読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
日本のまんが文化が大きく花開いた昭和三〇年代。その中心にあったのが、伝説のまんがアパート・トキワ荘だった。手塚治虫、藤子不二雄、石ノ森章太郎、赤塚不二夫、水野英子らそこに集まったキラ星のごときまんが家たちの若き日の姿。涙あり笑いあり、ときに逃亡劇も大けがも…。その時代を編集者としてともに駆け抜けた著者が今明らかにする秘話で、まんがのもっとも熱かった日々が鮮やかによみがえる。「当時のトキワ荘をまさにありのままに描いた」(水野英子)日本まんが史料の決定版。世界を席巻する日本のまんが文化誕生の秘密がここにある。関係年表と登場人物小伝付き。(裏表紙より)
手塚治虫を中心に、トキワ荘メンバーとの日々を回想する。楽しかった! あの頃の漫画は今の漫画とは違うし、漫画家という仕事がなんだかフィクションみたいな出来事に感じられる回想だったけれど、熱い志を持って描いていた人たちがいたんだよなあ。すごいなあ。編集者の人が自分の仕事を語るものってそう読んだことがなかったので、興味深かった。言えるのは、作家も編集もみんなまんが馬鹿(いい意味で)だったんだなということかな!
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《魔王》に魅入られ、若返りの呪いをかけられたブランカ姫。護衛騎士・セロ、侍女・リリアナと共に解呪を求める旅の道中に、事件は起きた!?(「幕間のフーガ」「幕間のサルスエラ」)「そなたに永遠の愛を約束しよう」「悪いな——とか言わねえからな。ブランカは俺のものだ」「駆け落ちごっこ」「婚約」を経て、至高の三角関係が迎えた本当の決着とは…!?(「終幕のデクララルセ」)他、運命と踊るシリーズ、究極の外伝集!!(裏表紙より)
本編中の出来事を描いた短編と、本編完結間近の短編と、本編のその後のお話などを収録した外伝集。本編を最後まで読んだ身としては、旅の最中(あるいは始まる前)のブランカとセロの一歩踏み込めない関係が、なんだか遠い出来事だったように思えてしまう。
個人的にはお着替えが爆笑ものでした。(「幕間のサルスエラ」)理性と戦っている男の人は好きですよ……!
そして何よりも! ご褒美的な! 本編後のお話が読めて嬉しい!! お転婆なアスセーナ姫にきっと周りは振り回されていくんだろうなあ。本当に楽しそうでよかった。果たしてアスセーナはマルディシオンを落とせる日が来るのかと考えるとにやにやが止まりません。同人誌が出るならぜひ読んでみたいです心からお待ちしております。
面白かったです!
若返りの呪いをかけられたブランカ姫は、解呪の鍵である《魔王》マルディシオンの身体を操り、妹姫レオノーラを奪取した魔物ペルドゥラルを北へ追いつめていた。だが、最後の決戦に臨むブランカ一行を待ち受けていたのは、過酷な選択で…!?「わたしを愛さなくても構わぬ」「俺以外の男にお前を守らせてたまるか……」《魔王》と護衛騎士セロ、ブランカ姫をめぐる至高の三角関係の行方は…!? 運命と踊るシリーズ第3弾!(裏表紙より)
本編完結巻。うおおおおもえたー!!! 瑞山さんの話って最終回への盛り上がりがほんとすごいなあ! 邪神ペルドゥラルとレオノーラの蜜月の歪みにはあはあし、マルディシオンの寂しがり具合に切なくなってにやにやし、ブランカの愛らしさににこにこして、リリアナの最強具合に笑った。
レオノーラは切ないな……。しかし大変たぎってしまった。こういう不幸で、なのに幸せな人ってぎゅっとしてあげたくなる。
それから、私は何もかもを持っているだろうに、たったひとつのものが手に入らないという人がほんっとに好きなので、マルディシオンがめっちゃめちゃ好きです……。ほんとかわいい……。いとおしい。幸せにしたい。最後の最後に予感めいた爆弾を埋めていったので私はそれが気になって仕方がない。
タイトルが踊りに関する言葉なのに、なかなか踊りっていう言葉が出ないなあと思っていたんですが、一番最後まで読んではあああ……!! となりました。そういう結末の付け方は本当に大好きです! もう、もう……! と感無量でした。
「生まれてきてよかったんだ、と子どもにエールを送るのが児童文学」。アニメーション界のトップランナーとして世界的に注目される著者が、長年親しんできた岩波少年文庫の中からお薦めの五〇冊を紹介。あわせて、自らの読書体験、児童文学の挿絵の魅力、そして震災後の世界についてなど、本への、子どもへの熱い思いを語る。(カバー折り返しより)
宮崎駿さんが岩波少年文庫を五十冊選んで紹介した、というのはどこかで聞いていたんだけれど、この本にまとめられています。その他インタビューをまとめたもの。
本の紹介文が、とてもいいなあ。読んでいて安心する文体だ。読んでみたい、と思う。
岩波少年文庫を語るの部分では、内容の他に、挿絵について書かれていて、そういう風に読むのかーとふむふむと頷いた。私は外国文学の挿絵があまり好きでない子どもだったのだけれど、今思うと確かに味があっていいな。
2011年10月の本で、東日本大震災について少し書かれている。どこかで読んだ覚えのある「今ファンタジーを僕らはつくれません」という言葉はここに書かれていた。自分に今何が作れるか、かあ……。
《魔王》マルディシオンに“一目惚れ”され、若返りの呪いをかけられたブランカ姫は、解呪の方法を求め、護衛騎士のセロたちと旅を続ける日々。そこに、妹レオノーラ姫が病に倒れたとの報が入る。それは、婚約者のブランカを取り戻そうとする王太子ロベルトの策略で…!? 一方、密かに想い合いながらも主従の枠を越えられないブランカとセロにも変化が…!?「なあ、あの時どうして口づけの相手に俺を選んだ?」運命と踊るシリーズ第2弾!(裏表紙より)
白と黒のバイレシリーズ第二巻。リリアナの婚約者トマスと、ブランカの妹レオノーラ、そしておそらくラスボスであろう魔物ペルドゥラルの登場によって、物語が進んでいく。
こう、何気なく人と人外なるものの恋愛になっているところが、私にとって非常に萌えどころなんですけど! マルディシオンがすっごく好きなんですが、ペルドゥラルと某がなんか萌え……! 歪んでるのと二人の関係が優しいののアンバランスさがすげーときめく! 最後の挿絵萌えたよ……。
絶妙な感じで停滞しているいろんな人の矢印の行く先が気になる。
3年生になり、卒業後の進路の事を考えなくてはならない英太。東雲はやはり進学するという。特別優れているわけでも劣っているわけでもない自分も、ひとまずそう考えるべきなのだろうと思いながら、自分のやりたい事が分からずに迷う。小説家という夢を既に実現してしまっている東雲と自分を比べて、漠然とした焦燥に駆られる英太だが、東雲と過ごしてきた時間が、彼の望む未来をほのかに照らし始める……。もどかしく苦いラブストーリー、決心の先へ。(裏表紙より)
東雲侑子シリーズ三巻目にして完結巻。三年生になった英太と東雲。英太がぶつかるのは、進路と将来いう大きな壁だった。
二人の関係が進路という選択地点で変わっていく。少なくなっていく高校生の時間に、章間に挟まる西園幽子の作品が、二人の歩んできた青春時代をぎゅっと詰め込んだ感じで、すごくいい……。みんな、すごくいい子たちだったなあ。しんみりとしてしまいますが、本当にもどかしくて優しくて、ぎゅっとするラブストーリーでした。
閉じこもっていた心が、人との出会いやつながりで少しずつ開けていくこの切なさが! 誰かを好きになったことについてくる不安という苦みが! 誰かを思うことによって周りのことも見えていくという光が! 本当に! いい話でした。
「待っていろ。時が満ちればそなたを迎えにいく」国一番の魔術の使い手・ブランカ姫は、魔王・マルディシオンとの戦いに敗れ、人の3倍の速度で若返る呪いをかけられる。それから1年半。ついに12歳の肉体となったブランカは、呪を解く術を求め、不遜な凄腕の騎士・セロを連れ国を出た——「どこまでもついていく。俺がお前を守ってやるよ」呪われた美姫が騎士と共に挑むのは魔王か、宿命か!? 運命と踊るネオ・ゴシックファンタジー!!(裏表紙より)
剣と魔法の恋愛ファンタジー第一巻。美姫であり始祖ほどの魔力を持ち、頭の回転も速い姫君ブランカ、幼馴染みで防魔と呼ばれる対魔力の変異種であるセロ、ブランカ絶対の侍女リリアナの、解呪の旅という感じのシリーズだと思っていたんですが、そう簡単にはいかない様子。国家間の思惑が絡んでこりゃ大変だという引きで! 文章は淡々としてなのにみんないいキャラしてて、瑞山さんの小説はいいなあ。読んでいて安心する。内容は、うおおおおどうなるんだよおおとはらはらさせられてしまうんですけど!
一人称が「わたくし」のヒロインは実はあんまり好きじゃなくて、なので今回セロがすっごい好きです……。ブランカとセロが近付くシーンはきゃーってなる。軍服きゃー!! でもわたくし一人称でもブランカは大人ブランカがすっごいすっごい好きだな! マルディシオンとのシーンはときめく! 魔王と呼ばれる人物が悠久の時を生きて「さびしい」とかこいつ!! ってなった。私はこういうキャラが好きなんだなと自覚してほんと恥ずかしい。なのに本命のセロもかっこいいとかほんと反則。
2年に進級した英太と東雲。東雲との関係が公になったことで心なしか賑やかな学校生活になってきた英太とは対照的に、東雲は初めてのスランプに陥っていた。そんな折、演劇部の女子喜多川が、「学園祭の舞台の脚本を東雲さんにお願いしたい」と英太に頼み込んでくる。その頼みを気分転換も兼ねて引き受けることにする東雲だが、思うように筆の進まない東雲と、奔放な喜多川に振り回される英太は少しずつすれ違っていき……。もどかしく苦い、第2章。(裏表紙より)
もの静かでおとなしい、少し変わった高校生作家である東雲侑子と付き合いはじめた英太。始まりが少し変わっていただけに、英太は東雲に対する気持ちに不安を感じる。そこへ、英太のことが好きだという喜多川の存在が。
もだもだな高校生の青春恋愛もの。王道な展開ながらもとても優しい筆致の物語で、読んでいてすっごく心地いいなあ。ラノベ定番という感じの女子の存在が最近受け入れられなくなってきた自分が、とってもけがれた大人な気がする……。ので、英太も東雲さんももうちょいがんばれ。
でもこの、みんな少しずつ不器用な感じが本当にいいなあ! 英太は鈍感だし、東雲さんは創作で表現する方が得意だし、喜多川さんは美人なのにいろいろ恵まれないし。そこがいとおしい。
革命前夜のフランス、パリ。降りしきる雨の中、自由奔放で美しい高級娼婦のジャンヌと身分を偽った凛々しき死刑執行人、シャルルは出会った。互いに惹かれあいながらも、けして許されることのない恋に身を委ねる2人の未来は——!? 甘く密やかに燃え上がるヒストリカル・ラブストーリー。表題作のほか、動乱のフランス革命期に一途な愛を貫いた、『嵐の狂想曲〜暁を臨む天上の歌〜』も収録。(裏表紙より)
革命を目前にしたフランス・パリでの、死刑執行人と女性の物語。死刑執行人かあ! とその立場にスポットライトをあてたことに衝撃を受けました。なんて重い立場。しかも多くの人間が首を落とされ、ギロチンにかけられていくその時代。
しかし読みながら浮かぶのはどうしてもベルばらである私をどうかお許しください。デュ・バリー夫人とかサン・ジュストとかロベスピエールと言われてもうっかりベルばら絵で再生されてしまう。
とにかく、動乱の気配漂う街に立つ男女が切なくて、すれ違いがどうしようもなくて、いい中編集でした。特に「無音〜」からの「嵐〜」が! お父さん! ちょっと火遊びしちゃったこともあるお父さん! 不器用なお父さん!(身悶え)
みどうちんの描く摩訶不思議なラブコメディー。泰平苑家の当主・撫子は、生まれた時から魔界の王子と政略結婚することが決められていた。なぜなら、撫子の家は、代々魔界と人間界の境界を守護する家だからだ。普通の娘は、嫌がる政略結婚。しかし、撫子は違う。ヴァリーとの結婚生活を夢見てきた変わりもののお嬢様。ところが現れたのは、恋い焦がれたヴァリーではなく…爆笑必至の恋物語!(裏表紙より)
ハイテンションなお嬢様と身代わりの花婿のラブコメ。なんでタイトルが「人形姫」なんだろうと思ったら、「にんぎょうひめ」じゃなく「ひとがたひめ」と読むのかもしれないと考える(でも国会図書館では「にんぎょうひめ」で入ってたから妄想妄想)
「破廉恥ですわ!」と「おい嫁」が飛び交う会話が楽しくて、べたべたならぶこめでにやにやしました。身代わりならではの「相手が本当に好きなのは、自分が身代わりをしているあいつ」という展開がとっても美味しいです!
瀧田家の操さんが好きなんですが出番が少なくて残念。キャラ紹介の操さんがまじで好みです。旦那さんがいるんですよね、ちょっとどんな生活してるか見てみたい。