迷い込んでしまったかのような未来に戸惑いながらも、優しい看護師ロボットたちと共に生活をはじめる。しかし人との触れあいを求め、病院を飛び出した臨は、地図にない街に手紙を届ける野性的な少年・ソウタと、どこか懐かしさを感じさせる黒い翼のはえた猫のアルファと出会い……!?(カバー折り返しより)

あらすじから、さっさと冒険に出るものだと思っていたのに、意外と進みが遅かった。この話は隠れ風早街シリーズらしい。(風早街シリーズは、村山さんの作品に登場する街とそれに関係する人々のお話)
出来る子と出来ない子のどちらが本当に強いか、の話はとても良かった。優がとても良い子。彼の大人になった後のメッセージはじんわりした。
近未来ファンタジーということで、たくさんSF要素とファンタジー要素が出てきて、登場人物も謎を抱えた人が出てくるけれど、解決していないし、続きが想定されたお話だと思うので、進みが遅いのが耐えられない人には向かないと思う。はるそらより文章量も多いと思うしページ数も多いと思うのに、終わっていないのが切なかったです……続きが気になります。
しをんのしおり (新潮文庫)
「漫画の王国」に生れた小説家の乙女な日常生活。バンドを追っかけ上方へ、愉快な仲間と朝まで語り、わきあがる妄想の楽園に遊ぶ……色恋だけじゃ、ものたりない! なぜだかおかしな日常はドラマチックに展開——日本の政局も、家族の事件も、人気のTVドラマも、考え始めたらいつのまにかヒートアップ! 「読んで楽しく希望がモテる」、笑い出したら止まらない、抱腹微苦笑ミラクルエッセイ。(裏表紙より)

冒頭のスーツを買いに行く話からくすくすしてしまったが、オタクネタにうっかり反応してしまった。「陰のない帝国」で触れられる某週刊少年漫画雑誌の話。ある海賊漫画の某船長とその部下に目をやるしをんさん。やっぱりそこに目がいくのかー! と思った。
「人生劇場 あんちゃんと俺」の妄想話が好きです。というか読み返したら、最近「西洋骨董洋菓子店」を読んだのでよしながさんの絵でがーっと通り過ぎていくんですが……。
「暴れ唐獅子の咆哮を聞け」も面白かった。人の妄想を覗くのってどうしてこう楽しいんだろう。しかもしっかり物語が作れてるのがすっごく面白い。日々も考えていることをひとつひとつ取り上げていくと面白いなあと思う。
妖精王の月
 そなたの答えがノーでも、彼女の答えはイエスだ。わたしは〈人質の墳墓〉から花嫁を連れていく。フィンダファーの寝袋もろともさらいあげると、妖精王は塚山から去った。
 タラの丘の〈人質の墳墓〉でキャンプした夜、別の世界にあこがれるいとこ、フィンダファーが妖精王にさらわれる。翌朝からグウェンのいとこを連れもどす旅がはじまる。妖精たちとの絶妙な出会いに助けられながら。だがケルトのフェアリーランドは、グウェンにとっても魅力ある世界だった。
 カナダの青少年がその年、一番おもしかった本を選ぶルース・シュワッツ章の1994年受賞作。(カバー折り返しより)

黒い服のよく似合うフィンダファーが、美しい青年に出会うところから物語は始まる。フィンダファーのあれこれがあるのかなあと思ったら、そのいとこグウェニヴァーの冒険譚だった。寝物語に語るお話という感じであっさり読めた。フィンダファーを取り返すというのが物語なのかなと思ったら、いきなりRPGな世界に入っていくのでびっくりした。最後の戦い辺りは聖書関係なのかな。
ひとつひとつの表現がフェアリーテイル的でいいなあ! バンシーめいた声でむせびなく、とか。短い草の草原とか石舞台とかなんだろうなあと勝手に想像するのが楽しかった。
冒頭のある言葉に感動したので、ラストの締め方はものすごく背筋がぞくっとして感動した。
雄飛の花嫁 涙珠流転
 綏国公主・珠枝は、かつては、先王の寵子として幸せに暮らしていた。しかし、父王亡きいま、美しく愛らしい異母妹・仙華の陰で心細い日々を送る。
 そんななか、大陸では巴飛鷹率いる閃国が勢力を広げ、綏との間で緊張を高めていた。そして、和睦のため、珠枝が閃の王妃として差し出されることに!
 必ず迎えに行く——幼い日から慕い続ける異母兄の言葉を神事、見知らぬ国へ嫁ぐ珠枝を待つ運命は!?(裏表紙より)

すごくいい少女小説。政略結婚、年の差、戦争、戦場に赴く少女と傑物の王。すごくすごく美味しかった。
飛鷹がとても包容力があって素敵な人物。珠枝を大切にしているのがよく分かって悶えることしばしば。珠枝が髪を切る意味が面白くて新たな発見だった。表紙の飛鷹は珠枝の短い髪に指を絡めてるんだよなあああ(ごろごろ) 泣くという意味も表紙にも本編にも使われていて、とてもいいときめきでした。
仙華が、とてもかわいくて鬱陶しい人物で、空気読めない発言をする度に「あああ……」となった。燿桂が最後に母と決別したのは良かったけれど遅かったんだなあと思うとこちらも「あああ……」だった。
とてもとてもときめきでした。ごちそうさまでした! これ一冊完結のシリーズなんだよな。よし、揃えよう!
ぼんくら〈上〉 (講談社文庫)ぼんくら〈下〉 (講談社文庫)
「殺し屋が来て、兄さんを殺してしまったんです」—江戸、深川の鉄瓶長屋で八百屋の太助が殺された。その後、評判の良かった差配人が姿を消し、三つの家族も次々と失踪してしまった。いったい、この長屋には何が起きているのか。ぼんくらな同心・平四郎が動き始めた。著者渾身の長編時代ミステリー。(上巻・裏表紙)

短編集かと思ったら、実は短中長編でひとつの物語。
ぼんくらの同心、とあるけれど、そんなぼんくらに感じなかったのは、もっとへたれでニートな「僕僕先生」(仁木英之)の王弁を知っているせいかなあ。
上巻は長屋の面々の事件と楽しさみたいなものなんだけど、「長い影」という話に近付くと暗雲が立ちこめてきた。しかしこの話の清涼剤は、美少年で測量という特技を持つ弓之助の存在だなあ! この子、かわいいぞ……! 疲れた親父と合わさると最強じゃ! 平四郎&弓之助コンビ超良い……! 疲れた親父と賢い美少年いいなあ。この美少年には弱みがあって、そこが子どもらしくてかわいくていい!
しかし話は段々と人間関係の複雑怪奇なところへ落ちていく。なんか色々やるせないなあと思う幕切れ。でも上巻一話の話から見ると、この終わりはこの小説の決められていた形だったんだろうなあと思ったり。人情とか、人間とか、そういうもの。
とても面白かった!
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Author:月子
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