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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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二十歳のあとさき (講談社文庫)
オリンピックを控え、急激に変貌を遂げていく東京。下町の古本屋で働く七人の少年たちが、勉強会を始めた。夢は独立開業。その資金のため共同で積み立て貯金を開始したが、青春期特有の人間関係の難しさに悩む。少年から大人へと脱皮するとき、誰もが味わうほろ苦い体験を優しい筆致で描く自伝的青春小説。(裏表紙より)

小説というより、過去日記? 東京オリンピックが開催される年に、出久根さんは二十歳を迎える。その少し前から、古書店で修行中の若者たちが集まってどうこうする話が書かれています。
印象としては、現代的な文体の文豪の日記や日常、という感じ。人間関係を丁寧に描いている感じが、そういう風に取れます。あんまり文豪作品には詳しくないのであくまでイメージ。
事件らしい事件は、主に人間関係にあって、そんなありふれたわずらわしさがなんとなく楽しい。そんな年じゃないのに、なんだかすごく懐かしくて、とても楽しいなあと思うのだ。
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群青の空に薄荷の匂い―焼菓子の後に (ポプラ文庫ピュアフル)
附属中学から女子高に上がった亜矢は、中1からの親友である菜穂と寄り道するなどして「すこぶる平和な学校生活」を送っていた。ある日、いつもの散歩道で小学校時代の同級生・安藤くんに出会う。ぐっと背が伸びた安藤くんとの距離が縮まり心ときめく亜矢だったが……。
文庫書き下ろしで贈る、人気作『卵と小麦粉それからマドレーヌ』の3年後を描いた姉妹編。
〈解説・金原瑞人〉(裏表紙より)

主人公が菜穂から亜矢へ。『卵と小麦粉それからマドレーヌ』ではとても大人っぽく落ち着いていた亜矢の視点で綴られます。亜矢の目で見ているからか、それとも16歳になって周囲が、特に菜穂が追い付いたのか、亜矢の落ち着きが年相応に思えました。
『卵と〜』の菜穂は健やかな成長という感じだったのですが、亜矢は一度芽を潰され傷をつけられたところからの成長だったので、ちょっとだけはらはらしました。家族との齟齬やすれ違いもあって、自分の嫌なところを自覚している亜矢に、とても共感する。彼女の感じるものひとつひとつが、彼女でなければ感じられないことなのでは、と思う。

友達四人で外でお弁当を食べるというシーン。
 お天気のせいじゃなくて、こんなふうにさりげなく特別なとき、わたしはふいに泣きそうになる。この平和であたたかな時間が永遠に続くことはなくて、それがわかっているから泣きたくなるのだとわたしは知っている。


大人になっていくことへの優しい目が感じられるので、すごく好きなシリーズだと思う。
海が愛したボニー・ブランシェ (B’s‐LOG文庫)
海に嫁いだ乙女の伝説が生きる国・ガルトリア。開港祭の喧騒の中、天涯孤独の修道女ボニーは両親の仇である青年海賊ファド・ディアスと出会う。潔白を主張する彼の姿に、真実を求めるボニーはあえてファドに「さらわれる」ことを選択! 修道院へ連れ戻そうと迫る騎士団から逃れ、“危険すぎる”海賊船・マディラ号に乗り込むが……!? 恋を禁じられた修道女と、華麗で紳士な海の悪党——息もつかせぬときめきと冒険!
第12回えんため大賞《優秀賞》、ガールズノベルズ部門史上最高評価の快作が登場!!(裏表紙より)

修道女と海賊もの。爽やかで気持ちよかった! 生きること、運命、信じるものを、大切にしている人たちの話だったなあと思います。
最初は単純に甘いだけの冒険話なのかなあと思っていたんですが、事件があり、狂気がありでした。狂気には特にびっくりしました。でも最後に笑えるところになっていて面白かったです。名前も知らなかったくせに寸法のあったドレスはこわいな。レオノールが諦めてしまったところ、ちょっとすんなりで残念だったです。
ジジ専、渋専の私としてはバスカーがたまらんかったです。少女小説でおじいちゃんが出るとは!
花は桜よりも華のごとく (角川ビーンズ文庫)
時は戦国の世の狭間。京の都に美しい能の舞い人、白火が現れる。その噂を知った名門一座の次期太夫、蒼馬は白火を自分の座に引き抜こうとするが、手ひどく断られる。実は白火は女の子。性別を偽り、女人禁制の舞台に立っていたのだ。しかし、蒼馬は白火が女であることを知らずに、彼女に惹かれていってしまい——!? 桜降る能舞台で、男装の舞姫の伝説が始まる。
第8回ビーンズ小説大賞読者賞受賞の能楽恋絵巻、開演!!(裏表紙より)

これ、すっごくすっごく好きです! ものすごく好きだー!!
和風の男装ものというだけで私にとってはめずらしい気持ちなのですが、能を舞うというのがまた面白くて! 舞台のシーンがすごくぞわぞわして面白かったです。
登場人物もみんなかっこいい、かわいいでした。白火は本当に一生懸命な芸人で、自分のそれに誇りを持っているし、子どもっぽいところもあってかわいい。ヒーロー役の蒼馬は、余裕たっぷりの美男子で、彼もまた誇り高くて、白火に惹かれていくというよりも好意を持っているところがすごく身近に感じられて素敵でした。剥くシーンはこれ書いていいのか!? とびっくりしましたがしかしその辺りからときめき度が急上昇で、ものすごく面白かったです。
ちょっとだけ不満を言うなら! 颯佐の理由や蛇紋がちょっとこじつけっぽかったので、そこがちょっと!
でも和風ファンタジーと男装ものというのでお好きな方は多そうです。
おすすめです。
悪い魔法使いはいりませんか? (ルルル文庫)
「王子が十八歳になったら呪いをかける!」——悪の魔法使いが、王家に残した予告の年、弟子のスイハはその役目を押しつけられてしまう。師匠の面子のため、使い魔のフクロウと王宮へ向かったスイハだが、王子の居場所はなんとハレムの中! しかも、すでに呪いをかけられていて!? 魔具によって捕らわれたスイハは王子に絶対服従の上、呪いを解く協力をさせられることに。初めは師匠の敵と思っていた王子だけど……!?(裏表紙より)

アラビアン風恋愛ファンタジー。悪い魔法使いの弟子の少女が、王子様(すでに呪われ済み)と協力する話。もうちょっと何か! という感じで、スイハも王宮の事件も楽しいんだけれど、せっかく魔具で行動制限とか、ハレムとか、王子様の呪いがおいしいのに! ともどかしい。でも、スイハの心がまだ幼くて、甘い雰囲気にならないのがそれはそれでおいしいかなと思います。
王子様、王宮、魔法使い、使い魔。陰謀をめぐる事件の色々が、とても童話っぽい楽しいファンタジーでした。
ルチア―クラシカルロマン (ルルル文庫)
ある夏の夜、ティエランカ王国の国王一家が乗る船上でクーデターが起きた。首謀者は、軍国主義を唱える政治家ミラーノ! 傷付きながらも一人逃れた王女クエルヴァは、首都がミラーノによって制圧され、自分にも追っ手がかけられていることを知る。ルチアと名を変え、囚われた家族と王国を救うため立ち上がるクエルヴァ。様々な人の助けを借りて、クーデターの真相に迫るが…!? クラシカルロマン開幕!(裏表紙より)

映画みたいで面白かった! 結構うまく行き過ぎているけれど、主人公を取り巻く状況がめまぐるしすぎて気にならない。甘さもないし、硬派でシリアスな救国物語という感じ。追いかけられ、潜伏し、自分の出来ることをやり、人の助けを借りる、という流れが本当に映画みたいだった。
クエルヴァを取り巻く状況が容赦ない。そこで自己犠牲的に考えて立ち止まらないのが、この話のいいところだと思う。現実的で、前を見て、自分に何が出来るか考えるクエルヴァがかっこいい。凛とした美人だ。
甘さがないと書いたけれど、結構色んなところで軽くフラグが立っているので、結局誰といい感じになるんだろうと考えるのも楽しかった。
身代わり伯爵の挑戦 (角川ビーンズ文庫)
パン屋の後継者争いに破れ、うちひしがれるミレーユは、なりゆきでリヒャルトのために恋のショールを編むことに。しかし、編みかけのショール(もどき)を美形でナンパな怪盗に盗まれ怒り爆発! 乙女の執念で怪盗捕縛に挑むミレーユは、シアラン王家にまつわる陰謀に(自ら)巻き込まれてしまい…!?
かくして『身代わり伯爵』の恋と暴走の挑戦がはじまる!! いちゃいちゃ指数上昇中、胸キュン王道ファンタジー第3弾!(裏表紙より)

続きを読もうと久しぶりに読んでみたら、ものすっごく胸キュンでした。自覚したのがよかったのかな! それともミレーユがちゃんと女の子らしかったから? でも各所で笑ってしまった。ミレーユは男らしくと言いながら、ほんっとかわいいな! シアラン王家の秘密も出てきて、続きがすっごく楽しみになってきたので早く読もう。
仮眠室のシーンはどきどきした。終盤に向かってあまーくなってきて、ちゃんとリヒャルトがミレーユを甘やかしていたのですごく楽しかった。ドレスのミレーユとリヒャルトの挿絵が定番っぽくて嬉しいです。かわいい。
ショッピングの女王 (文春文庫)
「それ、いただくわ」。このご時世に、この浪費——。シャネル、エルメス、ルイ・ヴィトンなどの高級ブランドからエロ・グッズまで。住民税を滞納し、“むじんくん”にまで手を染めながらも、うさぎ女王様の物欲は止まらない。物欲のままに無駄遣い生活を続ける女王様のトンデモない日常を描く爆笑エッセイ。 解説・ピーコ(裏表紙より)

面白いエッセイ本が読みたい! ということをゆるく募集したらおすすめされました。面白かったです! あんまりのおばか加減ににやにや。ブランドに対する風刺とか、読んでいるこっちがこれはないわーと思うけれど気になる商品にどんどん手を出していくところや、エロ・グッズなんかも書かれていて、すごく面白い。すごくだめだめな人に感じられるのに、全然憎めない感じ。
続巻も手に入れたので読む! おすすめありがとうございました!
スターダスト (角川文庫)
あの流れ星を手に入れたら願いが叶う。恋に焦がれる青年と、王国の相続を狙う3人の王子、そして永遠の命を求める魔女が、摑んではすり抜ける星を巡って大騒動。だましあいにすれ違い、不思議な国を舞台に壮大な旅物語が繰り広げられる。競争相手を出し抜いて、最後に幸せを手にするのは誰? 多くの文学賞を総なめにし、世界中で愛されているストーリーテラー、ゲイマンが描く胸躍る冒険ファンタジー。話題の映画原作!(裏表紙より)

妖精の国の冒険物語。こちらの世界より、不思議な国の人々の方がよく描かれているので、ヴィクトリア朝と言われてもぴんとこないです。児童文学にしては子どもに言い聞かせる感がないのですが、ユーモアや登場人物の魅力、冒険小説に大切な爽快な結末のつけかたが、すごく感じられる物語でした。
あんまり主人公のトリストランが好きじゃなくて。というのは、冒険に出た理由が、恋人が星を取ってきてくれと言ったからで、もうそれ一直線の愚かさというか盲目さというかが、もどかしくて。けれど最後の選択、歩いていく、イヴェインとしばらく旅に出るというのは、かなり評価が上がりました。
すごく結末が好きです。トリストランがその後どうなったか、イヴェインがどうなったか。そのエピローグの描き方が、時間の流れや歴史を感じさせてすごく好きでした。
A戦場のプリンセス (角川ビーンズ文庫)
謎の『あしながおじさん』の援助を受け、弟たちと暮らす伯爵令嬢ハル。貧乏生活から脱するため彼女がはじめた仕事は、王子様の身のまわりのお世話をすることだった。性格最悪・死ぬほど甘党という王子に仕える気苦労はたえない。おまけに王位を狙ってと思われる陰謀と、いい男からの誘惑(?)がさらにハルを悩ませて……? 不思議だらけの遊園地の国で、少女は王子を守ることができるのか!? スラップスティックファンタジー!!(裏表紙より)

タイトルの意味が、わからない!笑
伯爵令嬢と王子という単語がありますが、舞台はかなり未来の別惑星、テーマパークが運営される独立国。人種が入り交じっているので、主人公の名前は坂崎春香。移住民の主な人種はフランス人が多かったので、王子様の名前はエリック。設定は好みなのに、あともうちょっと何かが足りない! ともどかしかったです。解決してるのかしてないのか分からない終わり方でもあったので。
ただしっかり者なのか、それとも適当に生きるだけなのか、よく分からないところもあった気がします。でもともかく主人公の女の子が一生懸命でかわいいなという印象でした。
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Author:月子
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