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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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何者かに攫われたユナを追い、〈火馬の民〉の集落へ辿り着いたヴァン。彼らは帝国・東乎瑠の侵攻によって故郷を追われ、強い哀しみと怒りを抱えていた。族長のオーファンから岩塩鉱を襲った犬の秘密と、自身の身体に起こった異変の真相を明かされ、戸惑うヴァンだが……!? 一方、黒狼熱の治療法をもとめ、医術師ホッサルは一人の男の行方を追っていた。病に罹る者と罹らない者、その違いは本当に神の意思なのか——。(裏表紙より)

病を放った首謀者たちとついに遭遇するヴァン、囚われの身となったホッサル。ユナを追ってきたヴァンはホッサルたちと出会う、ついに二つの道が交わった第三巻。
しかしヴァンの遭遇した状況はなかなか辛いな。残っていた身内をも巻き込む形でこの陰謀が動いていると知ってしまった。戦って、人を殺して、死にたいと思ったことがあるヴァンだから彼らの気持ちを理解し、受け止め、自分の答えが出せることの尊さを思いました。排除するのではなく、そこにあると知って認める、きっとそれがいまできる最良のことなんだよな……。
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謎の病で全滅した岩塩鉱を訪れた若き天才医術師ホッサル。遺体の状況から、二百五十年前に自らの故国を滅ぼした伝説の疫病“黒狼熱”であることに気づく。征服民には致命的なのに、先住民であるアカファの民は罹らぬ、この謎の病は、神が侵略者に下した天罰だという噂が流れ始める。古き疫病は、何故甦ったのか——。治療法が見つからぬ中、ホッサルは黒狼熱に罹りながらも生き残った囚人がいると知り……!?(裏表紙より)

アカファ王と王幡侯の前で起こった事件から、ヴァンたちの穏やかな暮らしの終わり、黒狼病の発生源を探り始めたホッサルたちに支配層の者たちの思惑が立ち塞がる第二巻。
思わせぶりに登場してここでいなくなるの? という状態だったサエがここで登場。でもなんか変だな? という違和感は続く三巻でわかるわけですが、他にも、登場人物たちにとって「何故あなたが?」という人が次々に登場し、どんどん話が複雑化していくぞ、でもめちゃくちゃ面白いぞ!? とページをめくる手が止まらなかったです。
しかし、みんななにがしかの悲しみと一緒に生きているんだなあ……と思わずにはいられない。当たり前のように死が近くにある。それをみんな当たり前のものとして受け入れているのが伝わってきて、しんみりしてしまうのに力強さを感じる。この物語は生きているって感じがする。
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強大な帝国・東乎瑠から故郷を守るため、死兵の役目を引き受けた戦士団“独角”。妻と子を病で失い絶望の底にあったヴァンはその頭として戦うが、奴隷に落とされ岩塩鉱に囚われていた。ある夜、不気味な犬の群れが岩塩鉱を襲い、謎の病が発生。生き延びたヴァンは、同じく病から逃れた幼子にユナと名前を付けて育てるが!? たったふたりだけ生き残った父と子が、未曾有の危機に立ち向かう。壮大な冒険が、いまはじまる――!(裏表紙より)

戦士団の頭として戦い、奴隷として囚われていたヴァン。謎の病でその労働地の人間が全滅し、偶然助かった幼子を連れ、生きるために旅を始めた。
医科学の領域の医術師であり高貴な身の上のホッサルは、効果の高い治療を信仰心から疎んじてきた国で、恐ろしい病に打ち勝つ術を模索する。
様々な氏族、そこにやってきた人々の様々な思惑が入り混じる物語。いやあもう一気読みしてしまった。
一巻は、始まりの話。死に至る病から逃れたヴァンとユナの旅の始まりと、難しい立場を綱渡りをするように歩むホッサルの状況説明、黒狼病が彼らの身近に迫る巻。
ヴァンとユナが居場所を得ていくところがすごくよかった。多分ここはすごく大事になると思って丁寧に読みました。こうやって一緒に暮らすことで家族になるんだよなあ。
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派手に学校生活を楽しむツリーは、十八歳の誕生日を迎えた日、謎のベビーマスクの男に殺された。けれど目覚めると誕生日当日の朝。ループしている状況に気付いたツリーは死を迎えることのないよう手を打っていくが、なかなかループから抜け出すことができず……。

わがまま身勝手なツリーは、死んだことで同じ一日を繰り返すループから逃れようとするが、もちろん簡単にはいかない。
ループものというと結構悲壮感が出たり色々とすり減っていったりするものですが、この作品はトーンが明るい。色々と問題のあるツリーが死んでしまうのも致し方ないと思えるところから、少しずつ言動が真人間に変わり、ループの原因や殺人犯に迫っていく展開とリンクしていく話運びにテンションが上がっていく。最後の最後に本当の黒幕を蹴り落としたところは「やりおったー!」と思いながらも爽快で、まさに「ハッピー・デス・デイ」だと思いました。
「ザ・コール」
幼い頃に父を亡くしたソヨンは、実家に戻る途中にスマホを落としたことで奇妙な出来事に遭遇する。実家の電話から落としたスマホにかけると、見知らぬ女性が出るようになり、過去と繋がるようになったのだ。過去を変えることで父が死なずに済むのではないかと考えたソヨンは、通話の相手であるヨンスクに協力を求めるが……。

電話を通じて過去と繋がり、死んだ父が生きる未来を手に入れるべく過去改変を行ったソヨン。しかし協力者となったヨンスクが次第に危険な表情をむき出しにするようになる。
韓国系のこういうホラーやサスペンス作品に登場する女性って、必ず対価や報酬を求めて、それが得られないとなると凄まじい勢いで報復に出るのってどうしてなんだろう。狡猾さと凶暴性が一気にむき出しになる瞬間は怖いけれど、主人公側ももうちょっと感謝の気持ちや思いやりを持ちなさいよ……という気持ちにもなる。傲慢で身勝手だから自分に返ってくるんじゃーん!
望む未来を手に入れるために、選択権がソヨンとヨンスクの手を行き来する展開や描写は凄まじくどきどきはらはらさせられてとても面白かった。最後の最後まで目が離せず、最後の「あああ……」と絶望するところまでが楽しかった。
「彷徨い」
高級住宅街で暮らすニーヴは高級住宅街に住む白人の夫と暮らす黒人女性だ。学校の副校長として働き、幸せな日々を過ごしていたある日、見知らぬ黒人の男女が周囲をうろついていることに気付く。

成功して傲慢なところがある女性が、自らの過ちを突きつけられて何もかも失い、再びそれを繰り返してしまう。最後の最後に、クズはクズのままだと突きつけていくので、うわあああとなりつつも、ふさわしい結末を迎えたように思います。
色々と難しい事情を持つこともある黒人で、仕方がなかったと言いながら家族に言い訳するところは大いに同情する余地がある一方、本当に信頼関係を結ぶのなら最初から話しておくべきだったとも思う。家族の「裏切られた」という気持ちを確実のものにするラストが本当に、本当に……。ニーヴは何一つ昔と変わらなかったんだなあ……と思ってため息を吐いてしまった。
「13 ザ・ミュージカル」
もうすぐ十三歳になるエヴァンはうきうきしていた。何故ならユダヤ教では十三歳の成人式「バル・ミツバー」で盛大なパーティを催すからだ。けれど両親が離婚して小さな街に引っ越さざるをえなくなったことで、構想は脆くも崩れ去る。けれど絶対にパーティを成功させてやる! とエヴァンは新しい環境で友達を得て奮闘する。

子ども向けミュージカル作品。めちゃくちゃ歌が上手い!
都会から小さな街に転校した少年が、洗練されていない田舎にがっかりしつつも、色々な個性のあるクラスメートたちと一致団結して自分の成人式バル・ミツバーを成功させる。
それぞれ個性がある人たちがこうやって一つの目標に向かう作品は、フィクションだと思いつつも希望があってきらきらしていていいなあ。こういう世界であってほしいというのが、子ども向け作品の魅力ですね。
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希代の祝歌の歌い手と称される少女キリア。彼女は老国王に望まれ、王女を歌で癒やす楽しい日々を過ごしていたのに……。国王が崩御したとたん、新米賢者の青年アリスターの婚約者として、いきなり彼の屋敷へと送り出されることに! さらに屋敷で出会った彼は、ひどい隈があって寝不足気味。一体どいうことかと戸惑っていると、呪いに強いと言われる破邪の賢者なのに、眠れない呪いにかかっていると知らされて!? 不眠対策として子守歌要因になってしまった天性の歌姫と、間抜けな賢者の不本意すぎる婚約ラブファンタジー。(Amazonより)

優れた歌い手を自負し、そのように振る舞ってきた誇り高い少女が、突然賢者に抜擢されたもののそんな修行をしてこなかったという青年に下賜され、いたく自尊心を傷付けられながら自らの価値を周囲に認めさせようとする、したたかヒロインのファンタジー。
女性の世界で生き、その場所で高みに登っていくことに快感を覚えている主人公なので、国王によって臣下に下賜される形での結婚は大変不本意。プライドを傷つけられ、優秀なカナリアを手に入れたことをしっかりアリスターに理解させた上で、稀代の賢者を伴侶に得て愛されていることを自分を嘲笑った者たちに見せつけるために努力する。
こんな感じで性格や能力は可愛らしくはないんですが、貴人の妻となった者の有能さや周囲への配慮、けれど時々見せる「愛されたい」という無邪気な部分が透けて見える言動が、本当にすっごく素敵で。アリスターじゃないですがすっかりキリアに振り回されてメロメロにされてしまいました。
きっかけは子守唄係なんですが、身繕いに気を使わないできたアリスターを賢者にふさわしい人間に育てて、自分をちやほやしてくれるよう育てていく要素があって面白かったな。最初から完璧なヒーローが相手じゃない、好みの男性にしていくところを楽しく読みました。
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この学校の花子さんは、音楽室から飛び降り自殺した少女の霊です。花子さんは階段に棲んでいて、一生懸命掃除すれば会うことができます。でも、彼女がくれる食べ物や飲み物を口にしてはいけません。嘘をついてもいけません。さもないと——。おまじないや占い、夢中で話した「学校の七不思議」、おそるおそる試した「コックリさん」。青春ミステリの旗手・辻村深月の怪談! 異なる味わいの懐かしくって怖い珠玉の奇譚集。(裏表紙より)

その学校の「花子さん」にはいくつかの決まり事がある。夏休みの当番で出勤してた教師は、忘れ物を取りに来たという実習生と花子さんとある事故について話す。「踊り場の花子」。
ブランコから落ちて亡くなった児童がいた。他の児童から聞き取りをする形で明らかになったのは、彼女たちが「キューピッドさん」をやっていたこと、そしてクラス内カーストに苛まれていたことだった。「ブランコをこぐ足」。
過疎の山奥に暮らす、認知症を患った祖母と足の不自由な祖父の二人暮らしの家。この家を片付けるべくやってきた長女一家だが、家のあちこちから死体が出て来て……。「おとうさん、したいがあるよ」。
未来を見ることができるという鏡のおまじないを試した女性の悲劇。「ふちなしのかがみ」。
クラスメートから疎外されるようになり、地位を取り戻そうとついた嘘の友達の存在のせいでますます孤立する少年。しかしある日本当にその子が現れる。彼はいったい何者なのか?「八月の天変地異」。
悪い夢みたいな「おとうさん、したいがあるよ」という上手く読み解けない、どこまでも不気味な作品があるかと思えば、子どもの苦しい気持ちが犯した過ちとそれを救うような人の善意が起こした奇跡と寂しさを描くような「八月の天変地異」があり……と、さすがの辻村作品。
しかしやっぱり「八月の天変地異」がいい。とてもいい。成長した彼らが子どもだった自分を受け止めて、いまはまったく広い世界で生きていると感じられるラストがよかった。だって「部活仲間とうまく話せるだろう」って、学校や会社なんて枠を飛び越えたところで仲良くなれるって知っているから出てくる一文だよね。
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ゲーム実況を通じて、最高を越えた最高のハッピーエンドを導いた遠藤と小林の二人は、女神リレナの計らいでジークとリーゼロッテの結婚式に参列できることに!
異界の友人たちとついに対面を果たした四人。思い出話にも花が咲く中、『リーゼロッテの手記』の実物を目にした小林のテンションは最高潮に達してしまい……?
大量書き下ろしとSS再録で綴られる後日譚。手記の内容はどれくらい変えられたのか――答え合わせが始まる!(Amazonより)

乙女ゲームの悪役令嬢キャラに入れ込み、彼女たちの幸せを願って力を尽くした「異界の神々」こと遠藤くんと小林さんの二人は、復活した女神リレナの力であちら側に渡り、ジークトリーゼロッテの結婚式に参列する。これこそ最高を越えた最高のハッピーエンド! というおまけ巻。
アニメを視聴していたので知っている話も多かったのですが、各々のその後を知りたいなら読んでおくと楽しい気持ちになれる。
個人的にエリーザベトとレオンが気になっていたので、今後この二人が師弟をやりつつ付かず離れず仲良くやるんだろうなあと想像してにまにましています。それからファビアンとツェツィ。この年齢からこんなにいちゃいちゃしているとか、楽しそうすぎる。間近で成長を見守ってにまにましたい。
最後までみんな誰かの幸せを願う最高に楽しいお話でした。
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Author:月子
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