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ジヴェルニーの食卓 (集英社文庫)
ジヴェルニーに移り住み、青空の下で庭の風景を描き続けたクロード・モネ。その傍には義理の娘、ブランシュがいた。身を持ち崩したパトロン一家を引き取り、制作を続けた彼の目には何が映っていたのか。(「ジヴェルニーの食卓」)新しい美を求め、時代を切り拓いた芸術家の人生が色鮮やかに蘇る。マティス、ピカソ、ドガ、セザンヌら印象派たちの、葛藤と作品への真摯な姿を描いた四つの物語。(裏表紙より)

「うつくしい墓」「エトワール」「タンギー爺さん」「ジヴェルニーの食卓」の四つの短編が収録されています。画家のギスギスした話かと思っていたんですが、どれも画家本人ではなく別の人物の視点から描いたもので、柔らかい光を感じるものもあれば、影が残る話も、寂しいような気がすることもありました。
表題作の「ジヴェルニーの食卓」が一番好きかなあ。食卓が象徴するもの、家族、平穏といったものがじわじわと感じられて。絵画や彫刻など芸術作品を愛することはもちろん、語り手であるブランシュはモネその人と彼のつくる空間を愛しているのが伝わってくる。そして料理をする自分はその一部であることを感じているのではないかなあ、とか。
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