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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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アリゾナの赤い花 (MIRA文庫)
アブラは荒くれ男を相手に働く建築技師。予算は厳しいが建設中のリゾートをよいものにしようと駆けずりまわっている。ところが、作業中だというのにトレーラーでさぼっている男を発見!しかもまったく悪びれず、ビールまで飲んで。男が建築家コーディ・ジョンソンと判明したのは、彼女がビールを浴びせかけた直後だった。ふたりの意見はことごとく衝突するが……。『ハウスメイトの心得』のコーディが主役で再登場。さわやかなラブストーリー。(裏表紙より)

顔を合わせれば言い争う、喧嘩っぷるの二人が主人公。『ハウスメイトの心得』関連作。ハウスメイトは器用さんと不器用さんの話でしたが、これは気の強い赤毛の女性とプレイボーイの話。
お互いに魅力を感じて気になっているくせに、一歩踏む込むことのできない、近付いても「だめだ」と思って離れてしまうところにじりじり。ヒロインのアブラは、キスまでしておいて「だめ」と思って距離を作っては、またくっつくという感じで、いい加減素直になれよーと思っていたんですが、はっきりと自覚してからは、彼女がかわいく感じられました。いきなりデレられてびっくりもしたんですが、宝石にまつわるエピソードはにやっとしてしまった。かわいいなあ!
ジャッキーとネイサンも登場。幸せそうで何よりです。
事件は胸が苦しくなりましたが、ハッピーエンドでよかった。本当によかった。
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新月の前夜祭 スカーレット・クロス (角川ビーンズ文庫)
ヴァンパイアの少女ツキシロは《神の子》と謳われる不良神父ギブの《聖なる下僕》。“主人と下僕が恋をしてはならない”という禁忌の前に、自分の想いを告げられない日々を送っている。だがある夜、彼女はギブを狙ってきた《使徒》に襲われ、駆けつけたギブの師匠のビル司祭らに助けられる。ギブの抹殺をはかる枢機卿一派の動きが激しさを増すなか、ツキシロは主人を守ろうと必死になるのだが、宿敵ヨセフもついに暴走を始めて——。(裏表紙より)

スカーレット・クロス第三巻。思いの自覚と物語の本格始動。話がいきなり始まったので意表をつかれる。話の流れに一瞬乗っていけなくて焦った……。
登場人物の過去背景が複雑化。瑞山さんは過去をよく決めていらっしゃるよなあと思う。ラリーとデリラの過去がいいなと密かに思っています(あれって多分そうですよね)。自分の領域に立ち入れさせなかったギブも、信頼を置いている師匠が現れたことで、思いを自覚。ツキシロもはっきりと自覚したので、がんばれ少女! と拳を握ってしまう。
引きがすごかったので、続きはどうなるんだろうとどきどき。
夜より深く (SHYノベルズ)
「君が隠しているものをすべて、見せてごらん」母を事故で失い、ジュエリーショップを引き継いだ水本愁一の前に一人の男が現れる。それは、以前、母の葬儀の場にいあわせ、愁一に冷ややかな視線を向けてきた男だった。遠山紘貴と名乗るその男は、ある指輪を探してほしいと愁一に依頼する。——はたしてこれは偶然の出会いなのか。だが、愁一の本能が告げていた。この男は危険だ、と。やがて愁一は遠山の手によって自分の裡に潜んでいた欲望を知ることになり!?(裏表紙より)

色恋の面で派手だった母親とそっくりな容貌を持つ愁一が、ロシア人の血を引く美形の遠山と出会い、というBL。文体が重厚な印象で面白かったです。表現が耽美というか、使ってくる単語が凝ってて面白いなあと思って読みました。
母親に対する愁一のコンプレックス、トラウマを描いていて、「母と同じ血が流れている」という設定が、私は男女問わずとてもおいしくいただけるので、この話はとてもエロチックでした。すれ違いや勘違いはこういう話にはお約束だなあと思ったりもするけれど。
アンティークジュエリーについて描いてあるのがいいなと思います。本当に、BL小説は職業が面白いなあ。
主人公周りの登場人物は結構固められているわりに、最後おちなかったのがちょっと残念でした。おばあさまとか、いいキャラだと思うんですけど!
白竜の花嫁 紅の忌み姫と天の覇者 (一迅社文庫アイリス)
「君は綺麗だ。その紅い瞳も、肌も……」
婚礼を控え幸福の中にいた小国の姫、澄白は、国を護るため、竜に捧げられる“花嫁(いけにえ)”に選ばれてしまう。異なる形で国を護ろうとする兄の計略に従い、竜を殺すための呪をその身に刻み、嫁いだ澄白。しかし夫となった竜、シュトラールの優しさに触れ、次第に決心が揺らいでいく。竜を殺し許婚のもとに戻るか、竜を救うか——。美しい竜の青年に出会い、澄白が選んだ運命とは?

や、山城の国! 山城の国ー!! とあらすじを読んで拳を握る。これはファンにはうれしい国の名前! つながりがあるかもしれないと思うだけでとてもおいしいです。
周囲から忌まれる姫君が、世界を支える存在である竜に嫁がされるお話。式使いシリーズは設定上全体的にちょっと息苦しい印象でしたが、このお話はのびのびして、清らかで切なくてとても好きだ。竜(人間との意思疎通を得意としないもの、人間と同種ではないもの)と人間の交流というものを、優しくじれったく時々切なく描いているところがたまらなかったです。
シュトラールが男前すぎてしぬかと思った……。澄白に対してのアクションが種族のせいか何のてらいもなくて自然で、澄白の反応ににやにやしてしまう。
澄白が、姫君らしいのに一生懸命なところ、自分の本心を認めるところ、自分にできることをするところ、など永野さんの描かれるヒロインたちの中で、一番清廉な印象でした。自己犠牲ほど陶酔したところはなかった気がするし、澄白の場合、本当に自分にできることをやりつくそうとした上での選択、という感じだったので、私は彼女が物語のヒロインとしてとても好きだ。
異形のモノたちのバトルシーンがあって個人的にとてもたぎりました。
シュトラールがこれからどんな風に澄白と向き合っていくかという続きをぜひ読んでみたいです。澄白はシュトラールの《永久》になるのかなど、別の誰かのお話で描くのでもいいので、永野さんの描く竜シリーズをもっと読んでみたいと思いました。
天使が開けた密室 (創元推理文庫)
行方不明の父親を捜すため、倉西美波はアルバイトに励んでいる。そのバイト先で高額の借金を負うハメになり困惑していたところ、「寝ているだけで一晩五千円」というバイトが舞い込んだ。喜び勇んで引き受けたら殺人事件に巻き込まれて……。怖がりだけど、一途で健気な美波が奮闘する、ライトな本格ミステリ。期待のシリーズ第一弾! 短編「たった、二十九分の誘拐」も収録。(裏表紙より)

元々表紙のイラストが好きで気になっていたのですが、ようやく読みました。高校生が主人公のライトノベル本格ミステリ。主人公美波は普通の女子高生だけれど、彼女の親友は、警部が父親の江戸前口調の美少女と、政界財界に顔が利く元華族のお嬢様、探偵役は美波と犬猿の仲である引きこもり大学生と、設定が全面的にライトノベル。美波がすぐ泣くところがなんだかなあと思いはしたけれど、これが高校生の普通の反応だよなあとも思う。
「密室」という言葉に複数の意味を持たせたところが、最後にほろりとしました。
短編の「たった、二十九分の誘拐」がすごく好きだー。死が絡まない日常の謎ものがやっぱり好きなんだなあと思う。オチも好き。
人はなぜ色にこだわるか―知ってるようで知らない色の色々
白、赤、黄色、緑、青、紫、黒と章を分けて解説。日本に限らず、世界各地の色についてちょっとだけ解説があります。物語に見る色もあれば、バスの色、海の色、染め方、茶道についてなど、幅広いところから色に関して掬って見ている感じ。興味深かったです。色の起源の話もあったし、色の印象についても触れている。1988年のもので少し古いですが、面白かった。
冲方丁のライトノベルの書き方講座 (宝島社文庫)
ライトノベル作家になるためにはどうすればいいのか? 優れたライトノベルを書くためにはどうすればいいのか? ——そんな作家志望者の疑問に、エンタテインメントの最前線で活躍中の冲方丁が一発回答! 『マルドゥック・スクランブル』『カオス レギオン』『蒼穹のファフナー』といった話題作の秘蔵プロットをそのまま公開し、創作の過程を著者自ら解説した、型破りな指南書が登場!!(裏表紙より)

突然読みたくなったので。面白かった! こういう本が本当にもっと増えればいいのにな! 一応マルドゥックもレギオンもファフナーも読了済みなので、話がよく分かって面白かった。特に『カオス レギオン』のプロットはすごいな! ファンタジーの世界、土地、という考え方にすごく共感する部分があったけれど、そこを故郷を追われた者を使ってとことん描こうする冲方先生がすごすぎる。
個人的に本当にファフナーの続きが読みたいですせんせい。
言葉のごちそう (知的生きかた文庫―わたしの時間シリーズ)
「自分の言葉」を大切にすることは「人の気持ち」を大切にすることです——
過程でも、職場でも学校でも……毎日、なにか「うれしいこと」「楽しいこと」に出会える人は、やっぱり素敵な言葉の持ち主。自分もまわりも幸せにする魔法、それが「言葉のごちそう」なのです。(裏表紙より)

何年も前に買ったまま、読んだかどうかも分からないまま本棚にささっていたので、読んだ。
話し方の指南書ではなく、考え方の改め方を示す感じ。人の体験談を交えてあるのが面白い。うまい返し方、感じのいい店員の対応の言葉、その逆の例。当たり前のことしか書いていないけれど、その当たり前がこうして形にしてあるので興味深く読んだ。やっぱり心構えだよなあ。
たまご猫 (ハヤカワ文庫JA)
遺書さえものこさずに自殺してしまった姉が、いたずらに鉛筆で紙に書き散らしていた“クライン・キャット”という謎めいた文字。この奇妙な言葉だけを頼りに、生前には知りえなかった姉の素顔をさぐろうとした妹を待ちうける、不可解な恐怖の正体とは? 日常生活にぽっかりとひらいた陥穽を描いた表題作「たまご猫」をはじめとして、夢とうつつの狭間に生じる不条理を題材とした、妖しくも美しい、10篇の恐怖のかたち。(裏表紙より)

黒い方向の短編集。妖しげでグロテスク。人の自殺が絡んだり、男女の性愛が絡んだり(不倫とか)、幽霊が出てきたり、浄瑠璃やら密室やら水やら。こうも繰り返し書かれると、なんだこれは!(いい意味で)とぐらぐらしてしまいます。
好きなのは「春の滅び」だ。雛人形と女と男と。
詳細を全部書いてしまわないところがにくい。すき。
本の雑誌風雲録 (角川文庫)
大学を卒業し、就職はしたものの、“本を読む時間がない”という理由から三日目退職を繰り返す目黒考二。たわいもない話を延々と続ける不思議なイラスト描き・沢野ひとし。そして、若き編集長で激務の最中でも本を手離さない椎名誠。七〇年代初め、彼らは新宿に定期的に集い、彼らの理想とする幻の新雑誌を肴に、夜を徹して飲み明かしていた。そして七六年四月、彼らの夢であった『本の雑誌』は創刊された。いわば贅沢な遊びだった……。始めたのは良いけれど書籍流通のイロハも知らない彼らが、如何にして今日に至ったのか。多くの仲間とともに奮闘を続けた、本を愛する人間たちの物語。(裏表紙より)

85年3月に出た単行本が平成10年に文庫化されたもの。「本の雑誌」が創刊され、直販で売っていたころの回想録。
ただの回想録じゃなくて、集まっては何かを作り上げて、それを続けようとしていく人たちの姿が見えた気がしました。残る者もいるし、去っていく者もいる。好きだという気持ちを胸に、でも束縛されたくなくて、好きなことを好きなようにしてみたい。なんだかしんみりと、作ること、続けることは大変だなと思いました。
この本が必要だとなったときに本棚を見るとその本がある、という状況は理想だなあ。
本って、読みたいな、と思うとつい自分の本棚に並べたくなるのだ。そして積んでいく……。
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Author:月子
読んだものやら見たものやらの記録
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