忍者ブログ
読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
[711]  [710]  [709]  [708]  [707]  [706]  [705]  [704]  [703]  [702]  [701
業多姫 いろどりつづり (富士見ミステリー文庫)
 温かかった。
 春の陽射しも、寄り添う互いの体温も。
 憶えている? と、鳴は颯音に問いかける。
「この『故郷への旅』に出ようとあなたが告げた日の約束」
 明るい浅藍の空と、それよりも深い色をした水。颯音の故郷の海を見つめながら、鳴は訊ねる。
 颯音は、頷く。
 傍らの鳴の温もりを感じながら。憶えている、と。
 赤く色づき始めた楓の葉が舞う中で交わした約束。小さな命が、その腕の中にあった日。
 夏と秋と初冬——巡る季節を二人は思い出す。
 幾つかの出会いと別れを。
 再び出会うであろう、懐かしく優しい人々のことを。
 鳴と颯音、二人の軌跡を綴る、初の短編集。(カバー折り返しより)

これの前に伍之帖を読んでしまっていたので、この短編集のほのぼの感が嬉しいやら切ないやら。
本編そのものは鳴と颯音の一人称の交代で進むので、他の登場人物の視点でお話が語られるのが面白いなあ。他人の視点から見る鳴と颯音が好きだ。なので「撫子色の約束」が好きだし、ちょっと不思議なお話でもある「早緑月を待つ冬陽」が好きだな。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
Profile
Author:月子
読んだものやら見たものやらの記録
Search
Calender
10 2024/11 12
S M T W T F S
2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
Archive
Shopping
Analyzer
Counter
忍者ブログ [PR]