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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する (PASH!ブックス)
事件に巻き込まれ、背中に大怪我をしたサリーシャ。消えない傷跡が残り失意に沈んでいると、強面の辺境伯・セシリオから突然の求婚が!? 寡黙なセシリオに戸惑いつつ、10も歳の離れた彼が覗かせる少年のような表情と、飾らない言葉に惹かれていく。ずっとこの人の傍にいたい。でもこの傷跡を見られたら嫌われてしまう。揺れるサリーシャだが、婚礼の日は次第に近づいてきて…。甘さと切なさの詰まった「小説家になろう」の大人気連載、待望の書籍化!(裏表紙より)

美貌と優しさを持ち、王太子妃の有力候補の一人だった少女。だが彼女に訪れたのは妃に選ばれたなかったことと、刺客の襲撃を受けたことで残ってしまった醜い背中の傷のせいで結婚もままならなくなってしまうという辛い現実だった。
不幸な少女が、強面で不器用な権力者に溺愛されるという王道のお話。この空気感、なんだか読んでいて安心するなあ。大きく逸脱することもないし、いい人はいい人で、悪人は変わらず悪人だからだろうか。
ちょっと気になったのが語句の漢字の開き。「瑠璃色」は漢字で「バラ」はカタカナなのが個人的に違和感でむずむずしました。
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大正二十九年の乙女たち (メディアワークス文庫)
日本が世界の戦乱に巻き込まれつつある、大正二十九年。芸術志向の女性たちが集い、活況を見せる逢坂女子美術専門学校に、四人のひときわ個性的な女学生がいた。画家としての才能あふれる池田千種。武道に没頭する男勝りな星野逸子。身体は不自由ながら想像力豊かな犬飼華羊。素直で女性らしい優しさに満ちた緒方陽子。戦争の足音が近づく不自由な時代にありながら、彼女たちは短い青春を精一杯謳歌していた。しかし彼女たちの明るい日々に、不穏な影が忍び寄り……。奇才・牧野修、渾身の青春時代小説が登場!(Amazonより)

メディアワークス文庫から出たのって本当か? と思うほど、かなり骨太な、大正二十九年と芸術と猟奇と少女たちを書いた作品だった。安易に言ってはいけない気がするんだけれど、すごく面白かった。
芸術を志す少女たち四人の視点から一連の事件を紐解く連作で、猟奇事件の謎を解きつつも、その時代に生きる女性たちがどんな風にもがいていたか、どんな風俗があったのかみたいなところを読むのが面白かった。それぞれに才能に恵まれていて、その個性が四人でいることですごく受け入れられている感じがするの、青春のきらめきって感じで眩しかった。
校閲ガール (角川文庫)
憧れのファッション誌の編集者を夢見て出版社に就職した河野悦子。しかし「名前がそれっぽい」という理由で(!?)、配属されたのは校閲部だった。校閲の仕事とは、原稿に誤りがないか確かめること。入社して2年目、苦手な文芸書の仕事に向かい合う日々だ。そして悦子が担当の原稿や周囲ではたびたび、ちょっとしたトラブルが巻き起こり……!? 読んでスッキリ元気になる! 最強のワーキングガールズエンタメ。解説・角田光代(裏表紙より)

ドラマを先に見ていて、今回初めて原作を読みました。ドラマはドラマで上手く作ってあるなあと思ったし、原作は原作で面白いと思いました。校閲の仕事の実際は違っていても、こういう仕事があってこういう働き方をしている人がどこかにいるかもしれないって想像するのが楽しい。ファッションに拘る悦子は、活字や書物を愛している人にはちょっと受け入れがたいかもしれないけれど、こういう人がいていいんだと思う。自分をよくわかっていて、それが容認されにくいことも知っている悦子は、めちゃくちゃ賢い人だよなあ。
鬼の戀 (ソーニャ文庫)
生まれた時からずっと見ている。それだけでよかった。触れられなくても、本当の姿を見せられなくても。会わなければ、きっといつまでも一緒にいられるのだから。なのにお前は来てしまった。この鬼を祀る呪われた村に。血と罪に塗れたおぞましい欲望の供物になるとも知らず……! ああ今日も狂気に染まる。もう戻れない。お前を喰らってしまいたい——!
地獄の果ては極楽か、さらなる地獄か。さだめに抗う優しい鬼の純愛怪奇譚。(裏表紙より)

終戦直後の日本。天涯孤独の二十歳の娘、萌は、ある日母の実家からの迎えを受ける。岡山の山奥にある黒頭村の旧家に赴いた萌は、そこで異様に崇められている当主家と祀られている鬼の因習に囚われてしまう。
山奥の村の因習で、無理やり花嫁にさせられて、儀式の血なまぐさい真実やら大事な人が胸に秘めていることやら本当の鬼とはという話で、とってもどろどろしていて官能的でした。歪んだ愛が凝縮されていて、後半怒涛のように明かされるものがあまりにひどい(褒めている)のでにやにやしてしまった。予想はできていたけれど、貫いてくれたことがすごく嬉しかった。面白かったです。
胡竜の巫女姫 其は国守の鍵 (一迅社文庫アイリス)
胸にある竜の痣は、胡竜国を守る儀式のため、天に選ばれた証。そう隣国から嫁いできた母に聞かされたテルンビルト王国の王女・璃杏は、儀式に参列するために胡竜国の王都へと向かうことに。ところが、気づいたら近衛軍に守られていた場所から、知らない場所に移されていて!? 訳が分からない中、なんとか逃げ出せたものの、辿り着いた街では誰も王女だと信じてくれないばかりか、騙されて妓楼に売られる始末。そこで出会った近衛兵だという青年・滄波も胡散臭くて――。あなたは味方? それとも敵? 過酷な運命に立ち向かう姫君の中華風ラブファンタジー! ※電子版はショートストーリー『大蛇の餌づけ』付。(Amazonより)

テルンビルト王国の王女オリーヴィアは、異国の人であった母親の血筋ゆえに魔術の力を秘めていたらしく、国を守る存在として胡竜国へ儀式を行いに向かう……というお話なんですが、世間知らずで不器用ながらも、ひたむきにしたたかに強く生きようとするヒロインで、素敵でした。
璃杏(オリーヴィアの胡竜名)は妓楼で生活するところが一番の見せ場だった気がするので、すごく瑞山さんらしい作品だなあという感じがしました笑 恋愛よりも、璃杏が成長する物語としてもっと読みたいと思いました。
そういえばさらっと短く作中で語られましたけれど、『双翼の王獣騎士団』と世界観を同じくする作品だったんですね。ラルフとエリカは無事結ばれたようで何よりです笑
幽霊伯爵の花嫁 -恋する娘と真夏の夜の悪夢- (ルルル文庫)
優秀な墓守であるジェイクの十七人目の妻として、騒がしい幽霊たちに囲まれたコルドン家で暮らすサアラ。ある朝、ジェイクのもとに匿名の手紙が届いた。それは同業のランカスタン伯爵家が悪霊を屋敷に閉じ込めているという告発文だった。夫婦はランカスタン領に向かうが、旅の途中、サアラは謎の感情に襲われて思わずジェイクの抱擁を拒絶! もしかして…これが夫婦の倦怠期? 予測不能な事態に最強花嫁サアラがとった行動は!?(裏表紙より)

幽霊伯爵の花嫁シリーズ、その後の番外編。成長して十九歳になったエリオスと、五歳の娘リオンを持つ夫婦となったサアラとジェイク。子どもたちがいて、結婚生活もそれなりに時間が経ったようだけれど、二人とも相変わらず。
性格の悪いヒロインが好きです!笑 ここまで気持ちよくぽんぽんと言ってくれると気持ちがいい。もっとやっちゃってー! と言いたくなる。夫婦らしいシーンは色っぽくて、どきどきしました。
常夜ノ国ノ天照
『天照』――それは、若く、まばゆく、常夜を照らす、光のむすめ。

隻眼の女子高生、火野坂暁が迷い込んだのは、真っ暗な異世界だった。
窮地を救ってくれた英国紳士のミニ・クーパーや〈良い飴屋〉と名乗る男が率いるヒガシ町の男達と共に、自分の命を執拗に狙うニシ町と戦うことになった暁。
決して明けぬ夜空の下に渦巻くのは、〈ニシ町〉の男達の欲望、〈ヒガシ町〉の男達の哀しみ、そして途方もない〈絶望〉の影。
そして、この国で唯一の女――『天照』の本当の役割を教えられた時、彼女はある決断をする――。

「わたし、誰にもいなくなってほしくない。みんなといっしょに生きていたい」(Amazonより)

この世に絶望したことで、異世界に連れ去られた女子高生、暁。その場所は白い狐と黒い狐の勢力が東西に別れて争っている世界であり、女性である暁は『天照』という特別な存在として狙われ、あるいは庇護される対象だというのだった。
男性ばかりに囲まれつつ、とある事情で隻眼となり男性を受け付けなくなった暁なので、何事も力技というか拳に物を言わせるというかとりあえず殴るっていうような女性でとても面白く読みました。守られるだけじゃないけれど守られることに安堵を見出すところ、良きヒロインでありました。
読み進めて思いがけずクトゥルフ要素があったことに驚きつつ、序破急の「急」の章は息を飲む展開の連続でページをめくる手が止まらなかったです。本当にどうなるんだと最後まではらはらし通しだった。
何も変わらなかったかもしれないけれど、少しだけ何かが変わったかもしれない。そんな希望を持たせつつもまた過酷な巡りが始まるのかと思うと胸が痛いのですが、とても面白かったです。
こいしいたべもの (文春文庫)
母手作りの、バターがとろける甘いホットケーキ。父が大好きだった、少し焦げ目がついたビーフン。遅い青春時代に食べた、夜明けのペヤング……。味の記憶をたどると、眠っていた思い出の扉が開き、胸いっぱいになった事はありませんか?優しい視点でユーモアたっぷり、胸にホロリとくる22品の美味しいカラーイラストエッセイ集。(裏表紙より)

ノスタルジー溢れるエッセイだった。家族で食べたもの、学生時代の思い出……そうした思い出と結びつく食べ物、私にもあるなあ。自分の世代よりも昔のことなのに、なんだか知っているような気がして懐かしい気持ちになりました。
一華後宮料理帖 (角川ビーンズ文庫)
『おいしい』――その一言が私の居場所になる。故国で神に捧げる食事を作っていた理美は、大帝国崑国へ貢ぎ物として後宮入りすることに。その際、大切な故郷の味を奪われそうになった所を食学博士の朱西に助けられる。彼の優しさに触れた理美は再会を胸に秘め、嫉妬渦巻く後宮内を持ち前の明るさと料理の腕前で切り抜けていく。しかし突然、皇帝不敬罪で捕らえられてしまって? 「食」を愛する皇女の中華後宮ファンタジー!!(Amazonより)

和風の国出身の皇女が、中華風の国の後宮に入り、文化の違いを感じながらも自らの居場所を得ていくお話。テーマは「食」。文化の違いって食べ物にもすごく現れると思うんですが、それを上手く使っていて面白いなあと思いました。
ほわほわしながらも結構しっかりしている理美と、ちょっと抜けているところのある朱西の二人はなんだかこう、癒し系カップルって感じで可愛らしい。理美はいまのところ後宮の人間だし、恋模様ってどうなるんだろうなあ。
サファイア (ハルキ文庫)
あなたの「恩」は、一度も忘れたことがなかった——「二十歳の誕生日プレゼントには、指輪が欲しいな」。わたしは恋人に人生初のおねだりをした……(「サファイア」より)。林田万砂子(五十歳・主婦)は子ども用歯磨き粉の「ムーンラビットイチゴ味」がいかに素晴らしいかを、わたしに得々と話し始めたが……(「真珠」より)。人間の摩訶不思議で切ない出逢いと別れを、己の罪悪と愛と夢を描いた傑作短篇集。(装画・清川あさみ 解説・児玉憲宗)(裏表紙より)

「真珠」「ルビー」「ダイヤモンド」「猫目石」「ムーンストーン」「サファイア」「ガーネット」の七つの短編を収録。宝石そのものやそれにたとえられるものをモチーフにした内容になっていて、読後感が嫌なものも多い(褒めている)のですが、内容的にすごく好きなのが「ルビー」です。
善良な母親はある日近所の老人福祉施設の住人の声をかけられる。そこから始まる交流と秘められた謎。人間の欲とは、みたいなものもあって明るいばかりではない話ですがこういう善良な人たちに幸運がある話が好きです。
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Author:月子
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