読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

焔の魔術を操り、〈冬〉と戦う女戦士ゲルダ。
彼女が属していた軍は、彼女の恋人であり養い親であるアルムリックの裏切りによって壊滅する。
裏切ったアルムリックを討つため、ゲルダは復讐の旅に出る。愛ゆえにその憎しみは果てしなく深く……。
壮大なスケールの本格ファンタジーが、美しい文章で綴られる。
五代ゆう伝説のデビュー作が装いも新たに登場!(裏表紙より)
面白かった。苛烈で鮮やかで美しい、創世と神と人の物語だったなあ……。
激しく感情豊かな女戦士ゲルダが、養い親であり恋人であった魔術師に復讐を誓って旅立つ。この復讐の旅がただではいかない。親を知らないゲルダの出自や、世界の創世や神々の物語が絡み合って、最後の戦いになるまで真実が明らかにならなくてはらはらしました。
何より風景の美しさ。冬に枯れた大地の寂しさや、戦いの冷たさ、冬の城のきらびやかさに、最後に残った世界の豊かさ。本当に生き生きとした綺麗な文章だなあ……。こういう文章が書いてみたい。
面白かった。こういう創世の物語大好きだー!
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急性白血病と診断された著者の闘病記。
加納朋子さんは好きな作家さんの一人で、白血病だったと聞いてええっと言ってしまった。本の中でよく「レアケース」「宝くじに当たったくらいめずらしい」みたいなことがよく出てくるけれど、確かになる確率って珍しい……。
加納さんは病名が分かる前、入院中、骨髄移植とその経過を、人々に感謝しながら丁寧に書き留めている。日記でもやっぱり加納さんの文章だなあ。優しさと思いやりと、誰かに対する感謝が滲んでる。嘔吐感や発熱や、苦しい痛いというところがところどころにあって、読んでいるこちらが苦しくてがんばれーがんばれーと思いながら読み進めた。自分に出来ることを確実にやろうとする加納さんが本当に頑張っていらっしゃるから、励まされたような気持ちにもなった。
で、旦那さんが物書きだという話があったので「おや?」と思って調べたら、旦那さんって貫井徳郎さんだったのか! そういえばそんなことをどこかで読んだ覚えがあったわ! この夫婦の仲良いところが好きだ。「やっぱり君がいる方が毎日が楽しいから」。家族っていいなあ。加納さんのご兄弟やお父様も素敵な方だ。思いやりに溢れているなあ。
そうした衝撃的な発病と治療の後、東日本大震災が起こる。なんだろうなあ、どうして私は生きているんだろう、という問いかけが重くて、泣きたい。生かされることと死んでしまうことのラインは誰が決めているのだろう。そんな風に考える。
色々考えさせられ、励まされたりもする一冊でした。
イギリス・妖精めぐり―はじめての出会い (面白BOOKS)
イギリス、ブリテン島やアイルランド島の各地に伝わる個性的な妖精話をまとめた一冊。分かりやすくて面白い本でした。「妖精を知る12章」の章がすごく参考になりました。ひとつひとつの話は子どもの頃に聞いたことがあったんですが、改めて読むと妖精物語のくくりになるんだな。
妖精が悪人を懲らしめる話はまだしも、人が妖精を出し抜く話が私はあんまり好きでないのですが、多分ネズミのアニメや漫画の印象が強いのだなと思います。良き妖精、ヒロインを手助けしてくれる妖精たちのイメージ。なので、遥か海を渡ってアメリカまでついてきてくれた妖精の話がすごく好きでした。
イギリス、ブリテン島やアイルランド島の各地に伝わる個性的な妖精話をまとめた一冊。分かりやすくて面白い本でした。「妖精を知る12章」の章がすごく参考になりました。ひとつひとつの話は子どもの頃に聞いたことがあったんですが、改めて読むと妖精物語のくくりになるんだな。
妖精が悪人を懲らしめる話はまだしも、人が妖精を出し抜く話が私はあんまり好きでないのですが、多分ネズミのアニメや漫画の印象が強いのだなと思います。良き妖精、ヒロインを手助けしてくれる妖精たちのイメージ。なので、遥か海を渡ってアメリカまでついてきてくれた妖精の話がすごく好きでした。


半年前、凄惨な四重殺人の起きた九州の孤島に、大学ミステリ研究会の七人が訪れる。島に建つ奇妙な建物「十角館」で彼らを待ち受けていた、恐るべき連続殺人の罠。生きて残るのは誰か? 犯人は誰なのか?
鮮烈なトリックとどんでん返しで推理ファンを唸らせた新鋭のデビュー作品。(裏表紙より)
私が読んだのは講談社文庫の旧版。
おお面白かった。孤島もので館もの。殺人事件が起きた孤島にミス研の七人がやってきた。しかし不吉な気配はかれらに忍び寄り、最初の犠牲者が出てしまう。
誰が犯人なのか、二つの視点をどう結びつけるのかというところで結末を想像していたんですが、あんまり書くとネタバレになるんですが、最後の最後で「キター!!!!」というオチになったのがすごく興奮した。最初からどっぷりトリックにはまってしまっていたぜ。エピローグの綺麗さがまたたまらない。
すごく面白かったです。

漫画家、音楽家、映画監督など「表現する仕事がしたい!」と夢見る若者は多い。人と違う個性をいかに発揮するかが勝負の世界で、どのような壁にぶつかり、乗り越えながら10代を過ごし、今の表現や仕事にたどりついたのかをさまざまな分野で活躍する個性豊かな13人が熱く語る。進路や生き方に悩む若者の道標となる一冊である。(裏表紙より)
音楽家とか芸術家といった人たち表現する仕事をしている人たちが、どういうきっかけでその仕事を選んだのか、進路選択したのか、どんな悩みがあったのかというのを語る。そういう環境に生まれついたという人もいれば、子どもの頃に出会って一度諦めたという人もいて、旅に出ることで別の世界が見えた、価値観が変わったり、運命的な出来事があったり。
これを読んで思うのは「人それぞれ」だということですね……。どんなに悩んでも、持っている人にはいずれその時が来るのかもしれないなあ、とか。

行方不明になった元恋人をさがすため、異世界へとやって来たリューン。訪れた村で、人々を襲う謎の獣と、強く自分を引きつける赤ん坊・アレックスと出会ったリューンは、この村にとどまることにする。やがて、時は過ぎ——立派な青年に成長したアレックスと再会したリューンだが、なぜかアレックスはリューンに刃を向けてくる。ふたりの戦いの行方は、そして謎の獣の正体とは!? 月夜に戦い、契る、美しき獣たちの物語!!(裏表紙より)
異世界の住人で両性具有(!)のリューンは、恋人を探してその世界にやってきた。そこで赤ん坊が産まれるところに遭遇する。アレックスと名付けられた彼はみるみる成長し、やがて……というお話。若干BLっぽかったです。異性愛の印象は受けなかったので、ちょっと不思議なカップルとして読みました。
人間とは違っていて神様のひとくくりにされるような力を持つリューンの、女性とも男性ともつかない魅力がとても好き。さっぱりした性格なのに愛情深くて、凛々しくて。椎名さんの絵がまた素敵でした。