読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
2017年、フリーターの花垣武道は中学時代の彼女だった日向が犯罪者集団・東京卍會の抗争に巻き込まれて亡くなったことを知る。帰宅時の駅で何者かに突き飛ばされた武道だったが、目覚めると何故か中学生だった頃にタイムリープしていた。いくつかの出来事を経て、タイムリープのきっかけを知った武道は日向を救うべく、東京卍會と深く関わることで未来の改変を目指すが……。
ここまで無茶苦茶な中学生いる??? みたいな感想を抱きつつ、地元で一番の不良集団で、総長を始め幹部たちに気に入られながら成り上がりを目指す、といういろいろな憧れや夢が詰まった作品だなあと思いました。
めちゃくちゃで無茶苦茶な登場人物ばかりなんですが話が進むうちに愛着が湧いていくのが面白い。マイキーを始め、ドラケン君たち、主要人物たちのクソデカ感情によって引き起こされる諸々の抗争がなんというか、重い。愛が重すぎる。
まだだいぶと武道がふわふわしている感じなのでここからさらに成長していくところが見たいなあ。続きも楽しみ。
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佑河樹里の家族は色々と問題がある。無職の父、ニートの兄、シングルマザーの妹と母と隠居した祖父は幼い樹里の甥だけがまともに育てばいいと諦めモード。樹里自身も就職活動が上手くいかず行き詰まっている。だがある日甥とそれを迎えに行った兄が誘拐される。身代金を要求されるも受け渡しの時間には間に合わない。甥と兄の命が危ぶまれたそのとき、祖父は不思議な力を用いて時間が止まった世界『止界』に樹里たちを連れていくが……。
時間が止まった世界がそう簡単なものではないし、維持するにはルールがあって、そこに入った人間の行動がどんな風に世界に影響を及ぼすか、複雑な設定を敷いた部分が面白い作品。その分、止界術を狙う宗教団体との戦いが人間くさいのと面倒臭いのがただではいかなくて、終始不気味な雰囲気が独特。
最後の樹里と赤ん坊の暮らしは、だんだん追い詰められている感が増してきてどうなるかずっとはらはらしていたんですが、最初の謎の女性のシーンがここで繋がるの!? というのが面白かった。ちゃんと帰還できてよかった本当に。
ソロキャンプ好きの女子高生・志摩リンはある日うっかり遭難しかけた同じ高校の生徒・各務原なでしこを助けた。野外活動サークルに所属するようになったなでしこは仲間たちとともにキャンプの魅力に目覚めていく。お互いの楽しみ方でキャンプをする彼女たちのお話。
広い場所での感染症対策ありきで緩くアウトドアを楽しむのが流行っていることもあって、楽しく見ました。
それぞれのスタンスを守りつつ、キャンプという趣味をそれぞれ楽しむのが見ていて心地いい。キャンプは大勢でするのもソロでやるのもそれぞれ違った楽しみ方があるよねえ。ちょっとした風景がいつもと違って見えたり、ごはんがいつもと違う味がしたり、みんなで集まるだけでも特別感があったり。
平穏ならざるその時代。醍醐の国を治める醍醐景光は国を守るため、十二体の鬼神へ我が子を対価に力を求めた。そうして生まれてきた子は両手足や目すら失っており、化物と忌まれて川に流される。それを拾った医師により義手と義足を与えられて育った子どもは、鬼神に奪われた己の身体を取り戻す戦いの旅に出ていた。
実写映画を視聴済み。アニメ、めちゃくちゃよくってすごく大事に見てしまった。
キャラクターデザインが好き。色っぽくて美しい。オープニングは一期二綺ともに主題歌含めて何度かに一度飛ばせなくなってしまう良さだった。
どろろのエピソードをあまりよく知らなかったので、それを踏まえた二人の関係性の緩やかな変化がもうときめき。最終話の成長したどろろ、すごく可愛かった。これはもう結婚するしかないな。
母親や愛情を巡る物語が切なくて、百鬼丸はもちろん多宝丸があまりにも不憫だった。しかし鬼神に頼らねば他の国と同じようにあやかしだの悪党だのに頼らざるを得なかったのかな……と思うと醍醐景光を責めることもできない。
思いがけずとてもとても面白かった。リアルタイムで見ていたら悶えていただろうなあ。
人が巨大な虫と化す奇病「カガステル」による世界のあり方が変わって三十年。駆除屋のキドウはある日虫に襲われた男から彼の娘イリを母親の元へ連れて行くよう託される。父の死によって心を閉ざしていたイリだったがキドウとの出会いやガーデンマリオでの暮らしに癒され、多くの大切なものができる。だがイリの存在はカガステルと密接に結びついたもので……。
原作は未読。お名前だけは存じ上げておりました。
カガステルによる一気に混沌と化した過酷な世界で、腕利きでぶっきらぼうながら情に厚い駆除屋の青年と、秘密を抱えた天真爛漫な少女の恋も絡めたSFもの。
いやあ、とってもいいですね。こういう、すべての始まりと終わりが一人の少女にかかっているっていう。親世代の悲しみと愛おしさもいい。その精算を娘と、彼女が愛する男が果たすんですよ。うん、とてもいい、すごくいい。
弱くて守られていて甘っちょろいイリが、最終話で見せる気高さがな! 最高だな! そんな彼女に魅了されてしまったキドウの台詞が甘くて随所で笑っちゃった。まじ惚れてんだなあ。
異形との戦闘ものと思いきや一人の少女とそれを見守る青年の成長物語でもあり、とても楽しく見ました。
グランドオーダーを達成し、人類存続を守り抜いた人理継続保障機関カルデア。最後のマスター・藤丸立香やスタッフたちは再び当たり前の日々を生きることを許されたが……やがて訪れる新たなオーダーを前に、カルデアに密かに存在するロストルームには失われた光景があった。
オルガマリー所長絡みの話で、見ていてうわ……という気持ちに。ここでオルガマリーの話をするの、第二部の展開をちゃんと考えられていた感じですごくうっとなった。喋っている内容も不穏な印象が拭えない。しかもマリスビリーがすでに「クリプター」の呼称を用いていたとかさあ!ロマニが映らないことを考えるとこの部屋にいるのは人類史から外れる可能性のある人たちなのかとか思っちゃう。
あまり心穏やかに見ることはできませんでしたが、最後の最後にマシュが藤丸に手紙を書きたいから住所をと言っているのがめちゃくちゃ和みました。すべてが終わったらいつか会えるかな……会えたらいいな……。
「大家さんと僕」
芸人の矢部太郎こと「僕」は無茶苦茶なロケのせいもあって自宅の賃貸の更新ができず、新しい部屋を探すことに。そうして決まったのは一階に高齢の大家さんが住んでいる物件。この大家さんは独特なペースのと不思議な魅力の持ち主で、僕はすっかり大家さんと暮らしているような感じになっていき……。
テレビも見ず、まったく世間擦れしない感じで、おっとりと温厚な高齢女性である大家さん。その言動が周りにいないタイプもあって、気を使ってしまう矢部さんは曖昧に笑ったりなどして大家さんを傷つけないようはっきり言ったり否定したりはしないのがまた勘違いや認識のずれを生むんだけれど、こういうのあるあるだよねえというおかしみと、異なる年齢と性別の二人の人生が少しの間交差した日々の面白みが、とてもいい感じ。お互い相手のことを根掘り葉掘り聞かない、距離感がどこまでも大家さんと店子なのがいいなと思います。
芸人の矢部太郎こと「僕」は無茶苦茶なロケのせいもあって自宅の賃貸の更新ができず、新しい部屋を探すことに。そうして決まったのは一階に高齢の大家さんが住んでいる物件。この大家さんは独特なペースのと不思議な魅力の持ち主で、僕はすっかり大家さんと暮らしているような感じになっていき……。
テレビも見ず、まったく世間擦れしない感じで、おっとりと温厚な高齢女性である大家さん。その言動が周りにいないタイプもあって、気を使ってしまう矢部さんは曖昧に笑ったりなどして大家さんを傷つけないようはっきり言ったり否定したりはしないのがまた勘違いや認識のずれを生むんだけれど、こういうのあるあるだよねえというおかしみと、異なる年齢と性別の二人の人生が少しの間交差した日々の面白みが、とてもいい感じ。お互い相手のことを根掘り葉掘り聞かない、距離感がどこまでも大家さんと店子なのがいいなと思います。
おっとりした気弱な女子高生の坂口亜梨子はお隣の小学生の小林輪に毎日のように揶揄われて泣く毎日。ある日同級生の小椋迅八と錦織一成が親密にしている現場を目撃したが、話を聞いてみると二人は同じ夢を見るのだという。それはやがて遠い前世と今世に至る事件と、未来へと繋がっていき……
原作既読。このOVAは原作の最後まで描いていないものの、やっぱりこの話はすごく綿密な人間関係を描いて構築されているんだなあと感じました。歌がキーワードなので、エンディングがすごく幻想的でいいんですよねえ。
改めて見ると、木蓮=亜梨子が地球に愛されているのがすごくよくわかって涙が出る、と同時に遺言なり思い出なり紫苑へのあれそれがもう本当に、ひどい女だなあと。そこまで愛されていて自ら死なないでって、遠い未来で会うためとはいえ本当にひどい遺言だ。
そしてこの年齢になるとラズロとキャーのエピソードに泣くんですよ。ラズロの気持ちがすごく身近に感じられて。不幸しか知らない、当たり前に持つべきものを持たず、けれど優秀でどこまでも哀れな子どもに、幸せになるための術を教えてやりたいと思ったんだよなあと号泣。幸せにするんじゃなくて、その方法を学んで生きていってほしかった、それだけなんだよ……。そして紫苑も、ラズロとキャーのもとでならそうなれるかもと思った矢先に……。
久しく触れていなかったのですが久しぶりに読み返したくなりました。
ジャンヌ・ダルクの生まれ変わりである日下部まろんは、聖天使を目指すフィンとともに美しいものに取り付く悪魔を封じる怪盗をしている。突然現れたシンドバッドを名乗る怪盗はそれを邪魔する好敵手でもあった。しかし普段は新体操の得意な普通の高校生で、幼馴染で刑事の娘の都と、ある日引っ越してきたプレイボーイの稚空と騒がしい毎日を送っている。使命と恋、そして天界の秘密に巻き込まれていくまろんは、自らの心と向き合い……。
原作は既読。アニメも、本放送時見られるときには見ていた覚えがあります(一期オープニングを普通に覚えていて自分の記憶力にびっくり)。
途中から月刊連載の原作が追いつかなくなったからかオリジナル展開。しかしアニメを見ていると、すれ違いの多さや登場人物の鈍さ、距離感に「いやちょっと気付け!?」みたいなところが多くて笑ってしまった。原作はもうちょっと大人向けだったからなあ。
アニメの何がときめいたかって、ジャンヌ・ダルクの髪の色でした……なんで? って自分でも思いました。この作品のイメージがくるくる金髪の怪盗ジャンヌのイメージが強かったので、短い銀髪がすごく、すごく素敵だったんですよね!
暴力団・出雲会の年少組をまとめていた久保田は謎のドラッグ「W・A」に関連する事件で仲間を亡くしたことをきっかけに足を洗い、自由気ままに暮らしていた。「W・A」絡みの記憶喪失の青年・時任を拾い、共同生活を送るようになったが、未だ出雲会に存在感を示してしまう久保田と時任は事件に巻き込まれ……。
峰倉先生の作品は『最遊記』からだったので、他の作品は画集などで眺めてどんな話なんだろうと想像していたんですが、いまになってOVAを見る機会に恵まれるという。
久保田と時任の関係性が、相棒感がありつつも切っても切れないというか依存というか、相手がいないとだめという同性を描いた作品ならではのあれそれでとてもいい。その他の登場人物も主人公サイドに執着している感じ、事件が起こらない方がおかしくてよき。
そしてこのOVA、かなり峰倉先生の作画に近い印象で興味深かったです。服の皺とか、男性の骨っぽい感じ、本当に色っぽい。