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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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あまいゆびさき (Yuri‐Hime Novel)
出会いは幼稚園の年中。社宅の子どもだった真淳と、公団の子どもだった照乃。真淳は母親から病的な躾を、照乃はネグレクトを受けていた。出会った二人は秘密の関係になったが、ある出来事から離ればなれになってしまう。しかし真淳も照乃もお互いのことを忘れられず、やがて二人は再会するのだが……。

表紙がえらい可愛いと思っていたらガチ百合でしたごちそうさまでした。しかもエロい。薄暗くていい感じでした。
子どもの頃の背徳な関係性や、女子校のどろどろな面とさらっとした面とか、その内側できらっと光る将来のこととか、本当にいい! シロツメクサの花に気持ちを託してあるのが甘酸っぱくてよかった。あの花が咲いているところは、小さな楽園のように見えるよね。
百合もので女子高生ものって、基本的に、私の世界にはあなただけ、というのが多いと思うのですが、その中で真淳と照乃は世界へ飛び出し、協力者も得て、離れることも経験して、それでも好きだってなったのがすごくいいと思いました。世界へ閉じこもりがちなのが、日本じゃなく海外へ行ったという話を持ってくるのがすごい。面白かった。
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本屋さんで待ち合わせ
というわけで(?)、本書は一応「書評集」だ。ちゃんとした評論ではもちろんなく、「好きだー!」「おもしろいっ」という咆哮になっちゃってるので、お気軽にお読みいただければ幸いです。取りあげたのは、個人的にはおすすめの本ばかりなので、ブックガイドして少しでもみなさまのお役に立つといいなと願っております。(カバー折り返しより)

新聞とか雑誌に掲載されていた短めの書評集と、『東海道四谷怪談』についてのエッセイ。するっと読みやすくてやっぱりしをんさんのエッセイ好きだと思った。いいところをくすぐる書評を書いてくださる。最後にさらっとBLの話もしてるところが好きだ! ロマンス小説も読んでいるのね! とちょっと嬉しくなった。『オリンポスの咎人』は気になっているシリーズです。
もう一冊『お友だちからお願いします』という対の一冊があるので、こちらは至極真面目に本の感想を書いているのがちょっと物足りなかったので、『お友だち〜』も読もう。
懸想する殿下の溜息 (レガロシリーズ)
十六歳の王子カレルの近侍であるマリエは、仕える主から懸想をしているのだと告白された。最も近しいところにいたはずのマリエだったが、その相手に心当たりがない。懸想の相手に思いを伝えるにはどうしたらいいかという問いかけに、本を読み、数々の作戦をこらすも、マリエは認識していなかった。殿下が懸想しているのが、自分であることを。

西洋風の王国、王宮での、王子と近侍の少女のすれ違いロマンス。視点がマリエなのですが、彼女の淡々とした語り口と生真面目な言動が、もう思いっきり違う方向に頑張りすぎていてもだもだ。それに対してはっきり言うこともできないカレルは、言葉遣いこそ王族ですが、子どもっぽく、幼いながらも真っ直ぐな気性で、将来を期待させる王子様。ウェブ版の最後ではしっかりと王位についたようで何よりです。この物語でいいなあと思ったのは、王国と王族と身分差というのが、どうにもならないところがやっぱりあって、それでもそれぞれ出来うるかぎり最良な選択をして、幸せになるというところ。べたべた甘いわけでなく、少しほろ苦いロマンスで、面白かった。
文庫 セレモニー黒真珠 (MF文庫ダ・ヴィンチ)
もう忘れた、と思っていたけど
お葬式のご用命は、真心と信頼の旅立ち・セレモニー黒真珠まで——小さな町の葬儀屋「セレモニー黒真珠」を舞台に、シッカリしすぎなアラサー女子・笹島、喪服が異常に似合う悩めるメガネ男子・木崎、どこかワケあり気な新人ハケン女子・妹尾の3人が織り成す、ドラマティック+ハートウォーミングストーリー。連作短編全6作品を収録。解説は、作家の南綾子(裏表紙より)

お葬式をテーマにした連作。最初に読んだのがアンソロジーに収録されている「はじめてのお葬式」だったのでそういうちょっとほろっとくるいい話を集めているのかと思ったら、なかなか明るくシリアスでした。結婚と仕事を絡めてあるのもずしんと来たし、家族のどうしようもない問題にも関わってくるので、なかなか辛い。ぐっと涙を堪えて頭を下げる、セレモニー黒真珠の人々が重なる。
そうかと思うと「あたしのおにいちゃん」「はじめてのお葬式」が入っていてほっとしました。特に「はじめてのお葬式」は女子学生が主人公なだけあって、吹奏楽と野球部とか、東京の学校に行くとか、それは恋です、とかで! これが一番好きだ。大人のぐっと胸を張っているお話も好きなんだけど、戻らないものを戻らないと知ってしまった少年少女たちの話が好きなんだ!
そんな二つの気持ちを満たしてくれる、いい本だった。
野良女 (光文社文庫)
恋だ! 仕事だ! 婚活だ! 彼氏いない歴二年の鑓水。年上社長と同棲中の朝日。遠距離恋愛に焦る壺井。DV男にハマる桶川。果てなき不倫に溺れる横山。彼女たちは悩めるアラサー女子「野良女」。今宵もお酒片手にあけすけなガールズトークに花咲かす。飲んで笑って、ちょっぴり泣いて——。アラサー女子のおかしくも切ない日々を軽快に描く連作小説。(裏表紙より)

宮木さんのいわゆるA面に属する話。あけすけに性生活とかそういう話をするアラサー女子五人の連作。
馬鹿馬鹿しくって、とても真剣で、ちょっと可哀想ですごく楽しかった。女子が集まってどうでもいいことをだらだら話しているのが好きだったりするのですが、もう本人たちは至って真剣な食べて飲んでいるシーンは欲求だだ漏れでおかしかった。
結局みんなそれぞれに何かしらに諦めをつけたり、変化してみたりするのですが、こう、だらだらと続いていられる友達っていいなあと思いました。
第2図書係補佐 (幻冬舎よしもと文庫)
僕の役割は本の解説や批評ではありません。(略)自分の生活の傍らに常に本という存在があることを書こうと思いました——(本書はじめにより)。お笑い界きっての本読みピース又吉が尾崎放哉、太宰治、江戸川乱歩などの作品紹介を通して自身を綴る、胸を揺さぶられるパーソナル・エッセイ集。巻末には芥川賞作家・中村文則氏との対談も収載。(裏表紙より)

本の紹介というより、過去話を中心にしたエッセイ。本の内容も気になるんですが、又吉さんの過去の話をもうちょっと詳しく! なんだその子ども時代は。
アホなことしたなあという子ども時代があるあるすぎて身につまされる。よく考えればおかしいな、変だな、理不尽だなって感じることを普通に流していた自分の子ども時代を思い出す。
好きなのは、古井由吉の「杳子(『杳子・妻隠』)より」のエッセイ。短編を読んだ気持ちになった。
どれもちょっと笑いのエッセンスがあったり、寂寥感や、シニカルな感じがあるんだけれど、又吉さんで文章のセンスがすごい人なんだな。面白かった。
悶絶スパイラル (新潮文庫)
作家の一日は忙しい。「シャツがイン」のあるべき姿を考察し、脳内政界ラブロマンスに思いを馳せ、ジョジョTを着て打ち合わせにむかう。タクシー運転手さんにはモテ女を演じ、野球場のゲイカップルをやっかみ、天丼を求め夜の町を彷徨う……。キャラの濃すぎる家族や友人たちに囲まれて、妄想アドレナリンは今日も絶賛分泌中! 愛と笑いで読者を包む、情熱的ミラクルエッセイ。(裏表紙より)

久しぶりに三浦しをんさんのエッセイを読んだ。2008年に単行本が刊行されていて、その文庫化。
昔以上にしをんさんの生活が分かった気がするのは、私も歳を取ったせいだろうか……。ジョジョにはまっていたりオダジョーにはまっていたり、楽しそう。それからカラオケも楽しそうだな! 私も歌詞の考察やってみたい。お友達との会話がリアルでやばい。オタ友って、こういう会話になるあるある。
巻末に、イラストを描いていらっしゃる松苗あけみさんの漫画収録。あのしをんさんの弟さんがかっこよく描かれていて、これだったら惚れると思いました。ちゃんとシャツがインしてる!(悶絶)
47都道府県女ひとりで行ってみよう (幻冬舎文庫)
日本には47都道府県もあるのに、行ったことがない場所があるというのはもったいないなぁ。というわけで、全部行ってみることにした。33歳の終わりから37歳まで、毎月東京からフラッとひとり旅。名物料理を無理して食べるでもなく、観光スポットを制覇するでもなく。その時の自分にちょうどよいペースで、「ただ行ってみるだけ」の旅の記録。(裏表紙より)

ちょうど旅行に行っていたので、じゃあ旅行エッセイを読もうということで。
47都道府県に毎月一度旅をする。有名な観光地や名物を食べるわけでもなく、その日その時ぶらっと出掛けて、その時行われている催し物を見たり、ぶらぶらしている。旅ごとにそこでの経費を計算したものと、旅の一コマである四コマ漫画を添えてあります。
この緩さ、羨ましいなあ! つい旅行となるとつめつめにしてしまうから。
これを読んでいたところは和歌山だったんですが、和歌山の回が後ろの方で笑 どういうところに行ったのかなーと思っていました。「那智の滝」かあ。行ったことないなあ
花嫁なんかになるもんか (ビーボーイノベルズ)
「1億円でお前のバージンを買おう」
 衝撃的なセリフを兄に言い放ったのは、その親友で傲慢な資産家・甲斐。千里は大好きな兄を守りたくて、自分を買って欲しいとお願いする。だが、甲斐は、千里に『花嫁』になるよう命じ、一緒に暮らすことになってしまって!? 傍若無人な甲斐がイヤだったのに、実は優しい彼に段々惹かれていく千里。でも、甲斐さんは本当は兄ちゃんが好きなんだよね…? 純情高校生のドキドキ初恋♥ 花嫁ラブ♥(裏表紙より)

表紙がとんでもない、と友人に言われていたんですが、うん……表紙がとんでもないですね……。どう考えてもアブノーマルな雰囲気しかなかったんですが、読んでみるとさほどコメディというわけではなく、ブラコンな弟くんが、ちょっと大人になって、恋をする話でした。この落ち着いた感じ、好きだなー。
衝撃的な台詞を吐く割りには、甲斐はとても自制が効いていてちゃんとした紳士で、もうちょっと弾けても面白かったように思うんですが、ブラコンな兄との嫁姑争いがとても面白かったです。やっぱり我慢してんじゃんー。
眠れない悪魔と鳥籠の歌姫 (一迅社文庫アイリス)
闇オークションで売られていた歌姫ニーナを連れ出したのは、冷酷で美しい悪魔憑きの青年・アルドだった。彼の中の悪魔を眠らせるため、囚われて子守唄を歌うことになってしまったニーナ。しかし、精霊使いのニーナの言葉は、悪魔憑きのアルドを従わせる効果もあって…? いびつな関係を続けながらも、心を許し始めたふたりに、悪魔を求める総督の追手が迫る——。囚われの歌姫と眠れない悪魔が奏でるラブファンタジー。(裏表紙より)

あらすじからもっとどんよりシリアスなのかと思ったら、ヒロインとヒーローがそうさせてくれなかった。かっこいいよ地に足のついたしっかり者ヒロイン! ヒーローは俺様ナルシストだし!
闇オークションに売られてしまったもののニーナ自身は実は盗賊団の首領の娘で、教えのままに一人きりになったから自分で生きていこうとしたところでの、この失敗。というところからしてもうただものじゃないなあ。ただの女の子じゃない。家事はお手の物。頭も回るししっかりもの。でも少しだけ寂しいというバランスがたまらない。
ニーナがかなりしっかり者なだけに、有能で俺様でナルシストなアルドは、ニーナほどどっぷり好き、ということにはならなかったです。素直じゃないのは減点!笑 でも「枕」呼ばわりにやにやしました。知り合いに心配されるところをみると、やっぱり優しい人なんだな。
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Author:月子
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