読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
村を襲うも人は殺さない飛竜の真意とは。老人の巻きこまれた妖精猫の裁判の行方は。鋭い吠え声が響く村で娘達を食らう獣の正体とは――。独自の生態と超自然の力を持つ生き物、幻獣。謎多き存在である彼らと人の衝突が増えたため、国家は幻獣を調査し、時には駆除をする専門家を定めた。そのひとりである調査員のフェリは「人と幻獣の共存」を胸に、世界で唯一の幻獣書を完成させるため旅を続けている。これは、人と幻獣の関わりが生む、残酷で優しい幻想幻獣譚。(Amazonより)
人とも動物とも異なる、しかし独自の生態と力を有する存在、幻獣。力を持ち、災厄を呼び、ときには大いなる祝福を与えるかれらの生態を調査する専門家がいる。そのうち調査員と呼ばれる旅人の少女フェリと、何故か彼女に付き従うホムンクルスの蝙蝠と、兎頭の何かの物語。
人の身勝手と悪い心、臆病さ、無力さからくる言動と、幻獣の在り方がなかなか上手く噛み合わず、悲しい話が多いのですが、幻獣がらみの事件を解決する短編連作なので読みやすくて面白かった。
合間合間に挟まる、魔王と思しきものと少女の物語は、多分彼と彼女のことなんだろうと思って読んでいくと、最後の最後に種明かしが。思わずえええ!? と叫んでしまった。そういうのあり!? フェリ自身もいつか追われることにならないかなあ……なんて不安に駆られてしまったけれど、まあそうなったらクーシュナとトローが連れていくんだろう。それくらいの結びつきが感じられる、異形の物語でした。
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