読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
「すまなかった……」文林のそのひと言がきっかけで、二人の関係が少しずつ変化する。さらに文林と添い遂げることを決めた小玉は、いつの間にか後宮のしきたりも受け入れている自分に気がつく。
仙娥の娘の世話も任され、小玉は赤子に翻弄される日々を送ることに。そこに新たな乳母とその子どもも加わって、にわかに後宮は賑やかになる。そんな中で小玉が見つけたのは、後宮で築いた自分の「家族」の形だった。
後宮に新たな風が吹く。それは次世代の産声。小玉たちの時代の終わりが、近づいている証——。(裏表紙より)
久しぶりに冒頭から笑っちゃった。ぶん殴ろうとして励ますみたいに肩を叩くって。それに気付いてお互いに困惑するんじゃないよ! ばくしょう。
戦いや宮中の陰謀などは今回だいぶと薄め。笑いどころもあったり下の話もあったりして笑ったんですが、ただ各々がそれぞれの場所で自分の望みのために動き出しているので、次が最後なんだとひしひしと感じました。
悲しかったのが王太妃との別れ。小玉と彼女のエピソードもこの物語のすごく重要な部分だったと思うので、ああ、歴史が終わるんだな……とすごく強く感じました。
この巻を読んでいて、この話は中華風後宮と国の内外に蠢く闇を描きながら実際は母と子の物語になるんだなあと思ったんですよね。これまで小玉がそうはなれなかった、でもこの巻で「子どものために」動くようになったことで「母たちと子どもたちの物語」として終わろうとしている。
でも世界は続いていくし、失われる命があれば生まれる命もある。そういう連鎖の一幕なんだろうな。小玉の物語の終わりを最後まで見届けたい。
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