読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

航空自衛隊航空中央音楽隊でアルトサックスを担当する鳴瀬佳音は、ちょっぴりドジだけど憎めない女性隊員。練習と任務の演奏会に明け暮れる中、数々の不思議に遭遇する。失われた楽譜の謎、楽器のパーツ泥棒、絵葉書に込められた見えないメッセージ……。個性豊かな仲間たちと共に“事件”を解決! クライシス・ノベルの名手が意欲的に描く、爽やかで心温まる物語。(裏表紙より)
航空自衛隊航空中央音楽隊に所属する鳴瀬佳音や他の隊員たちが遭遇する日常の謎と音楽のお話。
基地での生活や、自衛隊の人事などの決まり事など、そこで働いていないとわからない場所での描写が面白いと思いながら読んでました。昇進の話とか、海外の音楽隊との関わりもあるんだなとか。震災の後のことは、巻末にある取材ノートの通りなんだな、とか。
謎解きもラブコメもさらっとしていて、大人数の仲間とわちゃわちゃする感じも楽しく読めてよかったな。
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後宮女官を解雇させられた猫猫(マオマオ)は、花街に戻ってきた。しかし、戻るや否や、今度は超美形の宦官壬氏(ジンシ)のお付として、外廷に出仕することになる。
壬氏への嫉妬から他の官女たちにからまれ、倉庫の小火、官僚の食中毒、腕利き職人が残した不変な遺言の調査など奇妙な事故や事件が多発する。
いろいろな事件が重なりあう中、それらはある一つのことに収束することを猫猫は知る。そこにはある人物の思惑があった。
そしてそんな中、壬氏に付きまとう武官羅漢(ラカン)が現れる。変人として有名なこの男は、何かにつけて壬氏に問題を持ってくるようになる。それは、羅漢が古い緑青館の馴染みで猫猫をよく知っていたためであった。
猫猫に対してただならぬ執着を持つ羅漢に対して、猫猫の態度は普段と少し違っていた。いつもの飄々とした雰囲気と違う猫猫を気づかい、羅漢から守ろうとする壬氏であるが――。
羅漢の本当の狙いとは一体?
型破りな薬屋の娘と超美形だがどこか残念な宦官、それに巻き込まれる人々。
薬と毒、宮廷と花街、官と妓女、そして過去と現在が交わる中で、物語は紡がれていく。 (Amaonより)
アニメ視聴済み。猫猫の両親についてわかる第2巻。
猫猫がだいぶドライだからか、アニメでめちゃくちゃ盛り上がった儀式突入のシーンや、羅漢と鳳仙のエピソードは思ったよりさっぱりしている。でもやっぱり面白い!
それにしても猫猫に矢印を向ける人たちはどうしてこうもこじらせているんだろうな。まあわけありだから仕方がないか。

交換条件は、神様の玩具になること。
神様に妹を助けてもらうかわりに、楠木ひなみは異世界へと渡る。その世界で神様のために“ポイント”を集めることがひなみに課せられた役割だった。戦闘が苦手なひなみだが、“薬術師”の適性があった。その力と神様の加護で回復薬を作り、ポイントを集めていく――。「小説家になろう」発大人気異世界ファンタジー。(Amazonより)
異世界の神様に妹の病気を完治させてもらう代わりに、その異なる世界に渡って「神様の玩具」になることを承知したひなみ。神様のおかげで役立つスキルや家や衣服を用意してもらいながら、ポイントを集めていたひなみだが……という、ゲーム要素が強い異世界もの。神様のおかげで無自覚チートな主人公のアトリエゲーという感じなので、児童書っぽい雰囲気でしょうか。
しかし二年間引きこもりはちょっとどうかと。働いて働いて、な現実だっただろうけれどだいぶ社会性が低いような。苦労してる感じがしないので、とにかく可愛いお話でした。これ、結局魔王を倒したり神様を助けたりするのかしら。

「おまえを廃位する。しかるのち、極刑に処す」花婿である皇帝、雪峰から突きつけられた言葉は、幸せな結婚を夢見ていた美鳳の心を容赦なく引き裂いた。稀代の悪女と呼ばれる凶后の姪で、その寵愛を受けていたがゆえに、美鳳は婚礼の夜に起きた政変で断罪された。そして十年の歳月が流れ——新しく皇帝となった天凱は、廃妃となった美鳳が幽閉されている離宮を訪ねる。都で猛威をふるう鬼病を鎮めるため、彼女の身に宿る奇しき力が必要になったからだ。幼き頃、姉弟のように過ごした二人はふたたび邂逅し、美鳳はいまだ怨憎煮えたつ禁城に舞い戻ることになる…。(裏表紙より)
中華風後宮ものかと思って読み始めたら、それ以上に後宮ものだった。政変後の憎しみが未だ燻る真っ只なかに、断罪された当人が舞い戻るなんてどろどろしているどころか常に殺意を向けられているようなもの。しかも美鳳は特殊能力のせいで死ねず見た目は十六歳。稀なる力を操るというファンタジー要素も含め、特殊な用語が散りばめられていて、とても読み応えがあって楽しかった。中華風の描写が本当に巧みで読んでいてうっとりする。
美鳳と天凱は家系図的には叔母と甥の関係になるので、恋愛関係になるのは許されないという設定なので、この巻ではお互いに好意がありつつ上手いこと躱しているんですが、そのうちくっつくんだろうなあ……。そのまま憎まれ口を叩いたりお互いを味方と信じる男女バディであっても美味しいんだけどな……。
真の黒幕は逃亡してしまったので、この巻では事件の解決のみ。時間を止めてしまった美鳳の人生が、彼女自身で選びとったもので始まることを願います。

いまや新定番になりつつある「おにぎらず」のレパートリーがグンと広がるアイデアレシピ集。家庭にある具材だけで、本当においしいおにぎらずが作れます!お弁当やアウトドアランチ、パーティーにぴったりの、子どももパパも大好きなオリジナルおにぎらずをたっぷり収録。レシピは「タネを準備!」「重ねる!」「たたんで切る!」の3ステップのみで構成しているので、類書にないわかりやすさ、簡単さを追求しています。107点掲載。(Amazonより)
紙書籍と電子書籍だとタイトルが違うという。
サンドイッチとかおにぎらずとか、何か挟んだものの断面って面白いよねと思って読んでました。そしてお腹が空きました! だってフルカラー! 美味しそう。
卵入りやお肉入りがいいですねえ。混ぜご飯もよき。久しぶりに何か作りたいなあ。

洋菓子店“パティスリー・ラ・サンテ”のオーナー・比呂也は、パティシエの退社で閉店の危機に直面していた。その窮地に現れたのは、比呂也の理想を実現するに申し分のない腕を持つパティシエ・孚臣。だが彼は、先日、成り行きで肉体関係を持ってしまった相手だった!? 『オンとオフの切替さえすれば』自分の理想のために孚臣の採用を決めた比呂也だったが、『こっちも込みで』と伸ばされた手をなぜか振り払うことができなくて……。天才パティシエ×美麗オーナーのデリシャスラブ。(裏表紙より)
味覚は優れているけれど作ることには向いておらず、自身はオーナーに徹している比呂也。次のパティシエを探さざるを得なくなったところ、偶然出会って一夜をともにした孚臣がやってくる。実は素晴らしい腕前の持ち主だと知って雇用関係を結んだけれど、なんだかんだで肉体関係も含む関係になってしまい。
調理場で致すんじゃない! という気持ちになってしまうのは本当にごめんなさい。
ちょっと素直じゃないところのあるオーナーと、言葉が足りないパティシエのお話。姉と兄が絡んでくるところがいかにもBLだなあ。
終盤で比呂也が勝手にこじらせてすれ違っているの、ちゃんと話せばいいもの……と思ってしまった。嫉妬とはいえ態度に出すのよくないよ!
ひたすらにガレット・デ・ロワが食べたくなってしまう作品でした。ああ、あの甘さが恋しいよー!

正史の裏に後宮あり——。国家の安定に不可欠なお世継ぎ輩出の専門機関として、古今東西あらゆる王政の影に必ず存在してきた女だけの(ときには男だけの)世界=後宮。日本の宮中内裏と大奥、トルコのハレムにフランスのヴェルサイユ、中国皇帝の後宮からロシアの女帝が作った男のハレムまで、禁断の花園の内側を人物に沿ってドラマチックに紹介します。寵愛をめぐる際限なきバトルの中で生まれた純愛・悲恋の物語、背徳のエロスに残酷きわまりない事件、そして贅沢こそが生みうる薫り高き宮廷文化まで、「愛」と「政治」と「文化」のスリリングな三角関係があらわとなる歴史の裏舞台をこっそりとご覧ください。(裏表紙より)
日本の大奥、中国の後宮、トルコのハレム、イタリアのローマの色恋、フランスの宮廷、ドイツとオーストリア、そしてロシアの帝位に絡めた、歴史的に有名な女性たちのいろいろなエピソードをまとめたもの。ざっくり入門編で、大奥とフランスの話が多い印象です。
大奥やマリー・アントワットなどの逸話はそれなりに知っているので、それとはちょっと関係のない人や世相のことを読むのが楽しかったな。
大奥入りした踊りの名手の人生、めちゃくちゃすごいな!? この人に焦点を当てた話が読みたい。
フランスの、結婚した後からお手つきになるべく、家族総出で成り上がろうとするのが常識だったっぽい雰囲気。家族が喜ぶって相当すごいと思いました。

かつて『真実の愛』が蔓延した結果、現在では政略結婚が下火傾向。
男爵令嬢であるアンナが仕事と出会いの両立を期待し、王宮侍女となって早二年。
侍女なのに月の大半を掃除仕事ばかりさせられても、あまり気にせずポジティブに掃除技術の研鑽に努める日々を過ごすアンナだったが、アレな掃除が一番の悩みで——。
煌びやかな王侯貴族の世界の裏側を、王宮侍女アンナのひとり語りで赤裸々に綴る宮廷日常譚。(裏表紙より)
「真実の愛」によって結ばれた王族はそんなことを忘れたような雰囲気で、あちこちで「真実の愛」が声高に叫ばれ、婚約破棄だのなんだのと大騒ぎした後の国。華やかな貴族の世界を、王宮侍女(メイド?)から描いたお話。
王宮にいる主人公のアンナが目にするのはあちらこちらの情事の痕跡。それを掃除するのが仕事(本来の仕事とは違うけれど)という、読んでいるこちらもなんだかなあという顔になってしまう節操のなさ。裏方の人たちはきっとこういう気持ちになるんだろうなあ。
短い文が続くところが読みづらいと感じたり、化粧が上手な設定はどこから? そもそも化粧道具が揃えられる経済状況は? とか、最後にメイドじゃないとばれて喧嘩するシーンは、他のおばちゃんたちからも責められているけれどそこまで仲悪かったの? とか、物語の進行に合わせた設定や展開が始まったように感じられて引っかかるところが多かったな。
侍女でなく下働きのメイドの仕事をしながら、まあいいかと上手くやっていたアンナが、最後に元の場所に戻り、なんならその仕事ぶりを見ていた人たちに今後大事にされていきそうな予感を感じさせてこの巻は終わり。ルカリオがいい人のようなので上手くいってほしいなあ。

老老詐欺グループを仕切っていた光代は、メンバーに金を持ち逃げされたうえ、『黙っていてほしければ、一千万円を用意しろ』と書かれた脅迫状を受け取る。要求額を用立てるために危険な橋を渡った帰り道、へらへらした警察官に声をかけられ——。第71回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞した表題作「偽りの春」をはじめ、“落としの狩野”と呼ばれた元刑事の狩野雷太が5人の容疑者と対峙する、心を揺さぶるミステリ短編集。(裏表紙より)
施設に入った祖父の家を片付け始めた尊は奇妙な感覚に襲われる。古い蔵にそれを見出した尊は、やがてそこに少女を監禁する誘惑に取り憑かれ……。「鎖された赤」
老老詐欺グループを仕切る光代は、脅迫状の要求を飲むために金を用立てようとする。じきに春がくるその季節のこと。「偽りの春」
入院した母に親切にしてくれた看護師とほのかに思い合う翔吾。だが前科者の自分にはふさわしくないと、彼女が求める薔薇を盗んで姿を消す。再び罪を犯して償った後、彼が見たのは、その薔薇で名を売った彼女の姿。「名前のない薔薇」
学費のために身を削る美穂は、ピンクサロンで働いていたところを友人の夏希に目撃されてしまう。それをきっかけに裕福な彼女の申し出を受けて同居を始めるが、美穂は常に夏希に支配されているように感じ、限界を迎えつつあった。「見知らぬ親友」
落ち目の女性声優を殺した罪で被疑者となった人気漫画家の高木カギ。かつて大学教授だった父親が教子を殺した過去を持つ高木は、ある目的のためにこの逮捕を企てていた。「サロメの遺言」
嫌な気持ちになったり、そうだったらどんなにいいかという希望のあるラストだったり、警察の問題にちょっと足を突っ込む内容だったり、という連作ミステリ。面白いんだよなあ、これが。
連作だけれど主人公は犯人側で、通して登場する交番のおまわりさんの狩野のことは、ちらちらとしか出てこないけれど、この人がまあいい味を出していること! 過去の出来事も含めてもっとよく知りたいと思わせる人ですね。シリーズの長編作品が出ているので是非読みたい。

唯一女王の服を縫う事が許される“王宮裁縫師”に憧れるレリン。だが展覧会で、作品を酷評されてしまう。実力派の青年裁縫師・ドランが協力を申し出てくれるが、両想いだったはずの騎士・フォルスとすれ違いが…!? フォルスとレリンのある週末を描く、書きおろし電子特典『物語よりずっと幸せなこと』収録。さらにドレス制作の秘話を含む、豪華イラスト特典付き。(Amazonより)
養家に虐げられていたものの、ようやく救い出されて、次なる一歩を踏み出すことになったレリン。王宮裁縫師になると決めたものの、現在その地位にあるマダムから容赦のない「否」を突きつけられて思い悩む。
「その人のためのドレス」を作る職人ものとして読むと、頑張る主人公がいじらしく一生懸命で、それとなく周りが見てくれていたり助けてくれていたりするところが温かい気持ちになれてよかったなあ。なんとかドレスを仕立て上げていくところ、じわっと感動した。
それだけにフォルスはもうちょっとしっかり支えてあげてよ! という気がしないでもなく。裁縫に関してはドランの方が優位なだけに頑張ってほしい!