読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
「君には才能がある、一流の泥棒になってみないかい?」
謎多き美貌の青年、嵐崎の驚くべき勧誘。なんと生き別れの父が大怪盗であり、自分はその後継者だというのだ。
かくして平凡な大学生だった因幡の人生は大きく変わっていく。嵐崎の標的は政界の大物。そして因幡の父をはめた男。そんな相手に、嵐崎は不可能に近い盗みを仕掛けようとしていた──。
スリルと興奮の大仕事の結末は!? 華麗なる盗みのトリックに、貴方はきっと騙される! 痛快、怪盗ミステリ。(Amazonより)
母と暮らす大学生の因幡は、ある日大学准教授の嵐崎から、自分の父親がかつて政治家たちの汚職を暴いたことで一躍有名になった怪盗ジャバウォックであり、仲間の裏切りによって破滅したことを知らされる。因幡は突き動かされるように、かつての父の仲間たちと協力してミッション達成を目指す。
わちゃわちゃしながら政治家たちを出し抜こうとする、ライトな「オーシャンズ11」という感じ。明るく軽快で、爽やかなメンバーが楽しい。一人ひとりのエピソードの掘り下げが見たかったんですが一冊では無理だよねえ……。全員魅力的なのにー。
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小さなことがつい気になってしまうのが人生。日常に影を落とすお悩みには、皮肉と自虐たっぷりのアドバイスが効果的。辛辣なのに不思議と気持ちがラクになる、笑えて役に立つお悩み相談エッセイ。(Amazonより)
文庫版は2015年の刊行なので、いまならきっと表現が変わったところがありそうだなあと思いつつ。
光浦さんがあの声と口調で話しているように読めるエッセイ。だいたいが恋愛ごとと誰かのここが気に入らない、こういうところが気になるけれどどうすればいい? という相談事。ちょっと下ネタがあったり下品な話があったり、答えになっているようななっていないような、の回答が多いですが、普段あまり読まないタイプの内容で興味深かったし、やらない後悔よりやって後悔しろの精神を感じたり、相談事の本質はとてもどうでもいいことだと気付かされたりして面白かった。
1969年アメリカ。カリフォルニアで起こった殺人事件で、その犯人からと思しき手紙が新聞社に届いた。大量殺人の予告は暗号文の解読によって逃れたように思われたが、その後次々に事件が発生。被疑者は次々に上がるも終わらない事件に、関係者は次々に疲弊して捜査を降りていく。果たして真犯人は誰か?
実際の事件を題材にした作品。DNA鑑定等でも証拠を出せないまま、被疑者死亡で終わった「ゾディアック事件」の話を、元になったルポから映像に起こしたもの。なので独自の解釈を付け足されることなく、こういう形で終わったのだという内容です。
犯人を追い詰めているようで追い詰められない。周囲の証言から心証は黒なのに確定できない。そういうもどかしさが続いて、年月とともに脱落していく人がいるのは仕方ないなあというリアルさを感じます。しかしこういう実際の出来事を元にした作品を見続けていると、内通者がいたんじゃないかなあという気がしてならない。
「レベッカ」
またマンダレーへ行く夢を見た……さる夫人の世話役として旅行を続ける「私」は南フランスに滞在中にイギリスの大富豪と出会う。プロポーズを受け入れた私は新婚旅行の後、マンダレーの屋敷へ向かうものの、使用人たちは後妻の私はきつく当たる。かれらにもそして屋敷や愛する夫にも、前妻レベッカの影が色濃く残っていたからだ。
原作がめちゃくちゃ面白くて好きなのですが、この映像作品はその面白い部分をより強調する形になっている気がしました。
大富豪とのロマンス、色濃く残る前妻の影と周囲の悪意、疑心暗鬼というサスペンス、事件が発覚して罪を逃れるべく奮闘するドラマ、そのほか色々。切り取るところで物語のジャンルががらっと変わるのが「レベッカ」の魅力だと思います。
「美しい家」と「謎めいた、魅力的な、けれど死んだ女」の組み合わせが最高で、それを守ろうとする人間と新しくやってきた異分子である主人公の対立関係が女の戦い、矜恃の戦いが面白い。「私」がダンヴァース夫人を最終的にやり込めたのは正直スカっとしたんですが、この映画オリジナル表現みたい? でもこの表現だとダンヴァース夫人の最後の行動の意味合いや印象が変わってしまうので難しいところですね。正直なかった方がダンヴァース夫人の思い入れがよくわかる気がして好きだな。
またマンダレーへ行く夢を見た……さる夫人の世話役として旅行を続ける「私」は南フランスに滞在中にイギリスの大富豪と出会う。プロポーズを受け入れた私は新婚旅行の後、マンダレーの屋敷へ向かうものの、使用人たちは後妻の私はきつく当たる。かれらにもそして屋敷や愛する夫にも、前妻レベッカの影が色濃く残っていたからだ。
原作がめちゃくちゃ面白くて好きなのですが、この映像作品はその面白い部分をより強調する形になっている気がしました。
大富豪とのロマンス、色濃く残る前妻の影と周囲の悪意、疑心暗鬼というサスペンス、事件が発覚して罪を逃れるべく奮闘するドラマ、そのほか色々。切り取るところで物語のジャンルががらっと変わるのが「レベッカ」の魅力だと思います。
「美しい家」と「謎めいた、魅力的な、けれど死んだ女」の組み合わせが最高で、それを守ろうとする人間と新しくやってきた異分子である主人公の対立関係が女の戦い、矜恃の戦いが面白い。「私」がダンヴァース夫人を最終的にやり込めたのは正直スカっとしたんですが、この映画オリジナル表現みたい? でもこの表現だとダンヴァース夫人の最後の行動の意味合いや印象が変わってしまうので難しいところですね。正直なかった方がダンヴァース夫人の思い入れがよくわかる気がして好きだな。
「もう終わりにしよう。」
「もう終わりにしよう」と恋人のジェイクとの関係を終わりにしようと考えながら、ルーシーは彼の運転する車で彼の故郷へと向かっていた。とりとめのないやりとりを続け、ついに彼の実家へ到着するも、少しずつ何もかもが現実味を失っていき……。
あまりにとりとめがなさすぎて、いったいこれは何を描いているのか、滔々と並べ立てられている言葉の本質は何なのかを考える必要があって、最後には考察サイトを色々頼ってしまいましたが、結論としては原作を読んでみたいということ。
恋人、家族、すれ違っただけの店の店員。登場する人物の言動が意味不明で、どちらがおかしいのかわからなくなってくるんですが、結局これは一人の人間の頭の中の出来事なんだと思うとああそういうことかと納得がいく。つまり彼の頭の中では絶えず思考が巡っていて、それを意味ある形にすることができず、行き止まりにたどり着いて、自らを終わらせる、という話なんだろうな。輝かしい瞬間が現実になっていたら、と想像して終わるところが悲しい。
「もう終わりにしよう」と恋人のジェイクとの関係を終わりにしようと考えながら、ルーシーは彼の運転する車で彼の故郷へと向かっていた。とりとめのないやりとりを続け、ついに彼の実家へ到着するも、少しずつ何もかもが現実味を失っていき……。
あまりにとりとめがなさすぎて、いったいこれは何を描いているのか、滔々と並べ立てられている言葉の本質は何なのかを考える必要があって、最後には考察サイトを色々頼ってしまいましたが、結論としては原作を読んでみたいということ。
恋人、家族、すれ違っただけの店の店員。登場する人物の言動が意味不明で、どちらがおかしいのかわからなくなってくるんですが、結局これは一人の人間の頭の中の出来事なんだと思うとああそういうことかと納得がいく。つまり彼の頭の中では絶えず思考が巡っていて、それを意味ある形にすることができず、行き止まりにたどり着いて、自らを終わらせる、という話なんだろうな。輝かしい瞬間が現実になっていたら、と想像して終わるところが悲しい。
「デッドリー・イリュージョン」
ベストセラー作家として成功し、優しい夫と子どもたちに囲まれて暮らすメアリーは、ある日新作の執筆を依頼された。家族で過ごす時間を優先したいメアリーだが、夫に貯蓄について相談され、仕方なく依頼を引き受ける。そのためには子どもたちのベビーシッターが必要と、面接したなかから読書好きで清純な印象のグレースを雇うことにした。しかしそれから現実との境界が曖昧になり始め……。
円満な家庭に外から何かがやってくることによって日常が壊れていく系の作品。
清純で読書好き、いかにも初心なベビーシッターの少女グレースが、見ていて「いやこれもう絶対何か腹に一物抱えている系じゃん」という怪しさ。だいたいは夫を寝取るんだよなあと思っていたら、グレースはメアリーに近付くようになり、メアリーもグレースに心を傾けていく。
終盤にはメアリーの友人であるエレインが殺される事件が発生し、グレースの正体が判明して……その後がはっきりせず視聴者に委ねるものになっています。グレース(というか真犯人)が凶行に及んだ理由はわかるけれど、エレインの殺害ははっきりしないまま。メアリーがグレースになすりつけた印象になっているけれど、何故友人を殺したのかはわからなくて想像するしかない。
個人的にはエレインの「ミューズにしなさい」が理由なのかもしれないと思います。メアリーはグレースがやってきたおかげで思い悩んでいた執筆活動を乗り越えた、現実にしろ妄想にしろグレースがインスピレーションになったことはきっと間違いないので、それを取り除こうとするエレインをメアリーが邪魔に思ったんじゃないかなあ。ベストセラーを出した後は官能シーンのある作品を書いている? みたいな話があったと思うので、彼女がいなくなると作品が完成しない、生活が破綻する、という作家としての周りの顧みなさが爆発したんじゃないか、と。
なので最後に出て行ったのは私はグレースだと思います。因果応報的に、グレースにやり返されたんじゃないかなあ。
ベストセラー作家として成功し、優しい夫と子どもたちに囲まれて暮らすメアリーは、ある日新作の執筆を依頼された。家族で過ごす時間を優先したいメアリーだが、夫に貯蓄について相談され、仕方なく依頼を引き受ける。そのためには子どもたちのベビーシッターが必要と、面接したなかから読書好きで清純な印象のグレースを雇うことにした。しかしそれから現実との境界が曖昧になり始め……。
円満な家庭に外から何かがやってくることによって日常が壊れていく系の作品。
清純で読書好き、いかにも初心なベビーシッターの少女グレースが、見ていて「いやこれもう絶対何か腹に一物抱えている系じゃん」という怪しさ。だいたいは夫を寝取るんだよなあと思っていたら、グレースはメアリーに近付くようになり、メアリーもグレースに心を傾けていく。
終盤にはメアリーの友人であるエレインが殺される事件が発生し、グレースの正体が判明して……その後がはっきりせず視聴者に委ねるものになっています。グレース(というか真犯人)が凶行に及んだ理由はわかるけれど、エレインの殺害ははっきりしないまま。メアリーがグレースになすりつけた印象になっているけれど、何故友人を殺したのかはわからなくて想像するしかない。
個人的にはエレインの「ミューズにしなさい」が理由なのかもしれないと思います。メアリーはグレースがやってきたおかげで思い悩んでいた執筆活動を乗り越えた、現実にしろ妄想にしろグレースがインスピレーションになったことはきっと間違いないので、それを取り除こうとするエレインをメアリーが邪魔に思ったんじゃないかなあ。ベストセラーを出した後は官能シーンのある作品を書いている? みたいな話があったと思うので、彼女がいなくなると作品が完成しない、生活が破綻する、という作家としての周りの顧みなさが爆発したんじゃないか、と。
なので最後に出て行ったのは私はグレースだと思います。因果応報的に、グレースにやり返されたんじゃないかなあ。
夏休みを迎えたのび太たちはキャンプの行き先を海に行きながら山に登れる、海底にしようと決めた。ドラえもんのひみつ道具で海底キャンプを楽しむ中、一行は海底国家ムー連邦の海底人のエルと出会う。拘束されるも、話を聞いてみるとなんでもムー連邦と敵対していた海底国家アトランティスに眠る大量破壊兵器が放たれようとしているという。
今回は海底の世界の話。バミューダトライアングル、ムー大陸、アトランティス大陸とみんながわくわくする謎が散らばっている作品。
だんだんキャラクターの考え方や行動が少しずつ現代寄りになってきたかな? という感じがします。
自分たちとは違う世界だったり国だったりの人々と交流するドラえもんたちですが、やはり無機物、システムとの交流と切ない別れはよいものだ……。しかし自爆はショックだから止めてほしい……。
冷酷無比な軍人と、彼を狙う暗殺者の少女。
軍学校のエリートと、すべてを悟った娼婦。
それは戦勝国の支配者と、敗戦国の従属者。
翻弄する言葉で、灼熱の肉楔で──
誇り高き血統を嘲笑うかのように、
悪魔な支配者は淫らに身体を喰らい尽くし、
姫たちは雌獣へと堕とされる──!
狂った執着を一身に浴び続けた2人の姫が
地獄の底で見つけた純愛の姿とは──!?
4人の執着と愛憎とが縺れあう!! Wエロティクス超大作!!(Amazonより)
日本を思わせるトキ帝国と、ドイツを思わせるダイシュ帝国。敗戦の憂き目に遭い、故国のトキに戻ることを夢見て反乱組織があちこちで生まれるその場所で、暗殺者の少女と本当の心をなくした軍人、娼婦と裕福な若者の二組がそれぞれに出会い、様々な思惑のもとに関係を結ぶ。
占領下、反乱組織、暗殺者、優生思想と、あの辺りの出来事かな、この辺りの土地かな、みたいなものが混ぜこぜにされた長編作品。面白かったんですがそれで大丈夫か!? みたいな終わり方をしたので今後が心配だ。
カップリングとしては、暗殺者とターゲットの軍人、売れっ子娼婦と初心なお坊ちゃま。エロさは後者が強かったですが、関係性の面白さは前者が好き。ヒロインとしては、現実が見えている娼婦の桜と、本能で生きる野生の獣のような美園、どちらも強くて楽しかった。
料理上手な専業主夫の黄太郎と家計を支えるキャリアウーマンの花恋。
べったりとろ甘な新婚夫婦。だけども、お互いに言えないヒミツの顔があって……。
実はこの二人“伝説の大怪盗”とそれを追う“腕利き捜査官”だったのだ!
家をひとたび出れば知らずのうちに敵と敵。
それぞれが思い描くハッピーな未来を守るため、今宵もお互いの正体を知らない夫婦による大捕物が幕を開ける!
二人の幸せな家庭はいったいどうなってしまうのか――!?(Amazonより)
「大海の宝」なるものが存在し、それを所有することで地位と権力が約束される現代。本来の持ち主である大海氏は散り散りになった宝を集めるべく、手飼いの忍びたちを使っていた。時代を経て忍びたちは怪盗となり、それを追う組織も生まれた。
そんな怪盗の一族に生まれた黄太郎と、組織に所属して怪盗を追う花恋。秘密を持ったまま甘い夫婦生活を営む二人の、そうはならんやろ! なコメディ作品。いやもう本当に、そうはならんってば……。黄太郎はともかくとして、花恋の秘密に気付かないのはどうなんだ。好き好きと言い合っているのに「見覚えがあるような?」としか思えないのは表面しか見ていないということじゃないのか、なんてことを考えてしまう。
なのでその分、敵対する怪盗と捜査官の駆け引きはめちゃくちゃ楽しかった。怪盗側の勝利で終わるところがわかってるー! と思いました。簡単に捕まっちゃだめなんだよなあこれは!