読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
男にだまされふられる度に住む場所を変え、いまは娘のキクりんと小さな漁港に住む肉子ちゃん。太っていて不細工、空気の読めないながら、明るく素直な肉子ちゃんは、焼肉屋の店主に気に入られ、店員として雇われて漁船の家に住むようになり、いまではキクりんも11歳になった。キクりんこと喜久子は学校での出来事や不安定な暮らしに悩む思春期を迎えていて……。
大雑把で世間知らず、太っていて決して美人ではない母と、色白ですらっとしていて、けれど他の女子のように可愛らしく振る舞う性格ではない少女らしい潔癖さを持つ娘。微妙な年頃の喜久子は、同性のクラスメートたちのカーストだったり不安定な暮らしだったり、漠然と不安を感じている。けれど心とは関係なく毎日は続くし、様々な変化も起こって、翻弄されてしまう。
母娘の関係や、思春期の少女の気持ちだったり、すごく丁寧に描かれた作品ですごくよかった。喜久子の気持ちがすごくよくわかってなあ……。それにしてもクラスメート女子の人間関係をこうやってちゃんと理解しているの、すごく頭がいいな。自分に対しても理解が深くて、自分が一番マリアちゃんに怒っている、と気付くところ、すごくぎゅっとなった。
似てない親子に関してはさほど気にしていなかったんですが、そういうことだったのかという描写が挟まるところも、肉子ちゃんの魅力や、母娘の確かな絆を感じられる展開だと思いました。
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