読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

「なら、あんたの娘でいい」
父親の借金のせいで、大地主一族の屋敷の使用人になった十二歳の少女、アマル。自由も、教師になる夢も、すべてうばわれた。
「こんな世の中、おかしい。あきらめたら、なにも変わらない」
自由をその手でつかみとるため、アマルの反撃がはじまる————
これは、現代のパキスタンの話。これがジェンダー(社会的性別)の現実。(カバー折り返しより)
パキスタン系アメリカ人の作者が書いた、パキスタンの少女の物語。
この国では、長女は家族のために働く。男の子の方が優遇され、優先的に教育を受けさせてもらえる。だから識字率は高くない。一部の裕福な権力者によって支配され、不正がまかり通るところ。
その中でも夢を持ち、賢く生きようとするアマルが理不尽さの果てに噴出した怒りのせいで、権力者の怒りを買い、身売り同然で使用人になるんですが、よくできた彼女は運を掴みなんとか己を保つ。あんまり長くないお話なので辛い展開は長引かないんですが、世界は変わるという希望を描きつつも、なんというか、彼女のような人々が本当の意味で自由を手にできるのはいつだろうなと思いを馳せて、少し苦しかった。
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人口急減やウルトラ高齢化、超成熟市場、情報過多などで、新規顧客獲得がどんどん困難になっているこの時代。生活者の消費行動を促すためには「ファンベース」が絶対に必要だ。それは、ファンを大切にし、ファンをベースにして中長期的に売上や価値を上げていく考え方であり、その重要性と効果的な運用の方法を、豊富なデータや事例を挙げて具体的に紹介する。『明日のプランニング』に続く、さとなおの最新マーケティングの必読書。(Amazonより)
自分がこれからどういうスタンスでいけばいいのか考えさせられる本だった。
実際の企業がどうこうというのは多少のさわりがあるのかなるべく伏せられてはいるものの、成功した企業のことが書かれていて、どういうことをやってきたのかというところを踏まえた上でこんなことをやってみてはどうだろう? と提案する本だった。
そうなんだよなあ。ご新規さんを呼び込みたいけれどコアなファンがいるから支えられているところがいっぱいあるよなあ。その人たちをいかに離れさせることなくファンでい続けてもらうかっていうのは一番大事で難しい命題だと思う。

搦め捕られるようにグレイとの婚約が成立し、彼の屋敷で暮らすことになったメリッサ。『悪魔』の異名を持つグレイがこんなに熱烈なのは、メリッサの胸に執着しているから。分かっているのに、強引に抱きすくめられて甘い囁きと濃密な愛撫を与えられると、身体は蕩けてしまう。そんな時、グレイはメリッサを伴わずに舞踏会へ参加するようになり……!? (裏表紙より)
豊満すぎる胸をコンプレックスに思っていたメリッサは流行遅れのドレスを胸を押しつぶして参加した結果、気分を悪くし、悪魔侯爵グレイに助けられる。手当のせいで胸のことを知られてしまったが、その結果メリッサの胸を「理想だ」と言ってグレイは強引な手段で婚約を成立させる。
コンプレックスが愛され要素に変わり、強引な婚約にも関わらず大事にされ……とTLヒロインならば簡単に恋に落ちてしまう絶妙な距離感のヒーローだなあ。紳士的なのにだいぶと雄っぽいのが面白いしちょっと可愛い。

幼なじみの高遠原櫂から急に呼び出された時計紡は、おメダイを渡される。「今朝、おまえに渡さなきゃいけないんだ」それが唯一の違和感、いつも通りみたいな朝。櫂の妹、暖と戯れ笑いながら登校したのに、暖は死んだ——。屋上から落ちたのだ。受け入れ難い思いで願った紡は……!? 運命の朝は繰り返される。死ぬ未来を死なない未来に変えたいなら。奇跡の恋物語!
生には死を。死には生を。……"愛してる"(裏表紙より)
女子高生のループもの。友人が飛び降り、助けを願った紡は気付けばその日の朝に戻っていた。繰り返される世界で死ぬ人間はいつも違う。犯人は誰だ。そしてその動機は。
ループものの悲惨さよりも少女漫画っぽさが際立っているような、主人公が周囲を信頼し、それに周りが答えてくれる展開がなんだかとても心地いい。人智の及ばない存在に好かれたりするところも主人公らしい。実際「私ループしてる」と言われたら結構みんなこういう反応をしてくれるのかなあ、などとちょっと考えて、ふふっとなりました。
異能の要素は必要なのかな? と思いながら読み進めていたんですが、最後のためだったのかと納得。ハッピーエンドで終わってよかった。

行商人のロレンスは、馬車の荷台で麦の束に埋もれて眠る少女を見つける。 少女は狼の耳と尾を持つ美しい娘で、自らを豊作を司る神・ホロと名乗った。 「わっちは神と呼ばれたがよ。わっちゃあ、ホロ以外の何者でもない」 まるで経験を積んだ大人のような話し方で、ロレンスを巧みに翻弄する少女。 「お前は、本当に神なのか?」 最初は半信半疑だったロレンスも、やがてホロが旅に同行することを承諾する。 そんなふたりの旅に、思いがけない儲け話が舞い込んでくる。 近い将来、ある銀貨が値上がりするという噂。 疑いながらも、ロレンスはその儲け話に乗るのだが……。(Amazonより)
独り者の行商人と、美しい娘の姿を持つ豊作の神の、偶然から始まる出会いと旅の物語。
商人の考えや、貴族や騎士といった権力の描き方がとても雰囲気を出していて、面白い。そしてまた人物描写がいい。ホロの描写がとても魅力的で、喋り方フェチとしても色っぽくも可愛らしくてとても好き。なのにちょっと怖いところもあって、この世界でいう「異教の神」の魅力が溢れているなあと思いました。

「なんでママは立っておしっこしないの?」と聞かれたら、「知らないおじさんに髪をひっぱられた!」と子どもが泣いて帰ってきたら、どうしますか? おうち性教育とは子どもを守るための教育です―
本書は、「うちにも赤ちゃんはくる?」といった突然やってくる素朴な質問への答え方から、性犯罪の被害者・加害者にならないための日々の言葉かけ、思春期に訪れる男女の心と体の変化まで、親子で一緒に学ぶことができます。毎日の家族の会話で子どもを守り、これからの時代を生き抜くための力を養う「おうち性教育」をはじめましょう。(裏表紙より)
コミックエッセイのように読める性教育の本。子どもが性のことを口にしたときに、どう教えよう、この反応は正しかったのか、にある程度の答えをもらえる本で、とても興味深く読みました。親の気持ちもわかるし子どもの気持ちもわかるなあ。どう教えたらいいのか、どう尋ねたらいいのかってそれぞれにあると思うんですよね。
巻末の性教育におすすめの本が気になるので見つけたら読んでみたい。

母の故郷・マーキス島にある「法医学博物館」で突然過去の世界に飛ばされた、医学生の西條遊馬。わけがわからないまま、殺人事件の現場に居合わせたために投獄されてしまう。そこで出会ったのは、この国の皇太子ロデリック。彼は、父である王を殺した罪に問われているというのだが…? そして、ロデリックの無実を証明するよう、遊馬に頼んできた人物とは——!?
法医学者が描く、タイムスリップ医学ミステリー!(裏表紙より)
法医学者を目指す男子学生が魔術の力でタイムスリップし、自らの知識で死者の謎を解く。医学知識ってめちゃくちゃ強いチートですよね。しかも過去においては魔法のような知識だっただろう。
現代人の感覚でいる遊馬と、少し古い考え方の人々の違いが面白い。しかし一番面白いのは王家の三兄弟だなあ。男ばかりに好かれる遊馬。いまのところクリスが優勢かな?笑

ミアの愛(!)で、魔王覚醒から救われたフィン。ひとまず一行は王都に向かう。そこで出逢ったのは、勇者の旦那様=筋肉質なケーキ屋さん&一癖ある店員コンビ!! 初対面の男子とも仲良くなるミアに、フィンはソワソワ……。そんななか、魔王を騙る人物が連日現われて事件を起こし――!? 「ミアのことが一番好きだよ」 元・魔王は平和を取り戻すことはできるのか!? 英雄譚は、終わらない!(Amazonより)
前作から続くお話を、フィン視点で。今度こそフィンが本当に報われてよかった。これでエヒトの審判が終わればいいんだけれど、次の百年は魔王が聖女を求める展開になりそうだな、などとちょっと思いました。
来世の話はともかく、今世の仲間たちもそれぞれに好きなことができそうで何よりです。思ったよりレーツェルがコメディ要員になっているのに笑いました。
今回のフェチはメイド服かな?笑 あとそれぞれに悩みを抱えた人たちを勇者一行がなんとなく救っているのが楽しかった。そのゆるさ、ちょっと好き。

百年前の聖戦〈エヒトの審判〉で世界を救った聖女の生まれ変わり・ミア。なんの因果かミアの幼馴染・フィンの前世は魔王! 狼の魔物を身に宿した孤独な彼を、「良い子良い子♪」と天然にタラし込んでいたことで世界の平和は保たれていた……が。再び訪れる審判の時! かつての仲間である勇者一行と再会するも「ウチの子は魔王になんかなりません!」と言い張り!? 涙と笑いの新英雄譚!!(Amazonより)
百年ごとに繰り返される勇者と魔王の戦い。前世で聖女だったミアは、いまは劇作家見習い。幼馴染のフィンを可愛がっていたけれど実は彼は魔王。それを弟のようなわんこのような感じでたらしこんでいるミアだったけれど、ついに聖杯が現れてしまう。
会話とキャラの関係性を楽しみラブコメディ。めちゃめちゃ腕の立つ大きな青年を、元気で明るい少女がぎゅーっとしてよしよしするという、すごくフェチズムを感じるシーンがいっぱい笑
派手な展開はないんだけれど、ミアとフィンがとても可愛い。フィンが報われたのでよかったよかった。

イタリアに暮らし始めて三十五年。断言しよう。パスタよりもっと美味しいものが世界にはある! フィレンツェの絶品「貧乏料理」、シチリア島で頬張った餃子、死ぬ間際に食べたいポルチーニ茸、狂うほど愛しい日本食、忘れ難いおにぎりの温もり、北海道やリスボンの名物料理……。いわゆるグルメじゃないけれど、食への渇望と味覚の記憶こそが、私の創造の原点——。胃袋で世界とつながった経験を美味しく綴る食文化エッセイ。(カバー折り返しより)
ヤマザキマリさんのエッセイを最近続けて読んでいるので、話のつながりがわかって面白いな。これは留学時代や結婚後に住んだところ、実家や義実家の食べ物の話。
どんなのだろう、食べてみたいなあと思わせるものもあれば、ヤマザキさんも苦しんだという地域性や食材の強烈さにうっとなったりと、楽しい。特に病人食の話が面白かったなあ。