読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
伝説の女優の娘に生まれながら醜く生まれつき、いじめられて顔に傷を負いながら、飛び抜けた演技力を持つ累には秘密があった。それは母が残した不思議な口紅。その口紅を塗って人と口付けることで一時的に顔を入れ替えることができるのだ。女優として成功を望む美しいニナは、累と彼女を連れてきた羽生田の誘いに乗り、顔を入れ替えて舞台に挑む。
口付けることで顔を入れ替える気味の悪さ。美醜への欲望と執着。最底辺から成り上がろうとする女と、それに巻き込まれ、あるいは関わっていく人々。このどろどろさがたまらない。また丹沢ニナが挑む舞台が「サロメ」なのがなあ! 累がヨカナーンの首に口付けるのが比喩的。
演技をする人たちの演技なので、普段の感じと舞台人の演技の強弱というのか、振り切っている感で迫力が増していてつい見入ってしまう。惹きつけられるのは、二人が自分の欲望や葛藤に忠実な女性たちだからなのかもしれない。絶対いい子じゃないところがいいというか。
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