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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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ふむふむ―おしえて、お仕事!
お仕事を持つ女性へのインタビュー集。靴職人、ビール職人、染織家、活版技師、女流義太夫三味線、漫画アシスタント、フラワーデザイナー、コーディネーター、動物園飼育係、大学研究員、フィギュア企画開発、現場監督、ウエイトリフティング選手、お土産屋、編集者。以上のお仕事をしている女性たち。
面白かった! 色々あるんだなあ。物作りをしている人もいれば、育てる人、研究する人、運動する人、色々あって、皆さんどうしてその仕事を選んだのかという物語が面白い。全然筋違いのところからやってきた人もいたり、そのために学校に通ったりする人もいたり。
読んでいて噴き出したのは、大学研究員の方へのインタビュー。研究者ならではの呼び方がおかしかった。研究している人のことを「カエルやってるビル」とかいう呼び方をするのは、活字にするとおかしい。
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木暮荘物語
薄い壁、漏れ聞こえる生活音、おんぼろの木暮荘に、少しだけ風変わりな住人とその周りの人々がいる。昔の男が突然姿を現した女性、セックスしたいという欲求を抱えた老人、秘密を抱えたトリマー、夫の深夜の不審な行動を見咎める花屋の女主人、住人を覗く男、赤ん坊を預けられた女子大生、かつての恋人を忘れられないカメラマン。連作短編集。

明るい方かなと思っていたら、どっちかというとちょっと変な方向で、暗めの話が多かった。それでもやっぱり妙なおかしみがあって面白いんだけれど、私が今読みたいのはこれではなかったー(『お友だちからお願いします』『本屋さんで待ちあわせ』の流れだったので……)しかし「柱の実り」は好きだった。幸せな結末が見えないけれど、その時々にぎゅうっと幸せな気持ちがするような恋愛ものが好きなのだ……。
最後の「嘘の味」のニジコが誰に繋がるのかなと思ったらそう来たか! というのがおかしかった。小ネタみたいなのだけれど、輪になってたーとちょっと嬉しかった。連作短編のそういうところが好きです。
お友だちからお願いします
 私はふだん、「アホ」としか言いようのないエッセイを書いているのだが、本書においてはちがう!(自社比)よそゆき仕様である!(あくまで自社比)
 大きく出ましたね、自分。本当によそゆき仕様かどうか、ぜひお読みになってたしかめていただきたい。(カバー折り返しより)

新聞雑誌などに掲載されたエッセイをまとめたもの。『本屋さんで待ちあわせ』の対になる一冊でこちらもよそゆき仕様ということですが、確かによそゆきだった。変な人も出てこないし、何かにのめり込んでおかしくもなっていないし、妄想も出てこなかった。残念。しをんさんとお友達のちょっとおかしい妄想が好きなのに。
しかし、電車の中の会話が面白いな! えっと思うような会話をしている人たちって確かにいる。特に学生の会話って、どっか飛んでて面白い。
学生同士で、男子が大人数でつるんでるというのも分かる分かる! という感じ。男子は多い。あれはあれで、絶妙なバランスをとってグループになってるんだなー。
あまいゆびさき (Yuri‐Hime Novel)
出会いは幼稚園の年中。社宅の子どもだった真淳と、公団の子どもだった照乃。真淳は母親から病的な躾を、照乃はネグレクトを受けていた。出会った二人は秘密の関係になったが、ある出来事から離ればなれになってしまう。しかし真淳も照乃もお互いのことを忘れられず、やがて二人は再会するのだが……。

表紙がえらい可愛いと思っていたらガチ百合でしたごちそうさまでした。しかもエロい。薄暗くていい感じでした。
子どもの頃の背徳な関係性や、女子校のどろどろな面とさらっとした面とか、その内側できらっと光る将来のこととか、本当にいい! シロツメクサの花に気持ちを託してあるのが甘酸っぱくてよかった。あの花が咲いているところは、小さな楽園のように見えるよね。
百合もので女子高生ものって、基本的に、私の世界にはあなただけ、というのが多いと思うのですが、その中で真淳と照乃は世界へ飛び出し、協力者も得て、離れることも経験して、それでも好きだってなったのがすごくいいと思いました。世界へ閉じこもりがちなのが、日本じゃなく海外へ行ったという話を持ってくるのがすごい。面白かった。
本屋さんで待ち合わせ
というわけで(?)、本書は一応「書評集」だ。ちゃんとした評論ではもちろんなく、「好きだー!」「おもしろいっ」という咆哮になっちゃってるので、お気軽にお読みいただければ幸いです。取りあげたのは、個人的にはおすすめの本ばかりなので、ブックガイドして少しでもみなさまのお役に立つといいなと願っております。(カバー折り返しより)

新聞とか雑誌に掲載されていた短めの書評集と、『東海道四谷怪談』についてのエッセイ。するっと読みやすくてやっぱりしをんさんのエッセイ好きだと思った。いいところをくすぐる書評を書いてくださる。最後にさらっとBLの話もしてるところが好きだ! ロマンス小説も読んでいるのね! とちょっと嬉しくなった。『オリンポスの咎人』は気になっているシリーズです。
もう一冊『お友だちからお願いします』という対の一冊があるので、こちらは至極真面目に本の感想を書いているのがちょっと物足りなかったので、『お友だち〜』も読もう。
懸想する殿下の溜息 (レガロシリーズ)
十六歳の王子カレルの近侍であるマリエは、仕える主から懸想をしているのだと告白された。最も近しいところにいたはずのマリエだったが、その相手に心当たりがない。懸想の相手に思いを伝えるにはどうしたらいいかという問いかけに、本を読み、数々の作戦をこらすも、マリエは認識していなかった。殿下が懸想しているのが、自分であることを。

西洋風の王国、王宮での、王子と近侍の少女のすれ違いロマンス。視点がマリエなのですが、彼女の淡々とした語り口と生真面目な言動が、もう思いっきり違う方向に頑張りすぎていてもだもだ。それに対してはっきり言うこともできないカレルは、言葉遣いこそ王族ですが、子どもっぽく、幼いながらも真っ直ぐな気性で、将来を期待させる王子様。ウェブ版の最後ではしっかりと王位についたようで何よりです。この物語でいいなあと思ったのは、王国と王族と身分差というのが、どうにもならないところがやっぱりあって、それでもそれぞれ出来うるかぎり最良な選択をして、幸せになるというところ。べたべた甘いわけでなく、少しほろ苦いロマンスで、面白かった。
文庫 セレモニー黒真珠 (MF文庫ダ・ヴィンチ)
もう忘れた、と思っていたけど
お葬式のご用命は、真心と信頼の旅立ち・セレモニー黒真珠まで——小さな町の葬儀屋「セレモニー黒真珠」を舞台に、シッカリしすぎなアラサー女子・笹島、喪服が異常に似合う悩めるメガネ男子・木崎、どこかワケあり気な新人ハケン女子・妹尾の3人が織り成す、ドラマティック+ハートウォーミングストーリー。連作短編全6作品を収録。解説は、作家の南綾子(裏表紙より)

お葬式をテーマにした連作。最初に読んだのがアンソロジーに収録されている「はじめてのお葬式」だったのでそういうちょっとほろっとくるいい話を集めているのかと思ったら、なかなか明るくシリアスでした。結婚と仕事を絡めてあるのもずしんと来たし、家族のどうしようもない問題にも関わってくるので、なかなか辛い。ぐっと涙を堪えて頭を下げる、セレモニー黒真珠の人々が重なる。
そうかと思うと「あたしのおにいちゃん」「はじめてのお葬式」が入っていてほっとしました。特に「はじめてのお葬式」は女子学生が主人公なだけあって、吹奏楽と野球部とか、東京の学校に行くとか、それは恋です、とかで! これが一番好きだ。大人のぐっと胸を張っているお話も好きなんだけど、戻らないものを戻らないと知ってしまった少年少女たちの話が好きなんだ!
そんな二つの気持ちを満たしてくれる、いい本だった。
野良女 (光文社文庫)
恋だ! 仕事だ! 婚活だ! 彼氏いない歴二年の鑓水。年上社長と同棲中の朝日。遠距離恋愛に焦る壺井。DV男にハマる桶川。果てなき不倫に溺れる横山。彼女たちは悩めるアラサー女子「野良女」。今宵もお酒片手にあけすけなガールズトークに花咲かす。飲んで笑って、ちょっぴり泣いて——。アラサー女子のおかしくも切ない日々を軽快に描く連作小説。(裏表紙より)

宮木さんのいわゆるA面に属する話。あけすけに性生活とかそういう話をするアラサー女子五人の連作。
馬鹿馬鹿しくって、とても真剣で、ちょっと可哀想ですごく楽しかった。女子が集まってどうでもいいことをだらだら話しているのが好きだったりするのですが、もう本人たちは至って真剣な食べて飲んでいるシーンは欲求だだ漏れでおかしかった。
結局みんなそれぞれに何かしらに諦めをつけたり、変化してみたりするのですが、こう、だらだらと続いていられる友達っていいなあと思いました。
第2図書係補佐 (幻冬舎よしもと文庫)
僕の役割は本の解説や批評ではありません。(略)自分の生活の傍らに常に本という存在があることを書こうと思いました——(本書はじめにより)。お笑い界きっての本読みピース又吉が尾崎放哉、太宰治、江戸川乱歩などの作品紹介を通して自身を綴る、胸を揺さぶられるパーソナル・エッセイ集。巻末には芥川賞作家・中村文則氏との対談も収載。(裏表紙より)

本の紹介というより、過去話を中心にしたエッセイ。本の内容も気になるんですが、又吉さんの過去の話をもうちょっと詳しく! なんだその子ども時代は。
アホなことしたなあという子ども時代があるあるすぎて身につまされる。よく考えればおかしいな、変だな、理不尽だなって感じることを普通に流していた自分の子ども時代を思い出す。
好きなのは、古井由吉の「杳子(『杳子・妻隠』)より」のエッセイ。短編を読んだ気持ちになった。
どれもちょっと笑いのエッセンスがあったり、寂寥感や、シニカルな感じがあるんだけれど、又吉さんで文章のセンスがすごい人なんだな。面白かった。
悶絶スパイラル (新潮文庫)
作家の一日は忙しい。「シャツがイン」のあるべき姿を考察し、脳内政界ラブロマンスに思いを馳せ、ジョジョTを着て打ち合わせにむかう。タクシー運転手さんにはモテ女を演じ、野球場のゲイカップルをやっかみ、天丼を求め夜の町を彷徨う……。キャラの濃すぎる家族や友人たちに囲まれて、妄想アドレナリンは今日も絶賛分泌中! 愛と笑いで読者を包む、情熱的ミラクルエッセイ。(裏表紙より)

久しぶりに三浦しをんさんのエッセイを読んだ。2008年に単行本が刊行されていて、その文庫化。
昔以上にしをんさんの生活が分かった気がするのは、私も歳を取ったせいだろうか……。ジョジョにはまっていたりオダジョーにはまっていたり、楽しそう。それからカラオケも楽しそうだな! 私も歌詞の考察やってみたい。お友達との会話がリアルでやばい。オタ友って、こういう会話になるあるある。
巻末に、イラストを描いていらっしゃる松苗あけみさんの漫画収録。あのしをんさんの弟さんがかっこよく描かれていて、これだったら惚れると思いました。ちゃんとシャツがインしてる!(悶絶)
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Author:月子
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