読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
正史の裏に後宮あり——。国家の安定に不可欠なお世継ぎ輩出の専門機関として、古今東西あらゆる王政の影に必ず存在してきた女だけの(ときには男だけの)世界=後宮。日本の宮中内裏と大奥、トルコのハレムにフランスのヴェルサイユ、中国皇帝の後宮からロシアの女帝が作った男のハレムまで、禁断の花園の内側を人物に沿ってドラマチックに紹介します。寵愛をめぐる際限なきバトルの中で生まれた純愛・悲恋の物語、背徳のエロスに残酷きわまりない事件、そして贅沢こそが生みうる薫り高き宮廷文化まで、「愛」と「政治」と「文化」のスリリングな三角関係があらわとなる歴史の裏舞台をこっそりとご覧ください。(裏表紙より)
日本の大奥、中国の後宮、トルコのハレム、イタリアのローマの色恋、フランスの宮廷、ドイツとオーストリア、そしてロシアの帝位に絡めた、歴史的に有名な女性たちのいろいろなエピソードをまとめたもの。ざっくり入門編で、大奥とフランスの話が多い印象です。
大奥やマリー・アントワットなどの逸話はそれなりに知っているので、それとはちょっと関係のない人や世相のことを読むのが楽しかったな。
大奥入りした踊りの名手の人生、めちゃくちゃすごいな!? この人に焦点を当てた話が読みたい。
フランスの、結婚した後からお手つきになるべく、家族総出で成り上がろうとするのが常識だったっぽい雰囲気。家族が喜ぶって相当すごいと思いました。
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夢の中と現実の落差を嘆いたのび太。頼ったドラえもんにはもっと現実で頑張るように叱責されるも、結局ひみつ道具を出してくれ、好きな夢が見られるカセットを使った「気ままに夢見る機」を使わせてくれる。しかしそんなのび太に怪しい老人が近付き『夢幻三剣士』のカセットがあることを教えていく。それはある企みがあってのことで……。
のび太たちにとっては夢の世界ではあるけれど、その世界の住人にとっては本当の、もう一つの世界とも言える場所での冒険。いかにもRPGっぽいので騙されそうですが、だいぶ深いぞこの話。一回死んでるし。ラスボス戦でメンバーが全員揃っていないのも珍しいし、謎めいたキャラクターもいるし、色々と挑戦的な感じもしたなあ。
のび太というキャラクターの人間性を本編以外でよく描いた作品だったように思います。弱っちくて甘っちょろい、なんてことを言われがちだけれど、本当に心の優しい子なんだという。
幼い頃から人ならざるものを目にしてきた夏目貴志。天涯孤独の夏目は、人には見えないそれらを見るために気味悪がられ、親戚のもとを転々とする日々だった。心優しい藤原夫妻のもと、大妖だという斑ことニャンコ先生とともに、祖母レイコの遺品である「友人帳」を手にして妖と人と繋がっていく夏目だが、一方で妖怪たちを利用しようとする祓い屋たちと対立することもあり……。
祓い屋関係を交えつつ、ちょっとほっこりする妖たちとのいい話が多い印象の第5シーズン。
朱遠のエピソードに泣き、塔子さんと滋さんのカラスの話で泣き……やっぱり好きなエピソードには涙が溢れてしまいます。一生懸命なものには手を貸したくなる、優しい人たちを大切にしたいと思う、そんな夏目のことがもっと愛おしくなるんですよね。
ここまでくると夏目もだいぶ落ち着いたかなあという感じがしてくるな。いつも所在なさげに、ここにいていいんだろうか、と思っていた夏目が「守らなくちゃ」と走れるのはそこを居場所にしたいからだと思うんですよね。
「ボクたちはみんな大人になれなかった」
46歳。つまらない大人になってしまった。テレビ番組の制作会社で働く佐藤は、ある日Facebookに初めて付き合った彼女のアカウントが表示されていることに気付く。そこには家族と「フツー」の幸せな日々を送る姿があった。結婚を決めておきながらそうはならなかった彼女、その前の、売春をしていた外国人の彼女、そして初めての彼女……現在と過去を思いながら佐藤がたどり着いたのは。
全員が未熟で、何かが足りずにいた。そうして何も変えられないまま日々を続けていく、どうしようもなさを感じる作品だったなあ。「フツー」という言葉への、嘲りと、どうしようもない羨望。そうなりたいけれどそうなりたくないという相反する気持ち。子どもにも戻れないし大人にもなりきれないのって苦しい。仕事をし、結婚して家庭を作り、子どもを育てるという「フツー」、すなわち大人になれずにいる佐藤なので「ボクたち」で括っちゃいけないんじゃないかな、なんて思っていたので、最後の「ボクたちはみんな」で止まる一文の余韻がよかった。私ならこの文章を「ボクたちはみんな大人になりたかった」と書くだろうな。
46歳。つまらない大人になってしまった。テレビ番組の制作会社で働く佐藤は、ある日Facebookに初めて付き合った彼女のアカウントが表示されていることに気付く。そこには家族と「フツー」の幸せな日々を送る姿があった。結婚を決めておきながらそうはならなかった彼女、その前の、売春をしていた外国人の彼女、そして初めての彼女……現在と過去を思いながら佐藤がたどり着いたのは。
全員が未熟で、何かが足りずにいた。そうして何も変えられないまま日々を続けていく、どうしようもなさを感じる作品だったなあ。「フツー」という言葉への、嘲りと、どうしようもない羨望。そうなりたいけれどそうなりたくないという相反する気持ち。子どもにも戻れないし大人にもなりきれないのって苦しい。仕事をし、結婚して家庭を作り、子どもを育てるという「フツー」、すなわち大人になれずにいる佐藤なので「ボクたち」で括っちゃいけないんじゃないかな、なんて思っていたので、最後の「ボクたちはみんな」で止まる一文の余韻がよかった。私ならこの文章を「ボクたちはみんな大人になりたかった」と書くだろうな。
父親ののび助に、スキーと海水浴が同時に楽しめるホテルに予約を取ったと言われ、喜ぶのび太。友達に自慢するもそれがパパの夢だとわかり、すっかりしょげてしまうが、次の日名前の書かれた謎めいたトランクを開けると、そこは確かにどこかの島のホテルだった。禁じられた地下室には迷宮の入り口があるとは夢にも思わず……。
幼少期に見て、怖い印象がついた作品。砂嵐のテレビ画面とパパのシーン、親が明かりを消した部屋でテレビを見ているのがなんとなく怖いと感じていた記憶と結びついて印象的だったのと、敵側のナポギストラーのデザインが怖かったのと、あといとまきのうた! 久しぶりに見ていて、何故あの歌を不思議とよく覚えているのかを思い出しました。
劇場版としては、環境問題より、便利になっていく社会に警鐘を鳴らしているような内容。頼りすぎるなよ、というメッセージを感じました。便利に慣れると難しいことではあるけれど、大人になって思うのは、自分の手でやることの面白さや喜びは忘れないでいたいなということです。
英国留学中のリセは、十九世紀に建てられた「ブラックローズハウス」でのパーティーに招かれる。一族に伝わる「聖杯」が披露されるという。近隣で起きていた切断遺体遺棄事件の噂が囁かれる中、邸内で第二の切断遺体が見つかり、館の主人には脅迫状が届く。呪われた一族の謎に、禍々しく美しい少女が挑む!(裏表紙より)
『麦の海に沈む果実』から理瀬に魅せられ、この「薔薇」の連載が始まったときはいつ一冊の本として読めるのかと思っていましたが、やっとか、やっとか!! と思いながら楽しく読みました。
一族の集められた館に、偶然客人として招かれていた理瀬。物語はこの館ブラックローズハウスの一族、当主の長男アーサーから語られる。
いくつかの事件が起こるものの積極的な謎解きをしないのがちょっと残念。結局怪盗めいたことをして終わってしまったし……。まあ目立っちゃだめだもんね。いやでもせっかくのシチュエーションだからもっとギスギスしてほしかったな!! 何なら理瀬には命を狙われてほしかった!
そう思ってしまうのは理瀬が完璧に「謎めいた美しい女」に変貌していたからだろうな。アーサーがとにかく理瀬を警戒しながら惹かれてやまないような描写をするから。彼女の活躍がもっと見たくなってしまったので、新作を期待して待っています。
ぎっくり腰で一人倒れていた寒くて痛い夜。いつの間にか母と同じ飲み方をしてる「日本酒ロック」。緊張の海外ロケでの一人トランジット。22歳から10年住んだアパートの大家さんを訪問。20年ぶりに新調した喪服で出席したお葬式。正直者で、我が強くて、気が弱い。そんなあさこの〝寂しい〟だか〝楽しい〟だかよくわからないけど、一生懸命な毎日。(Amazonより)
単行本は2017年刊行。いとうあさこさんが仕事の合間に書いている日記みたいな読み心地で面白かった。
びっしょびしょになりながら踊ったり、オアシズ大久保さんのご家族の旅行に混ざったり、好きなアーティストのライブに一曲目から泣いたり、わかるわかる! じゃないけれど「ああわかるなあ」という距離感がいい。いとうさんが好きなものや人を大事にしているのも文章から感じられてよかった。
こうやって人が楽しそうにしていることがわかる文章が好きなんだな、私は。
高名なハンターである父親に憧れ、同じくハンターを目指す少年ゴン。死人すら出る難関の試験に挑むなか、同じくハンターを目指すクラピカやレオリオ、キルアとともに絆を強め、ついに試験に合格するが……。
シーズン1はハンター試験、シーズン2は天空闘技場と、グリードアイランドの手がかりを得るまで。
再放送を含めて何回見るんだよと思うんですが、何度見ても面白いんですよねえハンター試験。物語が進むごとにだいぶ複雑化していくので、序盤が見やすいと感じるせいもあるかもしれない。
見れたのがシーズン2までですけれど、調べたらだいぶ後ろの方の話もやっているんですね!? 号泣必死のキメラ・アント編をちゃんと見たいな! 見よう!
デトロイトの貧困地域に住むジミーは、ラッパーになって身を立てることを夢見ている。母親は素行の悪い自分の先輩と恋仲で、金遣いが荒く、普通の生活もままならない。人種や経済環境を分ける「8マイルロード」をジミーは超えることができるのか?
エミネムの半生を描く自伝的作品。こういう作品だと成り上がって成功する輝かしいシーンで終わりそうですが、こちらはただ創作者、表現者として道を定めた静けさがあって、いい終わり方だなあと思いました。成功よりも歌うべきものがある、と思えているのなら、それはきっと素晴らしいことだと思うよ。
しかしこういう貧困層の生活は、当たり前にどこにでもあるということが、なんだかやるせなくなってしまった。多分そういうメンタルだったんだろうけれど、なんかもう、どうしようもないなあ世界、というか。だからこそジミーがより強く格好良く見えました。
アメストリス、イシュヴァール、そして東方のシン国。それぞれに賢者の石を求める者たちが集う「約束の日」に、ついにエドワードたちはすべてを企てたフラスコの中の小人とホムンクルスたちと対峙する。失ったものを取り戻す兄弟の旅の行方は?
ラストシーンに至る完結編の後編。
最後の最後にホーエンハイムとトリシャのシーンを保ってくるのはずるいよ!? と目を潤ませながら見終わりました。
ちょっとだけ許せなかった改変は、マスタング大佐が視力を失ったその後のこと。ドクターマルコーのエピソードが変わっていたのでマルコーが賢者の石を持ってくるシーンじゃなくなっていたのが、違う!! ホークアイ中位はマスタング大佐を支え続けるけど、それはハンディがあるからとかじゃないんだよー! とかつてこの二人にときめいていた人間としては叫んでしまうわけですよ!
やっぱり素晴らしい作品だよなあ……と思ったのでつい原作の最後の方を読み返してさらに泣いてしまった。