読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
平凡な村娘カレンが知った衝撃の事実。それは避暑に訪れた美貌の王妃が実は男だということ! 口封じに殺されそうになったところで、宰相から王妃の世話をすれば命を救うどころか大好きな本の新刊までもらえると提案され、即答で頷いてしまうが……。「期間限定の世話係ではなく専属侍女!? そんなの聞いてませんけど!」王都では、なぜか癖ありの国王陛下に気に入られてしまい――!? 訳あり侍女と女装王妃&王のお仕事ラブコメディ! ※電子版はショートストーリー『王妃様は嫉妬中らしいですよ!』付。(Amazonより)
都会人に馬鹿にされがちな辺境の村の宿屋の娘のカレンが、王妃が実は男性だと知ったことで侍女として抜擢され、立場の弱い彼女(彼)を守るため、自覚のないハイスペックな能力でばっさばっさと活躍するお話。
普通の子(能力的には普通じゃないけど)が自分にできることで頑張ったり、誰かを守ろうとしたり、好きな小説と作者のせいで周りが見えなくなって猪化したり、元気で楽しいお仕事もの。
とにかくカレンがいい子で楽しかった。好きな本のことになると暴走するのはちょっと落ち着け……と思ったけれど。最終的に豪運を発揮して何もかも解決してしまう、でもそのことに本人が無自覚で、けれど嫌味じゃないところがいいバランスだなあ。
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『華鬼 幻の特典短編集』
華鬼の視点でつづられる、幼い神無との邂逅「桜樹の檻」ほか、4巻の後の響と桃子を描く「重なり合う未来―これも、愛―」など、『華鬼』の世界が広がる短編集!
※ 本作品は、紙書籍版『華鬼』の1巻から4巻の発売時に、特典としてWeb上で無料公開されたものをまとめた短編集です。
出版社の特典だけでなく、著者のサイトに限定公開された作品も掲載しております。『華鬼』本編とあわせてお楽しみください。(hontoより)
hontoの限定販売かな? 『華鬼』が刊行されたときにレガロシリーズのサイトで読めた特典短編とサイト公開されたもののまとめです。ありがとうイースト・プレスさん。
巻を増すごとに甘くなっていく華鬼と神無の関係は特典小説にも表れていて微笑ましかった。いま改めて読むと不器用可愛いよなあ、華鬼。
華鬼の視点でつづられる、幼い神無との邂逅「桜樹の檻」ほか、4巻の後の響と桃子を描く「重なり合う未来―これも、愛―」など、『華鬼』の世界が広がる短編集!
※ 本作品は、紙書籍版『華鬼』の1巻から4巻の発売時に、特典としてWeb上で無料公開されたものをまとめた短編集です。
出版社の特典だけでなく、著者のサイトに限定公開された作品も掲載しております。『華鬼』本編とあわせてお楽しみください。(hontoより)
hontoの限定販売かな? 『華鬼』が刊行されたときにレガロシリーズのサイトで読めた特典短編とサイト公開されたもののまとめです。ありがとうイースト・プレスさん。
巻を増すごとに甘くなっていく華鬼と神無の関係は特典小説にも表れていて微笑ましかった。いま改めて読むと不器用可愛いよなあ、華鬼。
今回も引き続きなんもしてません。亡くなったお祖父ちゃんの生家を一緒に探してほしい、惚気話を聞いてほしい、降りられない駅に行ってほしい、アンドロイドの練習に付き合ってほしい、呪いの人形と一晩過ごしてほしい、ヘルプマークを付けて外出するのに同行してほしい——2019年2月から2020年1月のドラマ化決定までの約1年間に起こった出来事を時系列で紹介。【こちらも(実は)ドラマの原作です!】(カバー折り返しより)
レンタルさんのまとめ本(という認識でいる)の二冊目。ちょうどドラマを見ていたところだったので、あーこれが元ネタなんだーという話が読めて楽しかった。ドラマ、うまいこと脚色してあるなあ。
認知度が上がってきていて、依頼中に差し入れが入るの、めっちゃびっくりするだろうけれど聞く分にはすごく面白い。なんもしない人になんかしたい人がいっぱいいるんだなっていう。というか、みんな結構なんかしたい人なんだな、みたいな。
昔からあやかしが見えることに悩まされてきたOLの雅(みやび)、25歳。そのせいで彼氏には軒並み振られ、職場にもプライベートにも居場所がなかった。しかしある日、超イケメンの神様・朔(さく)が「迎えにきたぞ」と現れ、強制的に結婚することに!? 初めは拒否する雅だが、甘い言葉で居場所をくれる朔との夫婦生活は思いのほか居心地がよく、徐々に朔を受け入れる雅。だがこの夫婦生活には、過去に隠されたある秘密が関係していた…。胸キュン×癒しの“あやかし嫁入り”ファンタジー小説!(Amazonより)
あやかしが見える雅は幼い頃から「気味が悪い子」と疎んじられてきた。そんなある日、迎えに来たといって桜月神社の神・朔と結婚することに。どうやら雅はあやかしたちを惹きつける特別な魂の持ち主らしい。
う、うーん……? 疎んじられていたわりには雅の性格ははきはきしているし、なのに神様の嫁にされるのに特に反抗するでもなく流されるように普通に三三九度やってるし……。不気味だからってそんな周囲のありとあらゆる人に「化け物」って罵られるものかとか、実害は作中では窓ガラスが割れるくらいなのでは、とか。かと思ったらあやかしや神様には説教するとすぐ好意をもたれるし……。
あと最大のツッコミは、神仏習合、寺社仏閣という言葉はあるけれども、神宮に住む神様の嫁なのに上の人は観音様で、常世には閻魔様がいるの……?
そして地域のお祭りというのは、そんなに簡単に開催もできなければ人を集めることもできないと思うんだよな……。
というような感じで、少し進むごとに「えっ」となる設定や展開やエピソードが出てきて、あまり読むのに集中できませんでした。設定は好みなのになあ。
本書は2018年6月3日に「レンタルなんもしない人」というサービスがスタートした時から、2019年1月31日「スッキリ」(日本テレビ)出演まで、半年間におこった出来事をほぼ時系列で(だいたい)紹介するノンフィクション・エッセイです。(カバー折り返しより)
Twitterでだいたい見たことがあるんですけれど、やっぱりまとめて読むのは楽しい。
「スッキリ」に出ていたの、見たなーという思い出が蘇る。猪の人の依頼でしたよね確か。
サービス開始のことをまとめた『〈レンタルなんもしない人〉というサービスをはじめます。』に比べて、結構奢られている話が多かった気がします。交通費と飲食代が報酬なので食べる話がセットになっているんでしょう。しかし食べ物について筆を割くというわけでなく、ただこれを食べたという報告になっているのが実にレンタルさんらしい。
「レンタルなんもしない人」というサービスを始めます。1人で入りにくい店、ゲームの人数あわせ、花見の場所とりなど、ただ1人分の存在だけが必要なシーンでご利用ください。ごく簡単なうけこたえ以外なんもできかねます
「“なんもしない" 人にも、存在価値はあるんだろうか?」——その可能性を独自すぎる手法で追求し、開始10ヶ月で10万人ものフォロワーを集めた〈レンタルなんもしない人〉による思索の書。(カバー折り返しより)
Twitter上で、あるいはメディアでお見かけする「レンタルなんもしない人」の本。内容はご本人の語ったものですが書き起こしたのは別の人らしいです。
印象的な話題をそのとき考えていたことを絡めつつ語ってくれるのが面白い。そういう考え方なんだなるほどなーといっぱい思いました(し、これを書いている日に読んだなんもしない人さんのとある記事を読んで「同じことを思ってた」とめちゃくちゃシンパシーを感じた)。
なんもしない人さんのツイートがなんとなく好きなのでこれを読みながら理由を考えていたんですが、真面目な内容にちょっと照れ隠しで一文付け加えたりしているところといったツイート内容の絶妙なバランス感覚が好きなんだなと思いました。
ここで質問。もし、気になる子からデートに誘われたらどうする? しかもお相手は一人じゃない。クール系美人・コスモス先輩と可愛い系幼馴染み・ひまわりという二大美少女!! 意気揚々と待ち合わせ場所に向かうよね。そして告げられた『想い』とは! ……親友との『恋愛相談』かぁハハハ。 ……やめだ! やめやめ! 『鈍感系無害キャラ』という偽りの姿から、つい本来の俺に戻ったね。でもここで俺は腐ったりなんかしない。なぜなら、恋愛相談に真摯に向き合い二人の信頼を勝ち取れば、俺のことを好きになってくれるかもしれないからな! ん? 誰が小物感ハンパないって? そんな俺の哀しい孤軍奮闘っぷりを、傍で見つめる少女がいた。パンジーこと三色院菫子。三つ編みメガネな陰気なヤツ。まぁなんというか、俺はコイツが嫌いです。だって俺にだけ超毒舌で、いつも俺を困らせて楽しんでいるからね。だから、コイツとは関わりたくないってわけ。 なのに……俺を好きなのはお前だけかよ。(Amazonより)
幼馴染の元気っ娘。美人で胸の大きい生徒会長。校内でも人気の高い二人と接点がある主人公は、ほぼ同時期にそれぞれからデートに誘われる。そこで聞かされたのは、彼女たちが想いを寄せているのは主人公の親友で、仲を取り持ってほしいというお願いだった。
というところから始まって、実は主人公が好きな地味眼鏡図書委員(毒舌・ストーカー)や、親友が好きなのは誰なのかという話が絡まって、ただの繰り返しかと思ったらくるくると回るように話が展開するのが面白かったです。巻き込まれ系地味主人公像に真っ向から喧嘩売ってる感もあって笑
女の子を好きになる理由が、美人で胸が大きい、というところから外れないのはちょっともやもやするんですが、実際はそういうものなんだろうなー。自分が少女小説読みだから夢見ちゃうんだろう。最後にジョーロがころっと落ちなかったところにプライドを感じつつも、でも落ちたかったんだろうなと邪推してしまった。
2016年12月、ジャーナリストのフィリップ・ロブジョワはシリア内戦の取材のため、経済の中心地アレッポを訪れた。
かつて美しい街並みで知られていたが、政府軍と反体制派のあいだの内戦で廃墟と化していたアレッポ。そこで彼は、ミリアムという13才の少女に出会った。
彼女は内戦下で起きた出来事を日記に綴っており、それを世界の人々に伝えることを望んでいた。
戦闘の影に覆われていく平和な日常。
学校の近くに落ちる爆弾、地下への避難。
スナイパーが潜む通学路。
いま、子どもたちが戦争を生きていくとはどういうことなのか。
一人の少女が、内戦下の日々を曇りなき目で綴った21世紀版『アンネの日記』(カバー折り返しより)
平和な日常を綴っていた日記は、次第に戦争に染まっていく。けれどミリアムは家族の導きを得ながら、努めて冷静に日々を、思いを綴る。
危険にさらされながらも懸命に助け合いながら生きる人たちのことが書かれているなあ……と思いながら読み終わりました。すごく静かな文章なんだけれど、彼女たちはどれだけ毎日怯えて、失われていくことを恐れただろうと想像するとたまらなくなる。優しく賢いお母さんが時が経つにつれてミサイルに向かって悲鳴をあげるようになっているのが、本当にもう……。
外から見ているとそこに生きる人たちの気持ちなんて全然わからないものなんだなということにも打ちのめされた。誰が正しいなんて誰にもわからないと思うけれど、誰も利用されてほしくないし傷ついてほしくないよ。
冬休みに突入した午後、自分の出生にまつわる秘密を知ってしまった女子高生・こずえは母を一方的に責め、衝動的に家を飛び出した。ひょんなことから鍵屋を営む鍵師・淀川と知り合い、年齢を偽って助手として彼の家で居候することに。そこへ「亡き父が遺したものを知りたい」という依頼者たちにより、他の鍵屋で開けられなかった手提げ金庫が持ち込まれるが…?
鍵をかけ、しまった秘密はなんですか——?(裏表紙より)
もうすぐ十六歳になろうかという女子高生のこずえは、自分と母が実の親子でなかったことに衝撃を受け家出をする。行くところのないこずえは、偶然出会った淀川からもらった甘酒で酔っ払った結果、彼に介抱され、なしくずしに「淀川鍵屋」の居候兼見習いとして束の間の日常を過ごす。
鍵をかけて封印した秘密、がテーマですね。鍵屋のお仕事として金庫を開けることから、様々な事情が見えてくる。遺産相続で揉める家族っていうのは定番ネタだと思うんですが、いい感じに終わってよかったよかった。
魔術師フォン・ロットバルト男爵によって昼は白鳥、夜は人に戻る魔法をかけられた少女たち。犯した罪に対する当然の罰だという父の言葉を信じて監視役を務めていたオディールは、余暇には魔術研究に励み、父親を満足させようと試みるが果たせず、鬱屈した毎日を送っていた。だが白鳥の女いうに試練が課せられ、その罪の告白を聞くことでオディールの頑なな心に変化が生まれ……。ラッキー版「白鳥の湖」登場!(裏表紙より)
魔術師の娘のオディールと、小国の王女でありながら男を裏切った罪でフォン・ロットバルト男爵に囚われ白鳥に変えられたオデット姫。抑圧された少女たちは果たして真実の愛を貫いて解放されるのか、というお話。
女性が解放される話なので、そういう価値観の世界だとわかっていても、男性陣、ジークフリート王子のひどさが目に余ってしまい、オデットと恋に落ちても罠にはめられるとわかっているので、大丈夫かなとはらはらしました。いや本当に大丈夫か? こういう価値観ってなかなか改められないと思うけれど……。
しかしエピローグ部分当たる「みんなが幸せになりました」はみんなが幸せの尻尾を掴んだ描写に溢れていて、大団円というラストでした。