読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
大学卒業後、フリーターとなってコンビニで働くリクオ。ある日客としてやってきた少女ハルにアプローチされるも、同じ時期に大学の同級生で好意を抱いていた榀子が近所の高校の教師として現れる。二人の間で揺れるリクオ。一方で榀子も、かつて好きだった幼馴染への思いと、その弟からの思いで揺れていた。
大人と若者の群像劇。リクオの気持ちが揺れる感じが「うわー……」と思ってきつかったんですが、見続けていると榀子も「うわー……」と思いました。大人って、めんどくさい……。最終的にこの物語の主人公は榀子だったのかな。
全員が片思い。矢印が向き合ったと思ったら微妙にずれていたり、誰かに見られてぶれぶれになったり。リアルなんだけど、実際に見ているとめんどくさいことこの上ないですね。恋愛ってそういうものなのかなあ。傷つきたくない気持ちがそうさせるのか。失敗して傷ついた方がさっぱりすると思うんだけどな。
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記憶を失った少女レイチェルは、何故自分がそこにいるのかわからなかった。ビルと思しき建物の地下で、地上を目指すうち、鎌を持った殺人鬼ザックに出会う。私を殺して、という願いを、ザックは自分を手助けし、地上に出られたらと答える。いびつな形で始まった二人の関係は、やがて互いをかけがえのないものとしていく。
本放送時は録画に失敗して途中脱落したので、この度再視聴。ゲームは未プレイですが、実況動画で内容は見ています。
殺されたいレイチェルと、殺したいザック。感情が薄く、賢く、冷静なレイチェルが、おおむね怒っていて、短略的で、激しやすいザックとコンビを組み、謎解きをしつつ立ちふさがる看守たちの妨害をくぐり抜ける。
看守たちのやり口のえげつなさと狂いっぷりも面白いんですが、上へ進むにつれて深まっていく二人の絆と、それが愛やいつくしみであると知らない二人が不器用ながらそれを互いに見出していく関係性、めっちゃくちゃ好きです。終盤なんてもう胸が痛いし、どうして一緒にいられないのという。最初の日を思い出す月夜に、ザックがレイチェルを迎えに来てくれるとシーンを万感の思いで見守りました。
月海原学園に通う岸浪ハクノは、ぼんやりと流されるような日々を過ごす中で「この月のすべてが憎い」という憎悪に襲われることがままあった。平穏な日常が終わりを告げたとき、彼に前に剣を手にし赤いドレスを身にまとった少女が現れ、告げる。「答えよ。汝が余の奏者(マスター)か?」かくして、月における聖杯戦争の幕が上がる。
EXTRAは未プレイなのであんまり知識がなかったのですが、おお、FGOに登場するサーヴァントの出典はここなんかな? という驚きがあり、楽しかったです。EDの変化がとってもとってもよかったです。変化するOPやEDが好きなもので。
無気力でいて、心の奥に闇や狂ったものを抱えている主人公が、どこまでもまっすぐながら寄り添おうとしてくれるサーヴァントと心を通わせ、戦っていく展開は、王道だからこそやっぱりよき。設定や関係性がFateならではという感じがします。何が一番よかったかというと、ハクノとセイバーの最後な。ハクノの選択が実に「主人公」で胸熱でした。
20世紀末。ヘルシング卿インテグラが率いる「ヘルシング機関」に、吸血鬼でありながら吸血鬼を狩るアーカードと、彼によって吸血鬼にされた府警セラスがいた。ヘルシング機関と敵対する、ヴァチカン及びその直属「イスカリオテ機関」や、ナチス残党による組織「ミレニアム」との戦いの先にあるものとは。
2006年のOVA版。原作にほぼ忠実。なので後半は怒涛の戦闘シーン。ぐちゃぐちゃです。
だからちょっと甘くて切ないシーンがあると、きゅん……とするんですよね。インテグラ、好きだわー。女傑の行く末が見届けられて大変満足。
原作絵に似せてあるので画面がとても派手でごっつくていい。これ、大画面で見たらめっちゃ楽しいだろうなあ。あと声優さんが豪華なので大変耳が幸せでした。
かつて神童と呼ばれた天才ピアノ少年の有馬公生は、母の死をきっかけにピアノの音が聞こえなくなり、その世界から遠ざかっていた。中学生になった公生は、親友の澤部椿に、同じく親友の渡亮太を交えて宮園かをりを紹介される。破天荒な言動とヴァイオリンを弾くかをりに惹かれていく公生だが、紹介された当初からかをりは渡のことが好きなのだと聞いていて……。
才能を持ちながらすべてを失っていた少年と、鮮やかに世界を彩る少女の、出会いと別れの物語。
かをりの言動やキャラクターがすごくいいんですけれど、それだけに中盤以降の展開とラストはなんだかやるせなかったなあ。
音楽ものというよりかは青春ものとしてのお話になっていて、一番目立っていたのは椿なんじゃないかと思いました。彼女の葛藤は、多分たくさんの人が共感するところだと思うんですよね。最後のかをりの手紙の内容を知ると余計にそう思う。というか、宮園さん、あなた結構したたかね……笑
ここぞという画面と色彩が素晴らしく綺麗で、最後のピアノコンクールは美しすぎて泣けました。
詐欺師の枝村真人は外国人観光客から金を盗むつもりが、逆に自分が騙されていることに気付く。獲物にした観光客はローランと言い、真人を信用詐欺師集団コンフィデンスマンとして利用するつもりだった。こうして真人は巻き込まれる形で彼らに協力することになり……。
「コンフィデンスマンJP」というドラマがあったけれど、信用詐欺師って流行ってるのかなと思ったら、同じ脚本家の方がアニメもドラマも書いていたんですね。アニメはアニメで、ド派手な詐欺が大変楽しい。また映像やデザインがかっこいいんだ。
コンフィデンスマンたちをそれぞれ主役にする形のエピソードが四つ。全世界を股にかけるとはまさにこのことで、ロサンゼルス、シンガポール、ロンドン、そして日本と中国を舞台に、FBIに成りすましたり、王女になってみたり、ハリボテのビルを建ててみたりとすごい。
四つ目のエピソードは、真人の葛藤と成長、仲間たちの絆を感じさせてよかったなあ。ローランや初期メンバーの悲しい過去や、獲物である朱雀から信頼を受ける痛快さと切なさ、そして仲間同士で騙し合いのようになりつつも大団円(?)に向かっていって、とても楽しかった。
警視庁の現代犯罪対策本部準備室の警部補・加藤春は、部下の神戸大助の指導に当たることになった。だが神戸は大富豪、捜査でもなんでも金の力で物を言わせるため、警官という仕事に誇りを持っている加藤とそりが合わない。だが仕事をしていくうちにお互いを知るようになって変化が……。
筒井康隆『富豪刑事』を原案に、舞台を現代に、大富豪要素にIT技術等を投入して、今風に仕上げた刑事もの。
いろんな要素がおしゃれで、最初は噛み合わないコンビがお互いを知るようになって絆を深める展開に、個性豊かなサブキャラクターや事件、そして神戸に隠された薄暗い過去、というお約束要素込み込みで、面白かったです。お金の力でなんでもできるけれど人との絆がものを言うところがあるのは、やっぱり好き。
メイン級の登場人物が皆さんとってもいい声なのもよかったなあ。OPもEDもおしゃれだった。
この世ならざる者たち「アナザー」に対処する公務員「夜間地域交流課」に配属された宮古新。当初は妖怪だの精霊だの神だのの存在に戸惑ったものの、何故か聞こえるはずのない「アナザー」たちの声が聞こえる能力を備えていたことで、彼らと人間との共生に奔走することになり……。
現代ファンタジー、お仕事、あやかしというのがキーワードでしょうか。主人公の新の性格も含めてすごくライト文芸っぽい話だなと思ったら、原作は漫画なんですね。
この世ならざるアナザーたちは独自の理屈で行動し、特に絶対に交渉するなと言明されるほど、望みを叶えるのはたやすくない。対処に当たる夜間地域交流課の面々は攻撃的な手段を取らざるを得ず、アナザーに対する忌避感や差別意識はかなり強い。そんな中、主人公がアナザーたちの声を聞く「砂の耳」という能力を持っているために、彼らと言葉を交わし合い、事件を解決に導く。正義感が強く心優しい新は、危険であると承知しながらも、生来の善性でアナザーたちと話し合いを行い、危ない橋を渡りまくる。色々とすごく王道です。
しかしあやかしだけでなく別の国の神様が絡んできたりするのが面白いな。ものすごく知識がないと夜間地域交流課での仕事は大変そうだなあ。
「世界が危機に曝されています」謎のメッセージとともに謎めいたアプリ「Ingress」をインストールされた捜査員の翠川誠は、その指示を受け、研究所爆発事故の生き残りの少女サラを救出しようとする。だがサラは拉致され、彼女を追っていた手練れの男ジャックと手を組み、動き出す。いま世界に危機が訪れようとしていた。
スマホゲーム「Ingress」を題材にしたSFアニメ。ゲームは利用したことがありませんが、ゲームだけでここまでストーリーが作れるんだなあ、と興味深く見てました。
巻き込まれ、でもかなり強力な力を持つ主人公と、めちゃくちゃ強い協力者の男。彼らが追う、事件の鍵を握る少女。ある企みを持つ敵。全11話のアニメなんですけれど、設定やストーリー展開がすごくハリウッド映画っぽい。特にジャックの謎が明かされるところ、王道展開でめちゃくちゃ興奮した(シリアスなシーンなので興奮というとあれなんですけど)。
妖の先祖返りたちが集まるマンションで暮らし始めた白鬼院凛々蝶は、引っ越した日にシークレットサービスの青年、御狐神双熾と出会う。気味が悪いくらいに傅く双熾に戸惑いつつも、なかなか本音を言えず悪態をついてしまう凛々蝶は、彼やマンションの住人たちとの交流を経て、少しずつ変わっていく。
原作は読了済。原作の本領が発揮される前の第一章までをアニメ化。
とても微笑ましいやりとりが繰り広げられつつ、孤独な凛々蝶が少しずつ変わっていくところがとてもいい。
双熾については、原作を読んだせいもあってこの言動に慣れちゃったのか「あらあら……」という気持ちで見守ってしまっていました。だってずっとずっと好きだったんだもんねえ。
ちょっと寂しい部分も描きつつ、ほのぼのしたやりとりに心が癒されました。