読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
夏が終わり、秋。学校は学園祭のシーズンを迎え、やがて新太や日代たちは自分たちの進路を決める時期がやってくる。リライフ被験者の新太は卒業とともに大人に戻り、友人たちの記憶から消えることが決まっていた。そしてもう一人の被験者もまた、新太がそうであると推測しつつも、実験の取り決めで事情を話せずにいた……。
完結編。リライフ実験の結果、大人たちは生きる希望を取り戻すことができるのか。
もうめちゃくちゃ面白かった。大人がもう一度学生をやる楽しさ、そして変わらない青春の楽しさが眩しくて眩しくて。新太にはみんながいてよかったけれど、みんなにも、社会人になって心が折れた経験から後悔しないようアドバイスできる彼の存在があってよかったと思う。色々なものを取り戻せたのは新太だけじゃなく、夜明や小野屋も、この実験に関われて本当によかった。よかった……。
そして助けられた新太がその経験を隠さず、次にその希望を差し伸べるの、ベタだけととてもよかった。日代さんと幸せになれよ!
PR
2012年7月。中学一年生の未来は、弟の悠貴を連れてお台場に来ていた。両親は仕事で忙しくすれ違っていがみあい、弟は空気を読んで仲を取り持とうとするいい子で、未来自身は何かとイライラしている。弟のお守りなんてまっぴらだ、そんな風に思っていたところ、地震が起き、東京は壊滅状態となる。はぐれた弟を探すのを手伝ってくれたバイク便のライダー、日下部真理に助けられ、未来と悠貴は大震災に見舞われた東京で自宅に帰ろうとするが……。
震災をテーマにした作品。もし大震災が起こったら、と見た人に考えてほしいんだろうな、という内容で、見ていて辛くもありましたが、学ばなくてはならないんだなと気持ちを引き締めたりなどして。こんな風に日常が崩壊するんだろうな……。
危機的状況下の人間の身勝手さ、不親切さは仕方がないと思いつつもやっぱりきつい。こんな子どもに、と思うし、思いやりのなさがひどい状況を現していて苦しい。そしてそんな状況でも未来と悠貴を助け、一緒に帰ろうとしてくれた真理さんの懐の深さ。だいぶと拗ねていた未来を放っておかず、見守りながら成長を促してくれたから、未来は成長してちゃんと帰ることができたんだよな。
姉弟の絆が深まっていくのが話を進めるごとに感じられていただけに、その展開は嘘だろ……となりました。いやでも、絶対こういう状況になる人がいるんだよな。後から大事になるんだって、大丈夫だって思っちゃだめなんだよ。
学びを感じる作品だった。
夏のある日、二人の少年がリサの通う学校に転校してきた。同じ頃、二人の若者が犯行声明を出していた通りに都庁が爆破テロに遭う。偶然居合わせたリサは、その犯人たちの手を取ることに決めた。九重新と久見冬二、彼らに関わることで世界が変わることを期待して。
めちゃくちゃ好みの作品でした。実験体だった二人の天才少年による復習。隠された国家の陰謀。彼らを追うはぐれ者の刑事。そしてそんな事件に巻き込まれることになった鬱屈した少女。この組み合わせで悲しく切ない結末に至るのは予想できるわけで。一夏の冒険的な始まりもまた別れを予期させて、とても良い。少年少女の犯罪が絡む物語に特有の連帯感っていいよなあ。
大人が追い詰めてくる感、そしてはぐれ者の刑事が一番彼らを理解しようとして周囲と反発を起こし、というのも切ない。柴崎とリサの最後の会話が、なんだかじわっときました。
とある事情で会社を三ヶ月で退職し、仕事を探しながらアルバイトで食いつなぐ海崎新太は、ある日突然リライフ研究所の職員を名乗る夜明了に、リライフ検証実験の被験者にならないかと持ちかけられる。薬を服用した新太は高校生に戻り、真実を隠したまま二度目の高校生活をスタートさせる。しかし身体能力は本来の年齢のまま、失敗が続くが、やがて多くのクラスメートと交流を持つようになり……。
あんまり期待せずにぼーっと見ていたら、予想外に面白くて前のめり。なんだなんだなんだ、この甘酸っぱくてちょっとほろ苦い青春の物語は! もう一度青春して、失われたものや傷ついた心を癒す物語、最高じゃないか!
本当は27歳の新太は実際はちゃんと人生経験もあり後悔もあり、という大人で、本当の高校生たちに大切なものを大切にするよう、後悔することのない日々を送れるよう、心の底で思っているんだろうな。言動の端々やアドバイスから人柄の良さが滲み出ている。そして素直な高校生たちは一生懸命に友人や部活や恋を大事にする。
研究員で同じく高校生をやっている夜明と小野屋もそんな彼ら彼女らの様子を見て、社会人として生きていく上で疲弊した心や後悔を少しずつ癒されていくのがいいなあ。海崎さんでよかった、と頻繁に言うようになる後半の展開、新太に期待をかけすぎな気もするけれどなんかちょっと泣けてしまった。
『ジョジョの奇妙な冒険』Part4「ダイヤモンドは砕けない」に登場する漫画家、岸辺露伴。作品作りのために遭遇した奇妙な出来事や恐怖体験を語るスピンオフ作品。
スピンオフ短編をアニメ化した作品。これ面白いなあ! ありえない能力者たちが存在するジョジョの世界ですが、それとはまた方向性がちょっと違って、本当にあった怖い話的なものについての話になっている。岸辺露伴も危ない目にあうのですが、スタンドでなんとか切り抜けるというジョジョらしさも残っていて面白い。ジョジョという独特の世界とホラーの組み合わせは成功するんだなあと興味深かった。
お話としては、気持ち悪さも残っているのがよかったなあ。「六壁坂」なんかはうげっとなるところがありましたが、人ならざるものってこうやって増えていくんだろうなあと思ったり。
成績によってクラスを振り分けられる文月学園。今日もFクラスの面々は元気に馬鹿をやって学校生活を楽しんでいる。けれどそれぞれに秘められた過去が明らかになったり、明久をめぐる瑞希と美波の思いが激突したりとそう楽しいだけではなくて。
第二期。相変わらずラブコメしつつも、雄二と翔子の思いを描いたり、明久と瑞希と美波が青春ラブコメしたりと真剣かつ賑やかな話も含められていて、第1期とはまた違って楽しかった。
見ているうちに明久の好感度が爆上がり。ただのバカではなくて、守りたいもの、大事にしたいものに対して真剣になれるし、一生懸命な子なんだなーというエピソードが多くて。さすが主人公。女子を守ることに関してはやっぱりちゃんとしてるんだなあ。
お姫様扱いされる姫路さんと、友人みたいに気安く接する美波というヒロインの違いや、彼女たち自身がそんな扱いに悩むところがとてもラブコメだし、青春していて微笑ましく見守っていました。
試験召喚システムを採用する文月学園高等部。そこは振り分け試験の結果で学力順にクラス分けされる超実力社会的な学校。吉井明久属する最下位のFクラスに、学園トップクラスの成績であるはずの姫路瑞希がやってきた。なんでも試験中に途中退席したせいで零点扱いされたようで……。
原作は一巻を読了済。学校の成績は最底辺だけれど、明るく心優しく元気な高校生たちが大人たちの思惑を叩き潰すように全力で日々を楽しむ学園ラブコメ。コメディの部分が強烈で突っ込みどころがない回が一つもないという。
少年向けライトノベルのあからさまなお色気や下ネタや、胸や裸の描写の強さがあまり好きではないのですが、この作品くらい突き抜けてオープンだと馬鹿な子を眺めるような生温かい気持ちになるから不思議。いや実際バカなんだけれど(いい意味で)。
「試験の成績がすべてじゃない」ということを全力で教えてくれる作品だなあと思いながら、第二期も見ます。
高度な科学力を有する帝国。魔女の国と呼ばれる能力者の国ネビュリス皇庁。長く戦い続ける二国にそれぞれ所属する少年兵イスカと王女アリスは出会った。中立都市での交流を経て、お互いを好敵手とみなしながら、自分自身が望む世界平和のために行動していく。
原作は一巻を読了済。「ロミオとジュリエット」的な境遇の二人ですが、イスカは強さと優しさを備えた素直な少年、アリスは王女ながら感情豊かで情にもろい少女。二人と周囲の濃いキャラクターの関係性と、世界観と、各国が隠す建国あるいは世界の秘密が魅力的なファンタジーですね。原作が未完結なのでアニメも途中まで。
やっぱり一巻に当たるエピソードが絶妙に楽しい。反目し合う国に生まれついた二人が、中立都市で、友人未満ながらもデートのようなものを楽しみ、お互いを知って認め合い、ついには共闘する。なんて素晴らしい展開なのか。
第三次世界大戦により変化した世界で、武力による戦争は根絶された。代わりに戦う方法は、精神に干渉する特殊なマイクによって紡ぎ出されるリリックによるもの。かくして人々はラップを用いて領土を奪い合う時代が始まった。
ヒプマイの名称でめちゃくちゃ広まっていたと記憶している作品、この度初めて視聴しました。
画面がおしゃれだな! ディビジョンバトルのときに文字の演出が出るのがとてもいいし、普段の画面も色彩が鮮やかで賑やかで、見ていて楽しい。そして声優さんたちが思っていた以上にラップが上手い笑
そしてヒプアニの公式に「はじめてのヒプノシスマイク」のページがあるのがとっても親切。これでラップに興味が出た人たちがどんどん色々なものに発展してくれたらいいなーと思いました。
彩雲国。紅家の娘の紅秀麗は、貧乏な家のために報酬目的で後宮入りし、王の教育係となる。彼女の本当の夢は官吏となってこの国を支えることだったが、女の身では叶わない。だからせめてという思いもあった。この出会いをきっかけにぼんくら王を演じていた紫劉輝は政に関わるようになり、秀麗の夢はやがて実現へ向けて動き始める。
角川ビーンズ文庫の『彩雲国物語』シリーズのアニメ化。原作は二巻まで読んだはず。
思っていたよりアニメが長く、見終わるまで長期戦だなあと思っているところです。
秀麗が着実に役人として出世していくところが堅実で面白い。茶州での事件が大きく心を揺さぶってくるのが、実に少女小説……。朔洵はなんてずるいやつなんだろう! とハンカチを揉んでしまった。
第1シリーズ終盤では劉輝の顔つきがすっかり変わって大人に、そして王になっていて、嬉しいと同時にちょっと寂しい。でも秀麗はどんどん成長しているし、劉輝も力をつけて二人で並び立ってほしいな!