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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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アルジャン・カレール -革命の英雄、或いは女王の菓子職人-〈上〉 (ファミ通文庫)
革命とその後の混乱を経て、平和を取り戻したフロリア。その王都パリゼの隅で、劇作家のオーギュストは小さな菓子屋を見つける。そこは魅惑の菓子で溢れていたが、無愛想な銀髪の店主は何やら怪しげで、すわ革命派の残党か、或いは盗賊かと疑うオーギュストだったが……!? “将軍の銀の猟犬”と呼ばれ名を馳せた動乱の英雄が、女王の菓子職人として大活躍! 後に“菓聖”と呼ばれることになる青年の伝説を描く、ヒストリカル・ファンタジーが上下巻で登場!!(裏表紙より)

革命後のパリを思わせる街で、かつて凄腕の兵士として名を馳せたアルジャン・カレールはパティシエとして働いているのを知ってしまった、貴族出身のお坊ちゃん劇作家オーギュスト。オーギュストの視点から菓子にまつわる出来事を語る話もあり、アルジャンの視点から、いかにして薔薇と呼ばれた女王マリー・ロクサーヌと出会い、約束をしたかという話もあり。
女王との出会いもさることながら、「女王の菓子職人だ」と名乗ることとか、本当に胸がきゅんきゅんする。下巻がどうなるのかすごく楽しみです。
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この世でいちばん大事な「カネ」の話 (よりみちパン!セ)
お金と貧乏と暴力について、自らの過去を交えて語る自伝的な一冊。
子どもの頃の貧困、周囲の状況、家族。
お金がない中で暮らすこと、仕事を得ること。
ギャンブルのこと。
自分の周りだけでなく、世界の貧困について。
ただひとつ「お金」や「貧困」は、人をこんな状況に追いやるんだよ、というのが語り聞かせられるように書かれていて、何度もため息をついてしまう。
これを読んで、お金にじかに手を触れるって大事なのかもしれないな、なんて思った。仮想通貨のこととか、FXとか。見えないからその大事さを忘れがちになってないかな、なんて。
巻末にある谷川俊太郎さんから西原さんへ四つの質問で、「何がいちばん大切ですか?」の答えが「かぞくとしごと。」なのが胸にきた。
ミヤマの社 君に捧げる恋の舞 (富士見L文庫)
 幼い亜季が、祖母と訪れた神社で出逢った一人の少年。本殿に一人佇む黒い翼を持つ少年・深山は、伊津納神社の神様だった。
 深山に会いに神社に通う亜季に、無愛想な深山も次第に心を開いていく。しかし、本殿から出られない深山とは、決して触れ合うことが出来ない。高校生になった亜季は、自分の心に芽生えた感情に戸惑いを感じていた。
 そんな中、亜季は長らく途絶えている巫女舞と、それにまつわる神と巫女の悲しい物語を知り——。
 永遠の時を過ごす孤独な神様と、彼に寄り添う少女の切ない恋物語。(裏表紙より)

祖母の住む田舎の神社で、黒い翼を持つ少年の姿を見てから、アキは神様を信じるようになった。何度も何年も通ううち、彼と言葉を交わすまでになるが、神である深山は俗世と関わることを禁じられていた。けれどアキは少しずつ恋心を育てて……。
淡くて甘酸っぱい、時の流れが違うもの同士が、刹那に心を通わせるお話。切ないラブストーリーでした。
もうちょっと神様周りの事情を読みたかったなあとか、もう少し亜季と深山の交流を見てみたかったなあと思いました。
今日から「夫」と言われても NDY企画 任侠事件簿 (集英社オレンジ文庫)
もと極道の祖父が起ち上げた、義理と人情を守るための会社「NDY企画」。孫娘の緋桜乃は否応なく家業を手伝わされている。思いを寄せる青年・菅野は周りからの評判は最悪で、祖父が勝手に婚約者指名した青年実業家の堺はしつこいし、幼馴染みの三塚は相変わらず意地悪で……そんなある日、祖父は冴えない男性を連れてきて、「今日からおまえの夫だ」と言い出し!?
だから、わたしはあの人と結婚なんてしません!(裏表紙より)

第二巻なんですが、第一巻だと思って読んでしまい、あれー登場人物のバックグラウンドがはっきりしないぞ? なんて首を傾げてました。
どうしてそんな間違いをしたかというと、以前一作目である『今日から「姐」と言われても』のあらすじを読んだことがあって、この本をそれだと思ってカバーの過去作を確認せずに買ったからです。
とにかく。
元極道の孫娘が、やってくる人たちを助けるお話。だけれども、見事に持ち込まれる事件がクズやら犯罪やらが関わるもので、それを「姐」さん姿の緋桜乃がばさりと切って捨てるところがかっこいい! という連作集です。
家業のせいで仕事がクビになった過去があって、きちんと仕事ができる重みを感じているところとか、やってくる男性たちを、最初は見えてない風だけれどきちんと考え直して見直すことができるところとか、等身大だけれど気持ちのいいヒロインだなあと思いました。
黄昏のまぼろし 華族探偵と書生助手 (講談社X文庫)
 昭和初期、京都。三高に通いながら中村紡績商会社長邸に書生として住み込む庄野隼人は、社長直々に高倉伯爵家の次男で作家の小須賀光を紹介される。
 美貌で華族らしい気品を漂わせる小須賀に感嘆したのも束の間、庄野は小須賀の類を見ない毒舌に絶句する。庄野は小須賀に助手を命じられ、謎の失踪を遂げた鹿嶋子爵秘書の行方を追う羽目に。
 失踪の裏にある秘密に華族探偵と書生助手が迫る!(裏表紙より)

これがホワイトハートなのか、というとてもしっかりした昭和初期を舞台にしたミステリー。衰退していく華族、国を覆っていく共産主義、若者たちは悩み苦しみ、小さな爆発が起き始めている。国が変わっていくもやもやとした雰囲気が、京都のうだるような暑さと人間関係の濃密さにも表れているように思います。
とある華族の秘書の行方を探すんですが、真相はだいたい想像がついたものの、それにたどり着くまでの人間関係の複雑さや、庄野の目を通して語られる人々のちょっとした言動が面白くて、とても濃く感じられました。
花とアリス殺人事件 [DVD]
転校生の有栖川徹子、アリスは、初日からクラスメートから注目され、いじめめいた何かにあってしまう。だが話を集めるうちに、「ユダが、4人のユダに殺された」という一年前の事件が原因だと知る。真相を確かめるため、情報を握っていると思われる隣家を訪ねたアリスは……。

「花とアリス」を元に、前日譚的なお話をアニメーション映画にしたもの。高校進学前のアリスと花が、どのように出会って友情を結んだのか。
「花とアリス」では花の視点がメインだったように思うのですが、これはアリス視点。本当は何でもないことをものすごい想像力とエネルギーで膨らませて大事件にする感じ、めちゃくちゃ創作における十代って感じでおかしいなあ。儀式のシーンとか苦笑いです。
見終わった後は、自分も全速力で走った感じがして、青春映画だなあなんて思いました。
東のエデン 劇場版I The King of Eden DVDスタンダード・エディション
滝沢朗がミサイルから日本を守り、王様になると宣言して数ヶ月。再び行方がわからなくなった滝沢を探し、咲はニューヨークにいた。「東のエデン」を起業した仲間たちもそれを支援していたが、じわじわと起こり始めた日本の異変と滝沢との再会をきっかけに、中断していたセレソンゲームが動き出す。

本編からの続き。滝沢くんがミサイルを打ち落とした英雄エアーキングとしてもてはやされる中、日本は未だ停滞していて、セレソンたちが再び動き出すために暗躍している。
本当に前編という感じで、滝沢くんのカリスマっぷりは楽しめるものの、まだまだ本領発揮とはいかない感じ。でもジュイスにちょっと考えさせてっていうところは、滝沢くんらしくてほっとしたなあ。もし王様になる申請を引き下げると言われたらどうしようかとどきどきしてしまった。
霧の都の恋人たち―貴婦人の恋は珈琲の香り (コバルト文庫)
裕福な地主の娘でありながら職業婦人に憧れ、看護婦になったアデライド。有能だが不器用な性格で友達がいないため、イギリス滞在中のエスニア公国の公子・クリスティアンが極秘入院する特別室の担当をまかされる。安静にしていなければいけないのに、夜会へ出席したがるクリスティアンにアデライドは反発を覚える。しかし、彼が夜会にこだわる本当の理由を知り……?(裏表紙より)

十九世紀のロンドンを舞台に、職業婦人として看護婦になって働くアデライドのお話。
仕事と身分差の恋に揺れるのかと思いきや、揺れたけれど結局答えは出さないままだったので、ちょっぴり物足りない。
この時代の病院、看護婦、医療についてしっかり描かれているのがさすがだなあと思いました。創作としてのエッセンスは加えられているだろうけれど、雰囲気がびしびし伝わってきてすごい。身分差、格差、そういったものの難しさも感じられて。
二人は結局どうなったのかなあ。気になるところで終わってしまったので、幸せであることを祈る。
雪侯爵の銀灯師 みせかけ夫婦と王宮の庭 (コバルト文庫)
変人と噂される侯爵ヴィクトル。22歳になる彼は、異母兄である国王から結婚をするように言われてしまう。「エミリア、俺と結婚しろ」。そうして人嫌いの侯爵と、17歳の銀灯師エミリアは偽装結婚をすることになった。しかし結婚報告に王宮を訪れた後、魔物が出現し、二人は王国の秘密に関わることに! さらに二人は互いに言えない秘密を抱えていて!? 素直になれない同士のじれ恋ファンタジー!
戻ってきて、ヴィクトルさま——!(裏表紙より)

子世代編まで大変美味しくいただきました。
エミリアとヴィクトルのぎこちない恋心と偽装結婚を描く表題作、その二人の息子エリアーシュの恋「銀灯師と雪狐」、そしてエミリアたちに関わりの深いとある人の娘サラの淡い恋と解放の物語「おやすみ、わたしの魔術師」の三本。
前作の『公爵夫人は銀灯師』を読んでいないせいか、銀灯師とは、星の魔術師、夜葬師とはなんぞや、という説明がざっくり省かれていたようだったので、どういう魔術師なのかなあというのが冒頭ではわからなかったんですが、話が進むにつれてこういうものなのね、という幻想的なシーンがいくつも出てきて、とてもロマンティックな設定だなあと思いました。
ともかく表題作の、お互い思い合っているのに、監視役であるエミリアと、魔性の子であるヴィクトルのじれったい恋が可愛らしくて切ない。
そしてその息子エリアーシュの、幸せに育ったらしい正直さがまばゆい。
最後の本当に小さなお話、エミリアたちの恋の成就のきっかけにもなった王宮の庭にまつわる魔術師アロイスと、王女サラの物語は、本当に本当に切なくて愛おしくて、涙が出ました。
ニキータ [DVD]
銃撃戦の挙句、警察署に連行された一人の少女。ニキータと名乗った不良少女は、終身刑を下されたところを、政府の秘密警官に選択を迫られる。政府の秘密工作員となるか、それともこのまま死ぬか。生きることを選んだニキータはめきめきと力をつけ、暗殺を行うために仮の名前、別人の人生を持って街に暮らし始める。

登場する役者さんたちの目や表情がいいなあ、と思った作品。
ニキータの剥き身の荒々しさと美しさが、なんとも魅力なんですよねえ。どうしようもない状況になると泣き喚く彼女が、なんかこう胸にくる。泣きながら人を手にかける、というのが、痛いんだけれど、辛いんだけれど、がんがん胸を叩く。
ニキータに限らず登場人物がみんなそういう感じで、本来の自分をすごく薄い皮に包んで危うい世界を生きているひりひりした感じがある。だからラスト、みんなその皮を少しだけ脱いだところは、もう物語が終わるところなのにはらはらしてしまった。
Profile
Author:月子
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