読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
「サバハ」
新興宗教を捜査し不正を指摘することで利益を得ているパク牧師は、ある日謎めいた少女の遺体が発見された事件を期に、宗教組織「鹿野苑」に調査を始める。いくつかの要素から間違いなく不認可の新興宗教だと判断するが、やがて鹿野苑と教祖と不思議な名称で呼ばれる男たち、悪鬼とされる少女と繋がっていき……。
めちゃくちゃよくできたホラーだなあ! と思って面白く見ました。
ざっくり言うと、救世を行うであろうとされる人物と、それと対抗する悪鬼の存在、この日このときこの者の手によって必ず死ぬという予言を巡るホラーとサスペンス。視聴者は主な主人公となるパク牧師の視点でこれを調査する感じなんですが、第三者としてだんだんと「これはこういうこと?」「これが、こうなるの!?」「逆転するの!?」みたいなどきどきも味わうことができてすごく面白かった。宗教のエッセンスがかなり巧みに配置されていて、なるほどなあと唸りました。
救世主と悪鬼側の見えない対決の緊迫感もよかったんですが、私はパク牧師が好きで……このエセ牧師! ペテン師! みたいな男がすごく重要な事件を捜査して真実に近付き、最後の敵に対して正当な相手がとどめをさせるよう助力するの、めちゃくちゃよかったんですよねえ。
素晴らしくまとまっているだけにもうちょっと見たい! と思わせるものがあり、可能なら1シーズンのドラマとかでやってみてほしいなあと思いました。一つずつ捜査していったら最後に一番根っこの大きな事件につながる、みたいなアレ。絶対合うと思うんだよなあ。
個人的にめちゃくちゃよかったです。面白かった。
新興宗教を捜査し不正を指摘することで利益を得ているパク牧師は、ある日謎めいた少女の遺体が発見された事件を期に、宗教組織「鹿野苑」に調査を始める。いくつかの要素から間違いなく不認可の新興宗教だと判断するが、やがて鹿野苑と教祖と不思議な名称で呼ばれる男たち、悪鬼とされる少女と繋がっていき……。
めちゃくちゃよくできたホラーだなあ! と思って面白く見ました。
ざっくり言うと、救世を行うであろうとされる人物と、それと対抗する悪鬼の存在、この日このときこの者の手によって必ず死ぬという予言を巡るホラーとサスペンス。視聴者は主な主人公となるパク牧師の視点でこれを調査する感じなんですが、第三者としてだんだんと「これはこういうこと?」「これが、こうなるの!?」「逆転するの!?」みたいなどきどきも味わうことができてすごく面白かった。宗教のエッセンスがかなり巧みに配置されていて、なるほどなあと唸りました。
救世主と悪鬼側の見えない対決の緊迫感もよかったんですが、私はパク牧師が好きで……このエセ牧師! ペテン師! みたいな男がすごく重要な事件を捜査して真実に近付き、最後の敵に対して正当な相手がとどめをさせるよう助力するの、めちゃくちゃよかったんですよねえ。
素晴らしくまとまっているだけにもうちょっと見たい! と思わせるものがあり、可能なら1シーズンのドラマとかでやってみてほしいなあと思いました。一つずつ捜査していったら最後に一番根っこの大きな事件につながる、みたいなアレ。絶対合うと思うんだよなあ。
個人的にめちゃくちゃよかったです。面白かった。
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海洋生物学を専攻する恒夫は、ある夜車椅子の女性を助けたことで彼女の世話をするアルバイトを持ちかけられる。山村クミ子は自分をジョゼと呼べと強要し、可愛らしい見た目とは裏腹に自分勝手で高飛車な言動で恒夫を振り回す。だが外の世界に憧れを持つジョゼに否応なしに付き合っていくうちに恒夫、そしてジョゼにも変化があって……。
原作はだいぶ昔に読了済み。あの頃全然ぴんときていなかったんですが、こうやって劇場アニメーションになるとわかりやすい、というかだいぶストーリーに手を加えて真っ直ぐな恋愛作品にしたんだなあと思いました。大阪の泥臭い感じがまったくなくて、不器用な人たちの爽やかなラブストーリーになってしまっている。
とにかく画面がきらきらして美しく、登場人物たちは不器用に真っ直ぐ。だからハッピーエンドは確定しているようなものですが、最後の自作絵本の読み聞かせシーンはちょっとぐっときちゃったな……。べたべただからこそいいよね!

仕事も恋も上手くいかないつき子は、ある晩、ガラクタばかりの骨董品屋に迷い込む。そこは古道具に秘められた”物語”を売る店だった。未亡人を未来へと導いた時刻表、母と娘の拗れた関係を解いたレース、居場所のない少女に特等席を与えた椅子……。人生の落し物を探して、今日も訳ありのお客が訪れる。つき子もまた、ある指輪を探していた。(Amazonより)
ガラクタばかりの骨董品店、ブロカントと呼ばれるものを売りながら品物に秘められた物語を語る店主。それはつき子とその周囲にとって、悩みや変化を解消しより良い道へと導くようなものとなっていく。
とはいえそれが大きく人や人生を変えるわけではないという塩梅がいいなと思います。つき子も天地も、新しい一歩を進めるようになっただけ、でもそれが本当に長らく待ち望んだ一歩だというのがいい。
作中で結構あるあるなのかな? と思ったのが、子どもの頃に友達に合わせて好きな人を作ったという一文。もしかしてみんな周りに合わせて好きな人? あの子かなみたいなこと言うの? と思って覚えがある身だけにちょっと嬉しかったのでした。

知人が購入を検討している都内の中古一軒家。
開放的で明るい内装の、ごくありふれた物件に思えたが、
間取り図に「謎の空間」が存在していた。
知り合いの設計士にその間取り図を見せると、
この家は、そこかしこに「奇妙な違和感」が
存在すると言う。
間取りの謎をたどった先に見たものとは......。
不可解な間取りの真相は!?
突如消えた「元住人」は一体何者!?
本書で全ての謎が解き明かされる!(Amazonより)
謎の物件を取材するていで語られる、謎の物件と因習を描くホラー作品。
変な間取りだなあというところから安全なのか知り合いを頼って調査を始めるも、奇妙な情報が集まってくる。この辺り、知識ありすぎない? とか、偶然にしても人が集まってくるなあとかあるんですが、この世界のどこかにこういうことがあってもおかしくないよなあという感覚があって面白かった。

クリストファー王子の婚約者である本好きの侯爵令嬢エリアーナ。彼女は迫りくる聖夜の祝宴のため、慣れないお茶会や苦手なドレス選びなどに時間を取られ、満足に本が読めない日々を過ごしていた。そんなある日、王家に嫁ぐ覚悟や、側室問題などを聞かされたエリアーナは、不安でいっぱいいっぱいに! そのせいで、王子にとんでもないことを言ってしまって!?
WEB掲載作品「お邪魔虫」に加え、書き下ろし短編を収録した本好きの令嬢のラブファンタジー、第3弾が登場!(裏表紙より)
王太子婚約者として、自覚と努力を続けるエリアーナ。近頃の悩みはやっぱり苦手な人付き合いと立派な姑との関係。頼りないと思われているのでは? 助けられてばかりいると落ち込むエリィに、かつてクリスの婚約者の最有力候補から手紙が来ているのを知ってしまう。
本から得た知識で無意識に無双するヒロイン、今回は頑張りすぎていっぱいっぱいの巻。自分の悩みに自覚的で、ごめんなさいと言える子はえらい! エリィはエリィらしく、をこのまま貫いていってほしいな。
王家の方々との関係も良好そうで何より。エリィがこびていないところが可愛いと感じることがあるんだろうけれど、やっぱりみなさん有能な人間が好きということかな? そんな子に純粋な「本を読みたい」をおねだりされたら叶えちゃうよね!笑

「――当家に女房をよこせ」人外の化け物を統べる「化野家」からの命令に、白羽の矢が立ったのは異界から召喚された少女だったはずなのに……。なぜか、あれよあれよという間に、その少女の身代わりになることになってしまった宝生家の姫・櫻子。彼女は、言われるがまま化け物屋敷と恐れられる化野家に嫁ぐことに。ところが、当主の征獣狼から、必要なのは花嫁ではなくお手伝いさんだと言われてしまって!? 身代わり花嫁になるはずが、お手伝いとして働くことになってしまった姫君の和風ラブファンタジー。(Amazonより)
和風ファンタジー。人を襲うケダモノたちから人々を守る高貴な家々がある中、それらを取りまとめる宝生家の姫君として生まれ育った櫻子。「何もできない」という無力感にいつも自覚なく苛まれる彼女は、異世界から召喚された少女の身代わりに恐れられている化野家の当主に嫁ぐ……はずが、実は求めていたのは花嫁ではなくお手伝いさんの意味での「女房」だったという。
ネガティブな櫻子ですが一生懸命なんでもないふりをしているような言動が可哀想で可愛らしくて切ない。「あらまあ」と思うことでなんとか自分を落ち着けているような印象。だから居場所をくれた征獣狼になつくのは当然で、口うるさいながらも世話焼きな吉宝丸との関係もほっこりしました。
それだけに特殊な体質があるとされながらわがまま三昧な千華や、気を惹くためだけに櫻子を突き放して千華の側についた御三家の若君たちには苦笑を禁じ得ない。特に若君たちは、ずっと一緒にいたのに櫻子の寂しさや無力感にまったく気づかんかったんかい! と。千華についたのも千華に失礼すぎる。本来なら召喚もののヒロインになるはずの千華がどういう人間なのかは明かされなかったので気になるなあ。
ともかく、悲しい運命を負う征獣狼と櫻子がこの先も長く一緒にいられますように。

この物語はどうしようもなく、彼女に出会った時から始まる。高校生の七草は、幼馴染の真辺由宇とありえない再会を果たす。誰よりも真っ直ぐで正しく凛々しい、それだけに周囲の人間を傷付けてしまう彼女。だがこの階段島に現れてしまったということが、七草の日常を大きく揺るがす……。
謎の島に暮らす人々を巡る青春ミステリ、ファンタジー風味。原作は既読。
原作通り、高校生たちを描いた部分がひりつく感じで、ああ青春ミステリってこんなだよなあと切なくなる。ファンタジー要素がある青春、ちょっとほのかな恋心みたいなものを感じる作品は多いけれど、ひりひり痛い部分も含めて河野裕作品はやはり飛び抜けて上手いと思います。
島の日常めいた普通の風景に、大事なシーンで挟まるちょっと幻想的な、絵画のようなカットがいいな。好きだ。
「ドッグ・ストーリー あなたは一番の友達」シーズン1・2
様々な国や環境のもとで人と犬がどのような関係を築いているかを追ったドキュメンタリー。
介助犬、遠く離れた故郷に置いてきた犬、保護犬たち、大学のマスコット犬、友人を偲ぶ旅に同行する犬など、家族としての犬というよりかは、人間の生活において様々な環境に置かれることになった犬たち、という感じ。愛という気持ちだけでは語れないものがあるし、選択のすべてが最善というわけでもない。
保護犬の回が印象的だったなあ。シェルターがあるのはいいことだと思うんだけれど、犬にとっていい環境かどうかは別問題。人手不足だったり頭数だったり病気のことだったり、命が生きていける環境をどう守るか。難しいことだ。
様々な国や環境のもとで人と犬がどのような関係を築いているかを追ったドキュメンタリー。
介助犬、遠く離れた故郷に置いてきた犬、保護犬たち、大学のマスコット犬、友人を偲ぶ旅に同行する犬など、家族としての犬というよりかは、人間の生活において様々な環境に置かれることになった犬たち、という感じ。愛という気持ちだけでは語れないものがあるし、選択のすべてが最善というわけでもない。
保護犬の回が印象的だったなあ。シェルターがあるのはいいことだと思うんだけれど、犬にとっていい環境かどうかは別問題。人手不足だったり頭数だったり病気のことだったり、命が生きていける環境をどう守るか。難しいことだ。
「オールドピープル」
シングルマザーのエラは、娘と息子を連れて妹の結婚式に参列するために帰郷した。故郷には元夫が、現在の恋人と一緒に暮らしている。エラの心情は穏やかではなかった。さらに折り合いの悪い父は現在高齢者養護施設に、訪ねてくる人もおらず寂しい日々を送っていた。しかもその施設は、働き手がいない田舎ゆえに行き届いているとはいえない状況で……。
施設に追いやられ、その施設でも不自由で雑に扱われる高齢者たちが、怒りを動機に何かに取り憑かれたようにして若者たちを襲うというパニックホラー。冒頭から「凶行に走る原因はある」と説明されるんですが、この世界のどこでこういうことが起こってもおかしくないよという警句ですよね。
閉鎖的な土地での、高齢者施設での襲撃と、謎めいたボスと思しき何か。理性を失った状態のお年寄りたちに襲われるのは猟奇的ではあるんですが、正直ここで警察とか助けを求めたところで実は全員が協力してましたみたいな絶望が欲しかったかも。土地が敵だったみたいな。
しかし最後におじいちゃんがちゃんと孫たちのことを思い出したのはよかったな。
シングルマザーのエラは、娘と息子を連れて妹の結婚式に参列するために帰郷した。故郷には元夫が、現在の恋人と一緒に暮らしている。エラの心情は穏やかではなかった。さらに折り合いの悪い父は現在高齢者養護施設に、訪ねてくる人もおらず寂しい日々を送っていた。しかもその施設は、働き手がいない田舎ゆえに行き届いているとはいえない状況で……。
施設に追いやられ、その施設でも不自由で雑に扱われる高齢者たちが、怒りを動機に何かに取り憑かれたようにして若者たちを襲うというパニックホラー。冒頭から「凶行に走る原因はある」と説明されるんですが、この世界のどこでこういうことが起こってもおかしくないよという警句ですよね。
閉鎖的な土地での、高齢者施設での襲撃と、謎めいたボスと思しき何か。理性を失った状態のお年寄りたちに襲われるのは猟奇的ではあるんですが、正直ここで警察とか助けを求めたところで実は全員が協力してましたみたいな絶望が欲しかったかも。土地が敵だったみたいな。
しかし最後におじいちゃんがちゃんと孫たちのことを思い出したのはよかったな。