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グラン・アーク共和国の聖騎士リランは、聖騎士団の借金の形として仮想敵国・輝陽皇国に置いていかれた。故に豪奢な衣装を着せられ、皇帝・大樹から「君が新しい妃だろうか?」と訊かれた時は秒で「殺ろう」と決意したのだ。だが大樹はリランが聖騎士と知ると、人を喰らう〈屍魔祖〉の斃し方を訊ねてきた。皇国では皇子らを奴の生贄に捧げて安寧を保っていること、大樹もかつて生贄にされかかったことなどを、太陽のような笑顔の彼から聞かされたリランは……? 中華風退魔ラブコメ。(裏表紙より)
こういう展開や登場人物を書きたいと思ったとき、ちゃんと説得力のある設定が必要になるわけですが、和泉さんはその設定の作り方がめちゃくちゃお上手かつ面白くてくせになる。
タイトルからして、傲岸不遜で人間不信気味の皇帝に求婚された西の国の女性騎士が絆されちゃうやつでしょ? と思いがちですが、皇帝は生い立ちや成長過程こそ苦労続きながら、弟属性強めの頑張り屋、理解力高め、不遜な態度とは縁がなく、姉兄仲も良好。グールのせいで統治も後継者問題もめちゃくちゃでにっちもさっちもいかなくなっている状態の国を救うため、その力を持つ騎士リランを頼る、だけのつもりが周りのお膳立てで妃にされてしまうという……中華風後宮ものよりも異文化交流が主題のラブコメ。
そしてやっぱり後半の力技のハッピーエンドが気持ちいい! 皇国を助けるために取った行動や、聖なる武器の正体など、お話が一気に転がって物語のおしまいにたどり着くのが本当に楽しかった!
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