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オスカー女優グレース・ケリーとモナコのプリンスの世紀の結婚。だがその後の生活は波乱に満ちたものだった。はっきりと自分の考えを述べるグレースは宮廷人から眉をひそめられ、大人しくしろという夫とも喧嘩が絶えない。そんな折、フランスとの関係が悪化。諸外国を巻き込み窮地に立たされていくモナコ。家族を守るべく、グレースは公妃になっていく。
実在の人間を神聖視するのはいかがなものかとは思うんですが、おそらくかなり美化されたり実在の人物とは大きくかけ離れた描かれ方をしている人もあるんでしょうが、生涯一の難役に挑んだプリンセスという文句に釣られてしまった。
アメリカの一女優が、一つの国の高貴な家に嫁ぐ。それはもう波乱に満ちているのだろう、きっと肌に合わないと思ったり反発を受けたりするんだろう、と想像できるそのままが描かれていて、フィクションだとはわかっているのですがそこからどう自身と向き合い、そして国と向き合うかを決めていくグレースがとても興味深かったです。声を荒げたり悲嘆にくれて涙したり、親の理解を得られないと感じたり、子どもを愛したり。本当に普通の女性なんだよなあ。そんな彼女が覚悟を決めていくさまが、そして最後に人々の支持を受けるところが、「上に立つ才能とはこういうことだ」というのを見せつけられたような気がしました。
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