読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
人気キャラクター、マロミが社会現象となりつつある頃、キャラクターの生みの親である鷺月子は、次回作への期待とプレッシャーを感じ、精神的に追いつめられ始めていた。そんな時、金色のローラーブレードに金属バットの少年に襲われる。その犯人「少年バット」は、やがてあらゆる人々を襲っていく。ただの無差別反抗なのか。少年バットの正体は。
今 敏監督のアニメ。めちゃくちゃサイコサスペンス。空想や妄想が現実に浸食してくる作品を描かせるとすごい人だ。
序盤は誰が嘘をついて何を隠しているのか、誰と誰が繋がって、真実はどこにあるのか、という部分がすごく面白くて、短編小説を読んでいるみたいでした。その話の主人公となる人の、心の闇が、次第に明るい部分を侵していくところにぞくぞくします。何度「やばー」と呟いたか!
半分くらいまではそういう感じなのですが、後半からがらっと色が変わって、心の闇が肥大化して現実に流入してくる。有り得ないことが次々と起こり始めて、それが空想なのか現実なのか分からない状態でみんなが「少年バット」を口にする。その中で本筋とは関係がない「明るい家族計画」はすごく息抜きになりました……後から見直すのがすごく楽しかった。作画の幅がすごく面白かったのは、次の回の「ETC」でした。
10話以降から話がどんどん膨らんで、有り得ないことが普通に起こって誰も疑問に思っていないところが空恐ろしかった。虚構のもの、創造物が氾濫して人を飲み込んだり、流行の闇が人を押し流していく辺りはすごく風刺がきいていて「わーお、ぶらっくー……」と思いました。
面白かったです。面白かったです……と、素直に言っちゃいけない深淵があるんですが(理解しないと言ってはいけないような気がする感じの)しかし好きです。毎回「どうなってるんだー!」と叫んで楽しみに見てました。
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