読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

十二支族を統べるゼインクロウ帝国の王、ヨルハに見染められ、隣国に嫁ぐこととなった伯爵令嬢のユフィリア。
ヨルハからの溺愛を一身に受けながら、結婚式の準備を頑張るユフィリアだったが、ある日たまたま錬金術で発明した『毛がふわふわに伸びる育毛剤』が獣人の中でまさかの大ヒット! 卯の一族の族長から、どうしても譲ってもらいたいと訴えられて!?
一方その頃、ユフィリアの家族たちが帝国に乗り込み、さらに国内のユフィリア反対派の動きも活発になってきて……。
「すごいなぁ、ユフィは。……俺も、頑張らなくちゃね」
今日も絶対強者は獰猛に嘲笑う——!
最強の嫁入りシンデレラストーリー、モフモフもトラブルも盛りだくさんの第二巻!(裏表紙より)
両思いになってさあ結婚式だ! という第二巻。ユフィリアが本当に家族と決着し、ヨルハも反対派を処分するという血生臭さが漂う溺愛ぶりは健在で、次巻の伏線的なものもちらちら見えます。どうあっても破談にならない(ユフィリアの意思がなければ)のは読んでいて安心。
楽しい作品ではあるんですが、世界観を壊す現代語や単語がちょっとなあ……とどうしても思ってしまう。スパダリって……わかりやすくはあるし笑ってほしいと思っての表現だと思うんですが、略していないならともかく略語を使うのはちょっと。そういう表現が多用されていて、さらに今回は誤字も多く、気になる部分が多い一冊でした。
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とにかく、あじフライだ。この下世話さがいいんだなあ——。志ん生が愛した〈酒かけ天丼〉、紀伊から届いた衝撃のシカ肉。赤坂で本場のソルロンタンを想い、パリではキャロット・ラペをしみじみ噛みしめる。古今東西を駆け巡る、美味なるエッセイ78篇が文庫オリジナルで登場! 安西水丸画伯との最後の饗宴です。解説・戌井昭人(裏表紙より)
作ったり、食べに行ったり、誰かの食べる話を聞いたり、という食べ物にまつわるエッセイ。食べ物が好きな人の周りには食べることが好きな人が集まるのかなあと思う。
珍しいなあと思ったのが、パリに行った話があるのにそこで食べたものの話が多くないこと。現地のものがどうこうというより、自分の口に合ったものや長年食べていて舌に馴染んだものをしみじみと思い返す感じなんだろうか。食への興味ってそういうのもあるのかあと思った。
読んでいて作ってみたくなったのが塩豆腐。めちゃくちゃ美味しそう。そろそろ暑くなってきたし作ってみようかな。

妹ばかりが優遇され、家族の愛を知らずに育ったミストルティン王国伯爵令嬢のユフィリア。誰にも頼らず生きていこうと心に決め、独学で錬金術を学びながら、いつしか期待することに疲れてしまっていた。
そんなある夜。隣国ゼイングロウからの賓客、十二支族の獣人を統べる皇帝ヨルハの番探しが開催されていた。そんなこととも知らず一人部屋で休んでいたユフィリアは、傷を負った小さな梟の手当てをする。すると翌日から、梟の獣人——皇帝ヨルハから、猛烈な求婚を受けるようになって……!?
虐げられ令嬢は、獣の王の最愛となる——!
最強の嫁入りシンデレラストーリー、開幕!!(裏表紙より)
両親や兄やわがまま放題の妹にかかりきり、なんなら妹の不始末の原因を押し付けたり、後処理を命じたりされ、家族らしい愛情をかけてもらえなかったユフィリア。美しく生まれついたことで公爵家の三男と幼くして婚約したが飽きっぽい性格のせいで浮気三昧。そんなユフィリアを獣人の国の王が番認定する、というシンデレラストーリー。
同じシーンで視点人物の語りが入り交じったり、コメディシーンなのはわかるけれどこの世界観でその言い回しはないと思える部分が多かったり、その身分でそんな喋り方はしないと思えるところが出てきたり、ノリと勢いで読む作品だなあと思いました。
最終的に妹や婚約者はだいぶ惨たらしい最後を迎えるのですが、それに至るまでにもうちょっと家族は考えを改める機会はなかったのかなあと。ユフィリアの評判が高い、しかも王族にも目をつけられているなら、それを貴族である親が知らなかったり取る足らないものとして扱ったりするのかな。
ヨルハとの溺愛パートは獣人(梟だけど)らしい甲斐甲斐しさでとても楽しかった。残酷なところも含めて異種属恋愛はいいですね。

航空自衛隊航空中央音楽隊でアルトサックスを担当する鳴瀬佳音は、ちょっぴりドジだけど憎めない女性隊員。練習と任務の演奏会に明け暮れる中、数々の不思議に遭遇する。失われた楽譜の謎、楽器のパーツ泥棒、絵葉書に込められた見えないメッセージ……。個性豊かな仲間たちと共に“事件”を解決! クライシス・ノベルの名手が意欲的に描く、爽やかで心温まる物語。(裏表紙より)
航空自衛隊航空中央音楽隊に所属する鳴瀬佳音や他の隊員たちが遭遇する日常の謎と音楽のお話。
基地での生活や、自衛隊の人事などの決まり事など、そこで働いていないとわからない場所での描写が面白いと思いながら読んでました。昇進の話とか、海外の音楽隊との関わりもあるんだなとか。震災の後のことは、巻末にある取材ノートの通りなんだな、とか。
謎解きもラブコメもさらっとしていて、大人数の仲間とわちゃわちゃする感じも楽しく読めてよかったな。

後宮女官を解雇させられた猫猫(マオマオ)は、花街に戻ってきた。しかし、戻るや否や、今度は超美形の宦官壬氏(ジンシ)のお付として、外廷に出仕することになる。
壬氏への嫉妬から他の官女たちにからまれ、倉庫の小火、官僚の食中毒、腕利き職人が残した不変な遺言の調査など奇妙な事故や事件が多発する。
いろいろな事件が重なりあう中、それらはある一つのことに収束することを猫猫は知る。そこにはある人物の思惑があった。
そしてそんな中、壬氏に付きまとう武官羅漢(ラカン)が現れる。変人として有名なこの男は、何かにつけて壬氏に問題を持ってくるようになる。それは、羅漢が古い緑青館の馴染みで猫猫をよく知っていたためであった。
猫猫に対してただならぬ執着を持つ羅漢に対して、猫猫の態度は普段と少し違っていた。いつもの飄々とした雰囲気と違う猫猫を気づかい、羅漢から守ろうとする壬氏であるが――。
羅漢の本当の狙いとは一体?
型破りな薬屋の娘と超美形だがどこか残念な宦官、それに巻き込まれる人々。
薬と毒、宮廷と花街、官と妓女、そして過去と現在が交わる中で、物語は紡がれていく。 (Amaonより)
アニメ視聴済み。猫猫の両親についてわかる第2巻。
猫猫がだいぶドライだからか、アニメでめちゃくちゃ盛り上がった儀式突入のシーンや、羅漢と鳳仙のエピソードは思ったよりさっぱりしている。でもやっぱり面白い!
それにしても猫猫に矢印を向ける人たちはどうしてこうもこじらせているんだろうな。まあわけありだから仕方がないか。

交換条件は、神様の玩具になること。
神様に妹を助けてもらうかわりに、楠木ひなみは異世界へと渡る。その世界で神様のために“ポイント”を集めることがひなみに課せられた役割だった。戦闘が苦手なひなみだが、“薬術師”の適性があった。その力と神様の加護で回復薬を作り、ポイントを集めていく――。「小説家になろう」発大人気異世界ファンタジー。(Amazonより)
異世界の神様に妹の病気を完治させてもらう代わりに、その異なる世界に渡って「神様の玩具」になることを承知したひなみ。神様のおかげで役立つスキルや家や衣服を用意してもらいながら、ポイントを集めていたひなみだが……という、ゲーム要素が強い異世界もの。神様のおかげで無自覚チートな主人公のアトリエゲーという感じなので、児童書っぽい雰囲気でしょうか。
しかし二年間引きこもりはちょっとどうかと。働いて働いて、な現実だっただろうけれどだいぶ社会性が低いような。苦労してる感じがしないので、とにかく可愛いお話でした。これ、結局魔王を倒したり神様を助けたりするのかしら。

「おまえを廃位する。しかるのち、極刑に処す」花婿である皇帝、雪峰から突きつけられた言葉は、幸せな結婚を夢見ていた美鳳の心を容赦なく引き裂いた。稀代の悪女と呼ばれる凶后の姪で、その寵愛を受けていたがゆえに、美鳳は婚礼の夜に起きた政変で断罪された。そして十年の歳月が流れ——新しく皇帝となった天凱は、廃妃となった美鳳が幽閉されている離宮を訪ねる。都で猛威をふるう鬼病を鎮めるため、彼女の身に宿る奇しき力が必要になったからだ。幼き頃、姉弟のように過ごした二人はふたたび邂逅し、美鳳はいまだ怨憎煮えたつ禁城に舞い戻ることになる…。(裏表紙より)
中華風後宮ものかと思って読み始めたら、それ以上に後宮ものだった。政変後の憎しみが未だ燻る真っ只なかに、断罪された当人が舞い戻るなんてどろどろしているどころか常に殺意を向けられているようなもの。しかも美鳳は特殊能力のせいで死ねず見た目は十六歳。稀なる力を操るというファンタジー要素も含め、特殊な用語が散りばめられていて、とても読み応えがあって楽しかった。中華風の描写が本当に巧みで読んでいてうっとりする。
美鳳と天凱は家系図的には叔母と甥の関係になるので、恋愛関係になるのは許されないという設定なので、この巻ではお互いに好意がありつつ上手いこと躱しているんですが、そのうちくっつくんだろうなあ……。そのまま憎まれ口を叩いたりお互いを味方と信じる男女バディであっても美味しいんだけどな……。
真の黒幕は逃亡してしまったので、この巻では事件の解決のみ。時間を止めてしまった美鳳の人生が、彼女自身で選びとったもので始まることを願います。

いまや新定番になりつつある「おにぎらず」のレパートリーがグンと広がるアイデアレシピ集。家庭にある具材だけで、本当においしいおにぎらずが作れます!お弁当やアウトドアランチ、パーティーにぴったりの、子どももパパも大好きなオリジナルおにぎらずをたっぷり収録。レシピは「タネを準備!」「重ねる!」「たたんで切る!」の3ステップのみで構成しているので、類書にないわかりやすさ、簡単さを追求しています。107点掲載。(Amazonより)
紙書籍と電子書籍だとタイトルが違うという。
サンドイッチとかおにぎらずとか、何か挟んだものの断面って面白いよねと思って読んでました。そしてお腹が空きました! だってフルカラー! 美味しそう。
卵入りやお肉入りがいいですねえ。混ぜご飯もよき。久しぶりに何か作りたいなあ。

洋菓子店“パティスリー・ラ・サンテ”のオーナー・比呂也は、パティシエの退社で閉店の危機に直面していた。その窮地に現れたのは、比呂也の理想を実現するに申し分のない腕を持つパティシエ・孚臣。だが彼は、先日、成り行きで肉体関係を持ってしまった相手だった!? 『オンとオフの切替さえすれば』自分の理想のために孚臣の採用を決めた比呂也だったが、『こっちも込みで』と伸ばされた手をなぜか振り払うことができなくて……。天才パティシエ×美麗オーナーのデリシャスラブ。(裏表紙より)
味覚は優れているけれど作ることには向いておらず、自身はオーナーに徹している比呂也。次のパティシエを探さざるを得なくなったところ、偶然出会って一夜をともにした孚臣がやってくる。実は素晴らしい腕前の持ち主だと知って雇用関係を結んだけれど、なんだかんだで肉体関係も含む関係になってしまい。
調理場で致すんじゃない! という気持ちになってしまうのは本当にごめんなさい。
ちょっと素直じゃないところのあるオーナーと、言葉が足りないパティシエのお話。姉と兄が絡んでくるところがいかにもBLだなあ。
終盤で比呂也が勝手にこじらせてすれ違っているの、ちゃんと話せばいいもの……と思ってしまった。嫉妬とはいえ態度に出すのよくないよ!
ひたすらにガレット・デ・ロワが食べたくなってしまう作品でした。ああ、あの甘さが恋しいよー!

正史の裏に後宮あり——。国家の安定に不可欠なお世継ぎ輩出の専門機関として、古今東西あらゆる王政の影に必ず存在してきた女だけの(ときには男だけの)世界=後宮。日本の宮中内裏と大奥、トルコのハレムにフランスのヴェルサイユ、中国皇帝の後宮からロシアの女帝が作った男のハレムまで、禁断の花園の内側を人物に沿ってドラマチックに紹介します。寵愛をめぐる際限なきバトルの中で生まれた純愛・悲恋の物語、背徳のエロスに残酷きわまりない事件、そして贅沢こそが生みうる薫り高き宮廷文化まで、「愛」と「政治」と「文化」のスリリングな三角関係があらわとなる歴史の裏舞台をこっそりとご覧ください。(裏表紙より)
日本の大奥、中国の後宮、トルコのハレム、イタリアのローマの色恋、フランスの宮廷、ドイツとオーストリア、そしてロシアの帝位に絡めた、歴史的に有名な女性たちのいろいろなエピソードをまとめたもの。ざっくり入門編で、大奥とフランスの話が多い印象です。
大奥やマリー・アントワットなどの逸話はそれなりに知っているので、それとはちょっと関係のない人や世相のことを読むのが楽しかったな。
大奥入りした踊りの名手の人生、めちゃくちゃすごいな!? この人に焦点を当てた話が読みたい。
フランスの、結婚した後からお手つきになるべく、家族総出で成り上がろうとするのが常識だったっぽい雰囲気。家族が喜ぶって相当すごいと思いました。