読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
善、そして悪とは何か? 東京地検特捜部の検事・正崎は、ある事件を追う中で重要人物である曲世愛と出会う。同時期、東京には新域と呼ばれる独立自治体が成立し、『自殺法』なる自殺を認める法律が制定されようとしていた。日本のみならず世界中が善悪と自殺について意見を戦わせるようになるが、それを止めようとする者たちには数々の悲劇と策略が待ち受けていた。
答えの出ない問いに答えを出そうとする、その途方もなさ。それを利用した曲世愛という女の残虐な罠に次々に陥れられていく主人公たち。正義はどちらか、なんてどうしても言えなくなってしまうのがこの作品だな……と思いました。辛い。
しかし残酷で狂気的な曲世の行為に、ぎゃーっとなって、呼吸が苦しくなって、憎しみが募って、なんとかしたいなんとかしてほしいってはらはら続きを見ちゃうんだよなあ……。
それだけに最後はやるせない。死が悪いことなら、それを与えた自分は悪だし、悪だから死ぬしかなかった、ってことなのかな……。死ねるのは正義であったから、という悪魔みたいな証明だ。きつい。でも面白かった。
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